プリキュアオールスターズ×仮面ライダー〜bの復活とsの暴走〜第三部   作:鈴木遥

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挟み撃ち

・同日未明午前0時。

夢原のぞみと花咲つぼみたちプリキュア先行部隊は、町外れのチョコ屋敷の地下に避難しているスイート女王の娘ショコラと、それを保護するべく先に国内へ潜入していた夏木りん、ブンビーの二人と合流。

 

その場にいた仮面ライダーは、小野寺ユウスケとパラドクス、野上良太郎が別行動のため単独のモモタロスと、門矢士の頼みで同行していた海東大樹だった。

 

「テント中から、動けるキュアライダーズをかき集めてこの人数か……。」

 

旧式のランプに照らされたホールケーキの白の図面を見ながらブンビーがため息を漏らした。

 

実お菓子の国の兵隊は今やシャイニーキングダムの……否、もっと深い話をすれば闇の同盟の私兵と化しているのだ。

 

「本当にこの人数で大丈夫なのか?」

 

パラドが同じく不安な顔をして机を叩いた。

 

後ほどアランと深海マコト、詩島剛合流することになっている。

プリキュアと仮面ライダー、累計30名以上という、だいぶ豪華な顔ぶれだ。とはいえ、それらを含めても、果たして国家戦力レベルの兵力に対抗できるかどうか。

お菓子の国の兵隊たちに、シャイニーキングダムの半数前後の兵力、そして、キングダムと癒着しているであろう闇の同盟の兵力。

 

これはまだ分析の段階だが、数だけ見れば圧倒的にこちらが不利だ。

 

 

「へっ、ボヤボヤしてたってしょうがねえ。オーズと女王を取り返すために、邪魔な奴はぶった切るだけだ」

 

モモタロスが自慢の武器を布でときながら勇んだ。

 

花咲つぼみの作戦に則り、シャルモンの城乃内と凰蓮ピエールアルフォンゾが城内の厨房に潜入している。

加えて、市街地周辺の偵察を終えたチェイスも戻ってきた。

 

「夜の0時とは言え、あまりに閑散とすぎている。チョコレートの歓楽街も軒並み店を閉めていた」

 

気持ち悪いものでも見てきたかのように、チェイスが呟いた。

事実町の至る所にシャイニーキングダムの旗がおり、統治者スイート女王ではなく光のクイーン。

 

非常事態と言うか、もはや異様な光景であった。

 

侵略直下の王国に潜入するのは皆初めての面持ちで、やはり敵陣の占領下の中心だと思うと眠れぬ夜を過ごすことは不可避である。

 

とその時。

 

「足音だ。」

 

チェイスが短く言い捨てると、全員が身を低くかがめ、

それぞれのライダーシステムやプリキュアツール、武器の用意を瞬く間に済ませた。

 

集団の足音は市街地の中心部からきているようだった。

使い捨てのアジト内に緊張が走る。

 

アジトの真上にある屋敷は、元スイート城の家臣だったビターとドライのコンビが宿舎にしている。

無論彼らの名前がある以上、敵から疑いの目を向けられることはあまりない。

 

今回のスイート女王処刑への対抗作戦も、一見キングダムに下ったかに見えた、彼らのリークがなければ実現しなかったのだ。

 

城の図面を提供したのは、紛れもない彼らなのだから。

 

足音はゆっくり遠ざかっていく。

万一に備え剣を構えたモモタロスがいましも飛び出せる準備をしていた頃。

 

アジトは、まるで戦士たちをからかうかのように静寂を取り戻した。

あ、か、らき

「行ったようだね。」

 

音の主が敵だったのか、味方だったのか。何故あれだけの人数を引き連れて、ここまでやってきたのかはわからない。

 

とにかく目先の難を逃れることに成功し、海東大樹は安堵のため息を漏らした

 

「と、と、とにかく皆さん!落ち着いて朝を待ちましょう!!」

 

「つぼみちゃんの言う通り。ここはもう敵地なんだからね」

 

りんが諭すと、交代交替に出入り口の見張り番を決め1時眠りにつくこととなった。

 

満月がお菓子の国の不穏な夜を照らす中、ショコラは屋根の上に登り、それを眺める。

 

