デスゲームでオワタ式を強制されたのでゾンビプレイします   作:にゃー

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ALO編を書くにあたり、かなり困ったことになりました。

キリトたちは十五時にログインします。
十九時にローテアウトして夕飯、二時間ほど(3巻p216)かけてルグルー前の湖に到着、レコンからメッセージが届き、サラマンダーと戦闘。
戦闘後ルグルーに入ってリーファが落ちて長田くんと通話。(そろそろ翠が帰ってくる時間らしい)
一時の会談まであと四十分
直葉がリログしてアルン高原まで走れば会談まであと二十分。

(ゲーム内時間で1時に行われる)会談まであと何分だと思えば、四巻にはリアルで2時で寝落ちしそうなキリトがいて、サクヤたちと別れたのが午前一時過ぎという文章があります。(p14~15)

時間の経過どうなってるの?
まっっっったく分かりません。
辛すぎるよ……

活動報告を立てておくので助けてください。

追記:若干のオリ展開混ぜればもんだいないじゃーん!
ということに気がついたので頑張ります。


全く、油断も隙もあったものでは無い。

 夕飯時にログアウトして、三人で夕飯を食べた。

 その後は亜子を家に送り届け、二時間ほどALOで遊んでからその日は解散となった。

 俺も亜子も暇人ではあるが、詩乃は自宅学習があるため翌日一時過ぎ程にALOで落ち合うことになっている。

 

 昨日今日と三人で一緒にいたこともあり、なかなか静かになった自室で若干の寂しさも覚えながら端末をいじる。

 和人からの連絡は来ていなかった。

 まあ、このくらいの時間になると向こうで寝落ちしてこちらに戻ってくる可能性もあるか。

 とりあえずは明日に期待だな。

 

 そう納得して俺も睡魔に身を任せた。

 

 

 目が覚めると、視界の隅に写る携帯端末がメールの通知を告げる点滅を繰り返していた。

 中を開けて確認してみれば、和人からのメッセージ。

 件名は寝落ちしてた。

 睡眠バカに相応しい件名である。

 

 内容はバグかなにかでシルフ領付近が初期スポーン地点で、偶然あった女性プレイヤーに道案内をしてもらえるようになったらしい。

 和人――この場合はキリトだろうか?

 アレは一日一緒にいるだけで女心をすぐに奪っていく天然のハーレム作成マシーンだ。

 リズだけではなく、他にも何名か攻略組にキリトに向ける目が恋する乙女のものが何個かあったのを覚えている。

 恐らく数日中にキリトとシノンが()()()出会うだろうが、俺としてはフラグが立たないか心配である。

 立つようならばアスナを救出したあとにキリトをボッコボコにしてフラグを折る覚悟まである。

 亜子がいる俺が言うのも変かもしれないが、リア充爆発しろ。

 

 和人にはルグルー回廊入口で待つから着いたたら一旦落ちて伝えろと言っておく。

 こっちも先についたらメッセージを送るので入れ違いになるということは避けられるだろう。

 スイルベーンからルグルー回廊までは四時間もあれば到着するだろう。

 ログインの時間が午後三時と言っていたので七時くらいか。

 うーん。時間が微妙だな。

 亜子もSAO学校に備えて上京して来ているらしく、一人暮らしであるので、夕飯の時間は自由だがあまり遅くに摂るのはよくない。

 やはりこちらは先行してルグルーに入り中立地帯でログアウト、夕飯を食べて待機というのがいいだろう。

 幸い、中立街には伝言を伝えてくれるガードもいるのでこちらならばログアウトの手間もなく、入れ違いになることも防げるだろう。

 

 書いていた文章をすべて消し、『今日は時間的にルグルーが最終地点になるだろうからそこで合流。街についたら伝言用のガードに到着したことを告げるメッセージを残すこと。こっちもついたら同じようにしておく』と文章を送る。

 実際はルグルーにたどり着くのは二十一時か二十二時頃だろう。

 ログアウトするまでには時間がありそうだがそうならばルグルー回廊で戦闘をすればいい。

 流石にあそこから眠くなるまでにアルンにたどり着くことは出来ないからな。

 

 鳥のササミを使ったお茶漬けを食べ、俺は日課のランニングに向かった。

 

 

 ランニングの帰り道、亜子の家によって今日の予定を伝えておく。

 インターフォンを押すと、寝ぼけているのであろう亜子の声で応答され、俺が来たぞーと言えばたっぷり十分ほど(女の子の準備時間にしては短いのかもしれないが)待たされ、家に上げられた。

 

 俺たちは昼を食べたあとにログインし、八時前頃にはルグルーにたどり着く予定だ。

 キリトに伝言を残しログアウトして飯を食ってキリトたちと合流する。

 これが今回の目的だ。

 そう伝えれば今日も俺の家で夕飯を食べよう。ということになって亜子はアミュスフィアと周辺器具を用意して準備完了。と外出準備完了の亜子。

 そうなら夕飯の食材を買って帰ろうか。

 

