ゆらぎ荘の幽奈さん ~神秘殺しと病弱狐と鬼達~   作:リュオネイル

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いやはや……長らく執筆を停止させてしまい申し訳ありません……。リアルでの日常が忙しかったりスマホゲーのキャラ育成とかで忙しゲフンゲフン……。
それと今回、一話の部分がかなり長めなので、前編を揺らぎ荘の住人の殆どを登場、(出来たら)後編にはコガラシ君のメインヒロインの幽奈ちゃんと敵の坊主を登場させるのを目標に頑張っていきたいと思います!
……それと、これは本編とか関係ないのですが、水着ジャンヌが実装されましたね!個人的にはガチャではなく、配布で実装されてほしいんですけどね!だって喚べる自信ないもん!(泣)あと、茨木ちゃんとか牛若ちゃんも実装ですね!どんな水着かはまだあまり把握していませんが、楽しみですね!(ちなみに三周年の福袋は引きます。狙いはジャックちゃん、酒呑ちゃん、じぃじ、三蔵ちゃん、マーリン、孔明、スカサハ師匠etc.)


第参話 自己紹介、そして坊主撃退 ~前編~

 俺の名前は『冬空(ふゆぞら)コガラシ』。肉体派霊能力者で、俺は生まれた時から幽霊に取り憑かれやすい体質らしくそのせいで周囲に迷惑をかけっぱなしでいろんな施設をたらい回しにされ、挙句の果てにはデイトレーダーの霊に憑依されて……株に手を出して案の定、大負けして借金地獄のホームレス生活を余儀なくされて……あれ?なんでだろう、目から汗が……。

 だからっ!だから俺はっ!霊能力者に弟子入りして、霊と戦う術を身に着けたんだ!すべてはっ、悪霊共の手によってぶっ壊された普通の生活を取り戻すために……!!

 

 そんなある時、とある温泉街の路地のそば屋台でお年寄りをビビらせていた【ムジナ】っつー古典的なイタズラ妖怪をぶっ飛ばして助けたら、お礼させてくれって言うから家賃がめちゃくちゃ安い部屋を知らないかと聞いたら、元温泉旅館の激安下宿の《ゆらぎ荘》に案内された。

 そこの下宿は初期費用ゼロに保証人不要、即日入居可能の上に食費は一万五千円で朝夕の二食付き、しかも温泉つきときた!さらに驚くことに家賃はたったの月に千円!

 ……まぁ、こんだけ良い物件なのに家賃が安いのは理由がある。

 

 ……()()のだ。聞いた話によるとかつてゆらぎ荘が温泉旅館として(にぎ)わっていた頃、露天風呂で学生の死体が発見されたって言う事件があったらしく、それ以来、その学生の霊がさ迷っているらしい……。

 そんな噂が流行ったせいで客足が途絶え、温泉旅館はあえなく廃業。今や格安下宿になったというわけだ。

 この下宿に住んでいるのは物好きの数人だけというし、この下宿を勧めてきたジーサンとしても困ってるのだ。

 だから、除霊に成功したらここの下宿をタダで住んでくれて構わないという言葉に俺は俄然除霊する気になったんだ!

 その後家賃無料は除霊してから、と念押しされながらゆらぎ荘に入っていき、とりあえず荷物を脱衣所に置き、浴場に入る。そこに広がるのは竹で作った塀で囲まれた、露天風呂があり、俺は感動した。川でも滝でもない、一ヶ月ぶりの温かい風呂にありつけたから……っ!

 体を洗い、湯船に浸かってさっきのジーサンの言っていた霊を思い出す。ゆらぎ荘の幽霊……一体、どんな野郎なんだ……?まぁ、どんな恐ろしい悪霊だろうと鍛え上げたこの拳でぶちのめしてやる!そして、この下宿の永住権を手に入れてみせる!

 

 と、拳を握りしめていると後ろの方から水音がした。この浴場には俺一人しかいない……はずだ。ま、まさか……さっそく出やがったのか!?そう思い素早く後ろを振り返る!そこにいたのは……!

 

 腰まで伸ばした銀の長髪が特徴の女だった……。しかも、なにも纏っていない、生まれたままの姿だ。その事で驚いて思わず声を出しちまって、その幽霊に勘づかれて……ポルターガイストか何かしらの力でいくつもの桶が浮かび俺に飛んできて……俺はそのまま意識を闇に落とした。

 ……だが、意識が闇の中で俺は聞き覚えのあるダチの声が聞こえた。

 

「……連絡がないと思っていたら、まさかこんなところに来ていたとはな」

 

 あぁ、この声……たしかに懐かしい声だ。この声は……。

 

「……『冬空コガラシ』」

 

 ────『午頭(ごず)ライコウ』……。

 

□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■

 

 次に目が覚めると、目の前には黒のおかっぱ頭に童顔の少女の顔があった。

 

「……あら?お目覚めですかー?」

 

 俺は唐突なことにしばらく呆然としたが、我に返って起き上がった。

 

「え……俺……ここは?そうだ、たしか引っ越しして……というか、あんたは?」

「えっと、冬空コガラシさん……ですよね?」

 

 俺が後ろにいる女の子に聞くと、女の子は尋ねるように俺に聞いてくる。……って、あれ?

