大衆食堂アンリミテッド・マンプク・ワークスからお送りします。   作:ヒロエル

5 / 5
カルデア大衆食堂 U.M.W(アンリミテッドマンプクワークス)
ここではエミヤ(アーチャー)を筆頭に様々な英霊(サーヴァント)達が給仕を担当し、英霊だけでなくカルデア職員達にとっても貴重な憩いの場となっている。

しかし、常に火の車であるカルデアで度重なる英霊達からの無茶振りオーダーにより、事態は深刻な食材不足へと陥っていた。
逼迫する状況。嘆くエミヤ(アーチャー)、頭を抱えるマスター。
もはや選択の余地はなく、必要最低限のコストでレイシフトし、食料を調達しに行く事となってしまった。


いざ、食料調達へ!-無人島編-

──カルデア

 

「はぁ……やれやれ、本来レイシフトはこのような事に使ってほしくなかったんだけどね

 せめて、素材収集(フリークエスト)に行くとか、そういう……」

そう言いながらも派手に腹を鳴らす優男はカルデア医療担当ロマニ・エーキマン。食料を極限まで制限され、若干頬がこけ、全体的にやつれてしまっている。

そんなロマニを脇に、レオナルド・ダヴィンチはマスターとその後輩マシュに激励を送っていた。

 

「君とマシュには、普段から過酷な旅を強いてしまっている

 不幸中の幸いか、まだ次の特異点を特定できている訳ではないのだよ♪

 存分に、楽しんできてくれたまえ!

 あぁ!もちろん、魔獣には注意してね」

 

「了解です、ダヴィンチちゃん。

 食料調達が主なミッションとなるので、息抜きとはいかないかもしれませんが」

言葉とは裏腹に、英霊としての武装はせずまるでピクニックにでも行くかのような平和な服装でマシュは張り切っていた。

 

「こちらとしても心苦しいんだ~

 後方支援は用意しておいたから、安心してくれたまえ」

ダヴィンチの背後から現れたのは、緑の外衣(マント)に身を包んだ男ロビン・フッド。

 

「ほいほい、お手ごろ価格のエコアーチャー。参上ですよっと」

ロビン・フッドは気怠そうにフードを捲り、口元にニヒルな笑みを浮かべた。

レイシフトの為の最低限の装備を整えたマスターに対し、ダヴィンチが地図を一枚手渡した。

 

「今回、キミ達に足を運んでもらう所は"島"だ

 人類が未踏とされていた時代の無人島、と言えば解るかな

 残念ながら詳しい地形までは解析できなかったけれど、これは簡易的なマップさ

 役立ててくれたまえ」

 

「無人島、ですか……森林地帯での踏査となる場合

 ロビン・フッドさんがいてくれたら安心感がありますね、先輩」

ダヴィンチとマシュの言葉に頷き、マスター達はレイシフトへと向かう。

「そちらに到着したら、すぐに通信をおくれ

 万が一があるからね」

 

マスター達を見送るダヴィンチとロマニ。しかし、ロマニの顔には陰りが見える。

 

 

────時代???

 

マスターが目を開けると、そこには白い砂浜と大海原が広がっていた。

陽射しがジリジリと肌に焼き付いてくる。

背後を見ると森林が生い茂っており、奥は暗くなっていてよく見えない。

遠くには巨壁のような岩壁と丘が聳え立っている。

 

「先輩、気付かれましたか 10分ほど気を失っていたんですよ」

マシュが顔をマスターの顔を覗き込む。マスターは気絶している間、マシュに膝枕をしてもらっていたと気づいた。

 

「意識を失ったんで、最初は驚きましたよ

 マスターの意識が戻ったとなると……当面の問題は、通信が繋がらないって事ですかね」

そう言って、ロビンは空を仰ぎ見る。

 

 

「どうやら、通信機能に障害があるというより、通信そのものが遮断されているようなんです

 考え難いですが……私達以外にもここに何者かが居て、通信を妨害している可能性も視野へ入れておくべきくべきでしょう」

ロビンの言葉に驚く表情を見せるマスターに対し、マシュがすかさず説明を入れる。

その説明を受けているうちに、マスターはポケットから地図が無くなっている事に気づく。

マスターは周囲の状況を確認した後、ロビンにこれから我々はどのように行動すればいいのか問う。

 

