これは、世界滅亡の危機に瀕したとある地球の物語。
正歴2345年、過去の最終戦争、アーマゲドンで荒廃した地球を捨て、月に移り住んでいたムーンレィスが地球帰還作戦を実行に移した。しかし、かつて地球を捨てた民族であるムーンレィスの帰還を、地球に残った人たちは許せなかった。
結果、ムーンレィスと地球の軍隊であるミリシャとの全面戦争が起こった。黒歴史と呼ばれる、戦争を頻繁に行っていた時代のモビルスーツが大量に掘り出され、戦争は激化していく。最後は∀ガンダムと、その兄弟機であるターンX、そして双方のパイロットの封印をもって、ミリシャとムーンレィスは和睦し、戦争は終わった。悲しみと、新たな地球への痛みをもって。
戦争の際にばらまかれたナノマシンによる災害が地球全体を襲い、再び地球は荒廃した。この出来事は後に『ナノハザード』として知られることとなる。しかし、それでも人間はしぶとく生き残った。
生き残った人間たちは二つの人種に別れる。一つ、今まで通り地球に残る人間。一つ、かつてのムーンレィスのように地球を捨てる人間。そして、地球を捨てた人間も二つに分かれることとなる。一つ、宇宙にスペースコロニーを作り住む人間。一つ、人の身体を捨て、電脳空間に移り住む人間。
人間同士で袂を分かった紀年を新正歴と変えた地球、それが今の地球の現状である。
しかし、今世界は何度目かわからないほどの破滅の時が迫っていた。
紀年を変えた年から徐々に出現しだしたネウロイの台頭。そのために人類はこれまでにユーラシア大陸の東部、中東、アウストリス大陸北西部を失った。
さらに、人類に一番の災厄が襲う。BETAである。
連絡が途絶えていたムーンレィスとの再接触を図ろうとした調査チームが全員殺されるサクロボスコ事件から始まったBETAとの戦争。物量で攻めるBETAの侵略に人類は抵抗する者の、それは焼け石に水となり、地球人口はすり減らされていくばかりであった。
さらに十数年前、扶桑皇国が地盤沈下により国土を多数失っていた時、霧の艦隊と呼ばれるものが出現。これにより、陸はBETAとネウロイ、海は霧の艦隊、そして空はネウロイと、地球に残ることを選んだ人間たちをあざ笑うかのように、人類の敵と呼ばれるものが出現し、さらに侵略機械兵器群通称ワームが侵攻し、人類は常に大きな打撃を持って生きなければならなかった。
8年前、地球外生命体フォーリナーの出現、一年後に壊滅させ撤退させるものの。前述したワームとの熾烈を極めた激戦も含め、人類は多大なる打撃を追ってしまう。
これらの事件を隔てて迎えた新正歴2001年、地球の人類は5億人を下回ろうとしてもなお、まだ生き続けようとしていた。
《横浜基地 訓練兵校舎》
まりも「……以上がこの世界の歴史だ。何か意見はないか?」
冥夜「……教官、発言よろしいでしょうか?」
まりも「言ってみろ、御剣」
冥夜「なぜ今更この世界の歴史を振り返ったのでしょうか?赤子以外の人間であれば、皆知っているはずです」
まりも「確かにそうだ。しかし、だからこそ再度認識しなおさなければならないのだ。この世界が、滅亡の危機に瀕しているということを」
冥夜「……」
八光「ごもっともです教官殿。後方でいつまでも訓練ばかりする我々にとっては耳の痛い話でした」
まりも「百鬼訓練兵、お前に意見する許可は与えていないはずだ。ならお前は今すぐ前線に行ってBETAを駆逐できるとでもいうのか?」
八光「そこまでは言ってませんし、できるとは思っていません。しかし、まだ実際に戦術機にも乗れていない現状で、我々の敵についての教鞭をとったとことで無駄なことだと思います」
まりも「……」
≪引き戸が開くSE≫
???「しかし、俺たち人類の敵は確かに存在している。それは事実だ」
珠瀬「誰ですか?」
ユウヤ「教導の途中に失礼する。俺は扶桑・リベリオン教導新型戦術機開発チーム『アルゴス試験小隊』所属のユウヤ・ブリッジス少尉」
篁「同じく、アルゴス試験小隊篁唯依、階級は中尉だ」
