機動戦士ガンダムSEED 理想の従者 作:傍観者改め、介入者
ストライクでの作業を続けるキラ。彼は悩んでいた。
「アークエンジェルを降りて………オーブに帰る………」
それが自分の望むべき未来。しかし、自分がこの艦を降りればクルー達はどうなるのか。なによりも、ストライクのパイロットは誰がするのだろうか。
エリク・ブロードウェイ中尉がいる。それでいい。もう自分は関係ない。しかし、キラは彼に戦う理由について尋ねた。
―――その、どうしてエリクさんは連合に
―――そりゃあ、お前が心配するブルーコスモスは嫌いさ。けど、俺は地球生まれだ
地球生まれで、その土地に愛着を持っていた。まだコーディネイターとナチュラルの差別が表面化していなかった村だという。
―――その地球を無茶苦茶にするプラントが許せねぇだけさ
エイプリール・フールクライシスで村は放棄された。もう食べることが出来ないと。そして、コーディネイター、ナチュラルに関係なく人が死んだ。
だから許せなかった。それがエリクの戦う理由。
―――もし、お前の国に生まれていたら、幸せだったのかもしれないけどな
儚げな彼の笑みが、忘れられない。
―――だからさ、お前は絶対に、幸せになれよ!
除隊するかどうかを迷っていた自分の背中を、送り出してくれた気がした。
「僕は………」
時間を持て余していた時、
「キラ・ヤマト君だね? ちょっと、いいかな?」
聞き覚えの無い声が外から聞こえてきた。誰だろう、と思いながらコクピットから顔を出すキラ。見ると、そこには二人の軍人が立っていた。
「………あなたは?」
コクピットから出て、彼らの目の前に降り立つキラ。
「私は地球軍第八艦隊指令ハルバートンだ。今回の件で君達に礼を言いに来たのだよ」
「お礼………ですか?」
初めて見る艦隊最高責任者に少しだけ緊張するキラ。まさか、数日前までオーブの一般市民だった自分が地球軍の上層部の人間と挨拶するとは夢にも思わなかった。
逆に、彼らと堂々と話をしていたリオンの胆力は異常だったが、
―――本当に、何者だったんだろう、リオンさんは
「ああ、ここまでアークエンジェルと救助民を守ってくれて有り難う。心から礼を言わせて貰おう」
そう言って優しく微笑むハルバートンに、キラは本当にこの人は軍人なのだろうかと思った。
ヘリオポリスを破壊した原因となったGシリーズ計画を進めたのが目の前の男だとしても。無論それを知っているだろう。だからこそ、彼は責任を感じて優しくなっているのだろうか。
「い、いえ………僕は別に………」
最初の思いは友達を守りたい。ただ、それだけだったのだから。
「しかし、君たちが居なければアークエンジェルは今頃ザフトに捕獲されているか撃沈されていたことだろう。君の思いがどのようなものだったとしても守ってくれたことには変わりないよ」
「………はい……守れて、よかった、です……」
「君達ヘリオポリスの学生は避難民と共に地球降下時にオーブへ送り届けよう。なに、後処理の方は心配しないで大丈夫だ。責任を持って我々が処理するから」
キラ達が軍人となる前に戦闘行為をおこなっていたことは公にはならない。
つまり、なかったことにされる。今後もその事実を突きつけられることはない。
だが、キラにはそれ以上に気になることが2つあった。
「あのっ!」
「ん?」
「リオン、リオン・フラガはどうなるんですか!?」
その彼は、どうなるのか。傭兵という肩書で自分とアークエンジェルに線引きをして、その身を守ってくれた恩人。
「君の後に交渉して、意思確認をするさ。無論、私は除隊して構わないと思う」
「そう、ですか……それと………今後、アークエンジェルは……」
自分がいなくなったどうなるのか。ようやく慣れてきて、動かすことが出来るようになった代物だ。自分は精神面で問題があったが、リオンは違う。