「地図が無い?そりゃ難儀ですぜ

 そうですね……今回の目的はあくまで食糧調達ですが

 通信が繋がらない、地図も無いとなると、これ"遭難"してるのと変わらないんですわ」

 

遭難。食糧を調達するだけのつもりがとんでもない事態を巻き起こしてしまった。

少し怯えた表情のマスターを見て、ロビンはぎょっとした。

 

「あ、ああ……別にマスターを脅そうって訳じゃないんですぜ

 ただ、そういう状況だって事は冷静に受け止めてもらった上で、いくつかの判断してもらいたいんスよ」

ロビンの言葉に、なんとか平静を保って頷くマスターとマシュ。

 

「いいでしょう

 まず。地図が無いこの状況下で、地形を把握しないまま探索するのは危険な行為だ

 だから最初に、あの丘へ登ります」

そう言ってロビンは断崖絶壁の丘を指さした。

 

「加えて、重大なのは水と食料の調達。

 この中で飲まず食わずで森を駆けれるのは俺だけなんで、丘への偵察へは俺が向かう

 通信が回復するまでの間、当面マスターの食料と水を確保する必要があるんで、俺が丘へ行っている間は二人で調達してくほしいんス」

 

「わかりました!サバイバルブックは前日に読み込んできましたから!」

意気込むマシュを見て、ロビンは微笑みながら肩を竦めた。

 

「……マシュお嬢さん、マスターのこと、頼みましたよ

 マスター、メモ帳みたいなのあったら貸して貰えます?

 あとこれ、置いていくんで。寒くなったらマントにも布団代わりにもなりますよ」

ロビン・フッドはマスターからメモ帳とペンを受け取ると、上質な毛布をマスター達に手渡した。

 

「ありがとうございます、ロビン・フッドさん!」

 

「じゃ、マスターの事頼んだぜ、マシュお嬢さん」

ロビンはそう言い残して森の中へ消えた。

 

「先輩。喉はかわいていませんか?体は冷えてはいませんか?

 まず、飲み水を確保しなければなりませんね!それと、簡易的なシェルターも…」

マシュは覚えたての知識をマスターに披露しようと、鼻息を荒くしていた。

その様子を影から見ている存在がいることに気づかずに………

 

 

 

 

───丘の頂上

少し時間をかけて、丘の頂上まで辿り着いたロビン・フッド

辺りを見回して現在状況を確認する。

「こりゃあ、紛う事なき無人島だな

 …よし、水場もあるじゃねぇか 思ってたより資源は豊富ってか」

ロビンが周囲を見渡してメモ帳に位置図を記していると、地鳴りが響いてくる事に気づく。

 

「あ?……なんだこれ、地震にしては……」

困惑し、辺りを警戒するロビンの崖下で、突如として爆音と噴煙が巻き起こる。

立ち上る噴煙は、轟音を響かせながらマスター達がいるはずの海岸へと一直線へ向かっており、今まさに邂逅しようとしている。

 

「……あれ、やばいな。間に合わねぇかも!無事でいてくれよっ!」

 

ロビンが想定していた最悪の事態は、杞憂に終わった。

ロビンが辿り着いた時、海岸には横たわる巨大猪と、その前で仁王立ちしている甲冑の騎士が満面の笑みを浮かべていた。

 

「太陽の騎士の名に懸けて、貴方に完全な勝利を

 ……とはいえ、些か物足りませんでしたね。ご無事ですか?マスター」

 

太陽の騎士(サンライズアーマードゴリラ)ガウェイン。

彼の行った戦闘がどれだけ激しかったか、周囲の破壊された木々が証明していた。

 

「ガウェインさん!あなたも来てくれたのですね 

 助けてくださって、ありがとうございます」

あわててマシュが駆け寄っていく。

 

「お怪我が無い様で安心しました。私が来たからにはもう大丈夫ですよ」

高らかに笑う太陽の騎士を横目に、ロビンは肩をすくめていた。

 

「オタク……やってくれましたねぇ…

 あの猪は"強者"の気配だだもれのオタクを狙ってやってきたんだ」

ロビンの言葉に、眉をひそめるガウェイン。

 

「何を…」

 

「見ろ、この猪は雌。

 これだけの巨体、大所帯持ちってところだろうぜ。

 オタクの剣気を危険視して、家族を守る為にここまで迎えうちに来たんだ」

 

何か反論しようとしたガウェインの言葉を遮るようにしてロビンは話をつづけた。

マスターは火花が飛び散りそうな程に睨み合う二人を制止し、少し離した。

マシュがその間に立って両手を広げた。

 

「ガウェイン卿、ロビンさんも、身内争いはやめましょう

 原因がもしガウェイン卿にあったとしても、助けに来てくれた事に変わりはないのですから」

 

「…お嬢さん。気づいてないんですかい?

