ノーゲーム・俺ガイル   作:江波界司

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エルキア王国奉仕部ラジオ 第2回

「エルキア王国奉仕部ラジオですわ」

 

「まさか続くとは」

 

「誰得なんだよ、このラジオ。いい加減本編書けよ作者」

 

「開始早々メタいですの。このラジオはわたくしステファニー・ドーラ、ハチ、ジブリールの三人がエルキア横断お悩み相談メールに届いた依頼を完遂するというものですわ」

 

「一回目を見てない人が二回目見るはずないし、この説明いらなくないか?」

 

「今回はなんと、二回目にしてゲストを呼んでいますわ」

 

「おい、まただけど趣旨どこ行った。三人じゃねぇのかよ」

 

「今回のゲストは――」

 

「聞いてませんね」

 

「なんと巫女様ですわ」

 

「マジかよ」

 

「やぁやぁどうも。あては巫女、よろしゅうね」

 

「よろしくお願いしますわ」

 

「よろしくお願いします」

 

「よろしく。てか、なんでゲストで巫女さん?」

 

「一応顧問という立場でしたね」

 

「あぁ、そういう」

 

「まぁあても、顧問としてなにかしてるってわけやないんけどな。今日は普通に楽しませてもらうわ」

 

「それリスナーの心構えだろ」

 

「今日はフツオタのコーナーからスタートですわ」

 

「だから趣旨どこいったんだって」

 

「ラジオネーム:神様さんから。『前回は面白かったね。楽しく聞かせてもらっているよ。せっかく面白いラジオがやっているのに、リスナーが少ないとなんだか悲しくなるよね?だから僕ができる最大限まで色んな人におすすめしたよ。これからも楽しみにしてます』ですわ」

 

「そこまで勧めるほどの番組かよこれ」

 

「結構色んな人からメールとかハガキ来とるんやろ?ならそれなりに人気なんやない」

 

「それもそうですかね」

 

「今回フツオタはこれだけなのですね。ではエルキア横断お悩み相談メールの方に移ります。ラジオネーム:王様さんから『とても真面目で一直線な孫娘がいるのですが、将来悪い男に騙されないか心配です』とのこと」

 

「まさか爺さんからも来るのかよ。そんでネームが王様かよ」

 

「孫娘言うくらいやし、まだまだ小さい子なんやろね。人間成長するもんやし、あんまり心配することもないと思うけどな」

 

「そうですわね。真面目なのは長所ですし、何も心配ないと思いますわ」

 

「『自分の孫娘を信じてください』と」

 

「って、また司会を取られかけてますわ!次は私が読みますの」

 

「なんであんな必死なん?」

 

「一応ステフが司会担当らしいんですけど、なんか前回ジブリールがその役取ってそれで」

 

「へぇそうなん」

 

「ラジオネーム:声優さんと結婚したいさんからですわ」

 

「ステフ、それ飛ばせ」

 

「却下ですの」

 

「マジかよ」

 

「『我には同士がいるのだが、そやつは我と同じ境遇にありながらけしからんことをしておる。毎日放課後になると、部活動といって教室で二人の美少女とイチャコライチャコラと!羨ましいっ!我もそんな生活が送りたい!そして声優さんと結婚したい!我はどうすればいいのだぁ!』……なんですの、これ」

 

「だから言ったろ、飛ばせって」

 

「依頼というより願望ですね」

 

「私欲に正直なんやろな、この子」

 

「まぁ学生のようですし、思春期ともなればそうなのでしょう」

 

「ジブリール、パソコン」

 

「どうぞ」

 

「おっと、転移か。……、……よし。次行こう」

 

「え、ハチ、なんて書いたんですの?」

 

「『諦めろ』」

 

「辛辣ですね」

 

「それ解決になってないんちゃう?」

 

「無理なものは無理って教えるのも奉仕部ですよ。じゃあ巫女さん、次どうぞ」

 

「あぁ、じゃ読ませてもらおか。ラジオネーム:妹と書いてジブちゃんと読むさんからやね」

 

「飛ばしてください」

 

「ん〜せっかく初めての役割やし、悪いけどこれは読ませてもらうわ。『最近妹が冷たいにゃ。それに全然“お姉ちゃん”って呼んでくれないにゃ。どうすれば呼んでくれるのかにゃ?』やって」

 

「巫女さんの語尾“にゃ”とか、空とかが聞いたら発狂するんじゃねぇか?」

 

「えぇ、わたくしもちょっとドキッとしましたわ……」

 

「あぁ、あて自身ちょっと読んだん後悔しとるわ」

 

「パソコンを」

 

「ん、ほれ」

 

「……、……では次に行きましょう」

 

「ちなみになんて書いたん?」

 

「『諦めろ』と」

 

「お前も十分辛辣じゃねぇか」

 

「ここまで全然解決になってないんやけど。いつもこうなん?」

 

「まぁこの2人は大体こうですの」

 

「ラジオとしては判断しかねますね。前例が前回しかございませんし」

 

「それもそうか」

 

「では次へ。ラジオネーム:おさかなだいすきさんから。『ゲームに勝ちてぇです』だそうです」

 

「簡潔だな」

 

「これなら巫女様やジブリールは得意なんじゃありませんの?」

 

「得意言うてもなぁ、既に人類種(イマニティ)に負けとるし」

 

「マスターの様になるのは、普通の努力だけでは難しいでしょう」

 

「確かに空や白のようにはなかなか出来ませんわね」

 

「ゲームに勝ちたいって、勝てない相手がいるとかなのか?」

 

「勝てない相手に勝つ。正攻法では答えは見えませんね」

 

「ここはあんたの出番やない?」

 

「いや正攻法云々じゃなくて、そもそも勝てない敵には勝てないだろ」

 