彼は、この戦艦の柱だった。それが抜けた場合、どうなるのだろうか。
「うむ、地球に降下して本部があるアラスカに向うことになる」
「それで………僕は……」
キラの言いたいことが何となく分かったハルバートン。少年の純粋な気持ちを感謝しながらも、今後、この気持ちを利用されないか少々心配だった。
―――付け込まれやすい性格をしている。先に釘を刺して正解だったな
ナタルには強く言っているが、今後どうなるかわからない。高すぎる能力に反して、脆いメンタル。彼は戦場に出るタイプではない。
「確かに、我々軍人にとって君の力は魅力的だ。しかし、だ。戦争が君1人の力でどうにかなるものではない。覚悟を持たない人間が戦場に出ても役には立たんよ?」
キラがここまでこれた理由。それは友達を守ることだ。ヘリオポリスから続く困難を打開するためだけに戦ってきた。
「まずは何かをやり遂げる覚悟。信念を見出しなさい。それがどこの軍かはわからない。だが、まずは自分の信念を見つけるのだ」
そして、その友達が艦を降りることになった今。キラの戦う理由はなくなった。今の自分には信念も何もなかった。
「…………」
俯いたキラ。ハルバートンの背後から副官の男が小さく呟いた。
「君とゆっくり話す時間もないよ。平和になれば再び会うことも出来るだろう。それまで死ぬなよ!」
苦笑しながら去っていくハルバートン。キラはその背中を黙って見送った。
そして、リオンの前に現れたハルバートンは、彼を見て面食らった。
「??」
キラ・ヤマトも非凡なものを持っていた。しかし、目の前のリオン・フラガは異質そのものだ。
―――何というプレッシャーだ。あの鋭い眼光。民間人には見えんな
一目でリオンの雰囲気を看破したハルバートン。リオンもそれを隠すつもりが今はなかった。
「ここまでアークエンジェルを守ってくれて、ありがとう。改めて、礼を言わせてくれ」
「いえ。こちらにも目的がありましたので」
どこまでも平坦な声。彼はまだ何かを隠している、そう感じたハルバートン。
「――――それで、ラミアス君から報告が届いているが、プラントの少女を一人、保護しているようだね」
「ええ、セイラ・クレンベル。民間船の脱出ポッドに一人いたところを、保護しました」
リオンは救命ポッドに入った民間人を救出した。この点で、性格に問題がある人物ではないとハルバートンは考えている。
「その少女を、シャトルに乗せたいと。だが、一人だと不味いのではないかね?」
情報統制で彼女がいることは伏せられているが、一人放り出すのは危険だと彼は暗に言ったのだ。
「ええ。ですので、知り合いの方に途中まで送ってもらおうかと」
何もぼろを出さない。必要なこと以外は全く情報を出してこない。理路整然としているが、逆に不自然なしゃべり方だ。
―――しかし、甘いな
リオンの知り合い。つまりこの戦艦の中にオーブ政府に近しい人間がいるということだ。つまり、リオンも民間人ではない。
「―――なるほど。だが、君がオーブ所縁の者であることは知っている―――その少女は、そこまでする必要があるのかな? 自身の従者を外してまで」
「ええ、民間人ですからね。それに死地を掻い潜るのは、幼少からの十八番です」
ハルバートンは少し勘違いをしていた。あの二人をリオンの従者だと勘違いしたのだ。本当はカガリが主で、アサギが従者。自分はその友人という立ち位置だ。
彼もまさか、獅子の娘がこんな場所にいるとは考えもしないだろう。
「――――今回も、危険が来るということかな?」
リオンの死地という言葉に、食いついてきたハルバートン。無論彼も油断などしていない。目の前の少年は果たしてそれにたどり着いているのか。
――――年相応とは言い難い。特殊部隊? オーブの暗部の者か?