 

「なんで、俺の名前を……?俺、あんたと会ったっけか?」

「わたくし、このゆらぎ荘の仲居を務めさせていただいております『仲居ちとせ』……と申します。それと、あなたの名前に関してはライコウさんから聞いてますよ~」

「仲居さん!?キミが!?……って、ライコウって……!」

 

 こんな小さい子が仲居さんというのも驚いたが、その後から出てきた名前の人物に驚きが勝った。と、その時、仲居さんの後ろの方の襖か開けられた。

 

「お~?やぁ~っと起きたぁ!それじゃあ~、お近付きにキミも一杯どーお?」

「呑子さん!彼はライコウとはちがって未成年ですよ」

 

 襖を開けて入ってきた人数は三人。一人は桃色の髪に眼鏡をかけ、『激辛 鬼殺し』と書かれた一升瓶を片手にほろ酔い状態の女性。もう一人はほろ酔い状態の女性に顔を顰めながら(たしな)めている紫色の長髪を大型の手裏剣のような髪留めでサイドテールにまとめている俺と同い年くらいの少女。最後の一人は猫耳ような装飾のついたパーカーを着た年下くらいの少女。猫耳の少女は退屈そうにあくびをしていた。

 

「あんたら、ここの住人なのか……?」

「そーよぉ。アタシ、(あら)()(ばき)(のん)()!キミはぁ?」

 

 俺が入ってきた人たちに質問すると、ほろ酔いの女性────呑子さんが座っている俺に視線を合わせるようにしゃがみこみ、挙手しながら自己紹介を始め、名前を聞かれた。

 

「ふ……(ふゆ)(ぞら)コガラシっす!」

 

 俺は顔を真っ赤にしていると自覚しながら答える。何で顔を真っ赤にしてるって?……そりゃだってよ!呑子さんの服装はだぼだほの縦のセーターだけで下は何も着てないんだぞ!?そのままの状態でしゃがみこんだら……その、色々見えちゃうだろうが!?しかも本人は自覚してねぇみたいだしよぉ!

 俺が呑子さんから視線を外し後ろの方を向いているとシュビッという何かが風を切る音が聞こえたかと思ったら右頬に少しの痛みが走り、そこから血が流れ出るのを肌で感じた。俺の顔の横を通りすぎた物体を見ると、それはクナイであり、俺の後ろの畳に突き立てられていた。俺がいきなりのことで驚いていると、同い年くらいの少女が俺に近づいて言った。

 

「はい……!?」

「冬空コガラシ……と言ったな?一つ覚えておけ。もし貴様がこの揺らぎ荘の風紀を乱すような行いをした場合……この(あめ)()()(ぎり)天誅(てんちゅう)を下す!」

「はぁ!?」

 

 少女──狭霧が手に持っているクナイの切っ先を俺に向けながら宣言し、驚く俺。

 

「えぇ~、さぎっちゃんいきなり辛辣すぎな~い?」

「呑子さんも呑子さんです!ライコウの時もそうでしたが、男子が来た以上、もっとキチッとした服装を心掛けてください!」

「(な、なんなんだあの女……!?)って、今お前、ライコウって……」

 

 俺に対する狭霧の態度に不服そうに言う呑子さんに狭霧が食って掛かる。その言葉の中に俺がさっきまで驚いていた人物の名前が入っていて、聞き出そうとしたその時だった。

 

「ぺろっ」

 

 いつの間に俺の背後に近づいていたのか、猫耳の少女がついさっき狭霧につけられた傷を舐めてきた。

 

「ちょっ……いきなり何すんだテメー!?」

「むっ……夜々が治してあげようと思ってたのに」

 

 あまりに唐突なことだったから驚いてつい少女──夜々に怒鳴ってしまう。それに不満を覚えたのか、むっと怒ったようにその場を後にし、それとほぼ同時に仲居さんが狭霧と呑子さんの仲裁に入り、一旦全員各自に座った。すると開口一番に狭霧が俺に質問した。

 

「ときに冬空コガラシよ。貴様は何号室に越してきたのだ?」

「部屋か? 四号室だけど」

「「「「四号室!?」」」」

「? それがどうかしたのか?」

 

 俺はただ当たり前のように部屋の番号を答えただけのはずなのに、他の四人は驚いたように目を見開いたり口にてを添えたりなどの反応を見せた。

 すると狭霧が不意に笑いをこぼした。

 

「ふ……そうかそうか。四号室か。それは短い付き合いになりそうだ!」

「なーんだぁ、残念ねぇ」

「夜々、もう寝る……」

「え? は?」

 

 狭霧の言葉を皮切りに、次々と部屋を出ていく三人。なんのことだかさっぱりわからん俺にとってはどういうことなのか理解できなかった。あ、そうだ!さっきから聞こうと思ってた()()()のことについて聞かないと!

 

「あ、あの……仲居さん」

「はい?なんでしょう?」

「さっきから出てる、“ライコウ”って人のことなんですけど……」

「ライコウさんですか?あぁ、あの方なら……」

「おぉ、いつの間にか起きてたのか、コガラシ」

 

 俺が仲居さんから聞き出そうとしたその時、またも仲居さんの後ろの襖から俺が今聞き出そうとした人物が入ってきた。

 

「あ、ライコウさん。今ちょうど貴方の事を話そうとしてたんですよ」

「む?そうなのですか?それはちょうど良かった」

 

 そう仲居さんと話すと、俺の方に顔を向けて満面の笑みを浮かべて言った。

 

「よく来たな、コガラシ。久し振りだな」

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