デスゲームでオワタ式を強制されたのでゾンビプレイします 作:にゃー
あと、オリ主が入手した装備の性能が若干変わりました
クリスタルの勾玉は敏捷アップ
ベルトは索敵有効化
登場してなかった2本尻尾のボス猫のLAは指輪で隠蔽ボーナスor有効化です
書いてる側ですら把握してないとかもうこれわかんねぇな
アルゴを呼び出せば、二十分待ってくれというメッセージのあと、きっちり二十分後に街の正門にやってきた。
「バーストが……プレゼントなんて……珍しいこともあったものだ……ネ?」
始まりの街方向から全力ダッシュしてきたアルゴが息を切らせながら言う。
「まあな。この二ヶ月、結構世話になったし、クリスマスとか正月とか忘れてたから区切りがついた今、ちょっぴり遊んでおこうかなってな」
それでプレゼントなんだが――と包装もなしにLA報酬をトレードウィンドウに二つともぶちこむ。
「お前が【索敵】を持ってるかは知らないけど、持ってないなら両方役立つはずだ」
「……【索敵】はまだスロットがなくて取得してないヨ。それにしても、こんないいもの貰っていいのカ?」
「世話になってたお礼ってな。それに俺は同じの持ってるし、二つあっても予備という名のストレージの肥やしにしかならんからな。使ってもらえると俺も嬉しい」
「そういうことならありがたく貰っておくヨ。部位もベルトと……指輪、指輪なんてね。序盤じゃなかなかいい装備が無い部位だから嬉しいヨ」
「プレゼントも終わったところで遊ぼうと思うんだが、残念ながら俺にはエスコートできん。この街も町長の家の周辺以外知らないし、始まりの街だってよくわからん。上層もベータテストの時にちらっと見たくらいだ」
俺がそういうと、アルゴは首を振って近くに人影がないのを確認すると、俺に近づいて袖をちょいちょいとしたに引っ張る。
腰をかがめてアルゴと目線を合わせると、アルゴは少し背伸びをして耳元でぼそりと囁いた。
「まあ、俺はそれでもいいけど。こんな何でもない日の昼間っからでいいのか?」
「バーストにはプレゼントを貰ったけど、私には用意がないから」
顔を真っ赤にしてつぶやくアルゴ。
それなら、そんな事じゃなくて元気になれよと俺は言う。
通常の思考回路のアルゴじゃあ、ここまで簡単に体を差し出すわけがない。
意識的にしろ無意識的にしろ、だれかとのつながりを求めているのだろう。
事実、拒否の言葉を聞いたアルゴの瞳は揺れている。
「そんな事しなくても俺はお前の友人だし、キリト君もお前を恨んだりしてないはずだ。アイツはネトゲ廃人でコミュ障でLAゲッターなんていうどうしようもないやつだけど正義感は強く感じたし、自分の行動には自分で責任が持てるタイプの人間だからな」
――だから、そんなに気にしてないでSAOを楽しもうぜ。
感情表現が大げさなSAOだからか、アルゴは泣いて俺の胸に顔を埋めた。
俺みたいなのろのろベータテスターとは違い、こいつはベータテスター一番の情報屋とか、そんな肩書きを持ってる奴だ。
責任を感じていたんだろうな。
いくらベータテストで一番信頼されていた情報屋だからって、正式サービスの変更点を知っているわけがないし、一人でボスの偵察を行えるわけもない。
だから、そんなに気に病むな。
アルゴを宥めること半刻ほど、吹っ切れたように俺の胸から顔を上げたアルゴの笑顔はとても綺麗だった。
余談だが、そういえばと切り出したアルゴに、オネエサンの体がそんなこととはなんだ! と怒られて路地裏の民宿に連れ込まれたのは別の話。
◇
路地裏の民宿で一晩明かし、起きてみればいつものようにアルゴは居なかった。
メッセージもないがそれは昨日のことを思い出せば送られていない理由もなんとなく察せられるというものだ。
俺が宿を出てそのままゴーレムの所へ向かうと、ゴーレムは壊れて動作を停止していた。
……俺が壊す前に壊れてるってどゆことー?
いや、ここが現実世界ならともかくここはゲームの世界だ。
壊れたならばポリゴン片となって消えるはず。
ならこれはなにかのイベントか?
そう思って調べてみれば、ゴーレムのパーツのひとつにバステトの祠という名前のものがあった。
もしかして、こいつにバステトが封印されていたのか?