「ザフト軍は恐らく、降下前に強襲を仕掛けるでしょう。私が余計に脅威に映ったようで、おそらくそれなりの数を用意するはずです。第八艦隊は確かに精強ですが、MAではMSに勝てない。閣下がよくご存じだと思います」
「――――」
ハルバートンも無言でうなずく。面白い、少年のたわごとを最後まで聞いてやろうと考えた。
「その際に、第八艦隊に沈んでもらうと困る者がいる、といえばどうなるか」
「!? 君は一体……」
まさかの言葉だった。自分に消えてもらっては困る存在。それは誰なのだというのだ。
「――――私は今、マリュー・ラミアス大尉と契約を結んでいるのです、デュエイン・ハルバートン中将」
もはや目の前の少年は民間人ではない。しかし、自分を害する存在でもない。ただ圧倒されるだけだ。
「アークエンジェルのオーブまでの航路の安全確保。オーブまでくれば、アークエンジェルも安心でしょう。この高速船ならば、アラスカは遠くない距離ですからね」
「――――君が望むも物は何だね?」
「オーブが欲しいのは、これまでのMSの戦闘データです。生憎、私も戦闘経験はなかったので、満足なデータも取れませんでしたから。代わりに、寄港の際に万全の補給をお約束できます」
これまた難しいものを要求してきた。確かに、彼はもう機密の全てを知っている。赤い彗星として多くの敵を撃破している。
アークエンジェルを守るとすれば、これほど最適な存在はいない。
そして、オーブとは新型開発から腐れ縁に等しい。彼らもそのためにこちらの提案にうなずいたのだから。
「意思無き者に、戦う資格は非ず。今の私は、閣下にどう映りますか?」
その後、契約を結んだリオンは去り際に、
「では、オーブまでの契約終了まで、アークエンジェルは必ず守ります」
彼の青い瞳は、一体何を見ているのか。自分もそれなりに先を予想することはある。だが、彼の眼は何かを見通す目だ。
「横領の件はオーブ政府も黙認します。というよりもみ消します。ご安心ください。しかし、キュアンに一つお土産でも用意してくれるとありがたいですね」
「う、うむ」
会談終了後のハルバートンはその心中を吐露した。
「――――恐ろしい男だったな、奴は」
「ええ。私も懐に手を入れそうになりましたよ。しかし、それに気づいていながら、平然と話す胆力。オーブにあれほどの英傑がいるとは」
副官とともに、ハルバートンは後にこの時のことを手記に残している。
――――あれは本当に、リオン・フラガなのだろうか
あれが天才という部類に入らない存在だと考えているハルバートン。
あれは、経験を積んだ大人のような感覚だ。それも、修羅場をくぐってきたそれに近い。
――――奴は、本当にリオン・フラガ本人なのか?
目の前に、世界の変革者がいた。
自分の存在すら巻き込み、世界に変革を導く存在。
決して自分を害する言動もなく、利しか存在しない言葉の裏に潜む、不気味なものを感じずにはいられなかった。
ハルバートンとの会合に選ばれた部屋を後にしたリオンは、自分が外道になっている感覚を冷静に受け止めつつ、今後のスケジュールの打ち合わせをするために歩みを進めるのだった。
そして、彼の目的地はもちろん彼女らの部屋だ。
リオンはカガリとアサギに報告を行う必要があり、その横にはラクス・クラインも待機している。自分が人でなしになったとしても、上手く動かしてくれるであろう存在だ。
「カガリ、今は冷静でいてね。アサギさんから事前に聞かされているとは思うけど」
「お、おう」
先ほど騒ぎかけたカガリは若干目が泳いでいた。
「セイラ・グレンベルさんとともにカガリとアサギはオーブに向かうんだ。そこからはキュアンに頼るといい。マルキオ導師を通じ、プラントとのラインを繋いでくれるはずだ」
「本当に、こんなことをして大丈夫なの、リオン君?」
アサギには疑問だった。どうしてプラントの歌姫をここまで救うのかと。
