ローニン君の武器が少な過ぎて戦闘面では明らかにネプ子さんの方が見栄えします。
だってローニン君の主武装少な過ぎんだもん!常時ソードコアしよ!ソードコア!
始まります。
草原、その先に簡単な林を見つけて、カブトムシ大の大きさの虫や、蝶々などを荒稼ぎし、とりあえず、目先の目標は完了した二人。
しかし、次の目的地も決まらないまま、林を抜け、幾らかの段丘があり少々先の視界を掴みにくい草原の続きを進む、びーちゃんことBM-8145の頭にぐでんとうつ伏せに転がるネプテューヌ。
「んあー...」
『ネプテューヌ、いい昆虫の収穫は出来ましたか?』
「うん、出来たけど疲れたよ...」
『あれ程はしゃげば、大のパイロットでも疲労を感じるのは80%ほどです、むしろ喋ることができる気力があるのは、とても類い稀だと判断』
実は、BM-8145を含む、タイタンと言われる機体は、頭部付近に自身の弱点と言うべきバッテリーを差し込む穴がいくつか存在する。
そこに何も言わず乗られるがままにしていると言うのは、確かな信頼がある、ということなのだろう。
良くも悪くも機械とは『主』に従順だけれども、BMに限っては、『心』でネプテューヌが安全なのだと感じている節があった。
例え、あと数時間で止まる身だとしても。
「びーちゃんは中に人がいるの?」
『その質問の答えはNOと答えるべきでしょうか』
ある程度、新しい昆虫を『捕獲』してご満悦、けれどもちょっとお疲れの彼女は、ようやくとも言うべきか、唐突な出逢いとなった相手の事を質問し始める。
『先程も述べましたが、自機には、自身のみで思考し、言葉を機械音声で発する機能があります』
「ふーん...じゃあ、びーちゃんは無人機、ってやつなの?」
『いえ、パイロット操作をすることも可能ですが...ネプテューヌは自機を起動したのに、存じないのですか?』
「ねぷっ?私?」
元々丸いお目目を更にまん丸くして、何を言っているかわからない、と言う顔を作ったネプテューヌ。
『はい、自機は確かにパイロット...ネプテューヌによって起動されました、それも、初回です』
「うーん...でも私、びーちゃんに乗る方法も知らないし、その『たいたん』というのも、びーちゃんが初めてだし...ここにも、なんだかびーちゃんに触ってたら、なんだかよくわからないうちに居たし...」
『...自機には解せない事が多いですが、後者は...少し前にユーティリティ機能、『フェーズダッシュ』を使用した経歴があります』
どうも話が噛み合わない二人。
予測できることから答えをコツコツと、BMは創り出していくことにしたようだ。
「増えるダシ油?」
『フェーズダッシュです、ネプテューヌ』
典型的な聞き間違いのボケかと思えば、これが彼女の素なのだからなんとも恐ろしいもの。
けれども、その天然まで計算したBMの訂正が入り、そこからまた本題へと戻っていく。
「それで、そのフェーズなんちゃらってのはどんなものなの?」
『フェーズダッシュは、現在空間軸に限りなく近い亜空間軸へと自機を約1秒間転移させる機能です。亜空間内は視覚がほとんど機能せず、また、存在がとても不透明なものであるからか、ほとんど白と黒でしか色彩が確保できません』
前半の内容はさっぱりらしく、漫画のように驚きとはまた違う、まんまるお目目で頭の中にハテナの舞踏会を開演していたネプテューヌだったが、色の話あたりで心当たりがあったらしい。
「あー...そういえば、びーちゃんの頭に乗って、動かなかったから、治らないかな、と『妹』直伝の電子機器チョップをしてたらそんな変な景色になったような...」
『はい...自機は、その時に初めて起動した、とログにあります』
「ほんとに直っちゃうもんなんだね」
『ネプテューヌ、出来れば次の再起動はもう少し優しくお願いします』
「じゃあ、びーちゃんがそのやり方を教えてくれないかな?」
『...了解しました、必要な時は自機が解説させていただきます』
「ほんと!?約束だからね!?」
ぐでんと寝っ転がった億劫そうな雰囲気から一転、嬉しそうに伸びをしながら約束を交わすネプテューヌに、機械音声なのにどこか呆れたような空気のあるBM。
呑気な話ではあるが、兵器と少女がこんな風に、争いもなく語り合えるというのは、とても素晴らしいものではないだろうか。
血を血で洗う人の汚い闘争の為ではなく、誰かの幸せの為、誰も傷つけず、幸福だけを作り出す『兵器』。