 マスターは今、レイシフト中とはいえカルデアの支援が受けられない状態だ

 そういった事態を想定して、オレが喚ばれたって訳ッスよ

 かの円卓の騎士どのが召喚されちまったとあれば、本来魔術師として素人のマスターにとっての負担は計り知れないんスよ」

 

ロビンの言う通り、マスターの顔面は先ほどと違って蒼白だ。

ガウェインがカルデアの電力で補っていた魔力の支援が無い状態で、思う存分戦ってしまった影響である。

 

「それに……こんだけ派手に暴れれば、周囲の獲物も逃げちまっただろうさ」

物資の補給も絶望的。しばらく気まずい空気が流れる。

その沈黙を破ったのはガウェインであった。

 

「…マスターを危機から救うとあれば、サーヴァントであるこのガウェイン

 参じずして何が騎士と言えようか?」

 

「チッ…わかんねぇ野郎だな

 魔力のコスト問題でわざわざオレが喚ばれてるっつーのに

 オタクみたいな考え無しの犬が来たから全部台無しだっつってんだよ!」

語気を荒げてロビンはガウェインの肩を突き飛ばそうとするが、ガウェインは微動だにしなかった。

 

 

「私とて、何も考えずに来た訳ではない

 マスターがレイシフトした後、一切の連絡が途絶えた

 最悪の事態を想定した場合、多少のリスクは覚悟してでも救いに向かうべきだと判断したまでのこと」

ガウェインはそのままロビンの腕を掴み、凄んで見せた。

 

「それで魔力喰らいのオタクが来たら本末転倒だって言ってんでしょうが!」

 

「二人とも!もう本当にやめてください!」

マスターがやつれた表情のまま手を上に上げて二回ほど振ると、マシュは大盾を顕現し、一人ずつ後頭部に振り下ろす。

 

「だってお嬢さん!こいつがグハァッッ!!!」

強い衝撃を受けたロビンは勢いよく砂浜に突っ伏した。

 

「マスター!私は騎士として貴方にお仕えすると誓ゴフッッ……」

渾身の一撃を後頭部に喰らったガウェインは、喋りかけた台詞を止めて、虚ろな眼差しで水平線を眺めはじめた。

「今日も太陽が美しい」

 

 

「お二人とも、先輩のことを想って言っている事はわかります

 しかし、今は争っている場合ではありません。緊急事態なのです。

 食糧調達の任務はいったん置いといて、マスターの安全を確保することを優先しませんか?」

 

冷静になった二人がマスターを見ると、マスターは頬がこけ、砂浜で直に横たわっておりもはや虫の息であった。

「あ……やべぇかも」

三人のサーヴァント達(内一人はデミ)は、そそくさとマスターの世話をした。

マシュの提案、ロビンの的確な指示と、ガウェインの実働により、日没までに木々で組んだテントが完成した。

 

───夜

 

「そこの川で魚獲って来たぜ

 お嬢さん。火の具合は?」

テントの中では、石で囲った中で小さな焚き火が灯っていた。

木と葉で建てられたテントは通気性がよく、マスターは快適な温度で休憩する事ができた。

 

「ええ、言われた通りに火は絶やさないようにしています。

 ガウェイン卿が集めてくれた薪もありますし」

 

「そりゃ結構なこってす

 マスター、魚焼きますんでもうちょっと寝ててくださいよ」

棒が差された魚は、焚き火にかかげられ、パチパチと小気味よい音を鳴らす。

同時に、ドスドスドスと地面を揺らしながらガウェインが現れる。

その両手にはヤシの実が大量に抱えられていた。これはマシュが指示していたものだが、量が多い。

 

「このガウェイン、貴方の為にヤシの実を採って参りました。

 さぁ、水分を補給してください フン"ッッッ!!!」

ガウェインは間髪入れずに素手でヤシの実を真っ二つにしてマスターに手渡した。

焼き魚とヤシの実ジュースを摂取したマスターは、幾分か体調が落ち着いたようだった。

 