本当に書面通りにプラントでは影響力の強い人間なのかと。
「これは、世界を救う一手だよ。政治とは事前準備が何事も必要なのさ」
それ以上のことは言わないリオン。つまり、聞くなということだ。
「ああ。私に任せろ。今言わないってことは、今私が知る必要のないことなんだろう?」
カガリは睨むようにリオンに質問した。
「ああ」
「だが、いつか教えてくれるんだろう?」
「その通りだ。カガリにはむしろ知ってもらわないと困る。今後の為にもね」
幾分かの葛藤があった。自分に比べて、リオンは世界を相手に動いている。自分の考えが及ばないような場所で戦っている。
まだ自分はそこまでではない。己惚れもない。ただ悔しかった。
「――――わかった」
「ありがとう、カガリ」
カガリの了解の言葉を聞き、リオンは安心するように表情を緩めた。
「けど忘れるなよ? いつかお前に追いついて、お前の背中を追い越すからな。その時は―――」
カガリが何を言いたいかはわかる。リオンはその彼女の言葉を静かに待った。
「その時は、お前が私に仕えろ。お前を使って、未来を切り開いてみせる」
「え!?」
その時、初めてラクスは驚きの声を上げる。このカガリという人物とリオンは絆の深い間柄だと薄々感じていた。だが、今の物言いではまるで――――
「御心のままに、姫様」
そして、騎士その物な跪き方でカガリの前に直り、忠誠を誓うリオンの姿。
そしてその声色も、あの時自分を温かくしてくれたものと同じだったのだ。
「――――――」
合点がいった。リオンのバックにはオーブがいる。だからこそ、この危ない橋を器用にわたり、オーブの理念を守る力の糧とする。
そして、リオンは世界の裏側で暗躍することで、何かを為そうとしていた。それはオーブの在り方を助ける行動。
目の前の未来の主を、守ることにある。
「というわけで、先にオーブに降りてもらうぞ、カガリ、アサギ。俺はオーブまで同行して、その後アークエンジェルを降りることにする」
「―――分かった、お前が遅れを取るとは思えないが、気をつけろよ」
「了解した。血路を開いて、すぐに馳せ参ずるとしよう」
カガリとアサギ、ラクスをシャトルへと誘導し、リオンのやることは終わった。
そう、終わったはずだったのだ。
「ん? これは――――」
リオンは違和感を覚えた。そこには、ハロと呼ばれるピンク色のメカがいたのだが、故障して動かなくなっていたのだ。
「あれ? ピンクちゃんはどこに……」
そして、シャトルに乗っているはずの彼女がいた。
「なん……だと……!?」
目の前に、いてはならない少女がいたことに、リオンは愕然とした。
――――――なんということだ。どうすればいい? 計画壊れた…
心中では苦悶の表情を浮かべるリオンだった。
きっかけは、些細なことだった。人にはバグがつきものだ。しかし彼はそのバグをあまり体験することがなかった。全てが完璧で、全てが一直線。理路整然とした思考。
しかし、その行き着く先は機械のような器、だったのだろう。
だが、彼の目の前に彼女がいた。計算というものを破壊し、彼の幻想を壊す存在。同時に、彼をイライラさせたりもする。
そんなマシーンのような器になるしかなかった青年の運命が変わったのも、おそらく必然だったのだろう。
バグを覚えた器は、機械になり得ない。彼の人としての歩みが、再び始まったことに、まだ誰も気づかない。
「――――――――――」
目頭を押さえ、無言のリオン。
「――――リオン様?」
「なんでもない。なんでもないんだ―――――」
そして、アークエンジェルの自室の中で持ち物整理を行っているヘリオポリス組の面々。
「片づけは終わったか?」
「もうちょっと待って!」
「後カズイが終わればシャトルへ行こうぜ」
トールたちや、他の学生たちも準備を進めていた。ここまで苦楽を共にしてきた仲間なのだ。最後はみんなでこの船を降りたいという気持ちも芽生えていた。
