プリキュアオールスターズ×仮面ライダー〜bの復活とsの暴走〜第三部   作:鈴木遥

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忘れたものと 忘れざる者

・西ブロック

『ビルド(桐生戦兎)VSビルド(葛城忍)』

 

「はっ……!」

 

「たぁ!」

 

ラッシュの撃ち合いに陥っているビルド親子対決。

 

データ上ではジーニアスフォームをも凌駕する、初期型ビルドドライバーのラビットタンク。

 

「 起動性……基礎体力ともに、私がデータを取っていた頃より上昇しているだと……どういうわけだ!?何をした戦兎ォ!」

 

「 時の狭間でみっちり鍛えられたからな!

結城丈二の意思も、俺を呼び戻してくれたはなちゃんの意思も、何一つ無駄にはしない!」

 

ジーニアスフォームの強烈な一撃が、 ラビットタンクの頭部を直撃。

後ろに飛びのいて若干衝撃を減らすが、さすがの葛城も怯んだ。

 

「根岸ィ!ルミナスを奪え!東ブロックの奥にいる!」

 

「何……!」

 

ビルド最強フォームであっても、クロックアップには視覚的に追いつくことができない。

 

何かが横を通り過ぎたのを感じたが、そちらは現在東ブロックで戦っているキュアライダーたちに託すことにした。

 

少なくとも葛城忍のビルドを止められるのは、この戦場で自分だけだと察知したからだ。

 

「葛城氏の英断ですね・・・これで邪魔なルミナスを・・・!」

 

「待てよ。お前、地獄に落ちたろ?」

 

背後を振り向いた時、根岸の頭部には回し下痢がさく裂していた。

 

「ぐァあッッ!」

 

攻撃の主は、利き足にアンカージャッキの付いた、緑のバッタ型ライダー。

 

「貴ッ様ァ・・・!!矢車!」

 

「ほぼ初対面だったか?根岸サンよォ・・・。」

 

「そうでもない。ゼクトで何度かな・・・。」

 

「なら話が早えよなァ。相棒の件、ようやく苛立ちが晴れそうだ。」

 

かつて己が野望をことごとく阻んだ加賀美陸の伏兵が、以前と同じ姿で現れたのだ。面白かろうはずもない。

 

「私の苛立ちも、晴らさせてもらう!」

 

根岸の黒い蛹が、体内からの放熱によって剥がれ、黒光りするオオクワガタの装甲を持った成虫態のネイティブに変態した。

 

キングスタッグワーム。

 

ネイティブではあるものの、後のゼクトによる監査報告ではそう呼称されたという。

 

「さア、身体の何処を毟り摂ってやろうかァ!!?矢車ァァァァァァァ!!」

 

成虫態になった途端、高ぶる感情をむき出しにして突進する根岸。

 

事実、その実力は三島正人の成れの果てであるグリラスワームを優に超えていた。

 

「ぐァッッ!!」

 

ショウリョウバッタの装甲を、アッパーカットの一撃で砕かれ、ツメの追撃に苦しめられる。

 

「相棒……こりゃ約束を守る前に、そっちに行けそうだァ!」

 

「何をごちゃごちゃと……ムッ!!」

 

精霊の力と思しき光弾が、根岸の体に浴びせられる。

 

避難の用意を済ませたブルームとイーグレットが、仮面ライダーたちの加勢にやって来たのだ。

 

「大地と空の精霊の力!」

 

「少しは効いたかしら!」

 

ところが、シュウシュウと煙を立てる皮膚甲の上には、黒い結界のようなものがはられてある。

 

「残念・・・!!」

 

「そんな・・・!!」

 

焦るイーグレットに対し、不敵に笑う根岸。

 

そのまま、苦悶に倒れる矢車に鋭い爪を振り下ろす。

 

それを抑え込んだのは、パーフェクトゼクターを手に駆け付けた天道総司/仮面ライダーカブト(ハイパーフォーム)。

ハイパーゼクターの刃先で、グリラスワームにも劣らぬ強靭なキングスタッグワームの爪を抑え込んでいる。

 

「立て矢車、お前が……ここでやられるタマか!」

 

「こいてろ天道ォ!そのまま抑えてろよ!」

 

キングスタッグワームの爪と、パーフェクトゼクターの刃の競り合いの最中、真後ろから迫るトライアルⅮと、ネイティブのサナギ態。

構える暇のない矢車を、ブルームとイーグレットが守ろうとするも、トライアルⅮお不意打ちを受け、まともに動けなくなってしまう。

 

『ライダーカッティング!!!』

 

すんでのところで避難誘導を終えた加賀美が加勢し、サナギ態を瞬殺。

 

さく裂したライダーカッティングのエネルギーの余りを、トライアルⅮに直に注ぎ込み、一時的ながら無力化に成功。

 