珠瀬「少尉と中尉って、し、失礼しました!」
榊「207衛士訓練小隊B分隊の隊長をしている榊千鶴です。珠瀬訓練兵のご無礼、お許しください」
ユウヤ「いや、気にしなくていい……神宮司まりも軍曹、確か207B小隊は六名いると聞いていたが?」
まりも「はい、しかし鎧衣美琴訓練兵は現在ケガで入院中でありますここにいるのは……」
榊「教官、私から紹介します。まず、私が分隊長の榊千鶴。続いて、御剣冥夜訓練兵」
冥夜「……」
榊「彩峰慧訓練兵」
彩峰「……」
榊「珠瀬壬姫訓練兵」
珠瀬「さ、先ほどは失礼しました!」
榊「そして、百鬼八光訓練兵です」
八光「……」
篁「いい敬礼をする。先ほどの事は忘れて構わない、安心しろ」
ユウヤ「それに、その様子だと今日の合同訓練については知らされていないようだしな」
榊「合同訓練、でありますか?」
まりも「そうだ。少尉と中尉はアラスカにあるリベリオンにあるEDFの基地の一つであるユーコン基地で、最新の戦術機の開発計画に参加している」
まりも「本日は扶桑が独自に開発した戦術機のテストもかねた横浜基地との合同訓練のために、特別に来てもらったのだ」
綾峰「?……神宮司教官、それなら先任のA-01部隊が相手になるはず。私たち訓練兵のところに来る理由はないのでは?」
まりも「それは……」
???「俺が頼んだのさ」
まりも「兜博士……」
甲児「へへっ、博士ってのにも慣れないもんだぜ。俺は兜甲児。EDFで戦術機の設計をしている。よろしくな」
冥夜(あの者が、若くして戦術機の開発チームの責任者を任されたという兜甲児博士か……)
八光「それで、頼んだというのはどういうことですか?」
甲児「あぁ、今回この横浜基地に持ってきた戦術機は全部で三機あるんだが、一機だけまだテストパイロットが決まってなくてな」
甲児「しかも、普通の戦術機とは規格も全く違う未知数の機体だからな、戦術機の操縦に慣れた先任衛士たちよりも訓練兵である君らの方が適任だと思ってな」
榊「戦術機の……」
冥夜「テストパイロット……」
まりも「そういうことだ。私の方ですでに誰を選ぶのか選抜は済んでいる」
珠瀬「……」
慧「……」
まりも「……百鬼八光訓練兵、略式だが、お前を新型戦術機のテストパイロットに任命する」
八光「お断りします」
冥夜「八光!」
まりも「返す刀で上官の命令に逆らうように教えた覚えはない」
八光「テストパイロットになったら前線に立てなくなります。戦わなかったら私は……私じゃなくなります」
まりも「……」
八光「……」
まりも「……分かってる。お前がそういうだろうということは想定内だ」
まりも「新型戦術機の開発が認められれば、そのまま機体ごと横浜基地に帰ってくればいい。その約束も取り付けてある」
八光「本当ですか?」
まりも「無論だ」
八光「……なら、やります」
甲児「よし決まりだ。俺について来てくれ、新型機と他のテストパイロットの所に向かう」
八光「はい」
珠瀬「八光さん……」
八光「そんな顔するな。テストが終わればまたここに帰ってくる。美琴に元気でと、伝えてくれ」
珠瀬「はい……」
甲児「んじゃ、行くぜ」
八光「はい」
≪複数人が歩き去るSE≫
ユウヤ「では神宮司軍曹、我々も」
まりも「分かりました。本日は以上で終了とする。午後からは特別に合同訓練の一環としての模擬戦の見学となる」
冥夜「……」
冥夜(八光、死に急ぐのではないぞ。数多の怪異と戦う中で、お前の力はこの国に必要な力の一つなのだからな……)
≪横浜基地 格納庫≫
≪暗転≫
〈新型戦術機〉
八光「これは……」
甲児「へへっどうだ、驚いただろ?」
八光「えぇ、既存の戦術機のどれとも当てはまらない繊細な体系に、武器もこれまでの物とは違う……」
八光「それに、この両隣にある戦術機もまた……」
甲児「左にあるのがアフロダイA、右にあるのがビューナスAだ」
八光「こっちに至っては、まるで女性のような……」
???「そう、それは私たちをモデルとしてつくられた私たちのための機体だからよ」
