少しリアルのほうで立て込んでて投稿が遅れてしまいました。
そして、遂に一年生編がこの話で終わりです。
次からは原作入りするつもりです!
では、どうぞ!
時は流れ、生徒会、風紀委員共に三年生が引退し、生徒会では会長選挙と委員会の新メンバーの入れ替えも終わった。
生徒会では三年生の真弓と鈴華は引退し、その穴を埋めるように今の一年生から二人が生徒会入りをした。
風紀委員会も麻衣を筆頭に三人が引退し、二年生三人と一年生一人の四人の最も多忙な時期があったが、それも三週間で鳴りを潜め、無事に一年生二人と、二年生一人、計三人の補充に成功した。
そして、11月も中旬に入り、黒乃の理事長就任式が明日に迫った日、副委員長に就任したばかりの新宮寺蓮は風紀委員会本部でパソコンで事務作業をしていた蓮は手を止め深く息をつく。
「……ふぅ」
今本部には蓮しかいない。他の者は非番だったり、巡回に回っていて出払っているからだ。
実を言うと今日蓮は非番だったが、やる事ができたため、それを今片付けているところだ。
そして、本部に来てからずっとパソコンと睨み合いをしていて多少の疲労を感じていた蓮は、首を少し回し背凭れに頭を預けた。
その時、本部の扉が開き外から二人の少女が入って来た。
「「おはようございます」」
二人のうち、茶髪の彼女は新しく風紀委員会入りした二人の一年生のうちの一人の三組の五十嵐陽香。
一年生の中で四人いた候補者のうち蓮からのスカウトで引き受けてくれた一年生だ。
ちなみにランクは桐原より上のBだ。
そして彼女の隣には黒髪の大人しそうな女の子もいる。こちらも彼がスカウトした一年生であり、同じ三組の名前は北原凪。ランクも陽香と同じBランクだ。
更に言えば、この二人は実技試験では蓮に次ぐ二位と三位の実績を持っているのだ。
彼女らは桐原より上のBランクでありながら、桐原のように低ランクの生徒達を馬鹿にすることはせずただ愚直に自分たちを鍛え続けているいたってまともな生徒達だ。
どうやら、二人とも巡回から帰って来たようだ。
「ああ、お疲れ」
「あれ?蓮さん、今日は非番じゃなかったんですか?」
「蓮さん、急用でもあったの?」
「まあそんなところかな。少しやる事ができてね」
「「?」」
二人は蓮がパソコンで何をしていたのか気になったのか、横から覗き込んで尋ねる。
「これは何をしてるんですか?」
「……ランキング表?」
凪の言った通り、パソコンの画面には学年ごとに分けられたクラス、出席番号、性別関係なしの全体順位が記されていた。
蓮はお茶を飲みながら二人に見えやすいようにパソコンを斜めにずらす。
「ああ、これは次の理事長に渡す資料の一つだよ」
蓮が今作成しているのは黒乃に頼まれているものの一つだ。
七星剣武祭直後に黒乃から聞かされた改革の内容から、自分なりに黒乃の改革が円滑に進むように彼女が必要であろうものを作成しているのだ。
とはいえ、他の生徒達にとって新理事長が誰なのかは明日の就任式にならないと分からないので建前上新理事長に提出するための書類製作ということで、生徒達のパーソナルデータをまとめていたのだ。
蓮の説明に二人は納得し、頷いた。
「そうなんですか。そういえば明日ですもんね、就任式」
「まともな人だといいね。陽香」
「うん」
今の理事長のやり方に少なからず不満があった二人は次の理事長がより良い学園を作ってくれることを願っていた。
どうやら、彼女らも今の理事長のやり方には不満があるらしい。
というのも、生徒会や風紀委員会を含めた全校生徒の約3割は今の理事長のやり方に不満を抱いている。
学園の風潮もそうだが、二週間前の黒鉄一輝の一件が大きいだろう。
何があったのかというと、二週間前、黒鉄一輝が襲われたのだ。
下手人は桐原。中庭で珍しく一人で昼食を取っていた一輝に桐原が話しかけ、突然決闘を提案して来たのだ。
