異世界転生でメタルギアというチートは大丈夫か? 作:コレクトマン
「い……いえ、私も方も得体の知れない組織に拉致られて脱出することしか考えられなかったから謝るのは私の方よ」
「もう駄姉ちゃん、おじさん達のことをちゃんと理解しないからこんな感じになっちゃったんでしょ?」
「ルーナ……もう堪忍して(泣)」
「……あまり姉をいじめてやるな。俺みたいな名の知れぬ組織に拉致られたんじゃ誰だってあの行動を取らざる終えなかったんだ。もうその辺にしてやれ」
「は〜い!……あっ第七話はっじまるよ〜!」
エルフの姉妹ことリーナ達がジェフティに雇用されてから数日、マザーベースのスタッフの人数は今では500人弱位に集まってきたのであった。今のマザーベースは活気が立っていた。
「……気付いた時にはこの人数になっていたとはな」
「それほどスタッフ集めに没頭していたことだな。これはスネークの訓練内容を見直す必要があるな」
〈ですがライデン、ボスや貴方の働きがあったからこそ為し得たことです。今しばらく休息を入れてはどうでしょうか?〉
「……それもそうだな。スネーク、今は俺たちの体を休めるとしよう。俺は義体のメンテナンスをしてくる」
「あぁ……そうさせてもらう」
ヴェスタの言う通り、俺とライデンは日々スタッフ集めに没頭してきた体を休ませる為に休息を取るのであった。そして俺は身体を休めながらもマザーベースの各班の活動を思い出すのであった。
戦闘班のスタッフ達は傭兵兼冒険者としてマザーベースの外へ出張し、ギルドでクエストを受けるのであった。たまに帰ってくるスタッフ達からお土産を持ち帰ってくるのが他のスタッフ達の楽しみでもあった。
戦闘班とは違いマザーベースを守る為に結成した警備班は、マザーベースの甲板やマザーベース周辺の海上を警備するのが日課という自宅警備員化している様に見えるのは俺だけであろうか?それと時たまに名の知れぬ海賊達がこのマザーベースに襲撃してくる時があった。その時の警備班は情け容赦なくスウェーデンのFFV社で開発された無反動砲である“カールグスタフM2無反動砲”や“ブローニングM2重機関銃”をぶっ放すと言う事件が起きたのは余談である。
研究開発班では現代やMGSシリーズの銃器や重火器、携行武器の開発を日々を送っていた。その中には何故かR指定クラスの本やコミックなどが開発されていた。……何でそんな物を作りたがるのだろうかうちのスタッフ達は……(汗)。他には人間が携行できるサイズのレールガンまでも開発され、さらにはダンボールを使った特殊なダンボールなどが開発されていた。見た目はなんちゃって戦車の“ダンボール戦車”。このダンボールは二人で被ることを想定しており、前列が操縦士、後列が砲手でダンボール戦車の主砲からカールグスタフM2無反動砲に使われる砲弾である84x246mmR HEAT 751 対戦車榴弾が発射される。他にも“救命ダンボール”と呼ばれる物までも開発された。これも二人で被ることを想定されているがこの救命ダンボールの真価は、瀕死状態の兵士を蘇生させることができるダンボールなのだ。瀕死状態の兵士をその救命ダンボールを被った兵士が救命ダンボールに入れて数秒待つと速攻で蘇生されるという中々チート級なダンボールなのだ。……何でこんなダンボールを作ったのだろうか、うちのスタッフ(略 (汗)。でも、そんなダンボールを作ってくれて嬉しいと思う俺がいる。
支援班、諜報班では事前に偵察、索敵をして俺たちをサポートしている。補給品が詰まったダンボールを送らせたり、マザーベースから支援砲撃を行い戦闘を有利に進めさせたり、敵の配置の報告の精度、更新頻度が良くなった。これは良い意味で生存率が上がった。
