デスゲームでオワタ式を強制されたのでゾンビプレイします   作:にゃー

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超展開
原作の時間経過が早すぎるのが問題です。

あと二話くらいで終わりそう。


死んでもいいゲームなんだ。楽に行こうぜ。

 先日も緊急メンテナンスが行われていた気がするが、今日は定期メンテナンスの日だった。

 午後三時のメンテナンス終了と同時にログインし――亜子と詩乃は二人でリアルで何かをするらしくログインしなかった――ケットシー領に降り立つ。

 こんなに早くログインしてもアルンまで移動するわけには行かないし、そうすると付近のダンジョンで遊ぶしかない。

 そう思っていると、同じくメンテ明けにログインしたであろうアリシャから領主館に来るようにというメッセージが届いた。

 ログイン地点から五分もしないで到着するところに領主館は存在するのでメッセージには返信せず、領主館へ向かった。

 

 領主館ではメンテナンス直後、午後三時であるというのにも関わらず十人や二十人ではきかない数のプレイヤーが右へ左へと走り回っていた。

 なんでもレプラコーンに装備を作らせるための環境を作っているらしい。

 俺もアリシャに指示されて大量の鉱石や、炉、装備を作る際に消費される通貨などを設置していく。

 レプラコーンに装備を作らせる際に面倒なのは装備を作る段階でも通貨を消費し、装備を作り終わったあとには技術料として通貨を渡さなければならないことだった。

 鉱石などはもはや人数分用意出来ていて、あとは通貨さえあればという状況らしい。

 

 準備を手伝うこと一時間ほど、昨日領地にたどり着いたあとにレプラコーンまで全速で飛んだケットシーたちが技術者(レプラコーン)を連れて帰ってきた。

 技術者たちは領主館に招き入れられると、一目散に炉へかけていき、その周囲に置かれている鉱石や通貨などを驚くような速度で消費し始めた。

 

 彼らは鍛冶中毒の連中らしく、中には当日に有給をとるという手段でここにいる奴もいるらしい。

 山のようにあった鉱石などはすぐに消費され、補充。次いでケットシーの奥の手である竜の鎧を作り始める。

 この鎧は防御力を高めるものでなく、テイムモンスターである竜に特殊行動を付与したりといったいわば竜用の武器だ。

 

 僅か二時間半で全ての装備を鍛え上げたレプラコーンたちは、各々領へと帰っていった。

 

 それから三十分すると、シルフの大軍がケットシー領へ到着。

 これから二種族合同フルレイドでアルンへ向かうことになった。

 移動は切り札である竜に乗ることで行われ、シルフの風魔法によって速度を強化された竜の大軍は、蝶の谷のモンスターを蹴散らしてアルンへと移動を始めた。

 

 

 僅か一時間でアルンに到着し、世界樹の根元で簡単な作戦会議が行われる。

 とはいえ、もうキリトたちが挑戦しているため簡単も簡単、なにせお互いにお互いの種族が扱える最高の遠距離手段を持って指揮官の命令に従って爆撃するだけなのだから。

 ちなみに、ケットシー側のメンバーは殆どがテイマーであり、そうでないのは俺くらいである。

 護衛のバフがシルフの軍勢分乗るということで、遠距離範囲魔法をブッパするお仕事だ。

 今回はテイムに成功している竜を全て引っ張ってきたとはいえ、僅か十頭。

 アリシャを含め十名のテイマーと俺の十一名がケットシーの戦力であり、それ以外の五十人以上の人数がシルフ側の戦力である。

 今回は基本的に遠距離攻撃しか行わないのでシルフの数が減ることはほとんどないし、最後までサラマンダー戦とそこまで変わらない能力値で戦うことができるということだ。

 

 シルフの大軍を先に入らせてから、竜に乗ったケットシーたちも入場する。

 やはりキリトたちが既に戦闘しており、キリトは羽虫のような数のガーディアンに囲まれていた。

 シルフか、ケットシーか。

 誰かがキリトにタグを付けて範囲攻撃に巻き込まないように気をつけろと叫ぶ。

 

 シルフはSAO時代についぞ見ることが叶わなかった飛ぶ斬撃を放って敵の数を減らし、ケットシー側は竜のブレスで殺虫スプレーの如くガーディアンを燃やし、撃ち落とす。

 俺はといえばアリシャが乗っている竜に相乗りさせてもらっていた。

 MPポーションを飲み、魔法の詠唱を開始する。

 今日この時だけのためにアリシャは俺にスキルの熟練度はそのままにスキルスロットから取り外せる、いわば封印の酒壺のようなアイテムを複数プレゼントしてくれた。

 そのアイテムによりスキルを取り外すと、BSPは再度振り分け可能となるという。

 俺はスキルビルドを切り替え、純メイジと言える構成となっている。

 会談の時よりは他種族プレイヤーが十人近く少ないが、スキル構成の変化によりあの時と遜色のないステータスを発揮しているだろう。

 つまり――半径二十メートルの範囲闇魔法の連射、貴様らに受けきれるか?

 アリシャと同時に詠唱することによりあの時よりも範囲、威力ともに上昇した範囲魔法が連射される。

 現在の俺を十、アリシャを二とした場合、二人で別々に放てば十二となるが、同時に詠唱し、ひとつの魔法とすればその威力は倍増する。

 

 『闇に飲まれよ!』

 

 俺やシルフ、竜たちの範囲攻撃によって瞬く間に撃破されるガーディアンたちだが、その出現スピードが異常だった。

 現状で秒間十――二十近く出現している。

 当然俺たちの攻撃には詠唱時間なり、エクストラアタックの冷却時間なり、ブレスの冷却時間が存在するためここまでの速度で出現されると対処ができない。

 しかし、あともう少しで先頭のキリトがゴールへ到着する。

 

 たかがひと月、たかがスキルポイントだ。

 

 翅を出してアリシャの竜から飛び出す。

 俺と同じく【闇魔法】を所持しているから分かるのだろうか。

 俺は正真正銘の【闇魔法】最大の魔法を詠唱する。

 ――自爆魔法。ひとくくりにそうは言ってもその種類は複数ある。

 デスペナルティの比較的軽いもの、重いもの。

 範囲が広いもの、威力が高いもの。

 

 今回は出血大サービスだ。デスペナ、範囲、威力、すべて最大級。

 しかも味方プレイヤーは巻き込まないオプションつき。

 

 次の瞬間、半径百メートル以上の世界樹の幹内部。その全てが闇魔法のエフェクトに埋め尽くされた。

 その範囲内にいたガーディアンは問答無用で消滅し、ガーディアンの出現地点でもあった六角形の穴たちはその出入口を闇の幕に覆われた。

 

 たっぷり十秒近く魔法のエフェクトが世界を覆い、それがなくなった時にはガーディアンは存在していなかった。

 新しく出現するはずのガーディアンも、闇魔法のエフェクトとは明らかに違う()()()燐光を放つ光の幕がその出入口を塞いでいて出現しない。

 

 自爆魔法を唱えたあとにも存在するはずのリメインライトはどこにも存在しなかった。

 

 ――【闇魔法】熟練度(カンスト)所持BSP四千四百四十四ポイント以上。

 その極めて難しい前提条件を突破した末に文字通り全てをなげうって発動できる文字通りの自爆魔法。

 もはやケットシー領の名簿に黒髪の少年は存在していなかった。

 

 少女の視界に常に表示されていたはずの体力バーも、HPを全損したことを伝える空っぽのものではなく、最初から存在していなかったようにあとかたもなく消滅していた。

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