デスゲームでオワタ式を強制されたのでゾンビプレイします 作:にゃー
この作品はハーレム作品ではございません(おそらく)
夕飯を食べ終わった頃には二十時を回っていた。いつもならアルゴの元へ帰るのだが、もともと二日掛ける予定だったため前日にバーストニウムとやらを過剰摂取させてきた。
多分明日の夜までは平気だろう。
このまま寝るというのも選択肢のうちだが、やはり明日のことをシリカと確認しておきたい。
そもそも四十七層に行くことすら伝えてないのだ。さすがに当日に四十七層に行きますなんて言われても無理だろう。
俺かシリカの部屋で打ち合わせをしようと思って提案すると、シリカが俺の部屋に来ることになった。
部屋に入るとアイテムを扉の近くに設置する。【隠蔽】の拡張機能で使用可能となるアイテムで、俺の【隠蔽】熟練度以下の【聞き耳】を無効化するものである。
用意が終わり席につき、まず最初に明日の目的地が四十七層と告げると、少々驚いたような顔をするシリカ。続いて守ってくれますよねと上目遣いで問われる。
あそこの敵は四十七層の中でも攻撃力が低い奴らばかりだし、攻撃も単調なのでエネミーには指一本触らせないし、仮にシリカが攻撃を受けても一割も受けないだろうと答える。
私のレベルは四十四ですけど平気ですかというシリカに、まだ装備を渡してないのを思い出す。
ストレージを開いてモブドロップの装備を何個か選ぶ。
俺は装備できないので近いうちにエギルの店に持っていこうと思っていた装備たちだ。
次々とトレードウィンドウに移していって確定のボタンを押す。
シリカは指輪に加えてこんな装備までと遠慮をするが、俺の目的のために上層へ来てもらうのだし、これくらいは当然だと答える。
それでも渋るので仕方なくシリカの右手を握ってトレード完了のボタンがあるところをタップさせる。
もうっ! と怒るシリカに対して返却は受け付けないからとりあえず着替えてみてと部屋を出る。
部屋を出てみるとそこには首をかしげながら耳を壁に当てている一人の男の姿が。
ドアをしっかりと閉めてから蹴り飛ばし、何をしていたのかを問う。
まあ、答えはわかりきっているのだが。
男はロザリアという女から盗聴を頼まれたと言い、何も聞こえなかったから勘弁してくれと命乞いのような何かをする。
圏内だから殺そうと思っても殺せないんだがな……。
とりあえずウィンドウを可視化させてギルドウィンドウを表示させる。
少なくとも俺が壊滅させようとしているタイタンズハンドのメンバーではないみたいだ。
ならば今回はいいかと思って男を解放する。その際、これ以降一切ロザリアとは会わないこと、仮に圏外で遭遇したら結晶を割ってでも圏内に逃げることを推奨する。とアドバイスをしてやった。
男が一階に降りていくのを見たあとに部屋をノックして入っていいかを聞く。
いいですよーと返事が返ってきたので入ってみれば、天使がいた。
まあ、もちろん比喩なのだが。似合っているよと軽く褒めてから動作に問題はないかなどを確認する。
SAOでは防具のサイズは自動で調整されるのだが、例えば篭手が手首を回せる範囲を狭めてしまったりなどと色々と問題があることもある。
シリカは短剣を軽く振るって問題がないことを確認すると大丈夫みたいですと笑った。
でも、と言ったシリカは部屋着に着替えたいのでと俺にもう一度出るように言う。
俺は全身布製だから気にならないけどシリカは前の装備も今の装備も軽金属が使用されていたか。
疲れを残すのは良くないしと納得した俺はもう一度部屋を出た。
その際廊下を眺めて男が戻ってきていないかを確認してみるが、戻ってきてはいないようだ。
俺も戦闘用の服から部屋着に着替える。
適当なズボンとグレーに金で太陽と猫が描かれたシャツだ。
慣れてはいるがやはりイヤリングや指輪は重量を感じるので勾玉以外のアクセサリもすべて外して完全リラックスモードだ。
勾玉はそんなに重くないしストレージにしまうとバステトが強制的に表に出てくるからしまうことが出来ないのだ。
シリカに呼ばれて入ると天使が以下略。こっちに来てからこんなに感情を揺さぶられるのはアルゴ以外にいなかったな。
再び椅子に座ってアイテムをひとつ出す。
ミラージュスフィアという立体的にマップを表示する貴重品だ。
フロアボスの時は使われないが、フィールドボスの時はしばしば使われることもある。
ミラージュスフィアを展開すると、シリカは綺麗と零すが、さすがにこれは見慣れてしまったのでそうは思わない。とりあえず本物はもっとすごいぞと答えておく。
そして立体的に表示されたマップを指さしてここには――と色々と説明しているうちに結構時間が経っていたようで、シリカは机に体を預けるように眠っていた。
まあ、今日は普通に狩りをしたあとにソロで森を歩いて死にかけるなんて体験をしたのだから疲れていて当然か。
俺はシリカをベッドに運んで毛布をかける。
さて、俺はどこで寝ようかな。
寝袋はあるが――とストレージを開こうとしたところで右袖が握られていることに気がつく。
俺の部屋だし、やましいことをするわけでもなし、まあいいか。