八光「?あなたたちは……」
さやか「初めまして、私は弓さやか。あなたと同じでテストパイロットをしているの。アフロダイAのパイロットよ」
ジュン「私はビューナスAのテストパイロットの炎ジュンよ。よろしく」
八光「百鬼八光訓練兵です。本日はこの戦術機のテストパイロットと選ばれて参りました」
さやか「そんなにかしこまらなくてもいいわよ。たぶん、あなたと同い年だから」
八光「え?」
甲児「俺とさやかは18、ジュンさんは20歳だ」
八光「そうなのですか……しかしテストパイロットのお二方はともかく、博士はなぜその年齢で戦術機の開発を……?」
甲児「それはまたいずれ話すさ。それよりも今は、この戦術機の操縦方法について教えないとな」
八光「お願いします。兜博士」
甲児「甲児でいいって、博士ってのはなんだかむずがゆくてな」
八光「分かりました。善処しましょう」
甲児「んじゃ、行くぜ」
八光「待ってください……甲児」
甲児「ん?」
八光「まだこの戦術機の名前を教えてもらっていません」
甲児「あぁ、実は……まだ名前がないんだ」
八光「え?」
甲児「ほかの二つはなんでかすぐに名前が浮かんだんだけどな、なぜかこいつの名前は思いつかなかったのさ」
甲児「だから、八光が名付け親になってくれ」
八光「私が……」
八光「では、『アラハバキ』というのはどうでしょうか?」
甲児「アラハバキ、日本の神様の一柱か……いいな、それでいこう」
甲児「こいつは今日からアラハバキだ」
[戦闘MAP]
《不知火×4機出撃(伊隅機、水月機、茜機、宗像機)》
《通信着信SE》
遥(通信)「ヴァルキリー・マムより各機。模擬戦開始まで、あと5分です」
水月「新型の戦術機ってどんなのかしら、わくわくするわね」
伊隅「速瀬、緊張感を持て。私たちは横浜基地の代表としてここにいる。情けない戦いをしたらそれこそ笑い者だぞ」
水月「は~い」
伊隅「それに、来るのは兜博士が設計した新型機だけじゃない……」
茜「不知火・弐型……まだ実証試験の最中の機体と戦えるなんてめったにない」
水月「それに、今回のテストパイロットにはあの子もいるんでしょ」
伊隅「……そうね、果たしてどう戦うのか楽しみね」
遥(通信)「ヴァルキリー・マムよりヴァルキリーズ!3時方向から反応を確認!」
伊隅「来たぞ、ヴァルキリー1より小隊各機へ!臨戦態勢を取れ!」
《???×5出現》
遥「え、これって……」
宗像「なっ、あれは……」
水月「ちょっと、話が違わない?確か戦術機は四機のはずでしょ?」
遥(通信)「A-01各機はすぐにその場から離れてください!」
伊隅「なに?」
遥(通信)「その戦術機は、兜博士が製作したものじゃないんです!」
伊隅「何ですって、どういう事?」
遥(通信)「分かりません……突然、そうどこかから転送されたかのように突然現れたもので……」
水月「ちょっと!撃ってきたわよ!!」
伊隅「それも実弾……ヴァルキリー1より小隊各機へ!」
伊隅「正体不明機の攻撃を敵性行為と認める。宗像、速瀬は帰投して戦闘用の武装を装備!」
宗像「了解!!」
水月「二人とも、私たちが帰るまで死なないでね!」
《宗像・水月画面端に移動》
《宗像・水月MAPから消失》
伊隅「涼宮は私と所属不明の機体の足止めだ!模擬戦専用装備を外せ!」
茜「了解!」
伊隅(だが、使える武装は剣のみ……二人が帰ってくるまでもつかどうか……)
伊隅VS初戦闘
伊隅「剣一本で戦えないことはない、だが問題は数……」
伊隅「けど、模擬戦を台無しにしたのだから、その報いだけは受けてもらうわ」
伊隅:74式近接戦闘長刀
???:ミサイル
伊隅「伊達や酔狂でヴァルキリー1を名乗っていない」
伊隅「ハァッ!!」
???「機体損傷、軽微。任務続行可能ト判断」
???「敵機確認、応戦開始」
伊隅「そのような心のこもっていない攻撃に当たる気なんてないわ!」
茜VS初戦闘
茜「この機体、リベリオン、それともオラーシャ?機体のシルエットが既存の機体と全然違うわね」
