デスゲームでオワタ式を強制されたのでゾンビプレイします 作:にゃー
今後もそんな感じで投稿するかもしれません。
GGOとALOの最近と、リアルについて
現在俺は、ガンゲイル・オンライン通称GGOを楽しんでいた。
GGOは銃が支配するVRMMOで、敵も味方も大体が中・遠距離での攻撃手段を持っているというSAOとは真逆のゲームであった。
一つだけ共通することがあるとすれば、プレイヤーの多くが本気であるということだ。
GGOにはゲーム内通貨を電子マネーに変換できる機能があるため、ゲーム内で稼ぎまくれば毎月の接続料を補填する他、さらに実際に給料のようなものが発生するからだ。
理由は『生存・解放』と、『金稼ぎ』という違いこそ存在するものの、本気のゲームであるということに魅せられていた。
数週間前には新生アインクラッドの攻略を行っていたのだが、死が現実のものにならない。つまり死に戻り出来るアインクラッドに違和感を感じ、俺は七十五層まではあの城に関わらないことを決めたのだ。
キリトにそう言ったところ、結構危険思想の持ち主なんじゃないか?
と、からかわれてしまったが、実際SAOで俺の価値観はかなり変わったと思う。
認めたくはないが、違法実験が行われていた頃の種族間対抗のPK推奨時代の(現状ALOはPKボーナスがかなり低くなったため自分の意見を無理矢理に押し通す時くらいしかPKは行われない)ALOの方が本気で戦闘ができて楽しかったし、それよりも全員が本気でモンスターを倒して、一致団結してボスを攻略する、そんなSAOの方が楽しかったのだ。
あまり言うと懐古厨乙となってしまうので話を戻すが、今の俺は新生アインクラッドには触れない代わりに、七星剣という伝説級武器が入手できる寺の個人アタックを行っている。
もちろんソロクリア出来るなどとは思っていないが、キリトたちに頼む前の事前調査ということだ。
そして、そんな本気の事前調査の合間にはGGOにログインして鉄砲をバンバンとうっているというわけだ。
そんなGGOでのステータス振りは、STR-DEX-AGL振り。
SAOとは違い、複数のステータスが存在するゲームでの基本的ステータス割り振りは一極、もしくは二極が基本であるためになかなか歪なステータス割り振りと言える。
しかし、GGOの基礎システムがカーディナルシステムの機能縮小版である世界の種子を使ったものであることを知っている俺は、今流行りのAGL一極集中の弱点を知っていた。
簡単に言えば走る速度はそこまで伸びない。
今はいいが、レベルが上がってくるにつれて体を移動させての回避は難しくなるだろうし、システム的な命中率何パーセント、回避率何パーセントという回避の方法も少なくとも五割は命中するようになる。
SAO時代の俺たちは筋力と敏捷力しか振り分けるものがなかったからいいが、複数に振分けることができるこのゲームでAGL一極集中は地雷だ。
やるならば防具も武器もいいものが装備できるようにSTR-AGLのSAO仕様でやれと言いたい。
俺のSTR-DEX-AGL振りは、筋力上げて強い銃を使いましょう。器用さ上げて命中率をあげましょう。素早さ上げて移動速度を上げましょう。
といった欲張りセットである。
といっても均等振りではなくSTR-DEXがメインでAGLは最低限だ。
自由に動けるVRMMOで機敏に動けないのは許せない俺が、必要だと思ったところまで振り分けるというなんとも大雑把な最低限だが。
そして得物は高い筋力に見合わないハンドガンと、ライトセ〇バーである。
といってもラ〇トセーバーは基本的に防御用。
敵の銃弾が通る場所に置いておけば問答無用でその弾を消滅させるというインチキ効果を持っているからだ。
ライ〇セーバーで切りつけた際のダメージもシャレにならないほど大きいのだが、今の環境では近づいて斬るよりも、攻撃を防いでリロード中にハンドガンで脳天を撃ち抜くほうが早い。
リロードは基本的に物陰などの射線が通らない場所に隠れてやるのだが、こっちが追い立てれば相手はリロードを行うタイミングの尽くを逃し、結果的に一か八かのリロードを行って頭に穴を開けてくれるということだ。
ちなみに、俺のハンドガンはデザートイーグルと呼ばれる拳銃で一番火力があるらしいものを使っている。
その中でも装弾数と反動が残念な代わりに威力を求めているためになかなかピーキーな武装となっている。
反動は高いSTRとそこそこのDEXで流しているが、軽めのハンドガンのように連射は出来ないので複数相手の戦いは少し苦手だ。
が、複数相手の場合はこちらも複数。
STRにほとんど振り切ったスナイパーが援護してくれるためになかなか負けることは無い。
そのスナイパーとは、シノンのことである。
シノンの過去的にGGOは無理だろうなと思ってやらないでいた時があったのだが、俺の部屋で端末をいじりながらVRMMOを物色していた詩乃がGGOを発見。
気分を悪くしながらも克服するためにやってみると言い出して結果的に俺も詩乃もGGOにハマったというわけだ。
亜子ことアルゴもGGOをプレイしていて、AGL-DEX振り。
通常のAGL極型よりも命中精度が高いが回避補正などに薄い型である。
そんなアルゴは俺とシノンが狩るための
