ゆらぎ荘の幽奈さん ~神秘殺しと病弱狐と鬼達~   作:リュオネイル

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リュオネイル「勢い余って連続投稿!」

「早く書きすぎるとネタが早々に尽きると思うぞ?」

リュオネイル「その時はその時さ!やれるだけのことはやる!それだけだ!」

「……まぁ、本人がそれでいいならそれでいいか」


第弐話 ゆらぎ荘の住人と知人

「「ただいま帰りました」」

 

 ゆらぎ荘の玄関から同時に入り、狭霧と同時に挨拶をする。別に狭霧に合わせているわけではない。二人で帰ってくるとよく挨拶が被るのだ。

 

「あ、おかえりなさい。お仕事お疲れ様です、ライコウさん」

 

 自分達が帰ってくると皿を運んでいる最中なのか、皿を載せた盆を持った外見()()ならば13歳に見える仲居姿の少女の名前は『仲居(なかい)ちとせ』さん。

 

「ただいまです、仲居さん。手伝いましょうか?」

「あぁいえ、大丈夫ですよ。いつもやっているので♪」

 

 自分も手伝おうと仲居さんに歩み寄るが、仲居さんは顔を自分の方に向けて笑顔でやんわりと断った。

 

「そう、ですか?しかしたまには手伝った方が……」

「でもライコウさんはお仕事から帰ってきたばかりですよね?それなのに手伝ってもらうわけにはいきませんよ」

「いやしかし……」

 

 仲居さんに断られ続けるがなおも食い下がる自分。さて、仲居さんが言った自分の《仕事》のことだが、自分は学業の他に近辺の妖怪退治を副業として生計を立てている。近辺だからか出てくる妖怪も報酬もあまり目立ったものではないが何もないよりかはマシだ。

 

「おいライコウ、仲居さんがいいと遠慮しているんだ。お前も引くときは引かんか」

 

 自分と仲居さんのやり取りに呆れるように自分を(いさ)めてくる狭霧。

 

「む……むぅ」

「その気もちだけで十分ですよ♪それに、ライコウさんには力仕事とかよく頼んでいるんですから、たまにはゆっくりしてください」

 

 狭霧に諫められ、ぐぅの音も出なくなる自分。そんな自分に太陽のような笑みを浮かべて感謝の言葉を告げる仲居さん。そんな笑みを見せられたら自分としては何も言えなくなってしまう。

 

「……分かりました。今日はもう休みますね」

「はい、そうしてください。あ、そういえば晩御飯はどうします?軽い物なら作りますけど」

「いえ、今日はもう風呂に入って寝ようかと。山を歩きすぎて空腹より疲労が酷くて……」

「あぁ、なるほど。分かりました。……そういえば、お風呂には幽奈さんが向かっているはずですよ」

「そうなんですか?なら、少ししてからまた様子を見ますか」

 

 そう言って自分は宴会の間でもある大広間に向かった。大広間の襖扉の前に立ち、右にスライドさせる。するとそこには冬のブラックホール(自分命名)こと炬燵(こたつ) があり、そこには服を肌蹴させ眼鏡をかけた女性が『鬼殺し』片手に一人宴会が行われていた。

 

「ん~?……あ~、ライコウちゃぁ~ん!帰ってきたのぉ?」

 

 襖が開かれる音で自分が入ってきたの感じたのか、眼鏡の女性はこちらに振り返り、酒瓶の持ってない方の腕を振って朗らかに言ってくる。この朗らかな女性の名前は『荒覇吐(あらはばき)呑子(のんこ)』さん。彼女は見ての通り飲兵衛で常日頃から飲酒している。その上服装にだらしがなくて────。

 

「…………呑子さん。その、下着が見えているんですが……」

「ん~?……別にアタシは気にしないわよぉ?」

「呑子さんが気にしなくても自分が気にするんです!!」

 

 そうなのだ。呑子さんは服装が日頃からだらしがないせいか、下着が丸見えなのだ。しかも見られても本人は気にも留めないし、むしろからかい気味に自分とよく接触するのだ(主に後ろから抱きついてきたり自分の顔をあの豊満な胸に沈めさせる等)。

 ……正直、他の人から見ても自分から見てもかなり刺激的な格好な上、その柔らかくいい匂いがする彼女が(物理的に)急接近してくるために理性を保つのが精一杯なのだ。もし、襲おうものなら返り討ちに遭うのが関の山だろう。

 

「んふふ~♪ライコウちゃんったらテレちゃって~♪かぁ~わいい!」

「ぐ、ぐぬぅ……って、呑子さん、そういえば夜々(やや)は?」

 

 顔をお酒の火照りで真っ赤に染めながらからかってくる呑子さんに少しの悔しい気持ちが込み上げるが、もう一人の住人の姿がないことに気づき、呑子さんに聞く。

 

「夜々ちゃん?夜々ちゃんなら」

「…………ココ」

 

 呑子さんが夜々の居場所について話そうとしたとき、炬燵の一部分の布団がモゾモゾと動き、そこから猫耳を生やした少女の顔が出てきた。

 

「あらぁ?まぁた夜々ちゃん炬燵の中に入って寝てたのぉ?」

「うー……おは」

 

 思わぬところから出てきたこの猫耳少女の名前は『夜々(やや)』。実を言えば猫耳だけでなく尻尾もあるのだが……この説明は、みんな一斉に説明するときに話すとしよう。

 