茜「今は人間同士で争っている場合じゃないってのに……場所をわきまえなさいよ」
茜:74式近接戦闘長刀
???:突撃
茜「こちらヴァルキリー5!仕掛けるわよ!」
茜「はぁ!!」
???「機体損傷、軽微。任務続行可能ト判断」
???「敵機確認、応戦開始」
水月「ほらほら、私はこっちよ」
遥「ヴァルキリー・マムからヴァルキリー1、5!」
遥「ヴァルキリー2、3の向かった格納庫にも所属不明機多数!応戦中です!」
茜「え?ちょっと遥、それってつまり……」
伊隅「補給も救援もないか……ヴァルキリー1からヴァルキリー・マム。ここは一時撤退……」
《???×5出現》
茜「増援!?それも、突然何もないところから現れた!」
伊隅「転送されたとでも言うのか?いや、今問題なのは、退路を断たれたことか……」
茜「……覚悟を決めますか大尉?」
伊隅「……馬鹿なことを言うな。こんなところで死ぬつもりはない」
伊隅(とはいえ、刀一つでどこまで持つか……)
遥(通信)「ヴァルキリー・マムよりヴァルキリー1へ!今そちらに救援が到着しました!」
伊隅「救援?けど風間たちの機体はメンテナンスに……いや、兜博士の!」
《アラハバキ出現》
《イベント戦闘》
アラハバキVS???
アラハバキ:ACPイオタ
八光「この機体、なんて扱いずらいッ!」
八光「こっの……」
八光「いうこと聞け!!」
八光「このじゃじゃ馬!!!」
???「機能停止……データ転送」
《???×3撃墜》
八光「はぁ、はぁ、はぁ……」
伊隅「あれが、兜博士が設計した……」
茜「それに今の声、もしかして……」
八光「伊隅大尉、涼宮少尉、遅れて申し訳ありません。百鬼訓練兵、ただいま到着しました」
水月「やっぱり八光!」
???「それだけではありません」
《不知火・弐型・アフロダイA・ビューナスA出現》
ユウヤ「ユウヤ・ブリッジス少尉、並びに弓さやか、炎ジュン少尉、指定された時間に遅れ、申し訳ございません」
さやか「戦術機の武装も持ってきました!」
伊隅「不知火・弐型の後ろにいる機体……」
茜「まるっきり女の子じゃない、本当に戦術機?」
甲児「その通り、おれが設計した戦術機のアフロダイAとビューナスAだ」
茜「兜博士」
伊隅「なるほど、噂通りの人間らしいわね……」
甲児「ん?」
伊隅「いえ、こちらの話です。涼宮、体制を立て直す。百鬼もいいか?」
百鬼「……はい」
《通信受信SE》
篁(通信)「ユウヤ・ブリッジス少尉、聞こえるか?」
ユウヤ「聞こえている」
篁(通信)「私は戦術機を持ってきていないため援護することができないため、通信に手サポートする」
篁(通信)「各機は、伊隅みちる中尉を隊長とし、所属不明機を撃破、可能であれば拿捕しろ」
ユウヤ「了解、そんな余裕があればの話だがな……」
さやか「八光さん、大丈夫?」
八光「御心配には及びません弓少尉、アラハバキのスピードに驚いただけですから」
さやか「さやかでいいわよ、テストパイロットになったのだから、あなたも今日から少尉なんだし」
八光「私が……分かりましたさやか」
甲児「さやかさん、ジュンさん、その機体は今までの戦術機と規格が違いすぎて、普通の戦術機の武装を持つことはできないから内臓武器で戦ってくれ」
ジュン「分かっているわ」
甲児「八光の機体は、一応こっちで武器を用意した。けど、あまり無駄撃ちはするなよ!」
八光「分かりました」
ユウヤ(アラハバキ……か、規格外の機体という言葉で片づけていいのか?むしろ、もっと異質な……)
ユウヤVS???
ユウヤ「どこの国に行っても、人間同士で争うのは変わらないか……」
篁(通信)「ユウヤ……」
ユウヤ「くそっ、人間同士で戦争をする暇なんてないんだよ!すぐに終わらせてもらう!」
ユウヤ:87式突撃砲
ユウヤ「不知火、お前の力をみせてやれ!」
ユウヤ「はぁッ!!」
ユウヤ「これでッ!」
???「機体、大破。……データヲ消去、自爆スル」
さやかVS???
