幻想郷貧乏生活録   作:塩で美味しくいただかれそうなサンマ

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遅れてすいません!許してくださいなんでも
活動報告に書いたのに…ぬぁぁ!
次からは頑張ります!
それと…宣言します。
あと3話です。
あと3話耐えてください。
救われます。
では…どうぞ!


第二十八話 感覚の濁流

薄暗い部屋の片隅。

ほの紅い斜陽が照らす右腕。

ぽつぽつと浮かぶ歪んだまぶたの縁取る目が見える。

その目はこちらをじいっと見つめてくる。

そればかりか目から黒い靄を吐き出しもするようになった。

まるで妖怪のような右腕に震える左手を伸ばし、右腕を掴む。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

---- プチッ

 

指で目を潰す。

左手の親指にあらんばかりの力を込めて右腕の目を貫く。

小気味のいい音とともに目は真っ赤な血を噴き出す。

血潮のこびりついた親指を離すと真っ黒で真っ青で真緑で真っ赤で真っ黄色で真っ白なうろが腕にできる。

 

---- プチッ

 

 

そんな空洞には目もくれず一心不乱に目を潰す。

 

潰す。

 

 

そんなことをしていると、右腕に口が生えてきた。

不気味なほど歯並びの整った白い歯が健康的な舌とともに艶っぽい唇の裏に見え隠れする。

 

----パズュ

 

もちろん躊躇いなく左手を持ってその口に指を突っ込み、縦に引き裂く。

吹き抜けるような湿った音を発しながらなんの苦悶の声もなく口は沙汰になる。

唇に引っ掛けて肉を裂いた指を離すと鼠色で水縹で萌葱色で朱色で山吹色で白鼠色な裂け目が腕にできる。

 

----パズュ

 

脇目も振らずに口を裂く。

 

裂く。

 

 

 

「………」

 

そして…目と口はまた腕に生まれる。

 

 

 

 

 

 

----パズュプチッパズュジュリブチプツパズュッ

 

何度も同じ行為を繰り返す。

部屋中に肉を裂くひょうきんな音が鳴り響く中小さく呟く。

 

 

「違う…」

 

声がした。

 

「違う…」

 

声がした。

 

「違う…」

 

声がした。

 

 

 

 

 

声がした。

 

 

 

 

 

 

 

声がした。

 

 

 

 

 

 

 

 

声がした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バケモノバケモノバケモノバケモノバケモノバケモノバケモノバケモノバケモノバケモノバケモノバケモノバケモノバケモノバケモノバケモノバケモノバケモノバケモノバケモノバケモノバケモノバケモノバケモノバケモノバケモノバケモノバケモノバケモノバケモノバケモノバケモノバケモノバケモノバケモノバケモノバケモノバケモノバケモノバケモノバケモノバケモノバケモノバケモノバケモノバケモノバケモノバケモノバケモノバケモノバケモノバケモノバケモノバケモノ

 

 

 

 

声がした。

体を包む光が笑顔になって俺を取り囲む。

緩んだ口から金言が出る。

 

声がする。

声がする。

声がする。

 

 

---“ ”---

 

 

声がした。

 

「違う!俺はっ!俺はっ、ぅ…人間…人間…人間!」

 

----プズロギリジュップツピミュキチュジュルッ

 

右腕を激しく弄り立てる。

美しい音を立てながら目と口が次々と消えていく。

 

音を立てなければ耐えられない。

傷つけていなければ耐えられない。

光が途切れる。

 

「俺は、化け物じゃ…ない…」

「えぇ、そうね。幸太。」

 

 

 

 

 

左腕が止まる。

いや、止められた。

何者かの手が左手を止めている。

驚嘆とともに目をあげる。

 

「久しぶりね。」

「…ァ、ァ、ゥ…」

 

声が出ない。

見られた。

見られてしまった。

どう誤魔化せばいい。

どう笑っていた。

どう話せばいい。

 

 

“誤魔化す”?“何故”?“何を”?“誰に”?

 

 

 

レミリアに?

 

 

 

 

「ちょっと話しましょう?」

 

 

 

 

 

優しい声が視界を焼く。

讃えた微笑みが鼓膜を破る。

突き抜けたその慈愛が思考を砕く。

 

俺は失敗した。

他人からの期待に応えられなかった。

こんな軽い使命も果たせなかった。

熱い慈愛に凍死して。

重い責任に溺死した。

 

ああ…終わったな。

 

 

日傘の影にそんな思いを病まされた。

 




ごめんなさい!
この話本当に!分かりにくいと思います!
不満ある方は感想でジャンジャンおっしゃってください!
そして前書きでも言った通り。
このお話を含めてあと3話。
あと3話です。
それともう一つ質問が。
自分は基本的に一話一話をあまり長くしたくなくて短めのお話を投稿していますがまだ長くしてほしい!という方々がどれほどいらっしゃるかが気になりまして。
ご要望とかあれば感想にどうぞ(露骨な感想稼ぎ)

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