『KABUTO!ZABBY!DLAKE!SASWORD!ALL ZEKTER COME BODY!』

 

真の完成形となったパーフェクトゼクターを片手に、キングスタッグワームに斬りかかるハイパーカブト。

 

だが、キングスタッグワームは膝蹴りで反撃。グリラスワームを凌ぐ驚異的な反発を見せ、あっさり圧し折られるパーフェクトゼクター。

 

「あなたの負けです!!!!!!!カァブトぉオぉオぉオォォ!!」

 

「どうかな?」

 

「!?」

 

カブトは、抑え込んだキングスタッグワームの手足を掴んだまま、決して離さない。

 

「お前のバリアとやらは、一点集中型だろ?」

 

「!!?まさか……!?」

 

『『RIDER KICK!!』』

 

『プリキュア・マーチシュート!!』

 

『サニーファイヤー!!』

嫌な予感を覚えて、根岸が上を向いた時。

 

ガタックのライダーキックと、風と炎を纏ったキュアマーチ、キュアサニーのとび蹴りが炸裂。

だが根岸はこれを抑え、2人の両足を掴んで後ろへ跳ね飛ばす。

 

「ォぅらぁ!!!」

 

「ぐぁっ……」

 

「きゃあっ……!!」

 

満身創痍の二人。その時、突如として立ち上がった矢車が、ホッパーゼクターの拡張をプッシュ。

 

「 相棒ォ……ちょっとでいいから力貸せよ!!!」

 

死に体だった矢車の右腕に、本来キックホッパーにはついていないアンカージャッキが どこからともなく出現。

 

バリアを張る余力の残っていないキングスタックワームに、 必殺技を叩き込む。

 

『ライダーパンチ!!』

 

「ぐぉわああああ!!』

 

赤と緑の稲妻を纏う渾身のライダーパンチは、あのキングスタックワームの硬い装甲をたやすく突き破り、根岸は断末魔をあげて爆発四散した。

 

「矢車さん……!!」

 

以前のミッションで矢車に出会っていた緑川なお。

一度は闇の同盟に与していた彼に、なおなりに共感する部分はあったかもしれない。

 

「昔俺の相棒が言ってたよ…… 日向の下で遊ぶ犬みたいに、人に褒められたいってな…… 俺は、あいつを褒めてやれなかった。」

 

「 影山さんの再生体を倒したのは私……!」

 

「 俺はそれを恨んじゃいない、むしろ感謝してるさ。」

 

振り向いた矢車のすがすがしい笑顔は、 決して紛い物ではなかった。

 

「なお……家族を大事にな。いい女になれよ。」

 

闇の同盟を裏切った今、その存在を長いこと維持できない彼を、 涙をこらえて見送るなお。

 

「矢車さん……!!!」

 

「なお。 あの人、笑っとったで」

 

なおの肩に手を置くあかね。

たまらず涙が溢れてきた。

 

「しっかり繋いで行かなアカンな……この世界の、ウチらの未来を!」

 

「うん……!!うん!!」

 

※※※※※

 

門矢士一派『センターエリア』: 仮面ライダーディケイド対ダークディケイド

 

「終わりか……?」

 

「 冗談はよせ、まだまだこれからだよ!!」

 

カメンライドやフォームライドを駆使し、壮大な闇の力に対抗するディケイドだが、 相手は一歩上回った能力をいくつも保持しているらしい。

 

「 模造品のくせに生意気な……!」

 

「 果たしてそうかな?門矢士よ。お前が私の模造品ではないと、なぜ言い切れる?」

 

「 お前はブラックホールの良い飼い犬だろ?俺は違う! これまでの旅の軌跡が俺を俺として形作り、俺が俺たる証明になっている!」

 

「 大した自信だ。ならば……。」

 

バックルに仮面ライダークロノスのロゴマークが書かれたカードをセット。

 

『ATTACK RIDE PAUSE!!』

 

時間停止の中、ひたすらにライドブッカーでディケイドを切りつけるダークディケイド。

 

『RESTART』

 

「ぐあぁっ!!!」

 

「 たかが模造品相手とはいえ、この実力差ではなァ。

よく知っているだろ門矢士…… 世界の運命を決められるのは、勝者のみだということを!!」

 

『 FINAL ATTACK RIDE DARK DECADE!!』

 

ガンモードに変えたライドブッカーの砲口が、つかさの心臓をまっすぐに 狙っている。

 

「くそっ……ここまでか!!」

 

「死ね!!」

 

弾丸が衝突するかと思われたその時。

 

空を切る弾丸を何者かが斬った(・・・)

 

「よぉ……待たせちまったな!!」

 

晴れ渡った爆炎の中には、全国津々浦々に散っていたキュアライダー達の姿があった。

 

「お前……!!」

 

「俺達……参上!!」

 

門矢士一派のキュアライダー総戦力が、今ここに集結した。

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