理由としては『七星剣武祭代表候補にまで選ばれた自分といい勝負をしたのなら、先生達も能力不足なんて言えない』と何ともくだらないものだった。
それに、いくら校内とはいえ、教師の許可なく戦闘を行えばそれは処罰の対象だ。だが、一輝が少しでも不祥事をやらかせば、黒鉄本家と繋がっている理事長は嬉々として一輝を退学に追い込む。それが狙いだった。
だが、一輝は当然のように拒否。広場を後にしようとした時、桐原が彼の背に射撃を打ち込んで来たらしい。しかも、《実像形態》でだ。
幸い、レオからの通報を受けた蓮が駆けつけ桐原を捕縛し一輝に治癒を施したおかげで、難を逃れたものの、一方的に攻撃したはずの桐原は『厳重注意』という名ばかりの罰則で済まされていた。
それに風紀委員会は猛反発し処罰を重くするよう理事長に掛け合ったが、取り合ってもらえず、あまつさえ『黒鉄一輝の存在はこの学園の風紀を乱している。よって彼に厳罰を課す必要はない』と、碌でもない発言をし、結局その件は『厳重注意』だけで終わった。
そのことから、事の顛末を知った風紀委員会の殆どは今の理事長とその一派の教師達に不満を抱いているのだ。
だからこそ、次の理事長が差別をせず生徒を平等に扱う人であって欲しいと望んでいる。
「まあ、恐らく大丈夫だろうな。それにこんな時期に理事長が変わるんだ。前よりはマシだと思うよ」
一応知らない体を装った蓮はキーボードを打つ手を再開させながらそう答える。
すると、二人は表情を明るくさせ、蓮の言葉に同意して頷くと、ある申し出をする。
「確かにそうですね。あ、それと蓮さん、私達にも何かできることはありませんか?」
「ん?なんでだ?」
蓮の問いに今度は凪が答えた。
「蓮さんの手伝いをしたいの。いつも事務仕事を任せちゃってるから、少しでも手助けになりたい。ダメかな?」
凪の言葉に蓮は笑みを浮かべると一つ頷き彼女らの申し出を承諾した。
「…ああ、そうだな。じゃあ、二人にはこれを任せたい。いいか?」
「はいっ!」
「任せて」
蓮が傍に置いておいた書類を二人に手渡すと二人は笑顔を浮かべ快く頷き、三人で書類作業を始めた。
その後、書類作業は約二時間続いたのだが、途中で蓮の仕事量とペースに陽香と凪が根をあげたのは余談だ。
△▼△▼△▼
校内は朝から足が地についていない空気に覆われていた。
今日は放課後、普段使われない体育館で新理事長就任式が行われる。
新理事長が誰なのか気になっている生徒らは、新理事長の就任に賛否両論の声を上げながらも、今か今かと時間になるのを待っている。
そして、昼休みが終わり、いよいよ新理事長の就任式が始まろうとしていた。
「全員揃ったわね?配置の最終確認をするわよ」
午後の授業終了後、風紀委員全員が委員会本部に集められていた。
基本的にバラバラで行動することの多い風紀委員が全員揃うことは滅多にない。今日はその数少ない全員が総動員される行事だった。
「今回は生徒会と分担してやるわ。私達の持ち場は壇上付近よ」
風紀委員は総勢七名、生徒会は総勢五名。たったの十二名で数百名が集まる会場を警備する。
そして各々の持ち場を、今月から新しく委員長に就任した二年生の宮原千秋が指示していく。
「……演壇の上手が私、下手が新宮寺君。以上よ」
千秋を含めた全員が立ち上がり、確認の意を表す。自分の持ち場は舞台袖。
最終防衛線を委員長と副委員長で勤めることに蓮は『今日は委員気合が入ってるな』と思った。
まあ、彼女も前の理事長に不満を抱いていた一人だ。この就任式は必ず無事に終わらせたいのだろう。
「じゃあ早速配置にかかって。それと新宮寺君はちょっと残って」
他の風紀委員が本部を後にしていく中、残った千秋は蓮に近寄るとこっそり耳打ちをした。
「何ですか?委員長」