さやか「テストパイロット……か。甲児くん、やっぱり鉄也さんのことが……」
さやか「行くわよアフロダイA……甲児くんのため、私は死ねないの」
さやか:光子力ビーム
???:レーザー
さやか「これが、私のアフロダイAよ!」
さやか「くらいなさい!光子力ミサイル!」
???「機体損傷、軽微。任務続行可能」
???「敵機確認、応戦開始」
さやか「これくらいで、甲児くんの作ったアフロダイAに傷はつけられないわよ!!」
ジュンVS???
ジュン「いつかはこの戦争も終わるはず……でも、その前に人類同士で争っていたら無意味でしかないわ」
ジュン「実戦は初めてだけれど、あなたから教えられた通りにやるだけ!覚悟しなさい!」
ジュン:フィンガーミサイル
???:ミサイル
ジュン「鉄也、あなたの分まで私が……」
ジュン「フィンガーミサイル!」
???「機体損傷、軽微。任務続行可能」
???「敵機確認、応戦開始」
ジュン「さすが甲児くんが作った機体、びくともしないわね」
八光VS初戦闘
八光「……ッ!敏感すぎる、レバーに遊びがないなんて……」
八光「でも、これは私の待ち望んでいたこと。例え、テストパイロットだったとしても、ふざけた操縦なんてしない!」
八光「行くわよアラハバキ。私達は運命共同体、生きるときも、死ぬときも一緒ッ!」
八光:ACPイオタ
八光「さぁ、見せつけてやりなさいアラハバキ……私たちの力をっ」
八光「照準よし、敵機行動予測完了ッ……!」
八光「ハァァァァ!!!」
八光「ッ!骨がきしむ……でも、速度は落とさない!」
八光「ハァッ!!」
???「機能停止……データ転送」
遥(通信)「こちらヴァルキリー・マム、敵機の反応はすべて消失しました!」
篁(通信)「格納庫の方に来た機体も撤退を始めた。今のところ死者は報告されていない」
伊隅「ヴァルキリー1よりヴァルキリー・マム、撤退していった機体の追跡は?」
遥「ダメです、ロストしました」
ユウヤ「そうか……」
茜「来たときと同じようにワープしたんでしょうか?」
伊隅「決めつけるのは早計だ。今すぐ帰投し、被害状況の確認を行う……ユウヤ少尉もそれでいいか?」
ユウヤ「俺はかまいません……篁中尉は?」
篁(通信)「私もかまわない。各機はただちに帰投しろ」
ユウヤ「了解」
八光「終わった、初めての実戦が……ッ!」
八光(あばらを二、三本折ったか、腕の骨にもひびが入っているかもしれない。やはり生身でのGはきつかったか……)
さやか「どうしたの八光さん?」
八光「いや、何でもない。すぐに私も続く……」
《画面が点滅》
八光「え?」
さやか「八光さん?」
八光「何、これ……」
《拘束SE》
八光「きゃあ!!」
甲児「八光!どうした!!」
八光「何、これ、私の、中に、いやぁ……気持ち、悪い……」
《念話SE》
???(……お前が今回の主か……何とも……)
八光「だ、誰だ……わ、私の中に入って!ぐっ!」
???(うるさいから口をふさがせてもらった。どうにもお前には創造力がないようだな……いや、この世界だと仕方がないか)
八光(そ、想像力?)
???(だが、お前もあいつらと同じ一人しかいない存在……その資格もあったようだな)
《画面が白く覆われる》
八光(ツッッ!!!!!!誰だ、誰だお前は!!)
???(我か?お前が名付けたではないか)
八光(何!?)
???(アラハバキと)
《エネルギー収縮SE》
八光(グアッ!!)
???(フッ、もうそろそろ接続を解除しないとお前の人格が壊れてしまうな。そもそも我はここに顕在化しているのがおかしいのだ)
八光(……あっ……あぁ)
???(もう言葉を想像する余裕もなくなったか……では最後にお前にあうように機体を改造しよう……だが、真の力を扱えるようになるまでまだまだ時間がかかるだろうがな。そしてお前の身体も)
八光(……ッ!)
???(耐えろよ?)
《画面が白く覆われる》
八光「ア゛ア゛ア゛ア゛ァ゛ァァァァ゛ァ゛ァ゛ア゛ァアアアアァァア!!!!!」
[戦闘MAP終了]
【??? ???】
八光(ここは?)
