ゆらぎ荘の幽奈さん ~神秘殺しと病弱狐と鬼達~ 作:リュオネイル
「執筆は良いが書けるのか?」
リュオネイル「一応原作は9巻まで買ってあるからとりあえずはネタに困らない!」
「いや、作者は来年は就職だろ?それなのにこんなことしてて良いのか?」
リュオネイル「その時はその時でどうにかするさ。」
「おいおい……」
某月某日。季節は冬が終わり春がやってこようとしていたときのこと。とある町の近くの山奥にて、腰に木刀を挿した一人の青年が立っていた。
「もし、そこのお方や」
その青年の後ろから誰かが声をかけてきて青年が振り返ると、そこにいたのは腹が異様に膨らんでいる餓鬼だった。餓鬼は異様に膨らんだ腹を青年の方に突き出してこう問いかけた。
「茶漬けを食べたか?」
対して問いかけられた青年はじっと餓鬼を見つめ続け、答えぬまま静かに瞳を閉じた。その様子を見た餓鬼は返事のない青年に対してもう一度問うた。
「おい、茶漬けを食べたか?」
二度目の問いに対しても、青年は答えたり頷いたりせず、ただじっと目を閉じたまま黙っていた。そんな様子の青年にいよいよ怒りを覚え始めた餓鬼。今度は怒気を孕ませた声で問いかける。
「おい人間!お前、茶漬けを食べたかと聞いている!答えろ!」
「…………食べた」
餓鬼の問いかけに
「そうかそうか、食べたのか。食べたんだねぇ。……なら、その米寄越せやぁ!」
餓鬼は叫びながら鈍い光を輝かせる鋭い爪を青年の腹に突き出し、腹をかっさばいて腹の中の米を喰らおうとしていた。が、青年は
「……
その呟きは餓鬼に届いたか否かは定かではないが、餓鬼の鋭利な爪は青年の腹を捉えようとした。しかしあとほんの数㎝というところで、青年は左足を半歩後ろに下げて半身をずらすことによって爪の攻撃を避ける。攻撃を避けられた餓鬼が青年の横を通過しようとした、その刹那だった。
青年はすれ違いの刹那、木刀を腰から抜き放ち横水平に振るう。その振るう早さは
「ガァッ!?き、斬られたぁぁ!?…………って、アレ?斬られてない?」
すれ違った餓鬼が斬られた部分であろう膨らんだ腹に手を当て悶えているが、木刀だったせいか、はたまた掠りもしなかったのか餓鬼の腹には切り傷のひとつもなかった。
対して青年は血糊を払うように木刀を振り、また腰帯にゆっくりと差し込んでいく。
「呵々ッ!何をしたかは知らないが、どうでも良い!さぁ、貴様の腹の
背を向け、その上無防備な後ろ姿をさらしている青年に嘲笑いながら爪をたて、青年に向かって走りだしその背中に突きたてようとする。その瞬間、餓鬼の体に異変が起きた。
「……む?な、なんだ……体が、痺れてくる…………?」
突如、餓鬼の体が振り返った状態で動かなくなったのだ。まるで
「だから言っただろう。誅伐執行……貴様の体の内から溢れる
「なっ!?なんだと!?や、止め────」
青年が振り向かずに放った言葉に餓鬼の顔が驚愕の表情に染まり、悲鳴に似た叫び声をあげようとした刹那、餓鬼の体中の様々なところの内側から雷のような閃光が溢れ始め、次第に餓鬼の体は異様に膨らんだ腹と同じように膨らんでいき、落雷のような轟音と共に破裂した。破裂したとき、餓鬼の肉片は共に放たれた雷が直撃し、焼け焦げ地面に落ちることはなかった。それとほぼ同時に木刀を完全に腰に差す青年。
青年は餓鬼のいた場所を振り返り、辺りを見渡して気配がないのを確認すると誰かに語りかけるように呟く。
「……誅伐、完了。これより帰還する」
青年の呟きは誰にも返されるわけでもなく、ただただ静かな山の木々の中に響き、溶けていった。
