プリキュアオールスターズ×仮面ライダー〜bの復活とsの暴走〜第三部   作:鈴木遥

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奇怪再会地下世界

ゴーストの世界。

 

大天空寺にはこの混乱の最中に、一人の珍客があった。

 

「これはこれは。 まさかもう一度生きてアンタに会えるとはな……。」

 

デェムシュは、 初めてこの寺に足を運んだ。

 

鎧武の世界で斬月に敗北した後、 各並行世界をさまよっている最中に、ふと生前の記憶を思い出し、 ヘルヘイムへの入り口を探し、超空間ゲートを歩き回っていた。

 

寺の地下室と思しき場所には 仙人のような長いひげを蓄えた先客がいた。

 

様変わりしていたが、彼が老人と会うのは初めてではなかった。

 

「 でかく……いや、さらに真っ赤になったなァ。デェムシュ。」

 

「様変わりはお互い様だろ。あんたこそどうした?その仙人髭……。」

 

「 いろいろあってな。フェムシンムでお前を置き去りにした後、 親友が世界を一つ崩壊させたもんで、 さらに色々面倒を抱え込んでたんだよ。」

 

デェムシュに、次に何を言うべきか分からないイーディス。それもそのハズ。 幼少期に入ってフェムシンムの 裏町に置き去りにして以降、 ずっと己の行いを 後悔して生きてきた。

 

デェムシュは、彼は、自分を恨んでいて当然なのだから……。

 

「デェムシュ、数年前の件、 何と言えばいいか……。」

 

イーディスには、殴られる覚悟も、罵られる覚悟もできていた。

 

だが……。

 

「ありがとう。」

 

「!?……デェムシュ、ワシはお前に恨まれて然るべきだというのに……なぜ!」

 

「 確かにスラム時代は死ぬ思いをしたさ。 そのおかげでロミやラピスやロシュオに出会えた。その点では、アンタに感謝してる。」

 

感涙していた。と言うか、言葉にもならなかった。

 

数年前トランプ王国で預かった、第二王女の息子。

 

その優しさすらも、自分は見くびっていたのだ。

 

「言葉もないわ……!!わしゃあ……わしゃあお前を……お前を……!」

 

「 ほらほら泣いてる場合かよ。 やべー奴らが動いてる。

俺が何で生き返ったのか分からないけど、 あんたがここに来たのはそのためだろ?」

 

「そうじゃったな、。ん!?」

 

不意に得体の知れぬ闇のエネルギーを感じ 大天空の外に出るイーディスと デェムシュ。

 

街の空には、巨大な黒い穴が空いていた。

 

「何なのさ、アレ……!?」

 

「シャイニーキングダムが頭角を現し二ヶ月……我らの『脅威』は何も、彼奴らのみではない。

…奴等ついにおっぱじめおった。邪悪の神復活を!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時空の狭間

 

 

桐生戦兎は、 終わることなき悠久の時間の具象物である砂漠に座り込み、流れ行く砂粒を延々と眺めていた。

 

キュアエールこと野々はながここに来たのは、 偶然と言うと半分正解で半分嘘になる。

 

はぐっとプリキュアの世界、はぐくみ市を襲撃した闇の同盟とシャイニーキングダムの両組織。

ようやくビルドの世界からやってきた3人と合流できたかと思えば、 突如、根幹世界である ディケイドの世界と彼らの世界が隔絶され、およそ2ヶ月もの間、作戦が停滞してしまっていたのだ。

 

「戦兎さん……?」

 

「……キュアエールか。何でここに……。」

 

「こっちのセリフですよー!ポルン君は消える!映司さんは捕られる!その他みんなは揃わなくなる〜〜!

ぎりぎりだったんですよ!?東京タワー護るのも!!」

はなの声には、冗談半分、怒り半分と言った具合だ。

 

「悪かった。」

 

戦兎の心底後悔した態度に、はなはそれ以上何も言わなかった。

 

責めることも、咎めることもできなかったのだ。

灰クグツ共に倒した時の彼とは違い、まるで何かに打ちのめされたかのように憔悴しきっていたのだから……。

 

代わりにはなは、彼の隣に座り込んだ。

 

時の砂は、まるで羽毛の様に柔らかい。

 

座るなら心地よいが、掴もうとすると手から溢れ落ち、手のひらを開く頃には、一粒たりとも残らない。

 

時間と同じ。 自分が停滞すれば、あっという間に置いていかれる。

 

至極当然な自然の摂理だというのに、どこかせつなく、どこか冷たくて、なぜか寂しい。

 

「ポルン君の居場所がようやくわかったんだ。響鬼さん達と合流したら、反撃に出るんだって門矢さんが。

万丈さん達もてっきり一緒なのかと思ったけど いずれ揃うよね?」

 

「 あいつは戻らない。」

 

「……え……!?」

 

「猿渡は無事かもしれない。けど、万丈はしばらく、こっちに戻れない。」

 

「どういう……事!?」

 

