ハリー・ポッターと西行の娘   作:姫桜

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ハリーポッターが来た

私は教員用の席に着き、静かに座っている。

早くご飯がでてこないかなぁ、なんて考えてたらアルバスがハンカチをくれた。危ない危ない。

口元を拭きつつ、私はアルバスに問う。

 

「今日はあのハリー・ポッターが来るのよね?楽しみだわ。」

「ユユコ、楽しみにしているのはハリー・ポッターではなく料理じゃないかの?」

「失礼ね。ハリー・ポッターのことも楽しみにしているわ。」

「料理を楽しみにしているのはあながち間違いではなかったのじゃな。儂の思った通りじゃ」

「食い意地が張ってて悪かったわね。」

「そう拗ねるでおくれ、ユユコ。」

 

傍から見れば父娘のようにも見えるだろう。

なにせ私は(身体は)十歳前半程だ。

新入生に混ざってても不思議ではない。

歳をとらないのは幽霊のいい所と言える。

悲しいところでもあるが。

 

「ところでアルバス、賢者の石を守る為の部屋、アレでよかったのかしら?」

 

小声で私はアルバスに問う。

 

「ほっほっほ、心配性じゃの」

 

と、アルバスは能天気に笑いながら言った。

まあ、アルバスに限って失敗はないと思うが…

 

「アルバス、私は少し寝るわ。昨日部屋を作るのに徹夜したのよ。」

「わかった。いつ起こせばいいかの?」

「歓迎会始まる前。あれ私もやりたい。」

「わかったわかった。やっぱり、料理が目当てなんじゃな。」

「ほっといて」

 

 

 

 

鼻をくすぐるいい匂いに私は飛び起きた。

隣ではアルバスが手を上げていた。

 

「どうやら、不要だったようじゃの」

 

起こしてくれようとしたいたらしい。

改めて渡されたハンカチで口を拭きながら「こんないい匂いがするんだもの。飛び起きるわ。」と返す。

アルバスは立ち上がり、演説をするように大げさに言った

 

「ホグワーツの新入生、おめでとう!歓迎会を始める前に、儂から二言、サイギョウジ先生からも二言、言わせていただきたい。では、いきますぞ。」

 

私は立ち上がり手を一丁締めのようにして

 

「そーれ!」

「わっしょい!」

「こらしょい!」

「「どっこらしょい!以上!」」

 

うんうん、やっぱりこれは面白い。

特に生徒の顔が面白い。

さてその後は楽しい楽しいお食事会。

始まりと同時にアルバス含め私以外の教員達は大急ぎで自分の分を皿に取り分け、私の手を警戒しながら食事をしている。

ミネルバなんて皿を遠ざけるくらいだ。

ちなみにクィレル先生はオロオロして取り損ねた。

 

「さて、それじゃいただきます。」

 

私はいつものペースで料理を食べ始めた。

アルバスは私が伸ばした手を掴み止めながらクィレル先生に少し分けている。

どうやら奇襲は失敗したらしい。

片手で料理を口に運びつつ「少しくらい分けてくれてもいいじゃない」と言うと

 

「君の少しは洒落にならない量なんじゃから、勘弁しておくれんかの?」

 

と、真顔で言われた。

 

 

 

 

さて、そんな楽しいお食事会も終わり、腹八分目の私はアルバスに不満を持ちつつ注意事項を聞いていた。

やはり六年前と変わっていないらしい。

いや、四階の右の廊下に行ってはいけない、は新しい注意だった。

理由を知ってる私としてはまぁ別に疑問に思うことでもない。

…はて、そういえば誰か重要な人物を忘れていたような気が…

なんかすごい男の子だったはず…

 

「ユユコ。君は明日の妖精の呪文の準備をしなくていいのかの?確か殆ど準備が出来てない、と言っていたはずじゃが」

 

その瞬間ミネルバから殺気が飛んできた。

まずい

 

「そ、そうね。私はすぐに準備をしに行くわ!さよなら!」

「待ちなさい」

 

ミネルバが私の脇に手を通して持ち上げる。

 

「あ、ちょ、アルバス、たすけ」

「サイギョウジ先生?少しお話をしましょうか。確か六年前も同じ説教をした記憶がありますが、きっと私の記憶違いでしょう。だって教師の一人である貴方が同じことを繰り返すなんて、あるはずがないんですから」

 

私はぶら下げられたまま、ミネルバの部屋へと連行された。

…どうやら私はまた徹夜をすることになるらしい。

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