八光(私は、死んだのか?)
八光(あっけないものだな……いや、あれは?)
???「……」
八光(女の子?あの服は、確か横浜基地の……)
???「お願い……」
八光(え?)
???「今度こそ、皆を救って……タケルちゃんに幸せな結末を……」
八光(タケル?……なんだ、周りにいるこの者たちは……)
???「頼んだぞ、地球の子供たちよ」
???「未来で待っているでコブシ!」
???(さぁ、目覚めてください。あなたがこの世界の希望です)
【横浜基地 医務室】
八光「う……」
八光「クッ……こ、ここは?」
美琴「あっ、よかった八光さん。目が覚めた……」
八光「美琴?それでは、ここは医務室か?」
甲児「八光……」
八光「兜博士……」
甲児「……すまん!」
八光「え?」
甲児「俺が、アラハバキに乗ってくれって言ったばかりに……」
八光「いえ、しかし私に何が?」
甲児「……覚えていないのか?お前、あの戦闘が終わった後に気絶して、そのままアラハバキが動かなくなったんだぜ」
甲児「それで、さやかさんやジュンさん、それから伊隅中尉にも協力してもらって何とか格納庫の方にまで戻すことができたんだ」
八光「そうですか……あの、私の身体に何か異常があったとかは」
甲児「心配すんな、どこも異常はないってよ。まぁ、丸一日寝てたんだけどな、その間に色々と精密検査をしてみたが、脳にも異常はないし、健全何だと」
八光「そうですか……」
八光(けど、あまりにも変だ。確かに、あばらは折れた痛みがあった。けど、今はそんな痛み……)
甲児「ただ、アラハバキの方がな」
八光「え?」
甲児「まぁ、来てもらえれば分かることだよ。ちょっと一緒に来てくれ」
八光「分かりました」
美琴「またね、八光さん」
八光「あぁ、こんな事私が言うのもおかしいが、お大事に」
美琴「うん!」
【横浜基地 格納庫】
八光「これは……」
甲児「気絶したお前を下ろしたとき急に光りだして、コックピットが変化したんだ」
八光「でも、操縦方法が分かる……これがブーストで、これが……」
甲児「……お前に合わせたチューンがなされたみたいだな」
八光「そういえば、あの時頭の中に声が聞こえて……私に合うように機体を改造したって……」
甲児「……たぶんそれに関連したんだろうが、俺が機体を動かそうとしても全く動かなかった」
八光「どういうことですか?」
甲児「おそらく、お前にしか動かせないように生体認証の機能がつけられたとしか考えられない」
甲児「ちょっと、動かしてもらえないか?」
八光「はい」
≪起動SE≫
≪歩行SE≫
八光「動いた……」
甲児「やっぱりな、このアラハバキは正真正銘お前の機体になったってことだ」
八光「私の……このアラハバキはいったい何なのですか?いえ、どうやったらこのような機体を……」
甲児「……実は、こいつは俺が製作したわけじゃないんだ」
八光「え?」
甲児「マウンテンサイクルって知ってるよな?」
八光「黒歴史の遺産が埋まっているあの……」
甲児「そうだ。そこから出土したのがアラハバキだったんだ」
甲児「だが、お前の先任だったテストパイロットがどれだけ乗ってもブリキ人形のようにしか動かなくてな……それで一か八か訓練兵のいた横浜基地に持ってきて、誰か乗れるやつがいないのかを探した……」
八光「そして、私が……」
甲児「運命だったのかもしれないな……」
八光「……」
甲児「さてと、もうそろそろだな……八光、ちょっと来てくれるか?」
八光「え?はい……」
≪横浜基地 講堂≫
八光「これは……」
まりも「百鬼訓練兵」
八光「!神宮司教官……それに……」
ラダビノッド「……」
八光「ラダビノッド指令……」
ラダビノッド「いい敬礼だ……」
ラダビノッド「これより、簡略的にではあるが国連太平洋方面第11軍衛士訓練学校第207衛士訓練小隊所属、百鬼八光訓練兵の除隊式を行う」
八光「え?」
ラダビノッド「貴官の新型戦術機テストパイロット就任に伴い、訓練課程はまだ修了していないが、特別に任官となる」
ラダビノッド「本来なら、盛大に門出を祝ってやりたいところだが……昨日の襲撃で未だ基地が混乱していることを理解してほしい」
八光(さやかさんも言っていたけど、司令から直々に言われると緊張するな……)
ラダビノッド「百鬼八光訓練兵!」
八光「……はい!」