「先生から聞いたんだけど、新理事長って貴方のお母さんであの《
どうやら彼女は新理事長のことを知っていたようだ。
おそらく、教職員や生徒会長の刀華、そして委員長である千秋には話が通っているのだろう。
「ええ、そうですよ」
「ふーん、即答ってことはもしかして前々から知ってた?」
「まあそうなりますね」
千秋が何とも言えないような表情を浮かべた。
「……まあ親子だからと言うのもあるからなんだろうけど、委員長の私ぐらいには教えてくれても良かったんじゃない?」
「すみません。母には口止めされていましたので」
初めは非難の眼差しを向けていた千秋も蓮の説明に(無理やり)納得するとため息をついた。
「分かったわ。じゃあ貴方も配置について」
「分かりました」
「うん。それにしても、《
心配無用だったわ、と安堵のこもった言葉に蓮は「そうですね」と答え、笑みを交わし合った。
………と言う背景を思い出していた時、ちょうど黒乃が司会の案内に従い舞台裏から出てきて壇上に立っていた。
そして自己紹介も兼ねた言葉を生徒達に聞かせるように述べた。
「初めまして、破軍学園の生徒諸君。本日からこの破軍学園の理事長を務めることになった新宮寺黒乃だ」
彼女の名を聞いてこの会場内にいた生徒の殆どが驚きの声を上げた。
無理もない。彼女は引退したとは言え、現役時には世界3位にまで上り詰めた本物の実力者だ。そしてこの破軍学園のOGでもある。
世界トップレベルの騎士の登場にざわめきが広がる中、黒乃は一度軽く手を挙げ静かにと一言いい生徒達を静める。
「私の方針は『完全な実力主義と徹底した実戦主義』だ。前の理事長とは異なるから、今まで通りぬるま湯に浸かってられると思わないほうがいいぞ?
まぁ、文字通り死に物狂いで頑張ってもらうつもりだから、覚悟しておきたまえ」
口唇の端を僅かに釣り上げた黒乃の笑みと放たれた威圧感に生徒達は殆どが萎縮し冷や汗を流していた。
そして静まり切った会場内で黒乃は有無を言わさぬ威厳をもって、自分の改革を話していく。
授業方針の変更。実技と座学が半々の割合だったのが、来年からはその割合を六対四に振り分けられた。
将来的に国を守る存在となるため、教養ももちろん必要だがやはり実力を高めることが最優先事項だと、黒乃は自分の教育方針に基づいて判断したそうだ。
そして、七星剣武祭代表選手の選抜方法の変更。
今年までは『能力値』での選抜だったが、来年からは実力重視の『全校生徒参加の実戦選抜』へと変わった。人数は六名と今年と変わらない。
教師陣の約半分を解雇や、寮の部屋割り制度の変更などその他諸々あるが、大々的に取り上げるべきなのはやはりこの二つなのだろう。事実、後日の新聞ではこの二つの挑戦的な改革が注目を集めたそうだ。
話を戻すが、今もなお行われている説明は蓮がすでに本人から聞かされたものであり、殆どの生徒がしっかりと聞いている中、蓮は若干暇そうにしながら話を聞き流していた。
暇潰しがてらに生徒達の顔を見渡せばその殆どが驚愕に満ちている。
黒乃のやろうとしていることは今までの風潮を真っ向から否定するようなものであり、斬新かつ大胆な改革にやはり驚いているのだろう。
「……以上で話は終わりだ。これからの君達の頑張りを私は期待している」
黒乃の説明が終わり一礼したことで、弾かれたように何人かの生徒が(おそらく賛成派の生徒達だ)勢いよく拍手をし、それにつられた生徒達も拍手をし反対派の生徒達を巻き込みながら、体育館全体へ広げていった。
最初に拍手をしていた生徒達を見れば全員が納得したような、歓迎するような笑みを浮かべている。どうやらこの就任式は彼らにとって素晴らしいものだったらしい。
反対派の生徒達も殆どが口をつぐみ、何とも言えない顔で拍手をしていた。彼らは彼らで今の説明が有意義なものだったと認めざるを得なかったようだ。