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【妖怪】。日本で伝承される民間信仰において、人間の理解を越える奇怪で異常な現象やあるいはそれらを起こす、不可思議な力を持つ非日常的・非科学的な存在のこと。
妖怪にもそれぞれに分類され、以下のようにある。
──曰く、「本体」がどのようなものであるか、類似しているかという「人間・動物・植物・器物・自然物」の5種の分類。
──曰く、どのように「化ける」かという変化の「現世的・精神的・輪廻的(来世的)・具象的」の4種の分類。
──曰く、「容姿」がどのような妖怪であるかという「人間・動物・植物・器物・建造物・自然物・雑」という7種の単独的容姿と、それらの複合的容姿のどれかであるかという分類。(by 〇iki〇edia)
これらの分類に別れていて、先程の餓鬼はヒダルガミと呼ばれる山道などを歩いている人間に空腹感をもたらす妖怪(というより悪霊)だ。
「それにしても冬空のやつ、いったいどこで何してるんだか……」
そう呟くと同時に自分は脳裏に古い知り合いの顔を思い浮かべる。田舎の不良のようなヘンな恰好(とはいうが実際自分から見ればかっこいいと思う)に、前髪は鬼太郎ヘアーとまではいかなくても、たまに片目が隠れるほど長い。学生服の袖とズボンの裾をまくっていて、前腕部と脛は包帯を巻いている。顔立ちはそれなりに整っている(のにまったくモテないのには複雑な理由があるから、らしい)。
「まったく連絡がないというのも、これはこれで困るな……」
知り合いと別れてから二年。彼はバイトをしながら悪霊や幽霊を退治して全国を回っているらしい。え?自分は何をしているかって?そもそも自分は誰かって?それは……。
と、自己紹介をしようとしたその時、自分の後頭部辺りに
今いる場所は先程の山の近くの町。そして自分が向かっている旅館の道のりで、夜中で誰もいないとはいえこうも平然と苦無を投げてくるのは自分の中でも一人くらいしかいしかいない。
「……狭霧。遅くなることは矢文で伝えてあるはずだが?」
地面に突き刺さった苦無を見て呆れ……というよりかはうんざりするかのような言い方で振り返ると街灯の上に一人の人影が立っていた。
「うるさい。遅くなるにも限度があるだろう。貴様がそんなにもてこずる相手だったのか」
影はそう言いながら降りてくると街灯の光でやっとその影の正体が見えた。手裏剣型の髪留めか特徴の紫の左サイドテールにこの街の高校特有の学生服を身に纏った凛とした表情を少しの不機嫌が浮かんだの少女だった。彼女の名前は『
「探すのに手間取ってな。最初は山の中腹より上辺りで見つかると思っていたが、意外に見つからなくてな。結局山奥にまで行ったというわけだ」
「フンッ、情けないな。私なら貴様の半分の時間で片付けれるぞ」
遅れた理由を言うと狭霧は自分に呆れるような素振りを見せながら歩み寄っていく。自分のそばまで来ると自分も下宿先の旅館に向けて歩を進める。
「それは悪かったな。要領が悪いんだよ、自分は」
「まったくだ。貴様は会ったときから要領が……」
と、まぁ仲が悪いように見える訳だが、自分は狭霧のことは嫌いではない。むしろあの生真面目な性格は好感が持てる方だ。……男に免疫がなくて最初の頃は頭に苦無が集中砲火を浴びせられ、今でもそれは記憶に新しいが。
そんなこんな話ながら歩いているうちに自分達の下宿先である旅館────『ゆらぎ
なぁんか中途半端な終わりになっちゃいましたが、次からはキチンとゆらぎ荘の住人全員を出す予定ですので、こうご期待!( ゚∀゚)ノシ