「塩でもありゃ、もちっとマシな味になったんでしょうが

 今はそれで勘弁してくださいよ マスター」

 

「塩分は必要です……先輩の為にも、明日は海水から塩を精製しましょう」

 

「となると、容器も必要になるな

 川から粘土を取ってきて、それから……」

 

せわしなく明日の予定を議論するマシュとロビンをよそに、ガウェインはそっと砂浜の方へ出て行った。

マスターも、それについていく。

 

月明りで蒼く照らされた砂浜から、夜空を見上げるマスターとガウェイン。

無数に煌めく星空が、二人を見降ろしていた。

 

「…貴方ですか……本日は恥ずかしい所をお見せしてしまいましたね……」

マスターは、気にしないようガウェインを宥める。

 

「そんな……私には勿体ない言葉にございます。

 助けに来たつもりが、逆に貴方を危機的状況に追い込んでしまった

 あの弓兵の言う通り、私は考え無しのわからずやなのでしょう……」

 

そのように自分を卑下する必要はない。

ガウェイン卿が来てくれたので、行動の選択肢が増えたのは事実。

それにあなたの存在は、この絶望的な状況において心の支えにもなっている。とマスターは答えた。

 

「おお……」

ガウェインはマスターの言葉に感涙した。

ポタポタと大粒の涙が、砂浜にこぼれ落ちていく。

 

「騎士として、サーヴァントとして、これ以上の誉れはありますまい……

 ここに誓いましょう。私は、全身全霊を以て貴方を必ず、無事にカルデアへ送り届けると」

 

───そして、彼らが遭難してから20日が経過。

 

仮宿は木と粘土で作った頑丈な家となり、そこを拠点として彼等は行動範囲を広げていった。

 

「だからそこはもっと丁寧にやれっつーの!

 違う!その大木は支柱にすんだよ!床材じゃねぇ!」

 

「床も頑丈であるにこしたことはないだろう!!!」

 

 

助け合い、時に言い争い、笑い合い、サーヴァントとマスターという関係の垣根を越えて、彼等はこの島で生きていた。

マスターは衣服を脱ぎすて、葉っぱで作った腰みのを身に付けて海で銛突き漁をしていた。

肌はすっかり褐色に焼けており、海の似合う人となっていた。

ロビンから習った漁も随分と上達し、一撃で魚を仕留めている。

海から命をいただくことに感謝し、ふと空を見上げる。

 

ロマニ、ダ・ヴィンチ、それにみんな。

もうカルデアからの助けは来ないかもしれない。

そんな不安を抱いたマスターのもとへ、突如として木造家屋の方から通信がの声が聴こえてきた。

 

『ザ・・ザ・ザーーー・・・・君達、そこにいるのかい?

 聞こえているのなら、応答してくれたまえ』

 

ダ・ヴィンチちゃんの声だ。

マスターは銛を持ったまま急いで家へと駆け付けた。

 

『おお!その声が聞けて安心したよ

 ようやく君達の座標が特定できたので、通信を仕掛けてみたんだ』

 

『ほとんど、ギャンブルだったけどね…やれやれ

 全員無事でいるかな?』

ダ・ヴィンチの隣にはロマニも居る。

マスターの頬には涙が流れていた。20日程度が、まるで数年以上経ったかのように感じられた。

 

『そんなに喜んでくれるとは、こちらとしても光栄だ♪

 早々に帰還準備するから、そちらも態勢を整えてくれたまえ!』

 

マスターは令呪も以てサーヴァント達に一同集うよう声を届けた。

 

「通信が!?それは良かったです!これで帰れますね先輩!

