聖杯大戦~天地創造の聖戦~(TRPGリプレイ小説) 作:吹雪狐
「さて、あの蛇もいなくなったところで、反撃開始よ。私とウヴァとヴァイスはここで待機ね。」
「了解よ姫華。そうそう。これが終わったら私と焼肉行かない?」
「蛍、死亡フラグよそれ。あと貴女は吐くまで食って吐いても食うから嫌よ。自重しなさい」
「はいはいわかりました。それと魔術は使うなでしょ?わかってるわ。」
黒陣営はそれぞれ各持ち場に行く
「...少し嫌な予感はしたけど、バレッタなら大丈夫よね...。あの娘を除けば二番目に強いノアがついてるし...。」
――――
Side セシル
「...やられたようね...。お疲れ様...。」
「セシル。今は振り返る時ではありません。彼女のためにも必ず勝ちましょう。」
「そうねレーヴェ。今はその時では...誰か来るわ。」
セシル達が止まると、金髪ウェーブの美女が森の中から出てきた。
「二人。まあちょうどいいわ。」
「敵ですか...。では通らせていただきます...」
「悪いけどそうは行かないわ。通るならこの私、蛍を倒してからにしなさい。」
蛍はそう言って黒鍵を構える。
「セシルは下がってサポートをお願いします。ライダーは辺りにサーヴァントの気配がしたらそこで戦ってきてください。これはマスター同士の譲れない戦いですから」
「お姉さんはここに残りたいけどレーヴェ君の頼みなら仕方ないデース。」
「有難うライダー。」
ライダーは何処かへ去る
「...別れの挨拶は済ませたようね」
「意外ですね。てっきり仕掛けてくるのかと」
「私はそういうのは嫌いよ。...もういいかしら?」
「ああ。フランメ・シュトゥルム」
レーヴェの周りに熱風が吹く
「...火と風の二重属性魔術ね。面白い。」
蛍は黒鍵を二本投げる
「ふんっ!」
熱風で壁を作り黒鍵を防御する。投げられた黒鍵は熱風に触れると燃えた
「そこっ!」
「そうくると思ってましたよ。ニーダーブレンネン!」
接近してくる蛍を熱風で焼き払うが、間一髪で後退する。
「...危ないわね...。これは近接戦闘も駄目かしら...。」
「流石レーヴェ。天才と言われるだけあるわね。」
「そういうのはまだ早いですよセシル。相手は恐らくまだ別の手を持ってる上に何をしてくるかわからない。それに相手のサーヴァントが出てこないのが気になります。」
「言われてみれば変よね。」
「...やはり近接戦闘は危ないわね。なら」
蛍はリボルバーを取りだし、セシルに向かって打つ。
「危ない!」
レーヴェは熱風で防ぐが、もう少しで防御が破られそうだった
「あのリボルバー...何か特殊改造でもしてるのでしょうか...いずれにせよ従来のものではないことは確かでしょうが...。」
「このリボルバーは魔力弾なのよね。だから威力があるのよ。6発しか打てないのが欠点だしリロードに少し時間がかかるのが難点だけど。」
互いに間合いをとって動かない。
(...そしてさっき6発撃った。リロードは考えないとすると残りは黒鍵16本とM4だけね。格闘術の使用はタブーでしょうし、面倒ね。)
(...この魔術は体にダメージを負うのが難点。だからセシルと組んで回復してもらっていますが、それも限界があります。だから長期戦は難しい。速攻で片付けないといけませんね...。)
蛍はM4を取りだしレーヴェに向けて連射するが呆気なく防がれる。
「私の魔術に銃は効きません。」
「助かったわ防いでくれて。おかげでヒーラーががら空きだもの。」
蛍は回り込んでセシルに格闘を仕掛ける
「私狙いとはいいとこ狙うじゃない。けど私が八卦掌の使い手だなんて想定外よね。」
「ヒーラーが格闘術なんて、やはり面白いわね。ちなみに私のは八極拳よ。」
八卦掌と八極拳がぶつかり合うがセシルの方が手足の長さによるリーチがあり、蛍はそこに少し苦しめられていた。
「リーチが...」
蛍は離れる
「...まさか回り込むとは驚きましたよ。」
レーヴェは火を飛ばす
「これを使う時ね。」
蛍は令呪を使って黒鍵に魔力を込め、飛んできた炎をガードし、接近する
「また接近ですか...ニーダーブレンネン!」
焼き払うが魔力のこもった黒鍵により振り払われる
「何!?」
慌てて熱風で防御網を貼る
「黒鍵交換、そして第2の令呪...」
再び魔力を黒鍵に込めて、防御網を破壊し、レーヴェを攻撃する
「ッ!」
「終わりね。楽しかったわ。」
「...終わりですか...それは貴女ですよ!シュプレンゲン!」
蛍の後ろで爆発が起き、蛍にダメージを与える
「...ハァ...迂闊だったわ...。」
「ニーダーブレンネン!」
蛍を焼き払う。
「...終わったわね。」
「...いや、まだ生きてますよ。」
「...見事ね。レーヴェと言ったかしら?」
「こちらこそ危なかったです。」
「...これは私からの敬意よ。受け取ってほしいわ。貴方達は嫌かもしれないけど」
蛍は二人に残りの黒鍵とM4と残りの弾を渡す
「これは...有難く使わせてもらいます。しかし、敵である私達になぜ?」
「私は今までの戦いは不平等な戦いを強いられてきたから、フェアプレーというのをやりたかったのよ。不平等な程力を発揮するのにね。そしてその希望は実現した。」
「そうですか。」
「1つ言っておくわ、死にたくなければ姫華との戦闘は避けなさい。」
「...対抗策が通じなければ。」
「そう。対抗策も用意してるなんてどこまでも面白い魔術師達ね。」
それを最期に蛍は息を引き取る
「誇り高い人ね。」
「そうですね。...ん?亜煉からですね。どうしました?」
「...その様子だと勝ったみたいだな。誰にだ?」
「蛍という方です。」
「蛍!?本当かそれは?」
「本当ですよ。どうしたのですか?」
「いや、いい。こちらはバジルを倒した。俺らは引き続き進撃するがお前らは?」
「私達は一旦後退します。何かあれば呼んでください。」
思ったより蛍さんが強くないみたいな感じになった...