医療班ではスタッフの負傷や病気などを治療する為の人員が増えた為にスタッフの回復速度が早くなった。そのおかげでフルトン回収した負傷兵の死亡率が格段に下がった。それと余談だが、ジョニーが下痢止めの薬を処方を要請している。
そしてマザーベースにとって食料は欠かせない為に、新たに食料調達班が設立した。食料調達班ではその名の通り食料を調達する事を目的とした班で、あらゆる場所に生息している牛や羊、山羊や熊などを麻酔銃で眠らせてフルトンで回収するのである。他にはマザーベースの甲板上で釣りをして魚介類を釣り上げる者もいた。そして俺はある程度身体を休めた後にはマザーベース司令部の甲板上を歩き回るのであった。甲板を歩いていると、食料調達班のスタッフが甲板の端っこで釣りをしていた。するとスタッフが俺に気づいたのか振り向いて確認をして敬礼をした。無論、俺も敬礼を敬礼で返す。
「お疲れ様です、ボス!」
「あぁ…ご苦労。今のところ釣りをしているのか?」
「はい、今さっき撒き餌を撒いて餌が付いた釣り針を海に入れたところです。後は釣り針に魚が掛かるまで待つだけです」
俺が“そうかっ”と一言いうと、先程海に投げ込んだ釣り糸に変化が起きた。その釣り糸の動きが釣り竿までにも伝わってきたのだ。
「おっ!こいつは掛かった!」
スタッフは餌に掛かった魚を釣る為に釣り竿を持ち上げると、釣り竿の3倍以上の重さを感じ取った。
「重っ!?コイツは恐らく大物か?!」
「何だって!?俺も手伝うぞ!」
俺もスタッフが大物を釣り上げるのを手伝う。その大物は釣り糸を通してグイグイと引っ張られて釣り竿にも引っ張られている感覚が確かに感じていた。大物の魚と格闘してから数分、いつの間にか他のスタッフ達がぞろぞろと集まっていて、俺たちが大物を釣り上げるのを見届けていた。
「ボス!絶対釣り上げて下さいね!」
「大物を期待しています、ボス!」
「ゴチになります、ボス!」
「いやっそれ以前にお前らも手伝ってくれよ!?」
「おいっよそ見してる場合じゃ……?!」
釣り竿を持っていかれない様に持っていたスタッフがツッコミを入れると、釣り竿に引っ張られてそのまま俺とスタッフは海の方に落ちてしまうのであった。
「うぉぉおおー!?」
「アァーー!?」
「「「ボスーー?!」」」
スタッフ達は海に落ちてしまった俺たちを救助する為にボートで降りたのであった。……正直あんな目にあうのはこれ以降であってほしいと思ったのは余談である。
[駄目だスネーク!未来が変わってしまった!タイムパラドックスだ!]
……何か神様からタイムパラドックス的なことを言っている空耳が聞こえたのだが、気のせいだよな?そして気づけば既に9年という時が過ぎ去っていた。
ガレス歴587年
俺がマザーベースのワームホール実験で出来たワームホールに巻き込まれてから9年とあっという間に過ぎていた。変わった事といえば8年前にジェフティに入ったリーナ達なのだが、エルフの姉妹はそれぞれ別々の長所に特化していったのだ。姉のリーナは弓での経験がある為か“千里眼”というスキルを持ち、風を読むことが出来る故に弓の狙撃手として研究開発班特製の“コンパウンドボウ”をリーナにプレゼントした。木製の弓とは違ってコンパウンドボウは、滑車とケーブル・てこの原理・複合材料など力学と機械的な要素で組み上げられた近代的な弓なのだ。これを受け取ったリーナは何かと非常に喜んでいた。リーナが使用していた弓(後で調べたところ長弓であることが判明)と比較するとコンパウンドボウの方が射程が長かった。それ以降リーナはコンパウンドボウを愛用し、前まで使用していた長弓はリーナや戦闘班が休める兵舎のリーナの個室に保管するのであった。そして妹のルーナのスキルは“ステルス・ラン”と言うもので隠密性に特化したタイプだった。ジェフティに入る前はこのスキルでモンスターなどの群れに気付かれずに採取系クエストをこないしていたそうだ。この姉妹から分かったことは姉が狙撃手で妹は潜入兵といった感じである。そして今現在はと言うと、姉のリーナは戦闘班偵察チームの一つ