 実は、これから船を作る予定だったので、ちょっと残念ですけど」

マシュとガウェインが角材を持ちながら少し残念そうにする。

本当に船を作るつもりだったのだろうかとマスターは首を傾げた。

 

全員の体の周囲に淡い光が照らされる。帰還の前兆だ。

ガウェインは優しい眼差しでロビンに語りけける。

 

「ロビン、私は貴方の事を少し……誤解していた。

 貴方は立派なサーヴァントだ。

 この20日間、マスターと私が、どれほど貴方の知識と技術に助けられたか

 この恩は、到底返せるものではない」

ガウェインの激励を聞いたロビンは、くるりと踵を返して後頭部に手を回した。

 

「……正直、オタクみたいな騎士道精神っていうのふりかざすような輩は苦手ですよ。今でもね…

 でも、オタクの馬鹿力が役に立ったのも事実なんで、そこはまぁ、オレも感謝してますよ……」

最初の3日間は激突しまくっていたが、その度にマスターのやつれ具合を見て二人は争いを止めていた。

二人は次第に協力しあい、マスターの為という理念が一致して共に行動した。

ようやくカルデアへ帰れた一行は、大量の備蓄も共に持って帰って来た。

マスター達の無事が確認でき、職員やサーヴァント共々は大いに歓喜した。

真っ先に駆けつけてきたのはエミヤ(アーチャー)であった。

 

「まったく、レイシフト早々から遭難とは冗談にもならないぞ!

 今回は無事に帰ってこれたからよかったものの、そのまま消失(ロスト)する可能性だって十分に考えられた!」

 

エミヤ(アーチャー)にさんざん叱られた後、こんがり日に焼けたマスターを面白がって、様々なサーヴァントがマスターをいじくりまわした。

 

ようやく一息ついた所で、マスターは召喚の儀に入る。

 

「先輩。帰って早々召喚を行うのですか?

 少し、休んだ方が……、ああ!無人島で生きている間に支給された聖晶石が貯まっていたのですね!」

 

――――告げる。

  汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に。

  聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従うならば応えよ。

 

召喚の儀を行う。

久しぶりの感覚に肌がひりつくマスターの目前に現れたサーヴァントは

巨大な米俵を担いだ大男であった。

 

「うむ!

 サーヴァント、アーチャー。

 召喚に応じた……さて、まずは何はともあれ腹ごしらえだ!」

 

「えっ」

 

「ハッハッハッハァ!さあ、行くぞぅ!

 対宴宝具 美味いお米が、どーん、どーん!」

 

一同、米俵から無限にあふれだす米を前に、呆然と立ち尽くす他なかった。

両肩に食糧を抱えたガウェイン。これから魚を食堂へ届けようとしていたロビン・フッド。

白目を向いているマスター。何かを悟り、絵画のように微笑む万能の天才。

 

俵藤太の召喚により、カルデアの食料事情は一気に解決した。

我々の行いは一体なんだったのだろう、あの無人島で過ごした日々は、照りつける太陽のもと、汗を流して生き抜いたあの日々は。

答えを知る者はいない。答える者もいない。

もう銛突きをする必要はないのだから。

 

後にマシュは、日記にこう締めくくっている。

聖晶石(ガチャ)による召喚は、何もかも覆す可能性がある】と…。

 




おまけ

カルデア大衆食堂 U.M.W

「今日は鮎のコンフィを作る
 時間がかかる料理だが美味いぞ」

「子イヌが無人島で焼き魚を食べたって聞いてオーダーしたのよ。さぁ!早く作って頂戴!」

まず。鮎はぬめりを落とすために塩を振って揉みながら洗い流す。鱗は先にとっておく。生臭さが気になるならビニール手袋をつけて洗うといい。
形が崩れる可能性が高いので、この時にもう竹串を刺しておけ。

次にフライパンにオリーブオイルを鮎が浸されるくらいまで投入する。オリーブオイルは弱火で熱しておくこと。
油が勿体ない時は、厚手の袋にオリーブオイルを投入し、鮎も中に入れる。しっかりと口を閉めて密封すること。そのままお湯の中に入れておくといい。
約3時間ほどじっくりと熱する。オーブンがあればそれを使うのも良いだろう。

熱した後はタッパーにでも入れて冷蔵庫で冷やす。一日かけて冷やしていい。

これをフライパンで熱して岩塩などをふりかけて食べてもいいが、お好みできゅうりのソースを作ってみるのもいいだろう。

きゅうりとオリーブオイルをミキサーにかけるだけの超簡単ソースだ。
これにお好みで香草を使うのもいいだろう。
ローリエと共に鮎をフライパンで熱してきゅうりソースをかけて完成だ。

「骨まで食って溺死しろ!」

「すごぉい ホントーに骨まで食べれるぅ~!」


つづく
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※評価値0,10は一言の入力が必須です。参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。