夢物語かも知らないが、この二人の語らいを見ていると、どこか幻想してしまう。
そんな夢想の世界を。
『付近に熱源反応あり』
「うん?びーちゃんどうしたの?」
『構えて下さい、ネプテューヌ。この先、自機のカメラセンサーが不明な熱反応を探知しました』
銃を前方に構えて、反応方向へと銃身を向けるBM。
しかし、少しだけカメラを動かし、レッドウォールを一瞥すると、その銃を背にしまい、剣の方を瞬時に自身の盾のように構える。
『レッドウォールのマガジンが一つしか無いようです、本機体の武装はレッドウォール、ブロードソードしか存在しません、レッドウォールの装弾数は三十二発の為、ブロードソードのみの使用を行います』
「...私も手伝うよ!びーちゃん!」
先程までの気だるげな表情は既になく、抜けているようで、その言葉はとても真剣。
どこからか取り出した大振りの二振りの剣を取り出し、BMの頭から宙を返りながらふわりと着地し、自身のスタイルなのだろう奇特な二刀流の構えを作るネプテューヌ。
そんな彼女の姿を、BMはカメラを少しずらすことにより確認した。
『ネプテューヌ。その武装で大丈夫ですか?』
「へーきへーき!私、結構強いんだよ!」
『...ネプテューヌを信じます』
ここにはどんな敵と出逢うかわからない、自身のプログラムにも記載されていない...パイロットの安全を第一、それが普通なのだが、この小柄で華奢な身体からは、反論のできない自信が感ぜられる。
それに、機械であるはずの彼は賭けたのだ。
科学的には証明できない何かすら、彼女の内にある『気が』して。
『反応接近...未確認物体が複数、確認できる数で21体、小隊がこちらの方向に向かってきます』
「未確認?色とか見た目とか分かる?」
『青い雫のような形に、犬の顔をデフォルメしたかのような異様な見た目の生物の群れです』
「スライヌだと思うよ、それ」
どうやら彼女には心当たりがあるようだ。
『自機には「スライヌ」に関する情報が一件もありません、ネプテューヌ。敵ですか?』
「うん、どこかのドラゴン依頼とかいうゲームに出てくる雑魚敵みたいな感じだけど、敵だね」
『「どこかのドラゴン依頼」に関する情報も一件もありません...あと数秒にて、ネプテューヌの視点でも見える範囲に来ると思われますので、注意を』
やがて、ネプテューヌはそれを見て、自身の予測が正しかったとBMに伝えた。
割とネプテューヌには見慣れた光景ではあるが、BMからすれば、ぷにぷにとした雫のような何かが跳ね回りながら草原を闊歩(?)しているものなど、絵本の中にも存在しない幻想だ。
見た目は穏やかで愛らしそうなのだが、彼女から聞くに、割りかし凶暴らしく...
彼等が二人を視界に捉えた途端──
「!びーちゃん!」
とても獰猛な勢いで、しかもあの愛らしい面持ちで強烈な突進を複数で仕掛けてきた!
狙いは大柄な方のBM狙いであり、その勢いは、複数いることも相まって怒涛の如し。
ネプテューヌから警戒の声が上がるが、BMは元々『兵器』だ。
戦いのために、あの鉄と血の腐れた世界で生み出された、消耗品だ。
『アークウェーブを使用します』
右に剣を強くつかみ、左のマニュピレーターを大きく広げ相手の方へと突き出し、カメラを直線上に、こちらに向かってくる複数の対象に向ける。
その態勢は、まるで、どこまでも研ぎ澄まされた『浪人』の居合の構えのようであり、緊急時であるにも関わらず、隣のネプテューヌの目には、とても完成されたものに見えた。
その時、『妹』のメカが好きな気持ちがとてもよくわかったと後述するのだが、それは別の話。
『エネルギー出力削減、80%消費、レディ』
切っ先を地面に這わせ、振り抜くように左マニュピレーターを構えた状態から切り上げるが、ただ切り上げるには、明らかに剣のリーチが足りなさすぎる。
BMから襲ってくる対象までは、おおよそ15m程はあるのに、まさか真空波でも出せるというのだろうか。
否、出るのは真空波ではない。
「!」
這わせ、擦らした瞬間、BMの持つブロードソードに、強烈な電気が満たんばかりにほとばしる!
そのまま激しく唸りを上げる電撃は、凄まじい嗎と共に振り払った敵方向へと向かい、電動の役目のある地面が吸いきれないほどの大きな稲妻の衝撃波が、振り抜いた勢いのままに十体ほどの一列にならんでいたスライヌを、まるで焼き立てのホカホカトーストのように、適度に焦げた焼き加減へと仕上げてしまったのだ!