一方の世界の情勢はというと、マナカ共和国はドーヴァ帝国が作り上げた生物兵器である合成獣戦車の情報を元にその合成獣戦車への対抗策として8年前にビジネスパートナーとして手を結んだギルド兼武器商人ヴァナルガンドから以前俺が渡したM72 LAWの設計図に書かれているHEAT弾の理論の知識を使い、その理論をモデルに魔導士以外の人間にも使える炸裂魔力弾が一発分の使い捨ての魔導杖“カルバリン”を対合成獣戦車用に国家軍事予算を投入するのであった。マナカ共和国と同盟を結んでいるギリス王国は対合成獣戦車に対抗する為に魔導士や大魔導士などを召集させて新たな魔法を生み出していた。諜報班によるとその魔法名は“
そして俺たちジェフティの戦闘班はいつも通りに各地で派遣させて各国の各町に掲示されているクエストを受けてモンスターの討伐や鉱石や植物などの採取を行い、クエスト報酬で得られる世界共通通貨である“リル”を得てマザーベースへのお土産を買うのであった。研究開発班ではスタッフがだいぶ集まったので二つのあるプロジェクトを始動させるのであった。プロジェクトのうち一つはは“PROJECT REX”で、もう一つは“PROJECT RAY”。REXは核弾頭をレールガンに搭載できる陸戦用の兵器で、RAYは水陸両用の対メタルギア用の兵器。どちらともメタルギアであると同時に、対ネシア法国で万が一魔王がこの世に現れた時の為の対魔王戦の切り札として開発を進めるのであった。
その頃、ドーヴァ帝国“ピープルリバティ城”の皇室でエルザ皇女はタカ派の主導者である“レイ・アデランス”の動きに悩まされていた為にエルザの母である“エフィー・リ・ドーヴァ”皇妃と相談するのであった。18年前、エルザが生まれる前の頃エルザより先に生まれた第一皇子である“リーアン・ゾル・ドーヴァ”がまだ2歳の時に
大魔導士がやって来てから4年後にその事に気付いた母エフィーは、リーアンや生まれたばかりのエルザをレイの側に近寄らせない事を悟られずに引き離し、父であるアレックスの正気に戻す方法を考えていた。しかし……考えてから16年という年月が経ち、エルザは母や狂っている父を助け出す為にエルザは亜人に対する批判行為や亜人奴隷制度の改善や亜人体実験などの非人道的実験の禁止条例を出すなどの案を父に提案するが、父アレックスは「好きにするがいい…」と呆気からんとエルザの提案を了承したのだ。父のあっけからん了承に不気味さを感じたエルザはすぐに父の下から離れ、亜人に対する改善法を他の貴族達に伝えるも殆どの者は亜人に対して憎悪する者しか居なかったのだ。諦めきれない思い抱きながらもエルザはドーヴァの国民に協力を求めた。その国民の大半は皇帝のやり方に疑問を懐いていた者ばかりだったのか、皇女であるエルザの協力を惜しまなかった。その結果……ドーヴァ帝国内でエルザのハト派とレイのタカ派の二つに分かれ、内部抗争に至るのであった。しかし、肝心のエルザの兄であるリーアンはあのタカ派の方についたのであった。今後の行動をどう動くべきか母エフィーと相談するのであった。
「お母様、兄様があの男のタカ派の方についてしまいました」
「そう……。何てこと……リーアンまでもあの男についてしまうなんて……」
「あの男が此処に住み着いてから多くの貴族達があの男の操り人形の様にいい様に利用されて、用無しとなれば容易く切り捨てられてく。これじゃ私達皇族や国民たちはあの男の家畜になってしまいます。一刻も早く、あの男の対策を練らねばならないのですが……あの男は私の行動を読み取っているのか、必ずや私よりも先手を取って私を優位を立たせない様になのか私の持てる手段を潰されて来ました。お母様はあの男に関してはどう思っているのですか?」