戦兎は、この2ヶ月の間に起こった全てを説明した。

 

 

ついこの前にいちご坂を襲った 、闇の同盟の取引先、ファウストの権化、ブラッドスタークの正体が、親のように慕っていた石動惣一であったこと。

 

しかしながら石動は、 太古の火星文明を滅ぼした 地球外生命体エボルトに憑依されていたことが、美空の腕輪に振り込まれていた火星の王女 ヴェルナージュによって明かされた。

それだけに飽き足らず、エボルトは 衰弱しきった石動の体を乗り捨て、 万丈龍牙の体を乗っ取り変えたのだ。

 

「そんな事が……!」

 

「乗っ取った万丈の身体で好き放題、戦争を誘発するわ、パンドラの塔を建てるわ、気が付きゃ八方塞がりで……もうどうすりゃいいか……!!」

 

戦兎は完全に憔悴していた。

 

無理もない。本来の戦兎は、生半可なことで憔悴するような男ではない。

 

だが、今度の場合はあまりに逸脱している。

 

親友を奪われ、祖国の戦争を目の当たりにしたかと思えば、今度はディケイドの世界に飛ばされ、惨状を見た。

 

プリキュア達でさえ、一時は戦意を喪失した。彼が参るのも無理はない。

 

何を言っていいかわからないはなが、か細い言の葉を絞り出そうとした時。

 

 

「無様だな。」

 

背後から、冷たく突き刺さる声がした。

 

がタイのいい男は、どこかの扉から、『ライナーパス』を携えて砂漠に立っていた。

 

はねっ気の黒髪で、黒いサングラスは嘲笑する様な顔の男の、何とも言えぬプレッシャーを具象化したかの様。

 

「無様って……何てこと言うんですか!」

 

微動だにしない戦兎に代わり、はなが短く抗議するが、男は意にも介さない。

 

うつむいた戦兎の前に立つと、突然蹴り上げた。

 

 

「……!!?」

 

「ちょっとアンタ!一体何を……。」

 

はなを無視したまま、男は戦兎を見下ろしている。

 

額から出血した戦兎は、訳も分からず男を睨んでいる。

 

「……立て。」

 

「は?」

 

「立てと言ってる。早くしろ。」

 

戦兎が立ち上がる前に、男は右手の付け根を掴み、信じがたい事に手首を外したのだ。

 

「うえェ……!!?」

 

「……!!」

 

どこから取り出したのか、男の腕程大きなドリルを取り出し、無い右手に填めた。

 

 

ドリルは噴煙し、完全に彼の肉体であり武装となった。

 

 

「賭けをしよう。お前がさっさと起き上がるが早いか、それとも……。」

 

ドリルを上下に振り回した後、先端を戦兎に向けた。

 

「オレがお前を殺すが早いか……。」

 

「!??」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オーズの世界

 

りん/キュアルージュは、交際者であるブンビーと共に地下数千メートルの地底へと向かっていた。

 

「いやしかし、このライドベンダーってのは便利だねエ、りんちゃん。」

 

「気を抜かないでブンちゃん。ただでさえ危険な地底に、ヤバいアレの存在の真偽を確認しに行くんだから。」

 

そこはつい最近、闇の同盟によって仮面ライダーコアが復活した、史上最悪の魔法石の在り処……なのだが。

 

「確か王子の話では、さらに地下深くから強大なエネルギーを感じるとか。」

 

「強大なんて生易しいもんじゃないわ。」

 

「え?どういう事?」

 

「問題は、最初にそれに気付いたのがメップル達、MH(マックスハート)組四人。震えてたらしいわ。」

 

「ほう、あの気丈な四人が……ん!?ちょっと待ってくれ!?それってまさか!?」

 

「そう。あの子達がそこまでビビる相手は、この世に一人。」

 

ブンビーは背筋が寒くなった。

 

いくらハチ怪人に変身しているとはいえ、「そいつ」にルージュと二人がかりでは勝ち目はほぼ0。

 

「なあ、りんちゃん。やはりいったん戻って……。」

 

時すでに遅く、ライドベンダーは目的の区域で自動ブレーキをかけていた。

 

「しょんな~!!」

 

「何いちかちゃんのモノマネしてんの。大丈夫、死ぬも生きるも二人一緒なら恐くない、でしょ?」

 

「ま、まあな……。」

 

「ヤバくなってから逃げようよ。とりあえず様子を……。」

 

ルージュは、突然足を止めた。

 

「どうした?りんちゃん。」

 

ルージュは返答しない。目の前にあるそれに、あっけにとられていたのだ。

 

「一体何が……ぬあッ!?」

 

正面を向いたブンビーは、腰を抜かした。

 

あり得ない。それは、そこにあってはいけないものだったのだ。

 

それは、大きな正方形の水槽。ただの水槽ではなく、『中身』を保存するためのものだったのだ。

 

中身は、二人ともよく知っているもの。

 

二人は、そろって「彼女」を呼んだ。

 

「「キュアドリーム/のぞみ!?」」

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