歯抜けのジーニアス   作:clon

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久しぶりだったんで練習用に作りました。
2日で作ったんで文字数も少ないです。
その辺のご納得の上で見てください。

ちなみにちょいスケベです。


another episode
湊友希那が幼馴染だった場合。


まず最初に、俺と湊友希那は幼馴染だ。

きっかけは親同士の交流から始まり、幼稚園からの既知の仲だ。

そして親同士の縁とは恐ろしいもので子にも影響する。

そのおかげか俺たちは違う高校に通いながらもズルズルと幼馴染な関係を継続していた。

同じ釜の飯を食い、同じ浴槽を共にし、肩を並べて涎を垂らして寝た仲だ。

 

「友希那ー」

 

だからだろうか。

油断があったのかもしれない。

この10年以上ありそうでなかった事が遂に起こってしまった。

 

「友希那ー?ペン貸して……」

「…………」

 

ドアを開けたその先にはTシャツを脱ごうとたくし上げていた友希那がいた。

ちなみに下はパンツのみ。

 

所謂、ラッキースケベイベントだ。

 

「あー……じゃあまた後で」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「待ちなさい」

 

 

 

あー

 

 

 

 

 

 

湊友希那が幼馴染だった場合。

 

 

 

 

 

「………………」

「あのー」

「黙りなさい」

「御意」

「黙りなさい」

 

こえー。

こんなに怒った友希那は初めてかもしれない。いつもは冷ややかな視線を送ってくるだけだったが今日はポーカーフェイスを崩さないまま、怒気だけが熱として伝わってくる。

流石の友希那も女の子だったか。

正座をした足が痛いなんて今言ったらビンタでも飛び出しそうだ。

 

「で?」

 

ベッドに腰掛け、足を組む彼女は女王様然として尋ねてきた。応急処置としてとりあえずロングスカートを履いているのでもうパンツは見えない。

 

「どこまで見たの?」

「…………正直に?」

「答え合わせと思いなさい」

 

自分がどこまで脱いだか知ってるぞ嘘はダメだってことね。

 

「パンツを見た」

 

とりあえず無難なとこから。これを見ていないとは言い張れない。

白のあんまり色気のないやつ。ストイックな奴とは分かっていたけどパンツまでストイックだとは思わなかった。

 

「あとは?」

「下着着けてない胸」

 

朝一尋ねたのはダメだったかもしれない。

寝巻きがあんな格好だとは思わなかった。

女性は寝る時、下着(上)を着けないとは聞いていたけど本当だったとは。

 

「はぁ、仕方ないわね」

「待て待て!お前そのケーブルで何する気だよ!」

 

徐ろにアンプに繋ぐケーブルを手に取る友希那を止める。

冗談言わない奴なだけにこえーよ。

 

「全部見たわけじゃないって。下の方が少し見えただけ!」

 

幸か不幸か、所謂下乳というものしか見る事が出来なかった。正直あそこまで見たら全部見たかったのが本音なのは言わぬが吉だろう。

 

「……仕方ないわね」

 

再び徐ろにケーブルを置く友希那。

あ、危ねぇ。100点満点の解答だったって事か。

これが△で98点とかだったらケーブル行きだったのかもしれない。

 

「いやー悪かった」

「気を付ける事ね」

「おう。いやー足が痺れてやばかっ」

「誰が立っていいと言ったの?」

「はい」

 

感覚のなくなってきた足を解放しようと手をついた瞬間、鋭い眼光が俺を射抜く。まだ怒ってるじゃん……。

 

「それよりハジメ、あなた人のをアレコレ見たくせになんでそんなに冷静なの。普通はもっと反応するものではないの」

「えっと……物理的に?」

「それ以上は許さない」

 

そっちが振ってきたくせに!

俺のアレの事じゃないのなら……。

 

「あんな色気のないパンツじゃなー」

 

ノーモーションからビンタされた。

 

「許さないと言ったはずよ」

「振ってきたのはそっちだろ」

 

ヒリヒリと痛む右頬に理不尽をジンジンと感じる。

 

「というかそれを言うなら友希那だろ。女の子こそああいう時もうちょっと狼狽えるべきじゃないのか」

 

パンツのまま追いかけてくるあの時の友希那は文化人にあるまじき姿だった。音楽をやっている人間とは思えない程に。

友希那は少し考える仕草をした後、意味ありげに頷いた。

 

「心の準備ができていなかったのよ」

 

殺す準備をしていた事はツッコミ待ちなのだろうか。

 

「そもそも俺たちは幼稚園の頃からの仲だろ。

風呂だって一緒に入ったし裸なんて今更な気がしないか?」

「昔と一緒にしないで。わたしはもう高校生よ。体だって大人になってるの」

「下着も大人になろうぜ」

 

ビンタが2発飛んできた。

 

「お前って理不尽な女だったんだな。知らなかったよ」

「大人になるってそういう事よ」

 

絶対に違うと思う。

左の頬を差し出した訳でもないのに右も左もどっちも痛い。ついでも正座で足も痛い。

体の痛くない箇所を探す方が難しくなってきた。

大人の意味を履き違えているドメスティックガールは相も変わらず足を組んだまま俺を見下ろす。

イーグルアイの瞳が探るように俺をジッと見つめてくる。

 

「はぁ、仕方ないわね。もういいわ。忘れてあげるからハジメも今日見た事は忘れなさい」

 

溜め息と共に怒りも吐き出した友希那は、女王様ポーズを解く。

これは正座も終わっていいって事?

 

「いやー悪かった。パンツと胸の事は忘れるよ」

「忘れる気がないのかしら?」

「忘れる忘れる……はい消えた!」

「はぁ……いつまで座ってるのよ」

「おう。よい……ぃだぁっ!?」

 

立ち上がろうとした時、足が猛烈に痺れてバランスが崩れた。あ、足がぁ!

 

「は、ハジメ!?」

「ふぎゃ!」

 

倒れる体は友希那へと、そのまま巻き込んでベッドへダイブした。

スプリングが軋み、体が跳ねる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺の体という体を血が駆け巡る。

ダイブした事はこの際どうでもいい。俺はその先の問題を解決するために最高速で脳に酸素を送っている。

俺は倒れたままそこから動けないでいた。

 

足の感覚がなくて動けないのもある。だが、俺の次の一言が生死が左右する事に直感的に気付いた。

 

右手に伝わる柔らかい感触。

薄いTシャツ越しに感じる温もり。

怖くて見る事ができない。

 

俺は今、友希那の胸を鷲掴みにしていた。

 

しかもこの柔らかさ、ノーブラだ!

なんでこいつノーブラなんだよ。普通付けるだろ。チラリと見えた下乳は必要がない程小さい訳ではなかったはず。

 

「付ける暇がなかっただけよ」

 

考えろ、考えるんだ。この詰みにも近い現状から全てをひっくり返す起死回生の一手を。

……って。

 

「え?」

 

ゆっくりと友希那の目を見る。

それはいつもと同じ、何を考えているか読みにくい目だった。

が、読みにくいだけであって今ははっきりと分かってしまった。

どうやらもう詰みだったらしい。

 

「とりあえず、答えあわせをしましょうか」

 

 

 

あー

 

 

 

to be continue?




とりあえず一緒に投稿しましたが、話数が増えれば別の小説として移籍します。

この話ですが、
①→そのままEND

②→プラトニックなto be continue

③→スケベなto be continue

を考えています。
そしてその他のキャラもつくってみたい。

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