しかし、それが彼らにとっての運命の分かれ目だった。
警報が鳴ったのだ。アークエンジェルの船内で。
「!!」
リオンは驚いた。まだ補充要員もまだ完全に補充されていない段階だ。
―――――襲撃は予期していたが、あと少し待ってほしかった。
とは言いうものの、予想が難しいから襲撃というのだと諦めるリオン。
「――――――よりによってこのタイミングか……」
「まあ、この警報は――――」
ラクスもこの警報に戸惑いを隠せないが、リオンはこの現状に戸惑いを隠せなかった。
―――ザフトめ、俺のプランが壊れる。どうしてこうなった。本当に許さない
オーブに送り届け、ヘリオポリスの件を清算するために、プラント穏健派とアポイントを取る。そして同時進行で連合の穏健派と、事務次官ジョージ・アルスターともパイプを構築した。少しずつ和平の可能性を見出してきた。
そのピースが狂った。
「――――こうなったら仕方ありません。俺の傍を離れないで、セイラ。速やかに自室に戻るんだ」
半ばやけくそに、リオンはラクスを自室にいるよう指示をした。後はしつこいザフト軍を殺すだけだと、イライラを隠せないリオン。
―――――絶対に許さない。俺の邪魔をするのなら、それ相応の代価を支払ってもらう。
「? わかりましたわ」
天然な感じのする娘ではあった。だが意図的に、彼女の意志でここにいるのだとしたら。
―――うちの姫様に負けず劣らず、アクティブなお嬢さんだ。しかし、ここで出さなくてもいいだろう。
ラクスの行動力に驚きつつも、現状の危険を払わなければならないリオン。
――――ここで出さなくていいだろう?
しかし、ノイズのように心の叫びが心中で響き渡るリオン。やはり割り切れていないようだった。
ザフトの強襲が始まる。絶対にアークエンジェルを地球に降下させる必要がある彼にとって、彼らは排除対象だった。
ヴェサリウス、ガモフのクルーゼ隊に、オデュッセイア、マシュマーからなるジェシー・オロゴン率いるオロゴン隊を合わせ、4隻のザフト戦艦。
モビルスーツは24機。ザフト軍にとっては少し本気を出してきたのだ。
「さぁ、初陣だ。ひよっこ。それなりの意地を見せろよ、お前たち!」
「はいっ!」
「了解」
イザークにいわれ、先に出撃するニーナとフィオナ。
「ニーナ・エルトランド、ジン、行きますっ!!」
「フィオナ・マーベリック、出る」
ジンハイマニューバに乗った二人の機体を見送った後、イザークも出撃。
「新兵だった俺に、もう後輩が出来るとはな」
そこまで時間が経過したことになる。まだ一年もたっていないようにみえる。
「イザーク・ジュール、デュエル、出るぞっ!」
「あらら、後輩が出来て張り切っちゃって、フォローする身にもなってほしいぜ」
ディアッカがイザーク達を見て嘆息する。
「いいじゃないですか、ディアッカ。連帯感があっていいと思います」
「そうだな、ニコル。ここでビシッと先輩としてグレイトォなところを見せたら、クールかもしれないし? あの嬢ちゃんたちに振り向いてもらえるかも?」
「ディアッカに聞いた私がばかでした」
ジト目で睨むニコル。
「――――油断するな、相手は赤い彗星だ。絶対にあの二人で相手をさせるな。アレはイザークと俺でやる」
アスランは油断できない感情が勝っていた。アレは何としても落とさなくてはならない。
「了解です。では私とディアッカで二人のフォローを。赤い彗星さえ押さえればあとは」
「ああ。だが油断するな。新型が2機ずつしか稼働していない状況が続くとは限らない」
アスラン・ザラは妙な胸騒ぎを覚えていた。
―――キラは、オーブへ帰れただろうか
今になってキラのことを思い出していた。
―――武者震いのせいで、変なことを考えてしまった。
そんなはずはない。キラはヘリオポリスにいたとしても、もう本国にいるはずだ。こんな場所に心優しい彼がいるはずがない。
結論。エリクがコーディーなのが悪い。