ステータス振りからあまり戦闘には適さないが、以前三人でダンジョンに潜った時には地下直行の
そのボス戦ではシノンは落下地点からの狙撃、アルゴは落下地点よりボスとの距離が近くなり、ちょうど額の弱点と同じ高さの観客席。
俺は闘技場に降りてボスを光剣で切り刻むという無茶な戦いをしていた。
ボスが吐き出す有毒ガスは、最高級品のフィルターを数秒で腐らせ、鉤爪は当たれば即死だと直感し、熱線だってそれに同じだ。
だが、その戦闘は序盤こそ苦戦(主にヘイトをとってる俺が)したものの、アルゴの放った一発の弾丸で勝負が決した。
その弾丸は動き回るボスの額に吸い込まれ、ダメージこそ少なかったものの怯みを取ったのだ。
頭を上げて、振り子のように戻って怯みから開放されたボスの額にもう一発の弾丸。
次はシノンの狙撃だった。
その怯みから開放されるとアルゴの攻撃。
二人のリロードタイミングを考えてボスの体を登った俺は額付近に座り込んでローテーションに加わった。
アルゴ、シノン、俺(光剣)。
アルゴ、シノン、俺(光剣)。
二人のリロードタイミングの周期は完全にずれていたため、俺が左手に持ったデザートイーグルでその順の攻撃を代行するということで完全にボスをハメ殺すことに成功したのだ。
その結果入手したのがシノンの持つサーバーに数丁しか存在が確認されていないアンチマテリアルライフル。名を«PGM・ウルティマラティオ・へカートⅡ»という。
へカートとはヘカテーであり、一発で敵プレイヤーを
他にも装備が複数落ち、俺はエネルギー残量の制限がない最高品質の光剣を(光剣は品質により威力は上下せず常に一定でありエネルギー総量、消耗スピードなどからその品質が決定する)アルゴは偵察に適したSAO時代を思わせるくすんだ赤の光学迷彩機能を持ったマントを入手した。
ちなみに、その三つ以外の報酬はなにもドロップしなかった。
帰りはボス戦よりも過酷だった。
地下――つまり高難易度のダンジョンの最下層。
当然出現するモンスターは強く、数だって多い。
アルゴに先導される形で敵の少ない道へと進んでいき、どうしても戦闘が免れない時には発砲音で敵に察知されるのを防ぐためにドロップしたばかりの光剣で数秒かけて(大体の敵は一回斬ることができれば体力を全損する)撃破するという作業を数時間行ってダンジョンから脱出したものだ。
アルゴとシノンには二度と調子に乗ってシュートトラップを起動させるなと約束させられたが、報酬を考えても帰りが辛すぎるため絶対にやらないと誓ったものだ。
◇
さて、GGOの話を沢山したが、残念ながら今はテスト期間。
VRMMO禁止令が詩乃によって発令されている。
GGOやALOに割いていた時間を勉強に振り分け直すのだ。
本来ならば三人の誰かの家に集まって勉強することになっていたのだが、そこにおじゃま虫が一人入り、ファミレスで行うことになった。
シンカワなんとかと言い、押しに弱い詩乃に無理矢理首を縦に振らせて参加してきたやつであり、新学期から近づこうとしてきた男子生徒である。
俺はこいつの考えが全く読めん。
俺たちの過去がばら撒かれてからも超積極的に近づこうとしてくるし、目がなんかおかしい。
SAO時代に一瞬だけ見たレッドの目にそっくりだ。
なので俺は、勉強会を中断させることにした。
腕時計をちらっと見て――
「あ、今日特売なの忘れてたわ」
必殺、一人暮らし学生の特売アタック。
おひとり様限定のものを買いたいから詩乃と亜子もついてきてくれ!
シンカワくん? いやいや、無関係の人の手を煩わせる訳には行かないよ。
お詫びとしてここの会計は払っておくから!
じゃねー!
会計を済ませ、店を出たところで
「ちょっと! この時間に特売なんてあるわけないでしょ!?」
無い時間を選んで勉強してるんだから。と詩乃。
いいか、シンカワは危険だ。おかしいと言い換えてもいい。
アイツの目は狂信者や殺人者に似た狂った目をしている。
そもそも俺たちに近づく理由が不透明だ。
詩乃に惚れているという理由なら健全だが、そうだったとしても詩乃は嫁にやらんからダメだ。
田舎のおじいちゃんだってそうするはずだ。
「新川クンのことは一先ず置いておくとして、黒虎が私を嫁に出さないとか言うのって、なんで?」
聞かれたくない質問第一位である。
答えないとダメ? 答えてくれないと納得しませんですかそうですか。
妹分を嫁に出したくないなんて考えるのは当たり前のことだとは思うが、それくらいで男との接触を断ち切るほど俺は過保護ではない。
何度も言っているとおり詩乃は俺の知らない間にかなり美人になったし、再開してからも昔みたいに接してくれている。
そんな近い距離にいる美少女に独占欲なりを抱かない男がいるだろうか。
いないだろう。つまり、兄の俺が妹の詩乃を大事に思って嫁に出したくないと思うのと、男の俺が女の詩乃を独占したいというしょーもない理由もある。
比率で言えば七三……いや、六四……三七くらいかなぁ。
「え……ふ、ふーん。そう。そういうことなら新川クンとは距離を置いてあげるわ」
詩乃は俺と合わせていた視線を外して帰路につく。
さすがにしょうもなさ過ぎて愛想つかれたりしたかなぁ。
俺の背中に飛び乗った亜子に、「三人ずぅーと一緒だナ」と耳元で囁かれる。
そうだといいなと俺は思った。
ダンジョンアタック(落とし穴で攻略)