プリキュアオールスターズ×仮面ライダー〜bの復活とsの暴走〜第三部 作:鈴木遥
・ 根幹世界の芝公園避難テントエリアでその演説を傍聴していた者たち。
取り分けキュアライダー達は、泡を食うことになった。
「今…… 何て言ったこの女?」
「スイート女王を……?!!」
「映司に……殺させるですって!?」
仮面ライダーオーズが、お菓子の国の逆賊・スイート女王の死刑執行を務める。
そのたった一文は、世界の最後の砦として一日を戦い通しのキュアライダー達をさらに疲弊させるに十分すぎる効果を発揮した。
「門矢さん……私、助けに……!!」
「無茶を言うな!のぞみ、お前一人で行ってどうなる!?ケーキの城にたどり着くまでもなく、同盟とキングダムに捕まる。人質を増やすだけだ!!」
「でも……!!」
「のぞみちゃん、今は士さんの言う通りだよ。」
キュアブラック/美墨なぎさがのぞみを嗜めるが、のぞみの表情は暗いままだ。
「……でも、解せないことだらけですね。」
北条永夢が、眉間にしわを寄せる。光のクイーンにとって邪魔なのは、キュアライダー達より能力も規模も厄介で、彼女の天敵と呼ぶにそん色ない闇の同盟のハズだ。
彼女はそこを潰すどころか、あまつさえあれだけ煙たがっていた同盟と手を結んだ。
多くのキュアライダー達が離反したタイミングについては、ポルンの行動が斜め上を言った事による事故とも取れる、が……。
「なぜ今ここで同盟と……?」
フィリップも本を閉じ、頭を抱える。結局、誰一人これといった結論が出せないまま、時間だけが過ぎ、刻々と処刑時刻が迫る。
敵の動きが読めないまま、むやみに出撃するのは危険だ。
だが、キュアドリーム/夢原のぞみにとって、あの国はプリキュアのチーム全員で世話になった、とても思い入れのある国だ。
のぞみだって、いや、恐らくここにいる全員が、黙って見ているのは辛いに決まっている。
そんな時。
「天道さん!キッチン借りるね!」
「あたしも!マナちゃん手伝ってくる!」
立ち上がったのは北条響と相田マナだった。 他の戦士たちがあっけにとられている間に、 二人は人数ぶんのオムライスを完成させた。
「これは、一体……!」
ポロリと口から出た天道に、答えを返したのは四葉ありすと南野奏だった。
「ちょっと突飛かもしれないけどね……いつもこうなのよ。」
「マナちゃんが動く時というのは、決まって誰かを助けるときですわ。」
今この状況下において、料理が誰を救うというのか。
普通の人ならばそう尋ねたところだろうが、天道はその答えをよく知っていた。
今ここにいる、全ての人々である。
避難民たちにジュースとオムライスを配り終えた後は、 本部テント内の戦士たちの宴が始まる。
「乾杯〜〜〜!!」
緊迫していたテントの中の空気は、あっという間に明るさを取り戻した。
人々は飲み、歌い、少ない物資の中でやりくりしながらも、今日を必死に生きたトロフィーとして笑っている。
「さすがだな、キュアハート。」
「え?」
カレーオムライスのスプーンえているマナに、天道が話しかけた。
「あの緊迫した状況で全員の心をどうほぐすか、あの短時間で考えついた君には、 すごい才能がある。」
珍しく素直に人を褒めた天道に、マナは少し恥ずかしげな顔をした。
「 本当言うとね……何も思いついてなかったんだ。」
「……?」
「今はSブロックに避難してるけど、私の家レストランでね。ぶたのしっぽ亭……って言うんだ。
お父さんとお母さんが美味しいもの作ってくれる度に、 私はすごく幸せになれた。
皆が幸せになるためにどうしたらいいのかなって、今の仕事に就いてからずっと考えてたけど、同盟のことも、キングダムのことも、仮面ライダーの皆に任せてて、私には難しくてよくわからない。
だからね?私には、私のできる戦い方をしようと思ったんだ。」
キュアハートとして戦うことも可能な彼女は、 その類まれなるリーダーシップとカリスマ性を買われ、本部テントの参謀的な役割を担っていた。
だが実際のところ、 彼女には今この世界をどうすれば救えるか。 もう二度と誰かの涙を見ないため、自分に何ができるか。
考えても考えても答えが出ない日々に、 自分の無力さを思い知らされていた。
「ここに来てすごく戦ってる気がするんだ!垣根もエリアも超えて……みんな一緒に!!」
「・・・・・・。」
「ゴメンね天道さん!!退屈な話で……。」
「いや…………
一方、本部テントではいよいよ、活動を始めたシャイニーキングダムに対する対抗策を錬る会議が始まっていた。最初にして最大の意見具申者は、映司を最後に目撃したプリキュアの一人、キュアブロッサム/花咲つぼみだった。
「もう一刻の猶予もありません!映司さんを取り返すんです!皆で行きましょう!!お菓子の王国に!!」