「おい」

 

背後から野太い声がした。ドキリとして振り向くと、そこには赤鬼の顔があった。モモタロスだ。

 

「赤鬼さん!?」

 

ガタガタと震えながら、柱に隠れようとするショコラ。

 

「おいバカ鬼じゃねー!これが人を襲う顔か?」

 

町外れのアジトとはいえ、周囲の巡回に警戒しながらツッコミを入れるモモタロス。

どう見ても人を襲う顔である。

 

「どう見てもそういう顔ですわ」

 

「ぬぁっ!」

 

やっぱり。

 

どちらも何一つ言葉を発さぬまま、ゆっくりと夜は更けていく。

 

モモタロスともその場を通していいか考えあぐねていたところに、やがてショコラが口を切った。

 

「……不安なのです」

 

「あ?なにがだよ」

 

「明日の朝起きたら、闇の同盟に国が支配されて、お母様も……」

 

「知らねーよそんなもん!未来のことなんて、イマジンにも分からねーんだからな」

 

「……」

 

「あー……けど、一個だけわかることがある」

 

「なんですの?」

 

屋根からよっこらせと、少し重たそうな腰を上げ、月に、あるいはショコラに向かって呟いた。

 

「キュアライダーズは負けねえよ。何たって俺がいるんだからな」

 

ぶっきらぼうに放たれたその一言に、ショコラは途轍もない安堵感を覚えた。

 

「……はい!」

 

翌朝は花咲つぼみが到着すると同時に、簡易的な作戦の説明が行われた。

モモタロス達 A班は、地下通路を通ってホールケーキ城裏側へ突入。

パラドックス達B班は、オレンジジュースの滝から渡し船を経由して、陽動として処刑場の兵力を半減させる。

 

ケーキ屋シャルモン、並びに率先して作戦に協力してくれることになったプリキュア達(通称映司lovers)は、

軍隊と戦闘する他の班に先駆けて城内へ潜入。

最悪の場合を想定し、全ての兵力が揃うまで処刑の時間を稼ぐ。

 

そしてキュアブロッサムたちD班は、各班の合図があると同時に処刑場に突入。

映司並びに女王を奪還の後、スイーツ王国軍(現シャイニーキングダム)に反撃の狼煙を上げる。

 

「今作戦のメインはあくまでお二人の奪還です!身柄を保護したら、状況を見て皆さんは撤退してください!」

 

「つまらねぇなぁ!」

 

つぼみの作戦に意義を唱えたのはモモタロスだった。

 

「つまりはシャイニーキングダムも、ブラックホールの野郎と同じ穴の狢だろ?だったら全員ブッ倒しゃ、世界平和への道が開けるってもんじゃねえか!」

 

「そのことだけど……」

 

丁度良くアジトに戻ってきた、キュアドリームとキュアルージュ。

モモタロスの意義に対して反論したのがルージュだった。

 

「例えば今此処で総力戦になっても、今日のうちにクイーンを倒すことはできないの」

 

「どういう意味だよ」

 

「クイーンは今光の宮殿に居る。そして……」

 

そこで口を噤んだルージュ。

つまり、言いにくいことを脳裏に浮かべているらしかった。

 

「ポルン達のチームが、クイーンを説得に向かっているのよ」

 

「説得だと……?」

 

クイーンの恐ろしさを、割とよく聞き及んでいた深海マコトだが、やはりその知らせには難色を示した。

"説得"などというお題目は立っているが、事態がここまで及んだからには、戦闘は避けられないだろう。

 

第一、ポルンの心持ちがどうであれ、今のクイーンが彼らの説得に応じるはずがなかった。

 

「どっちにしても、一番強い奴を倒さねーとしょうがねー、こっちをさっさと片付けて、連中の手伝いに行ってやりゃいいじゃねーか」

 

疑うことのないモモタロス自身の強さ。

そこからくる強気な発言は、いくらかキュアライダー達の、気持ちの切り替えに役立った。

 

「作戦決行は12時!皆さん、なるべくバラバラになりすぎないようにお願いします」

 

「応!!」

 

つぼみの号令と共に、いよいよスイート城奪還作戦が間近に迫っていた。

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