プリキュアオールスターズ×仮面ライダー〜bの復活とsの暴走〜第三部 作:鈴木遥
・ 闇の同盟にとって全くの想定外であった、電王たちや他オールスターズたちの帰還。
頭数だけいえば完全に形勢逆転され、 さらに有力だった幹部たちは 仮面ライダー達に敗北を喫している。
彼女はようやく目を覚ました。
長きにわたる眠りから彼女の目を覚ましたのが闇の同盟であったか、はたまたシャイニーキングダムであったか、最早覚えていない。
そんなことはどうでもよかった。
「レッド様……今、私が貴男の夢を……。」
結晶から変出、ゆっくり立ち上がり、瞳孔を開く。
夢原のぞみの髪によく似た……いや、カモフラージュのために見せてあった髪が、徐々に緋色に変わる。
トワイライト時代の紅城トワに似た、リボン型のヘアスタイルに変わる。
「プリキュア……仮面ライダー……私が全て倒す!」
彼女は突風と共に姿を消した。
一瞬にして救護テントから戦場へ赴いたのだ。
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愛乃めぐみは、 オールスターズ終結後も緊張の糸を解かなかった。
『その存在』に気付いていたのは全員ではない。
視覚的にとらえていないのだから当然だし、 それ自体がありえない場所から現れている。
この気配を、 彼女はよく知っていた。厳密に言うと、彼女の覚えがあるそれとは少し違うのだが、 それに限りなく類似する存在が、それも、このエリアの内側に入ること自体、 以上という他なかった。
とりあえず救護テントの無事を確認……。
エリア内を疾走する彼女の前に、それは突然現れた。
「見つけたぞ……!!キュアラブリー!!」
「!?」
自分によく似た輪郭の、闇の気配をまとうプリキュア。
「あなたは……!?」
「 私はレッド様の意志を継ぐ者。 貴様の細胞をもとに闇の同盟に複製された。
皮肉な話だ。私にとって母と呼ぶべき存在が、最大の敵なのだからな!」
「敵……!?」
意味が分からなかった。 レッドの思惑をくじいたのは確かにめぐみなのだが、 レッドと別れた時、彼に憎しみは残っていなかったはず。
「待って!話がよく……!」
「とぼけるならそれでも構わん。 どのみち話など聞く気はないからな……!」
いつのまにか腰に刺してあった、赤い光の剣を取る。
振りかぶった剣を ラブリーソードで慌てて抑え込む。
激しい打ち合いになるが、ラブリーはあと一歩で押し負ける。とどめとダークラブリーが斬り下ろす寸前に、 氷の剣がそれを押し止める。
「ビューティー!!」
返事は返さず、振り返ってニコリと笑うビューティー。
「ニ対一か……構わんぞ。 ちょうどこの女一人では退屈していたところだ!」
「 誰が2対1って言った!?」
続いてキュアベリーも参戦。 『エスポワールシャワーフレッシュ』で一瞬敵のバランスを崩す。
「 完璧なタイミングみたいね……さすが私っ。」
電王、響鬼、ダブルも参戦し、 6対1の軽い大戦に。
音撃棒烈火 フルチャージ、 サイクロンメダルのマキシマムドライブ、 ビューティブリザードアロー。
四つの攻撃を一斉に放射。
だが、 右腕に突然マキシマムスロット召喚するとそこにユニコーンメモリを装填。
サイクロンメタルのスロットに拳を一撃を喰らわせる。
続いて どこからか巨大なディスクアニマルを召喚し、それを変形させないまま 縦にする。
これによって音撃棒の威力はほぼ無効化。
ソードフォームによる俺の必殺技パート1は、 ダークラブリー渾身の居合い斬りで真正面から受け止めるが、 事もあろうにデンガッシャーをへし折られてしまう。
「なに……コイツ……強すぎ!!」
ベリーが珍しく弱音を吐いた。 異世界での緊急ミッション帰りということもあるが、 どこで出会ってきたどの敵とも違う異質な強さを前に、体が追いついていなかったのかもしれない。
「終わりだ……!!」
闇のエネルギー出てきているはずの赤い剣に、なぜかメモリスロットが出現。
『テラー!!マキシマムドライブ!!』
「テラーだと!?」
その体質ゆえに散々自分を苦しめてきたガイアメモリ。
それが目の前にあると知るや、マスク越しでも分かるほど翔太郎が青ざめる。
「 危険だ翔太郎!!退くんだ!」
フィリップこと園咲来人が危惧しているとおり、 赤いブレードからは 人間の恐怖を煽る青い『波』が溢れ出ている。
逃げ場はないと判断したフィリップは エクストリームのガイアメモリを呼び出す。
「みんな!イチカバチカだ! 彼女が攻撃を放つ瞬間、最強の一撃を叩き込む!!」
「よっしゃあ!!」
響鬼は響鬼装甲に変化。
モモタロスはケータッチを取り出し、 残る四人のイマジンを憑依させる超クライマックスフォームに変身。
ビューティーはプリンセスフォーム、ベリーはキュアエンジェルへ。
「行くぜ行くぜ行くぜ行くぜェ!!」
「エクストリーム!!フルバースト!!」
虹色のライダーキック二つを、思い切り投げつける。 それに続いて全員が渾身の一発を放つが、 数秒後にそこに立っていたのは ダークラブリーだった。