そして、《世界時計》新宮寺黒乃の新理事長就任式は無事に幕を閉じた。
△▼△▼△▼
黒乃の理事長就任の翌日の昼休み。蓮は黒乃に頼まれていた資料を渡すため、理事長室に来ていた。
「失礼します、理事長」
「ああ、入れ」
中に入れば、革のソファーに座り、タバコをくわえたスーツ姿の麗人、黒乃がいた。タバコを吸って座るその姿が妙に様になっている。
「理事長、頼まれてたものが仕上がりましたよ」
「ご苦労。それと、今は私とお前二人だ。無理に敬語を使わんでいいぞ」
「そうか。ならお言葉に甘えさせてもらおうよ」
蓮は黒乃の言葉に態度を他人行儀から身内がするそれへと変えて黒乃に近づくと、手に持っていた資料の分厚い束とポケットにしまっておいたUSBを取り出し黒乃の目の前に置く。
「これが母さんに頼まれてたもの全部だ。言われた通り、資料とUSBに分けといたよ」
「ああ、ありがとう。だが、もう少し遅くても良かったんだぞ?」
「やるなら早く済ましたほうがいいだろ?それに一生徒として、息子として母さんの学園作りに協力しているだけだ」
「全く、そう言うところは変わらんな」
蓮の言葉に笑みを浮かべた黒乃は蓮から資料を受け取るとパラパラと確認する。
一通り確認した黒乃は満足げに頷くと、視線を再び蓮に向ける。
「あとで細かく確認するが、これなら私の仕事も捗る。ありがとう、蓮」
「いや、それほどでもないさ。それに、手伝ってくれた子もいるからな。思ったよりも早く済んだ」
「そうなのか?お前が人の手を借りるなんて珍しいな」
蓮は基本的にあまり人の手を借りずに一人で大抵のことを済ませてしまう。それをよく知っている黒乃からすれば今の発言は少しばかり意外だった。
だが、蓮は首を横に振った。
「いや、あっちがどうしても手伝いたいって言うから、仕方なくだよ。まあ人手が多いに越したことはないけどな」
「ふふっ、そうか」
黒乃は母性を感じさせるような優しい笑顔を浮かべた。
「じゃあ俺は見回りがあるからそろそろ行くよ」
「そうか、頑張れよ。風紀委員副委員長」
「はいはい」
黒乃の言葉に蓮は笑みを浮かべると背を向けて理事長室の扉の方へと向かう。ドアノブに手をかけた時、黒乃に背を向けたまま、再び口を開いた。
「母さん」
「ん?」
「いきなりこんなこと言うのも何だけどさ、俺は、母さんに引き取られて良かったと思ってる。今の俺があるのは母さんのおかげなんだよ。だから母さんの手助けになるならなんでもする。それが俺にできる親孝行だ」
そして理事長室の扉を抜け廊下に出てそのまま本部へと向かった。
それを見送った黒乃は小さく微笑んで、その胸中に一つの決意を宿す。
そうだ。息子がそういう風に思ってくれてるなら、自分は彼の道を、時間を全力で守る。
『……黒乃……蓮を、頼む。お前になら、任せられる』
『レンのことを、お願い。この子に、人の温もりを、教えてあげて』
かつて蓮の実の両親を看取った時に聞かされた約束は今でも覚えている。
だから、蓮を引き取り自分の手で今まで育ててきた。
ならば、自分がこれからすることは決まっている。
(お前の時間は私が守る。この先何があろうとも、必ず……)
これからの時代を担うであろう若き騎士を自分の命をかけて必ず守り抜くと誓った。
△▼△▼△▼
新宮寺蓮は福岡のある町で生を受けた。
両親ともに世界的に有名な
父の名は《紅蓮の炎神》桜木大和。
母の名は《
日本とヴァーミリオン皇国でそれぞれ最強と呼ばれ、さらには世界最強夫婦とも謳われた二人だ。
炎と水と氷において彼らの右に出るものはおらず、最強であり最高の炎使いと水使いだった。
蓮はそんな二人の子供として生を受けた。
若き英雄たちの息子であり、二人の才能を受け継いだのか、同年代の少年少女達と比べても、彼の実力は群を抜いていた。