ラダビノッド「ただ今をもって貴官は国連軍衛士となった……おめでとう少尉」
八光「ありがとうございます!」
ラダビノッド「人類は今、未曾有の危機に瀕している。霧の艦隊、ネウロイ、そしてBETA……この世界の未来は暗いものとなるかもしれない」
ラダビノッド「だがそれ以上の光を生み出す可能性を貴官は持っている。今我々は、君のような未来ある若者を送り出していくことしかできない……無能物と罵ってもらって構わない」
ラダビノッド「しかし、それだけ我々は若者に期待している。勝利を信じ、あきらめぬ心を信じているのだ」
ラダビノッド「この世界を……頼んだぞ」
八光「はい!」
≪横浜基地 通路≫
八光「……」
甲児「どうだ?びっくりしたか?」
八光「えぇ、でも少尉になるということはさやかさんから聞かされていましたから平常心を保てました」
甲児「そうか……」
珠瀬「八光さん!」
八光「たま……」
珠瀬「おめでとうございます八光さん!」
八光「あぁ、ありが……」
まりも「珠瀬訓練兵!」
珠瀬「は、はい!」
まりも「……申し訳ありません少尉、私の監督不行き届きです。訓練兵が失礼をしました……」
八光「教官……」
まりも「いえ、私は教官である前に軍曹です」
八光(そうか、私が少尉になったから教官やたまたちは、階級で見ると下になるのか……)
八光(……けど)
八光「……いや、私にとって貴官は教官、私の恩師です。永遠に……階級のために恩を売り払うことなどできません」
まりも「それならば、それで結構です。私は、上官の意志に従うのみです」
まりも「武運長久を……」
八光「はい……」
珠瀬「百鬼……少尉」
八光「珠瀬訓練兵、私は先に行く……だから、お前たちもすぐに追いついてこい」
珠瀬「はい!」
≪歩行SE≫
茜「話、終わった?」
八光「涼宮少尉……どうしてここに?」
茜「実は、私もあなたと一緒にアラスカのユーコン基地に行くことになったの」
八光「は?」
まりも「少尉は、訓練課程を修了していません。なので、先日任官されたばかりの涼宮少尉が、自分の代わりに教官代理として同行することになりました」
茜「よろしくね八光」
八光「あっ……はいよろしくお願いします涼宮少尉」
茜「やだな、八光も少尉なんだから、茜でいいって」
八光「……分かった茜」
茜「それじゃ、出発までしばらく時間があるから、食堂のおばちゃんとかに挨拶に行こっか」
八光「はい……ん?時間があるとは?」
茜「ハハハ……実はあの襲撃で篁中尉達が乗ってきた輸送機が壊されちゃって」
八光「え?では、我々はどうやって……」
茜「その辺は、香月副指令に考えがあるみたいよ」
≪横浜基地 地下19階≫
???(通信)「はいもしもし?」
夕子「久しぶりね、私よ」
???(通信)通信「あぁ、夕子先生どしたの?」
夕子「いつも思うけどどうしてあなたは私のことを先生というの?」
???(通信)えぇ、だって先生って雰囲気してるしいいでしょ別に?」
夕子「まぁ別にいいわ。単刀直入に言うけど、あなたのところの学園艦、明後日横須賀女子海洋学校の生徒たちと一緒に練習航海に出るでしょ?」
夕子「その時に、戦術機とパイロットをアラスカまで送りなさい」
???(通信)「唐突に言うね~。まぁでも、ほかにも二人リベリオンにまで送る用事があるしいいよ」
夕子「お願いね杏」
杏(通信)「はいは~い」
【??? ???】
???「うぅ……」
???「お嬢、さん……」
≪起動SE≫
[オリジナル]
八光「私に生きる価値はあるのか」
八光「この世界に守る価値はあるのか」
八光「わからない。わかるはずがない」
八光「この戦いの中で、守る価値を見いだせるのか分からない」
八光「もしかしたら、この戦いで死にたいのかもしれない」
八光「アラハバキと私の闘争の世界、その先に待っている私たちの敵……」
八光「次回『スーパーロボット大戦BPA』、前夜祭」
八光「無駄かもしれない、それでも私は……」
この小説は……
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不定期連載でもいいから常に公開して
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今後もエイプリルフール限定で復活して