プリキュアオールスターズ×仮面ライダー〜bの復活とsの暴走〜第三部 作:鈴木遥
・ 加賀美新が zect の頭取を引き継いで数年。
闇の同盟とシャイニーキングダムの衝突による影響を引き起こしたのは、何も根幹となるディケイドの世界の組織だけではない。
「ではこれより、鴻上ファウンデーションの仮面ライダー支援組織緊急会議を始めます。」
鴻上ファウンデーション会長鴻上光生の秘書、里中が、 モニター越しの一条薫(警視庁グロンギ班)、加賀美新(ゼクト)、橘征二郎(猛士)、呉島貴虎(ユグドラシルコーポレーション)、日向京太郎(CR)の五名を映し出す。
「グッドモーニング!!ライダー支援組織代表諸君!」
鴻上光生は、シャイニーキングダムの盗聴を防止できる特殊カメラを使用し、異世界の代表者たちと通話していた。
「 俺には理由がわからない!何が起こってるんですかこの世界で!」
「 落ち着きたまえミスター新! 君の親友ミスター天道!
彼がディケイドの世界に赴き、 東京タワーにて奮闘していた時…事はすでに起こっていたのだよ!」
「 ダンスコンテスト会場を襲撃した連中…… 弟の話を聞く限り、我がコーポレーションだけではどうにもできない相手のようですが?」
「 CR の北条が言うには、 異世界全てで起こっている異変をある一つの組織が引き起こしているとか…… 昨日鴻上会長に頂いたお手紙……世界の話もいまいち飲み込めていない。お恥ずかしい限りです。」
貴虎と日向が呟くと、 鴻上は『ノープロブレム!』と 指を鳴らした。
「 異世界が存在する……その事実すら私も飲み込めたのはつい最近だ。
私の世界にも、同盟に所属していると思しき怪人が生息していました。そしてミスター呉島の言うとおり、1組織で相手にできるほど生易しい相手ではない。
そこで……。」
鴻上は言葉を切り、机上に3 D ホログラムを表示した。
それはプリンセスプリキュア組が変身時に使用する鍵に似ていた。
「 仮面ライダーディエンドとキュアスカーレットにご協力いただき、半ば強引に各位世界を繋げることに成功した。
おかげで絶望的だった戦いに、徐々に光が差し込んだ、と思われていたのだが……。」
「まだ何かあったと?」
一条が訝しげに問うと、鴻上は悔しそうに頷いた。
「 現在『敵対勢力』として認識しているシャイニーキングダム……あれは当初闇の同盟の討伐 その全ての発案者だった光のクイーンの裏切りによる新組織なのだ!」
画面の向こうの一条と立花が、驚いてボールペンを床に落とした。
「 いったいなぜそのような……。」
「 彼女の目的はわかり得ないが、『仮面ライダー』や、『プリキュア』達と違い世界の統治という思想を持っているらしい…… 裏切りが発覚した時、主力のキュアライダー達は何人かヘッドハンティングされ、 どういうわけかシャイニールミナスの身柄を保護した妖精が一人 妖精のまとめ役の指示を破って逃走、 中でも最悪なのが……。」
鴻上は唇を噛み締めるようにした後、机の向こうにいる「誰か」に 目で確認を取り、ゆっくりと口を開いた。
「 シャイニーキングダムは本格的に、敵対者の粛清にあたっているそれもただの引き抜きではなく洗脳された仮面ライダーオーズこと火野映司君を使ってね……!」
加賀美は絶句した ワールドキーによって異世界が繋がった時 彼は既に 彼は既にシャイニーキングダム代表の演説を聞いていたのだ。
輝く未来と正義を語る光の集団。 しかしてその実態は 己の思想のために他者を馬車馬のように利用するテロ組織ではないか。
鴻上の提案であるキングダム討伐に、一瞬でも心を揺らがせた自分に怒りを覚えた。
「 色々分からないところもありますか、事態がすこぶる最悪であると分かりました。」
「 本当かねミスター呉島!」
「ええ…… 協力しましょう。 闇の同盟とシャイニーキングダム討伐、並びに 異世界支配の阻止と救済を。
賛同される方は、席を立たれることをお勧めします!」
その場の5名全員が立席し、 対闇の同盟シャイニーキングダムに向けた壮大な計画が、動き出そうとしていた。
ポルンは、 瓦礫の山の中でルミナスを見守りながら、 数時間おきに浅い眠りにつき、目を覚ましては彼女にエネルギーを分け与える技を使い、廃墟と化した都市に落ちていた水や食料でなんとか命を繋いでいた。
彼が目指していたのは、 第4の勢力が根付いていると言う秘密基地だった。
仮面ライダーアマゾンズやギャバンなど 通常の仮面ライダーとは似て非なる戦士たちの 新組織。
自分がなぜ逃亡を図り門を叩いたのか、 その全てを知ってなお、自分をかくまってくれるなどと期待はしていないが、 彼らとて間違いなく、ルミナスの身柄を乱暴にはしないはずである。
ルミナスを誰かに託した後は、懲罰を覚悟で門矢一派に戻ればいい。
そう思っていた。
ところが何日経っても、その秘密基地が見つからないばかりか、 シャイニーキングダムの白いゼクトルーパーや 闇の同盟の怪人たちが日増しに増えていく気がする 。
「彼らももう、どちらかの組織にやられちまったのか?」
嫌な予感が頭によぎったが、自分の頬を思い切り叩いた。
「何弱気になってんだ!ココやナッツと喧嘩別れしちまった今、コイツを守れんのはオレだけなんだぞ!」
ルミナスが入った晶石を抱え 再び水と食料を探して歩き出すポルン。
「『リンクコンテンツ』まだ使ってねーな。 もう少し待ってくれルミナス!」
その時、目の前にあったのは最悪の光景だった。ポルンはとあることわざを思い出した。
災難は忘れた頃にやってくる
目の前にいたのは 元ドツクゾーン幹部サーキュラス。
「久しぶりだな。光の王子!」
「 ふざけやがって……!どんなタイミングだ!?」
「 闇の同盟で対話できる幹部に会ったのは久しぶりかな? 見たところ弱っているようだが…… そのハーティエル化したシャイニールミナスさえ渡せば、おとなしく引き下がってやらんこともないぞ?」
「同盟にキングダムに……なんでこうついてないかなァ俺は!」
「 さあどうする、そう時間はないぞ!?」
慌てるな、冷静になれ!