母と同じ《水》と《氷》の異能を使い、両親仕込みの槍術と剣術でメキメキと実力を伸ばしていった。
蓮も母の異能と槍術、父の剣術。そのどちらも使えることが何よりも嬉しく、二人に褒めてもらいたいためにどんどんと強くなっていた。
だが、そんな幸せな日々は彼が5歳の時に終わりを告げた。
その日は隣町に三人で買い物に行った時だった。
突如世界で最も知られている犯罪組織である《
もちろん魔導騎士であった二人はそのテロリスト達相手に応戦。だが後ろに蓮や一般人達がいたせいで本来の実力を出しきれずに《解放軍》の重鎮《
その後両親を亡くした蓮は二人の遺言に従い彼らの親友だった《
両親を失い最初はひどく塞ぎごんだ蓮だったが、死んだ両親の思いに応えようと伐刀者として鍛え続けやがて彼は小4時に小学生リーグに出場し《紺碧の海王》として名を轟かせ、世界1位の称号を勝ち取った。
それはあなた達の息子はここまで強くなったのだと、亡き両親に見せたかったから。
《紺碧の海王》として活躍し始めた頃、蓮をさらに絶望の底に叩き落とす事件が起きた。
それは凶悪異能犯罪者が起こした事件に蓮は巻き込まれた。
しかも、タイミングの悪いことに、それは黒乃がいない時に起きた。
伐刀者だった彼はどいうわけか町に住む人たちを次々襲った。その中には魔導騎士も何人かいたが、悲劇は止められず、犠牲者はどんどん出ていった。
そして、その犯罪者を倒したのが蓮だった。だがそれは眼の前で友人や知り合いらを殺され、大切な人にその凶刃が襲いかかるのを目の当たりにして、両親が死んだ瞬間を思い出し錯乱してしまい異能を暴走させてしまったからだ。
そして、このときに蓮は《覚醒》を果たし、日本三人目の《魔人》になってしまった。
気がつけば、蓮は病院のベッドで横になっており、事態はすでに収束し、それを他ならぬ蓮がやったのだと聞かされた。その証拠に、彼のおかげで助かった命は多数ある。刀華達もその一人だ。
だが、生き残った者達の心までは救えなかった。
彼の異能の暴走は、無慈悲なまでに完全に、周囲一帯を破壊したのだ。犯罪者も、犠牲になった一部の者達の亡骸も、彼が住んでいた町の半分を———何もかも全て彼の異能の暴走により跡形も残っていなかった。
よって、彼は危険すぎる。二度と悲劇を繰り返さないように逮捕するべき。そんな方向に話が進むのにそれほど時間はかからなかった。
でも、別に蓮もそれでもよかった。大切な友達を、親しかった人を消してしまった蓮もまた、自分のしたことの重さを背負いきれず、ほとんど抜け殻のような状態だったから、もうなんでもよかったのだ。
町の人たちも『家族を返せ』や『あの怪物を殺せ』などの恨み辛みの言葉を何度も蓮に投げかけていたのだから。
魔導騎士連盟も蓮の『追放処分』を考えていたのだが、二人の親友であった《
黒乃と寧音に蓮が能力を暴走させないよう、蓮を監視しろという決定を下したのだ。
《魔人》となった蓮が再び暴走したとき、彼を殺せるのは同じ《魔人》である寧音とそれに近い実力を持つ黒乃だけだと判断したから。
その決定に蓮達は大人しく従い、住んでいた町を離れ、黒乃と共に東京に引っ越した。
そしてあれから六年が経ち、今住んでいる町の人達とも親しくなり幸せな日々を送っていた。だが今でもあの日の悲劇の記憶は悪夢となり彼を苦しめ続けている。
一度は壊れた心も、蓮は持ち直し黒乃や寧音の監視のもとひたすら研鑽を重ねた。
己の罪と向き合うために、もう二度とあの悲劇を起こさないがために、今もなお抗い続けている。
今度こそ誰かを本当に守れるように。
新しいオリキャラ出したけど、多分あんまり出番ないかも………。
そして最後には蓮の出生と過去を載せました。
割とざっくりな説明ですが、彼はかなり重い過去を背負っています。
それと、最後の方にありましたが蓮は槍も使えます。