「くそ……何だコイツ!!強ェ!」
驚き苦悶する翔太郎。
「闇の魔力で強制的に地球の力を引き出している辺り、異様としか言えない。」
フィリップも次の対策が浮かばないらしい。
「 よく聞け人間どもよ!!並行世界の覇権を握るのは我々同盟と、ブラックホール様だ!」
彼女は自身の背中に発生した、赤紫色のオーラを爆発させ、その場から姿を消した。
「何だったんだ、ありゃ……」
「凄まじい闇を感じました。」
モモタロスとれいかが、それぞれ疲れきって感想を述べている。
「 完璧にしてやられたわね。ていうかあれって、 のぞみのクローンじゃなかったの?ねぇ、めぐ……。」
めぐみに声を掛けようとした美希は、 慌てて口をつぐんだ。
彼女の顔に、他のメンバーとは違う、明らかな"絶望"が浮かんでいたからだ。
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『フルチャージ!!』
『セル・バースト!!』
『トライアル!マキシマムドライブ!!』
ゼロノス・ゼロフォーム、 バース(ブレストキャノン)、 アクセルトライアルの3人の必殺技を受け、 ゴルドジェノサイダーが全壊。
「おのれ無能共ォ!! よくも私の愛馬を!」
アクセルトライアルの背中を狙ったゴルドドライブ。 そこへ、 何者かのライダーキックが直撃。
『 Wake up Fever!!』
「どわぁっ!!」
避難エリアのはずれの大木に叩きつけられたゴルドドライブは、攻撃者が高くジャンプすると同時に爆発四散。
マントを翻し、 こちらにゆっくりと歩いてくる。
「あらら、懐かしい顔じゃねぇのよ……!」
伊達バースが指差すと、彼はゆっくりと変身を解く。
ファンガイアのキングの衣装の黒い部分が、 白と紫に変化した衣装。
久方ぶりに見る紅渡は、少し顔色が悪くなっていた。
「どうよ。 クイーンの居城での生活は。」
「 伊達さんやめてください!」
後から来た後藤が伊達を止めに入る。
代わりに前に出たのは桜井侑斗だった。
「 紅……お前どういうつもりだ? クイーンに降り世界を支配するなど…… 野上も一度戦った身として心配していたぞ!」
渡は面倒くさそうに侑斗を見つめる。
「 別に彼女の目的に興味はありません。もちろん世界支配にも……。僕には僕のやりたいことがある。彼女の元にいればそれを叶えられるから手を貸した。それだけの話ですよ。」
「 甘ったれたこと言ってんじゃねーぞ!! その目的のためにあの女が、いったいこの世界に何を引き起こすかわからねーんだぞ! 仮にも仮面ライダーの名前を知ってるお前が……!!」
伊達が怒りに任せて叫ぶが、やはり後藤が止めに入る。
そんな彼らを置いて異世界を隔てるオーラに逃亡しようとする渡。
「 皆さんも早いところシャイニーキングダムに降ってください。 僕としては、あまり乱暴はしたくないので。」
「待て。」
努めて冷静に後ろから声をかける侑斗。
これまで以上に面倒くさそうな顔で渡は振り向いた。
「これだけ答えろ。 お前の世界にもいる仲間たちや、 お前の兄…… それら全て裏切ってまで叶えたい願いって、一体何だ?」
「すみませんが、これで失礼します。」
そう言い残すと、渡はオーラの向こうに消えた。
変身を解き、デネビックバスターを宙に投げる侑斗。
戻ってきたバスターは、イマジン・デネブの姿に戻っていた。
「侑斗…… 説得、失敗したなぁ……!」
「 何か思いつめた顔をしてた。 ああいう時は何言っても無駄なんだ。俺がそうだったみたいにな。」
「 俺は渡君が心配だ。すごぉく心配だ……!」
「バカ、 渡だけじゃないさ。 俺たち、みんなみんなが仲間たちを心配してる……。」
侑斗の視線の先には、疲れ切ったライダーたちがいた。
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葛城、影山、ビシン、ラッキークローバー他、 キュアライダー避難エリアを襲撃していた同名の戦士たちに、 撤退命令が下ったのはそれから間もなくなった。
プリキュアオールスターズに仮面ライダー、 最高幹部達が危険視していた戦士たちが、続々と集結したのだ。むしろ英断と言える。
ビシンはやはり恨み節を残して消えたが、 影山/ロブスターオルフェノクに抑え込まれて離脱。
二人はなぜか闇の同盟の指示に従っており、 今後も混乱が予想される事態だ。
地球の地下から回収されたあの謎の戦士は、結局単独で姿を消してしまった。
とは言え戻ってきたポルンが根岸を倒したことや、 キングダムの横槍があったとはいえ、大多数の同盟幹部を倒したこと。
「少なくとも……僕等の勝ちと言えるんじゃないかい?士。」
「この戦闘は、な? かろうじて犠牲者は最小限に抑えられたが、 二つの組織に、もうこの場所は割れてる。 本番はここからだぞ……。」
今日も夕日が沈む。
闇と光の混じり合ったカオス。
赤紫と白と黒が溶け合った、 絵の具をごちゃごちゃに混ざったかのようなグラデーション。
まるで明日の世界の混乱を予見しているかの様だった。