ミネルバが吹き出した後、私は理由を聞いてみた。
「ところで、グレンジャー、ポッター、ウィーズリー、なぜあなた達がここに居るの?監督生引率で寮に戻るように指示があったはずだけれど…」
私のその言葉を聞くと三人は『ギクッ!』と擬音が着きそうな程にわかりやすく反応した。
ここまでわかりやすい反応をされるのは初めてかもしれない。
「そ、それは」
「私のせいなんです、先生。」
「…どういうことかしら?」
「トロールを探しに来たんです。本で読んだから倒せると思って。でも、ダメでした。ハリーとロンが助けに来てくれなかったら、死んでいました。」
「それは…本当のことなのね?」
「はい。」
ミネルバと目を合わせると、彼女は静かに頷いた。
十中八九、これは嘘だろう。
だが、私とミネルバはこの嘘を信じることにした。
これで友情ができて、ハーマイオニーとグリフィンドール生の溝が埋まればと思ったのだ。
「それは…助けに来ていて、そして助かっているとしても危険な行動に変わりはないわ。マグゴナガル先生、どうしますか?」
「そうですね。ミス・グレンジャー、貴方には失望しました。グリフィンドールは五点減点。しかし、二人の行動は本当に素晴らしい行為です。友のためにたった二人でトロールに向かうなんて、私にできるかどうか…その勇気を讃えて、グリフィンドールに二十点。」
ミネルバの言葉で三人は救われたような顔をした。
開心術を使うまでもなく心が読める、素直なのはいい事だけど素直すぎるのはいけない。
「あなた達はもう寮へ”真っ直ぐに”帰ってください。わかりましたね?」
「「「はい。」」」
真っ直ぐに、を強調したミネルバに見送られあの三人は去っていった。
寮に直行することだろう。
私とミネルバは前にいる問題に対し話し合うことにした。
「ミネルバ、このトロールどこから来たと思う?」
「そうですね……一番可能性があるのは、クィレル先生が罠に使うと言っていたトロールが逃げ出した、というところでしょうか。」
「やっぱり、それが一番可能性としては高いわよね。逃げ出したならいいけれど…」
「逃げ出した以外にありえないでしょう、彼はダンブルドアが見込んだ人物です。裏切りは限りなくありえないでしょう。」
「だといいけれど。」
私はどことなく不安だった。
ダンブルドアが見込んだのなら尚更、トロールを逃がすことなんてあるのだろうか。
私はないと思っている。
なら、逃げられた理由は?
…これ以上考えても、嫌な考えしか浮かばない。
私はそこで思考を打ち切る。
「ミネルバ、ハロウィーンのご飯ってまだ余ってるかしら?」
「あなたが全て食べたでしょう?」
「あの程度しかないなんて…!」