デスゲームでオワタ式を強制されたのでゾンビプレイします   作:にゃー

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色つきました、ありがとうございます。
あと透明ランキング以外にも乗りましたありがとうございます。


速さが足りない!

 館へ帰り、討伐の報告をすると、単発クエストとしては明らかに多い5万コルを受け取り、屋敷を出ることになった。

 髪留めは? と思いながら執事に案内されて外へ向かっていると、「あの!」と声をかけられた。

 振り返ってみればまだ十にも満たないであろう女の子がいて、俺が振り返ったあとにこちらへ駆けてきた。

 女の子は魔王を倒してくれてありがとうございましたと言い、これを受け取ってくださいと髪留めを渡された。

 

 魔王というのは黒騎士のことだろうか。

 まあ、お姫様を攫うのはいつの世も魔王か。

 となるとあの黒騎士はこんな小さな女の子の身柄を要求していたのか……。

 髪留めを受け取って前髪につけ、悪い奴には気をつけろよと軽く頭を撫でて少し先で待ってくれている執事の方へ移動した。

 

 

 さっきは手早く髪留めをつけたが、髪が邪魔にならないように留めたい。

 広場に座って試行錯誤しながら髪をいじっていると、栗色の長い髪をたなびかせた美少女と女顔の優男が転移門から現れ、外門の方に歩いていった。

 くそ、リア充爆発しろ。

 装備も見た感じこの階層の上位装備だったし、勝ち組というやつは凄いんだな。

 

 イラッとしたのでアルゴにさっきの二人組のことを聞くメッセージを作り、序におすすめの髪の留めかたを教えてくれと書き、メッセージを送る。

 少しするとどこで見た? というメッセージが返ってきたので九層の主街区と返す。

 

 髪留めをいい感じの位置にするために髪をいじっていて気がついたんだが、このゲーム髪の毛の一本一本まで再現されてるのね。

 物理演算もおかしくないし、それを展開できるナーヴギアも、一万人分処理できるサーバーもすごいと思った。

 

 メッセージを返して十分くらい後、後から髪留めを取り上げられて何者だと振り向こうとしたら髪を弄られていい感じに固定された。

 頭を振ってズレた時に視界を塞がないか試してみても問題は無い。

 振り向いてお礼を言うと、案の定アルゴだった。

 

「それで、リア充コンビはどっちに行ったんダ?」

 

 あっち、と外門の方を指す。

 アルゴはため息をついてならいいやと俺の横に座る。

 

「有名人かなんかか?」

 

「攻略組の中でも結構な有名人だヨ」

 

「ふーん。俺はアルゴ以外のやつと話したことないし知らなかったな」

 

「まっ、ボス攻略に出れば会えるヨ。ところで、もう攻略組としてやれるカ?」

 

「防具集めてレベルをもうちょい上げればな。戦い方はクエストボスとか相手にして結構うまくなったと思うし。問題はコレね」

 

 上着をつまんでパタパタさせながら言う。

 

「まだ初期装備なのカ……。さっき見つけたクエストがあるから行ってみるカ? 多分上着が貰えるクエストだと思うゾ」

 

「じゃあ案内頼むわ。どんなクエストとかわかるか?」

 

「見つけたばかりだからなんとも言えないナ。多分討伐系じゃないと思うゾ」

 

 時間がなるべくかからないクエストがいいかな。

 アルゴに案内されて八層へ転移し、迷宮区最寄りの街へと移動した。

 道中では、あまり敵は出てこなかったが、出てきた敵はさっさとワンパンしていたので平和な旅路となった。

 

 迷宮区最寄りの街は主街区とは違い、そこまで栄えてはいなかった。

 まあ、迷宮区からモンスターが来るからその前線基地みたいな設定なのかもしれない。

 街の中央付近の服飾屋へ案内されて、クエストNPCに話しかけるとクエストが始まる。

 クエストの内容は街中に一定数のチラシを時間内に配るというもの。

 マップに区域わけがなされ、同一区域内で大量に配ることは出来ないらしい。

 一応2人で受けている扱いなので一緒に街を回ることも出来るが、俺もアルゴも効率厨。

 店は中央付近にあるのでここから上下に分かれて、時計回りで街を一周して配ることになった。

 

 店を出ると、「競走だゾ」と言ってアルゴが屋根の上に跳んで走り去っていったので俺も負けじと街を駆ける。なかなか入り組んだ構造にイラついたので俺も屋根に登り、上からチラシをばらまいていく。

 もしかしなくてもアルゴはこの街が入り組んでることを知ってたな?

 『さっき見つけた』と言っていたし、一度ここに来てクエストを自分自身で見つけたんだろう。

 屋根に登ると移動が楽になり、三十分ほどでチラシを配り終えて店に戻る。

 そこには既に配り終えて紅茶を飲んでるアルゴがいた。

 クエスト終了の報告をしてアルゴの向かいに座る。

 クエスト報酬はアルゴの予想通り上着。

 防御力は皆無だが、正確性が上がる装備だ。

 

 向かいに座っているアルゴは報酬ランクが最高だったから許すけどと前置きをしてから、ステータスの割には遅いと文句を言う。

 アルゴはどのくらいで配り終えたのかを聞くと、二十分ほどで終わったそうだ。

 なんでも俺は、敏捷ファイターとしては十分かもしれないが、速さを生かしきれてないらしい。

 【疾走】や【軽業】がないから仕方ないかもしれないけど、とアルゴ。

 たしかに俺は瞬間離脱とその逆しか行っていなかったな。

 撹乱とかそんな感じの戦い方はやってなかった気がする。

 今まで迷宮区で戦ったことはないが、迷宮区だと壁があるためその戦い方では難しいし、フロアボスも部屋が広いとはいえ参加人数が多くなるため難しくなるらしい。

 らしいというのはアルゴも実際に確かめた訳ではなく、主街区でみたリア充の女の子の方から聞いたかららしい。

 それなら今度のレベリング場所は迷宮区でやってみるかな。

 毒を使う奴がいるって聞いたけど太陽神の瞳のおかげで毒は効かないし。

 今日はもう夕方だから九層に戻ってまた迷宮区に行ってると夜になるからやめておくとする。

 となると今日は暇だ。アルゴに用事があるかを聞いてみれば、暇だというので夕飯に誘う。

 ベータ時代に見つけた穴場が九層の主街区にあるんだよね。





 
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