二トクリスがメインに出ないFGOは〇〇ゲー、はっきりわかるんじゃな!
今話はpcで書いたため文章がいつもより変わっています。ルビとか一つも振ってません。
「――午後はどうしますか? 同盟者」
冬木教会から話も聞き、いまだ雨が続く昼。
私と
「そうだな……とりあえず、雨も続いてるからそろそろホテルに移ろうか。いつまでもあそこから出入りは嫌だろう?」
「当然です。というか今更ですか、最初から借宿を取っていればいいものを……」
「本当は取ろうと思ったんだが、ここに来てからあんまり時間が無かっただろう? それでな……」
ふむ、確かに……ん?
初日はバーサーカーと追いかけあい。二日目は自己紹介。三日目は神殿造りを始めた。そこから約一週間は
「…………確かに無かったですね」
「だろ?」
「……ええ」
「……どうした?」
「いえ――」
はっ、私の聖杯戦争ほのぼのすぎ! などと先日見たテレビCMを思い出すがきっとこれでいいのだ。「戦争とは始まる前に終わっている」とはこの世界でも有名な言葉だ。策略とは、策を弄するための策を練ること云うのだ。それを考えれば、この地より闞沢な魔力が蔓延る世界を持ってる
「……それにしても、あのマキリの死霊魔術はなんとかしなければなりませんね」
「そうだな。さすがにサーヴァントが最低でも二体。意識がないとはいえめんどくさいな」
死霊となり、肉体のみ隷属されたサーヴァントには少し同情してしまう。
願いを持ち、聖杯戦争に参戦したが召喚された直後に自害を命じられ魂なき死霊と化す。それはあまりにも残酷で、外道すぎる。
「――一度だけ、マキリをロンドンの魔術協会で見たことがある」
「あの老翁をですか?」
「いや、当時はアレもそこまで腐ってなくてな。俺が見たときはまだ若く、人だった。格好も今みたいな腰の曲がったもんじゃなく、背筋が張って見聞しただけだが人気だったらしい」
腐敗。
「生き物が好きだって、俺はよく云ったろ? それはもちろん人類にも当てはまって、面白そうな奴がいれば声をかけるんだ。当時はマキリよりも面白い奴が何人かいてな、そっちと関わったりしてたんだがそれでもマキリの噂は耳に入ってきた。今はなにをしようと、考えてるのかはわからないが――“人類の救済”それに近いものを奴は求めていたようだ」
だが、と
「人の寿命は歴史の中では白露が落ちるほどに短い。それが自分では無理だとわかったマキリは後継者に自らの願いを託すことにした。幸い、容姿も相まって相手はすぐに見つかったんだが……いい後継者ができなかったらしい。マキリの刻印は特殊で、長い間その身に慣れさせるために一種の蟲毒みたいなものだ。当然それに耐える子供なんていないし、たとえ終わるまで生きていたとしても廃人みたいに使いものにはならない。後継者造りが無理だと分かればマキリの考えは少しずつ歪んでいった。――永遠の命。それで、願いを叶えようとした」
「永遠の命……」
「そ――。他人から生きる力を奪い、それを糧に延命し続ける。そんな魔術を開発した」
「――なっ! 人を救う願いを持った人物が、自ら人を殺すようなことを!」
「元々、人類ってのは人間の寿命で生きれるように設定されている。人間を構成している魂、肉体、精神、この三つは特に遵守する。これは他の生き物にも云えて、もし永遠の命を宿すならば先の三つすべてを永遠に適応させなければならない」
魂が永遠ならば、肉体は腐敗し、精神はすり減りやがて無に帰る。
肉体が永遠ならば、魂は流され、精神は消滅しやがて無に帰る。
精神が永遠ならば、魂は存在せず、肉体も無いためにやがて無に帰る
自然が許さないのだ。中途半端な永遠を。
永遠になるならばどれかを犠牲にしたうえで成り立っている。だからこそ魔術師たちは本当の意味で不老不死を叶えることはできずに、延命に終わっている。
ただ、この世界にも魔術師程度ではない例外は存在するが。
「たぶん、マキリは肉体のみに固執して魂や精神までに手を回せなかったんだろう。五〇〇年、その歳月を積み重ねたマキリに、自我は残ってないだろう」
「では、あれはなにで生きているとお考えで……?」
「――妄執。それは五〇〇年に及ぶ妄執だ。今の奴を表すには“過去”が正しい。ただただ、そこに間桐臓硯の意思はなく残り香と呼べる感情が無数の歳月を経てすり減ったものしか残っていないだろうな」
①
雨はまだ止まない。
横凪の風が窓を叩きつけているのが、昼餉の会計をしている
「とりあえず今日はカバン取りに行ってホテルの予約に行くか」
自動ドアを抜けると冷たい風が体を刺す。魔力で構成されている、なんて云うが五感まで正確に表現するとは奇特な製作者である。
「別に霊体化してもいいんだぞ?」