ポルンは 自分にそう言い聞かせた。
こいつらは自分を一妖精と舐め腐っている。隙を突けば勝機はある。
腕輪に『変身』のコンテンツカードをかざそうとしたその時。
ドスッ!
背後から、何かがポルンの身体を貫いた。
「ッ……!!?」
「誰も、オレが一人だとは言っていないさ。光の王子……。」
背後に立っていたのは、スコーピオン・ゾディアーツ。
ポルンを刺したのは、背中に生えた毒針だ。
「何、心配はない。 3時間近くにわたって嘔吐、発熱、麻痺、幻覚作用に苦しむだけだ。
おとなしくしていれば命は助かる。以前、如月弦太朗に投与したのよりよほど優しいだろう?」
「クソ!ふざけんな!」
「怒るなよ。そこから動かなきゃいい、ただ
サーキュラスの薄気味悪い高笑いが響く。
悔しく、腹ただしく、弱い自分や、目の前の敵、この世の全てが憎かった。
(畜生……畜生……!!結局ここで終わんのかよ!世界も、夢も……オレの戦いも!)
「残念だったなァ光の王子ィ!主君に裏切られ、同志に切り捨てられ、孤独にさまようキサマには、所詮誰にも護れはせんよ!」
着々と瓦礫をかき分け、中に隠したルミナスを探しているのだろう。
見つかるのも時間の問題、捕まれば彼女はある計画に利用され、生きる道はなくなる。
それは、相手がシャイニーキングダムでも同じ事。
だからこそ王子ココは、彼女の『シャイニールミナス』としての「能力」を完全に破棄することを提案。
だが、目が覚めたルミナスが力を失ったことに絶望するのを恐れたポルンは、ルミナスを連れ門矢一派から離反。
(その結果が、コレかよ……!)
「スコーピオン!いたぜ!可愛い妖精さんがよォ!」
ここまでか。
自分を恨み、選択を恨みながら、全てを諦め、ゆっくりと目を閉じようとしたその時。
「オイオイ若ェの!しゃんとしろや!」
怒号と共に、サーキュラスとスコーピオンを『焼き切った』その「鬼」。
ポルンはその姿をごく最近見かけていた。
「戦……鬼!?」
「戦場キサマァ!!クイーンの使いかァ!?」
「それは違う、だが、拳は仕舞うな。殺す理由がなくなるだろ?」
ハーティエル・ルミナスが密閉された水晶をちらつかせ、不敵に笑う戦鬼。
懐にあった水晶をスられ、憤慨するサーキュラス。
「いつの間に……なめた真似を!」
「生きて帰れると思うな戦場ァァァァァァァァ!」
怒り狂い、襲い来る二人に、戦場は顔色一つ変えない。
「帰る場所なんざねえよ。この空が、大地がオレの住処さ。オレの敵はそれらを壊す
「だからどうした!!ブラックホール様に逆らうものは、クイーンも、門矢も、そこのガキも、根こそぎ粛清する!!」
「良かった。」
「!?」
『煉獄の鬼神 八咫烏たちの宴で盛大なる怒号を鳴らせ』
「二重詠唱!?馬鹿め!この距離では貴様とてひとたまりも……。」
ザンッッ!!
サーキュラスが何か言おうとした時、二人はすでに焼き切られ、後方に吹き飛ばされた。
『音撃斬・煉獄七日道!!』
「不意打ち失礼いたしやすが、こちらもこちらとて危機的状況、お宅らの名前は、この心にしかとお刻み申し上げやす。」
「戦士としての」礼を全うした戦場は、気を失った二人に、威風堂々と呟いた。
「外道のお二方……お控えなすって!!」