となると、俺がこいつに殴られるためにこいつを動かしたことで封印が弱まったとか。
有り得そうだな。
他にも名前付きの部位がないかと探していると、アイテムとして使用できる部位があった。
名前は、封印の酒壺というものだ。
大きさは200ミリペットボトルくらいか。
手のひらに乗るサイズだ。
詳細を開くと、『悪意に侵されたバステトを封印していたツボ。封印は破られ、本来の力は失っているが、封印そのものの力がなくなった訳では無い』
とフレーバーが出てきて、その下に使用用途が書かれていた。
その使い道は、スキルをひとつ、熟練度ごと収納するというもの。
本来はスロットから外したスキルはつけ直しても育て直しになるのだが、これがあればふたつのスキルを交換しながら育てられるということだ。
これを見て俺はピンときた。
【成長の代償】は何故かスロットから外せないが、こいつを使えば外せるのではないかと。
いまからタンカーとしての戦い方に戻すにはステータスポイント配分的に時間がかかるので却下だが、普通の敏捷ファイターとして戦えるのではないかと。
だが、その結果、なんの成果も得られませんでした。
くそが! もはや呪いだよこれ。
呪いの力に頼ってゾンピプレイしようなんて考えた俺もおかしいかもしれないけどさ。
もう他には無さそうだし、ゴーレムを倒せなかったのは残念だが、そろそろこの街とおさらばする時が来たか。
町長に挨拶をしたら最前線――の一個下のスリップダメージを与えてこない敵しかいない穴場で狩りをしよう。
最前線は攻略組がレベリングだったりをしてるだろうからな。
町長に挨拶をして、始まりの街の転移門から最前線の一つ下、第七層へ飛ぶ。
目的の地点は少し遠いが、マップデータはもらっているし、俺の敏捷なら二時間もあれば確実につくはずだ。
進行方向に現れるモンスターを引き倒しながら移動していると気付かされる。
この武器って今まで使ってたけど一層のクエストアイテムなんだよね。
しかも無強化だし。
当然この層で通用するはずもない。
まあ、ステータスの暴力で今はクリティカル三発くらいで倒せているのだが。
キャンペーン報酬の剣もまだ装備できないし……。
まあ、拠点とする街に着いたら考えればいいだろう。
迷宮区最寄りの街の最寄りの街から迷宮区最寄りの街とは反対方向に行ったところにある街へ到着した。
正直アルゴに説明された時は意味がわからなかったが、迷宮区最寄りの街(A)の最寄りの街(B)から迷宮区最寄りの街(A)とは反対の街(目的地)に着いたということだ。
事前に聞いていた町長の街に泊めてもらえるよう頼んで、武器屋を覗いたりして直刀を探す。
が、片手剣といえばアニールブレードのような西洋剣しか見つからない。
仕方ないのでクエストマークを探して街をふらふらしていると、鍛冶場の前を通りすぎたところで声をかけられた。
振り返ってみるといかにも今まで鉄を叩いてましたよと言った感じのおっさんと、その頭上に輝くクエストマーク。
ビンゴ!
おっさんの話を聞けばおっさんは昔、直刀打ちだったのだが、西洋剣が流行ってきたことでそのシェアを縮小、食い扶持を稼ぐために仕方なく西洋剣を打っていたとのこと。
そんなおっさんがふと外を見てみれば、直刀を腰に下げた俺を見つけたので俺の剣を打ってくれるそうだ。
ただし、西洋剣と直刀では使う鉱石が違うらしく、その鉱石を取りに行ってもらうのが条件らしいが。
純粋な採掘クエストならば無理だったが、討伐クエストみたいなのでクエストを受けて件のモンスターが出る坑道へやってきた。
早速現れたのはピッケルを持ったところどころが岩っぽいゴブリン。
そういえば、純粋な人型と戦うのは随分久しぶりだな。
ゴーレムも人型といえばそうだが、あいつとまともに戦った記憶が無いので却下だ。
人型はパターンこそ多いが、この階層のAIではそこまで脅威となる攻撃は行ってこない。
単純なピッケルの振り下ろしを半身になって躱し、首に攻撃を加える。
四割ほど削れたゴブリンのHPだが、同時に岩っぽい部位からガスが吹き出す。
慌てて飛びのくが、よく考えたら毒は太陽神の瞳で無効になってるし、延焼もキャンペーン報酬の高性能猫耳フード付きコートで無効になっているんだった。
単純なダメージだとしたらそれこそ問題は無いし。
いや、攻略組としてまともに戦うなら今の反応で正解なんだけどさ。
付近には誰もいないしゴリ押しもいいと思うんだ。
時間短縮になるしね。
ガスの噴射が終わったところで攻撃を誘って回避し、今度はソードスキルで首に攻撃する。
当然ソードスキルは通常攻撃よりダメージが大きいので六割残っていたHPを削り飛ばし、一体目討伐。
大体三十秒くらいかな。
鉱石のドロップ率がどんなもんかは分からないけど昼過ぎには終わるだろう。