「いえ……せっかく買っていただいた服もあるので……」
「気にしなくてもいいのに……あ、霊体化したら服だけ残ってしまうのか」
「そうですが……ダメですか?」
「や、そういうわけじゃないよ。また別のも買いに行かないとね」
「私に似合うものがあればいいですが、ね」
「似合うもなにも、ニトちゃんが着ればなんでも可愛くなるぞ」
「もう……世辞を云ってもなにも出てきませんよ」
「世辞じゃないからなにも出てなくてもいいよ」
「なんですかそれ、そうやっていろいろな人に云ってるんですか?」
「いや、そういうわけじゃ――」
どうでもいいこと交わしながらカバンのある路地裏へと向かう。
同盟者はカバンをただの飾りだと云っていたがそれでも必要なものには変わりない。それに雑に扱い続けて
いつもの路地裏の入り口に入る――入ろうとして足を止めた。
「血の匂い――」
「それと焦臭……」
霊体化し、服を脱ぐ。地面に付く前に疑似空間にしまい礼装を具現化させる。
「――ずいぶんお早い帰りじゃない」
声がする。
溝は雨水に溢れかえっており、それでも掃除は行き届いているのかゴミは無い。影のかかった電柱のそばからでそんな言葉とともに姿を現したのは――邪竜娘だった。
「なにがあったのですか、邪竜娘」
「なぜ外に出てるんだ、引きこもり」
その姿はいつものTシャツに適当なジャージズボンといったラフな格好ではなく、おそらく外出用であろう黒いシャツに上から着た女ものの黒いコート、ジーパンは長い脚の彼女によく似合っている。
しかし、そんな彼女の美麗な容姿と同等に目立つのは二つ――“黒い旗”と私服の上から装備された金属の“籠手”。
「あんたたちが外に行ったあと、少しして扉が叩かれる音を聞いたの。まあ、二人じゃないってのはわかってたけど一応確認しに行ったらいきなり真っ黒な奴から襲われたのよ」
「……襲われた?」
「ほい、カバン」
「ん、ありがとう」
旗とは逆の手に持っていたカバンを渡している。
「ん……」
ふと疑問に思う。確か
「もしや、
本体にかけているのか、空間にかけているのか。気配遮断などは特にそこが顕著になる。
森の中に一本の木があるとする。その木を気配遮断によって隠したいのならば、魔術をかけれる者はその木自体に気配遮断をかけるだろう。しかし、より高度な者は一本の木を中心に周辺の木々すべてに気配遮断を浅くかけ、木に近づくごとに深くかける。なぜなら一本の木が遮断されているという状況に、違和感を感じるものがいるからだ。木々ならばその違和感は魔術師だけではなく、植木職人にすら見破られるだろう。
だからこそ、
「…………」
「あのセイバーを治療するときに、カバンを動かしたときですね?」
「……か、かなぁ?」
「……………はぁ」
ため息が漏れてしまう。
「そんなことより、場所がばれたんでしょ。移動するの?」
「ああ。そろそろこの辛気臭い場所からも移動しようって話になってな。とりあえずホテルに移ることになった」
「ホテル? 久しぶりじゃない。私、あの回転するベッドがあるとこがいいわ」
「む、それもいいな。駅前のホテルがとれなかったらそこだな」
回転するベッドとはなんだろうか? この国には娯楽を踏まえて、睡眠中にも楽しめるものがあるようだ。聖杯からの知識が送られてきたが、見てはいけないような気がする……うっ。
「ええ、それもそうですが
「そ、それはもちろんだ。結果的に引きこもりが無事にいたが、今後無いように気を付ける……」
「そうよそうよ、お詫びになにかしなさいよ」
「おい、汚れるだろっ」
邪竜娘は雨で濡れた頭を同盟者のコートに擦り付けている。犬のように見え、
「――さっきので魔力使ったから補給してよね」
「――わかったから、あんまり濡らさないでくれ」
「自業自得よ」
邪竜娘はふん、と鼻を鳴らしながら礼装を解いた。
はて、魔力補給とは……?
・主人公【???】
特になし。ほんとに主人公か……?
・ニトクリス【もはや主人公】
この二次小説のお尻役。もぅかぁぃくて仕方ない。ほんと立ちバックしたい。
・邪竜娘【初見せ場……?】
旗持ちに軽鎧……いったい誰だ?
・マキリ
主人公が呼ぶ場合はマキリ、ニトクリスが呼ぶ場合は老翁と固定します。ある意味今作が一番最近に書いたのでこの先の数話まばらになってることがあるので追い追い変えます。
・最後に……
待たせてすいません。
自分はニトクリスと同じでピコピコするマシンみたいのが苦手でよく誤操作してしまいます。
会社でも「お前はpc使うとよく失敗するから、タイプライターでいいんじゃないか? はっはっは」っていわれるくらいです。
書きかたですがpcで書いたこっちの方が良かったら★マークかなんか規約違反にならないていどに付けといてくれるとありがたいです。