「分からない……確かなのはその男の背後には協力者がいるとしか考えられないわ。私が分かるのは精々その位よ」
「そう……ですか。はぁっ………一体、どうすれば良いのでしょうか。私が考えゆる術は悉く潰されて、今では為す術もない状況に追い込まれているのも事実ですし………せめて強力な味方がこの世界の何処かにいるといいのですが………」
「強力な味方………はっ!」
エルザの言葉に母エフィーは何かを思い出したのか、娘のエルザにあることを伝える。
「エルザ、もしかしたら心当たりのある者達……いえっ、ある組織がいるかもしれません」
「お母様、それって本当ですの?……その組織の名は?」
「………ジェフティ。ここ最近、国民達の噂で聞いた話によるとその組織はどの国にも属さず、何処かの海の向こうに何時出来たのか分からない鉄の島で移住し、基本的には様々な国のクエストを稼業に活動しているとのことです。そのジェフティの者達は各国の町ごとのクエストを受けたら粗確実にクエストを成功させるというかなりの実力者集団と言っても過言ではありません。その者達の扱う武器の殆どは私達ドーヴァ帝国の技術の粋を結集させて創り上げた“マスケット銃”に酷似している処か、マスケット銃ですら遥かに上回る破壊力と連射力、そして弾丸を込める時間が最短だということです。マスケット銃に弾を込める平均時間は約40秒か50秒弱、しかしジェフティの使う銃は10秒とも経たずに弾を込めることが出来るとのことです」
これを聞いたエルザは最初はジェフティの使う銃の凄みを感じていたのだが、もしこれが敵側の手に渡っていたらこのドーヴァ帝国の兵士がその銃の前で骸の山が出来上がるのを想像して逆に恐怖した。
「なんて恐ろしいのかしら、ジェフティの組織が創り上げた銃は………いえっ、正確にはその銃を扱うジェフティの者達なんでしょう………けど、これほど強い者達は他にも居ないわ」
「そうね。その組織への依頼がマナカの港町ルズベリーにいるとのことだわ」
「それならば使者を送らせて、その組織に協力を仰ぎましょう」
エルザの行動は早かった。エルザは至急にスネークが率いる
「これで良し、後は……もう一つの案を実行するだけ」
「エルザ………あなたもしかして……」
エフィーはエルザが考えている事を見抜き、心配そうに語る。エルザが思いついたその案とは………
「お母様……私は、マナカ共和国に亡命します」
エルザが母エフィーにマナカに亡命することを告げるその同時刻、ピープルリバティ城の玉座の間では父アレックスはいつもの様に玉座に座り、そしてドーヴァ帝国第一皇子リーアン・ゾル・ドーヴァは父と共に大魔導士レイの報告を待っていた。
「父上、一つ聞きたいことが……」
「むぅ?何だ、申してみよ……」
「我が妹エルザは何故我々ドーヴァの在り方を背くかの様にハト派の主導者なんかになられたのでしょうか?」
リーアンはエルザが何故ハト派の主導者になったのかを父アレックスに聞き出そうとしたその時に玉座の間から魔法陣が形成され、そこからレイが魔法陣を経由して現れたのだ。
「やれやれ……リーアン様も落ち着きがありませんな」
「ア……アデランス卿?!戻られたのか?」
「えぇ、たった今ですが………レイ・アデランス、ただいま逆賊ローゼン・ハウンド元伯爵の討滅より帰還いたしました」
「ご苦労……見事な働きであるぞ、アデランス卿よ」
「はっ!それと皇帝陛下、些か耳寄りな情報が……」
「ほう?申してみよ……」
「はっ!ドーヴァ帝国第一皇女エルザ・ラ・ドーヴァに不穏な動きがあるとの事です」
この時、レイ・アデランスが新たな波乱を起こそうと行動をするのであった。ドーヴァ帝国の歴史に残る内戦という名の惨劇の序曲の幕開けである。その舞台に蛇の名を持つ者が関わることになることを今のスネークは知る由もなかった。