「夜々。そこで寝るのは構わないが風邪引かないようにな?」

「う……?分かった」

 

 本当に分かったのか?と内心不安に思うほどの無表情で頷かれ、とりあえずそのままにしておき、自分も炬燵に入ろうとする。

 

「今日は遅いって聞いたけど、そんなに強い相手だったのぉ?」

「いえ、手強いというより発見しにくかった、の方が大きいところでしたね。ヒダルガミは山にいるといっても山は広いですし」

「あ~、たしかにどこにいるか分からないわよねぇ。アタシも見つけるのに苦労したわぁ~」

 

 呑子さんは昔を懐かしむように天井を仰ぎみながらお猪口を傾ける。そういえば呑子さんも昔は自分と同じように妖怪退治をしてたんだっけ……。

 

「……ん~?あれぇ、さぎっちゃんは一緒じゃないのぉ?」

 

 呑子さんが自分の近くに狭霧がいないことを質問してくる。……あ、さぎっちゃんというのは呑子さんが狭霧につけたあだ名だ。

 

「あ~、そういえば玄関までは一緒だったんですがいつの間にかいなくなってましたね」

「んもぅ、せっかくライコウちゃんがいるっていうのにぃ~。これじゃあからかえないじゃなぁ~い!」

「いやそんなこと言われても……というか、からかう気満々なんですね」

 

 この場に狭霧がいなくて良かった……。心からそう思う自分だった。

 

「ところで、幽奈さんはいつお風呂に?」

「幽奈ちゃん?ん~っとね~……たしか、ライコウちゃん達が帰ってくるほんのちょっと前くらいよぉ~?」

「そうですか……なら、出てくるにはまだかかりそうですかね?」

 

 しまったな……こうなることならもう少し早く帰ってくれば良かったかもな。後頭部を掻き回しながら自分はそう思った。と、その時だった。

 

「やっぱり見えてるじゃないですかああ!!」

「どあああああ!!?」

 

 旅館の南側──つまり温泉側から男女二人の悲鳴と桶が何かにぶつかる音、そして何かが崩れる音がこの大広間にまで届いてきた。

 

「ん~?何かしらぁ~?」

「今の悲鳴……幽奈のだ」

「ああ、たしかに幽奈さんの悲鳴だ」

 

 そして、何故だか聞き覚えのある声がもう一人。……つまり男の方の声だ。……いやはや、まさかとは思うが。

 

「ちょっと自分、温泉の様子を見てきますね」

 

 そう言って炬燵から出て大広間の襖扉を開け、温泉の方へと向かう。

 温泉に辿り着き脱衣所に入ったとき、浴場の方から女性の悲鳴が聞こえてきた。

 

「あわわわ!!?どうしましょうどうしましょう!?まさか見られるとは思わなくてつい恥ずかしさでポルターガイストで桶を投げて気絶させてしまいました~!?」

 

 浴場の方へと歩みを進めると、そこには広々とした露天風呂。壁の向こうに広がる夜空は中々の絶景であった。

 ──ただ、散乱された桶の中心に気絶している自分と同じくらいの少年とその近くで浮遊して慌てふためいているほぼ全裸の少女の姿さえなかったら。

 

「……幽奈さん、何してるんですか」

「はぅわ!?ら、ライコウさん!?こ、これは……その!」

「分かっていますよ。自分の姿が見えないと思っていたらすでに浴場にいたここにいる少年に自身の全裸を目撃されて恥ずかしさのあまり桶の雨あられ。そして今に至る……そういうことですね?」

「はぅぅ……はい、まさしくその通りです……」

 

 自分がこの温泉にたどり着く前に考えていたことを言うと図星だったのか、少女は申し訳なさそうに項垂れる。……というかその前にですね。

 

「……あの、幽奈さん。出来ればすぐに浴衣に着替えてもらえませんか?」

「へ……?」

「……その、目のやり場に困るというか……ですね」

「…………はぅわ!?そそ、そうでしたぁ!?すみません~!」

 

 彼女は自分の忠告に首を傾げていたが、自身の今の状態を見てその真意に気づき、顔を真っ赤に染めて浴場から出ていった。

 さて、本人がいなくなってしまったがここで軽く説明しよう。さっきまでこの浴場で浮遊していた彼女はこのゆらぎ荘の地縛霊の少女──『()()(はな)幽奈(ゆうな)』だ。

 

「……さて、と。次はコイツだな」

 

 幽奈さんが浴場から出ていったのを確認し、改めて少年の方をみる。その少年はいまだに気絶していてどんな奇跡(ミラクル)が起きたのか、彼の規制すべき部分には桶が覆い被さっていた。

 

「……連絡がないと思っていたら、まさかこんなところに来ていたとはね」

 

 自分は気絶している少年をおぶさりながら浴場を出ようと歩みを始める。その時に小さくその少年の名を呟いた。

 

「…………『冬空(ふゆぞら)コガラシ』」




どうでしたか?一応ゆらぎ荘の住人とほんのちょっとしか出てませんがコガラシ君は出せたと思いますが……しかしオリジナル部分を考えるのってやっぱり難しいですね。これ、いつまで保てるんだろうか……出来ることなら京都編くらいまでは続けたいなぁ……と考えております!ではでは、また次回~!( ゚∀゚)ノシ
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