 ナーヴギアより軽量化されているが、その周辺機器まで含めればそこそこに重い。

 俺は亜子が持っているアミュスフィア入りの手提げカバンをひょいっと奪い取って俺が運ぶという。

 そのままスーパーに入り、食材の購入。

 亜子は個人経営の食事処の一人娘らしく、食材のよしあしを見てくれた。

 会計のオバチャンに仲がいいのねとからかわれたりして、食材をビニール袋に入れて店を出る。

 今晩は比較的食事時間が短くて済み、かつ食休みに時間を使うことなく再ログインできる海鮮丼とあさりの味噌汁だそうだ。

 

 徒歩十分の道のりを、やたらと軽装で外に出たために寒そうにしていた亜子と手をつなぎながら歩く。

 女の子は冬でもフリフリの薄っぺらい服をよく着てられるな。

 とは昔から思っていたが、オシャレと寒さは等価交換らしい。

 まあ俺は亜子ならどんな服装をしていても可愛いと思うけどな。

 そう言うと手から伝わってくる亜子の体温が急上昇する。

 顔を見ればもう真っ赤で手を繋いでいなければ駆け出して言ってしまうのではないかと思うほどだ。

 俺はさらに強く手を握ると、残り数分の家までの時間を楽しんだ。

 

 ◇

 

 家に帰ってきたのは十時過ぎほどだった。

 アミュスフィアの準備をするのにも時間はかからず、詩乃を呼ぶにしてもまだ早い。

 昼時に呼んでご飯を食べ終わったら少し休憩してからALOにログインするのが丁度いいだろう。

 

 SAO以来、数ヶ月致していなかったし、時間的にも丁度良いのだが流石にリアルでは初体験。

 ついでに詩乃がすぐ隣の部屋にいるのでその手のことは少なくとも今はする感じではないだろう。

 ただ、昼までの時間をぼーっと過ごすのは時間の使い方としてもったいないのでALOのニュースを亜子と読むことにした。

 亜子をあぐらの上に座らせて、タブレットを亜子の前に回して見る。

 ALOのニュースは基本的にアルンで起こったことや、アップデート情報が多い。

 種族は基本、閉鎖的なのでなかなかニュースとなるものがないのだ。

 エギルの店で聞いた多段ロケットの話や、アルンの他種族ギルドがヨツンヘイムの邪神エネミーの親玉を体力半分まで追い込んだとか。

 亜子が目をつけたのはアルンのニュースではなく、比較的珍しい外側のニュースだった。

 

 何でもサラマンダーがここ最近大量に狩られているらしく、そのせいか世界樹攻略のために他種族の領主を襲うかもしれないとのこと。

 これは匿名掲示板の書き込みで、書き込んだ主がどの種族なのかは全くわからない。

 古参と思われる書き込みは()()()()()()()()()()()が行われていると囃し立て、新参はやべーじゃん。とコメントを残す。

 百数十ほど書き込みが続いたあとにサラマンダー狩りができるってどこの種族よ。

 という書き込みがあり、古参新参混ざって議論が行われる。

 大前提としてサラマンダーは全種族中で現状一番パワーがあるとされる種族である。

 その理由はALO黎明期、シルフの領主を罠にかけてその報酬として多大な税金をシルフから徴収したからである。

 そんなサラマンダーを、それこそ大規模作戦に打って出るほど削ることができる種族なんているのか?

 そういう問題である。

 領が面しているシルフだという書き込みにはそりゃ無理だろという書き込みがつき、属性的に相性の良いウンディーネであるという書き込みには領地が離れすぎているという指摘がつく。

 そのまま議論が続き、自身をサラマンダーと名乗る被害者の書き込みがひとつ。

 その内容は黒髪のプレイヤーで、猫耳が生えていたやつに狩られたというものだった。

 耳が生えているプレイヤーなど一種族しか存在しない。

 ケットシーは基本的に金髪だが、どの種族でも稀に基本的な外見から外れたアバターが生成される。

 つまりそれだろうと当たりをつけ、黒猫に狩られたプレイヤーにいくつもの質問が続く。

 

 曰く、一人でツーパーティーを壊滅させた化け物。

 曰く、最初にサラマンダー狩りが行われたときは初期装備だった。

 曰く、スリーパーティから何度も逃げ続けながらサラマンダー狩りを続け、森に誘い込んでゲリラ的に壊滅させた悪魔。

 

 最初の方の何個かの書き込みはまともに議論の対象となっていたが、一人でパーティを壊滅云々という話になると流石にないだろ。解散。となってスレッドは終了したようだ。

 

 ニュースを見ながら亜子の肩に顎を置いたり、頬をつついたり、首をなぞったりお腹を触ったりとしていると、亜子の頬をつついてた指が、横を向いた亜子にぱくりと食べられてしまった。

 指を奥に入れすぎないように第二関節から適当に動かしてみれば、亜子の口内が吸い付いてくる。

 舌と思われる柔らかいものが指に絡みつき、頬の内側が左右から刺激する。

 くぽくぽという淫靡な音がなり、亜子の口の端から涎が垂れた時、ハッと我に返る。

 

 いかんいかん。

 SAO時代のお決まりのルートだった。

 亜子を膝の上に乗せると何故かスキンシップがだんだんと激しくなって最終的に指を咥えられ、ムードが出来上がっていきそのまま……。

 と言った感じがかなり多かったのを覚えている。

 指を引き抜いて代わりに一度だけ唇を落とすと、時間を確認する。

 もういい感じの時間だし、そろそろ詩乃を呼ぼうか。

 


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