未だ付近に稲妻の残っている中、切り上げた剣をまた盾のように構える態勢へと即座に戻すと、敵を確認し、警戒を呼びかけるBM。
『複数の敵をアークによる鈍足化により一時的に無力化、残り9体です』
「...びーちゃん、すっごいかっこいいー!」
『ネプテューヌ、警戒してください』
やはりどこか抜けている自身の主人を窘めながらも、BMは次の瞬間を見極めるため、持ち直した両手のマニュピレーターの力を更に強くした。
「今度は私の番だね!」
そういうがいなや、まるで脱兎のごとく地を蹴って敵の陣へと切り込んでいく彼女。
その瞬間加速は、あまりにも早い。
先ほどのアークウェーブに狼狽えたスライヌの軍の中央へと、すり抜けるように危なげなく入り込むと、まるで風が駆け抜けていくかの如く、視覚すら怪しいほどの速さで、痛烈な斬撃のコンボを叩き込んでいく。
ほんのコンマ数秒の思考の停止を余儀なくされるくらいには、その雄姿は、BMからしても計算ができなかった。
それほどまでに、いや、パイロットの動きすら凌駕するほどに、ネプテューヌの剣技と身のこなしは、人を逸脱しかねないものだったのだ。
『ネプテューヌ、素晴らしい動きです』
「褒めても何も出ないよ!えっへん!」
騒乱を起こされたスライヌ側からすればたまったものではない。
たった二人だ。
一人は木偶の坊、一人はか弱いはずの女の子。
それに喧嘩を売ってみれば、藪をつついて蛇なんてものではない、『どこかの白い名前なのに茶色の髪をした少女』がブチ切れ、ハンマーブンブン丸と化して出てきたようなものである。
何も出来ない。
「甘い!足元がお留守...スライヌに足はないか!」
少女に一撃を加えようにも、大概は回避され、見極めて打ち出した突撃も、簡単に一刀を盾にいなされ、返す刀で一刀両断されて、粒子へと次々に還っていき、先手を打たれればなす術なく膾にされる。
『スライヌの情報を取得。死亡時粒子化して消え去る...重要な情報と判断』
明らかにどこを狙っても当たりそうな機体に至っては、たとえ背後や足元をつこうと、恐ろしい反応速度で剣に受け止められ、簡単に薄く電気を纏った鉄の塊で叩き潰されてしまう。
これが、もし血が出て肉が残ればネギトロめいたぐちゃぐちゃの破片と血の煙しか残らないことが容易に想像できてしまう、重量と大きさの暴力。
粒子に還るその瞬間、ようやく彼等は気付く。
相手にしてはならないものにも、限度がある。
この二人は強すぎた。
『反応無し、全ての敵を殲滅しました。ネプテューヌ、何度も言いますが、貴女は素晴らしいパイロットです』
「えへへ、主人公ですから!どやぁー!」
ドヤ顔である胸を張るネプテューヌと、軽微な稲妻を孕んだ剣を一閃して払いのけるBM。
『低レベル用の雑魚モンスター』など、言ってみれば『looks like free exp』。
BM-8145からすれば、未確認情報をほぼ無償で手に入れただけに過ぎず、ネプテューヌには、お手軽な経験値。
相変わらず朗らかに勝ちを誇る少女と、それを讃える人型の機体は、この場では無双と言って差し支えないだろう。
歩んでどこかお天道様しか知らない行き先を歩む二人は、会ってからよりずっと、数時間程度で親交が深まっているように見えるのだった。
申し訳程度の戦闘要素。
ローニン君のキットはまぁ、なんとか考えてくれ
大人ネプ子さんのレベル?知らん、そんなことは管轄外だ
そしてローニン君メイン武器のショットガンが分捕られました。ソードコアのおねがいブンブンが最強技です、タイタンフォール2をやっている方ならわかりますが、ショットガン全発ダメージとブロードソード一回では、アフィモウジャニキのマント壊してる時と壊してないくらいの違いがあります。
つまりほぼカスダメです。
アークウェーブはソードの1.2倍のダメージで、相手にアーク属性のダメージを与え、一定時間相手の動きを鈍足化させる効果があります。
ネプテューンブレイクみたいなもんです、というか使わないと追いつかれてさっさとローニン君は脆いので蓄積されてボカン、です。
ああ、ソードコアが大人ネプ子さんについて女神化とタメはるくらいにならないだろうか。