「じゃあ、ハチだったらどうしますの?」

 

「勝負しない」

 

「逃げるが勝ち、ということで?」

 

「絶対に勝てない相手とは戦わないってことだ。もし可能性があるなら、それを最大限まで上げてからやるな、俺ならだけど」

 

「それは誰でもそうやろ」

 

「そもそも『  』からの敗者の会みたいなメンバーだし、これ以上は答えようもないでしょ」

 

「『できる準備を万全に』」

 

「アドバイスになるといいですわね」

 

「次です。ラジオネーム:ユイユイさんから。『友達の猫の話が止まりません。本人が好きなのは知ってるし、私も話してくれるのはとても嬉しいんですが、会ってほとんどが猫トークだとちょっときついです。でもやめてとも言いずらくて。なにかいい方法はないですか?』」

 

「猫好き過ぎるだろそいつ」

 

「まぁ盛り上がってるんならええと思うけど」

 

「でもずっと同じ話というのは少々気が滅入りますわね」

 

「相手を傷つけずに話をやめて頂く方法、ですか」

 

「ここはステフの専門分野だろ」

 

「わたくしでしたら、話を別の方向に逸らしたりしますわね」

 

「けど、それも相手の反応次第でまた戻ってくるんやない?」

 

「それも、あるかもしれないですわね」

 

「流石は連合国の統治者。じゃあ巫女さんならどうします?」

 

「そうやね、相手が話す前にこっちの話に参加させるんが一番手っ取り早いかな」

 

「どういうことですの?」

 

「相手が猫の話を始めるより先に、こっちがそれ以外の話を始めるんよ。主導権がこっちにあるうちはあんまり話題の転換もないやろし」

 

「ちょっと交渉術みたいは成分入ってる気がするが」

 

「しかし理にかなってはいますね」

 

「ええ、すごいと思いますわ」

 

「そんな褒めても何も出んよ」

 

「『主導権を握る』と。これで伝わるでしょうか」

 

「あんまり長ったらしく解説書いてもしょうがねぇし、いいんじゃねぇか?」

 

「では次ですね。ラジオネーム:紫ベールさんから。『最近友人が色々と励ましてきます。嬉しいことではあるのですが、別に気にしていないのに「気にしなくてもいいのですよ」と言われると、少々心に来ます。彼女なりの優しさなのは分かるのですが、どう返せばいいと思いますか?』。どのような状況なのでしょうか」

 

「気にしなくてもいいって、なんだろうな。コンプレックスでもつかれたのか?」

 

「でも紫ベールさんは気にしていないって言っていますわ」

 

「気にしないようにしとるゆうことやろ。誰でも大なり小なり気になることはあるやろし、気にしたくなくても気にしとる場合だってある」

 

「心に来ますって言っちゃってるしな」

 

「ご友人のフォローが的外れならば、正直にそう言った方が適切だとも思いますが。変に勘違いしたままいられるのも互いに不幸だと感じますし」

 

「友達だから、それに優しさだって知ってるから言いにくいってことだろ」

 

「なるほど、やはり私には難しい問題ですね」

 

「まぁ気にしないのが一番なんだろうけど、どうしても気になるんだったらジブリールの手も悪くはないかもな」

 

「なんでそう思うんですの?」

 

「それで疎遠になるんだったら所詮その程度だったってことだ」

 

「冷めた見方するんやね」

 

「これくらいの割り切りは普通でしょう」

 

「『たまにはきつく言うのも手』ですかね」

 

「友達関係の相談はハチには向いてない気がしますの……」

 

「次のメールです。ラジオネーム:つるみんさんから。『お礼を言いたい人(男性)がいるのですが、なかなかタイミングがありません。年上で学校も違うので困っています。なにかいい方法はないでしょうか?』」

 

「随分マジっぽい相談が来たな」

 

「とはいえ、私たちでどうにかなる問題とは思えませんが」

 

「礼を言いたいゆうんなら、直接会いに行けばいいんやないの?」

 

「年上で他校って、場合によっては中学と高校みたいな可能性もある訳ですし。そうなると行きにくいですよ」

 

「そういうものですのね」

 

「電話をするというのはどうでしょうか?なにかあって礼が言いたいということなら、少なからず面識もあると思いますし」

 

「電話番号知ってるなら最初からそうしてるだろ。してないってことは電話番号を知らないし、もしかしたらあまり面識もある方じゃないかもしれん。そこまでいくと諦めろっても言いたくなるな」

 

「なんでですの。礼が言いたいのは助けられたとかだと思いますわ。なら感謝を伝えたいって思うのは分かりますし、わたくしも伝えて欲しいって思いますの」

 

「けど、仮にそこまで面識のない奴に助けられたなら無理してまで礼を言いに行く必要ないだろ。男性の方だって、別に感謝して欲しくて助けたわけじゃないだろうしな。もし逆ならもっと接触してくるだろ」

 

「それも分かることは分かるんやけどね。けど、ここは依頼人の気持ちを尊重した方がええんやない?」

 

「学生ならばまだ10代。仮に80歳まで生きるとしても、まだ60年以上時間があります。もし将来、たまたま会って今の感謝の気持ちを忘れていなければ、その時伝えてもいいのではないでしょうか」

 

「もしあっちが県外とか国外に行ったら会う機会も少なくなるだろけどな。俺はほっといて忘れる方が楽だと思うぞ」

 

「ハチ、なんでこの依頼に関してはやる気がないんですの」

 

「こん子、ずっと忘れられなくてモヤモヤするのも嫌なんやろ。だからスッキリさせたくて方法を探しとる、ってあては思うんやけどな」

 

「巫女さんはなにか案が?」

 

「他校言うても、別に国一個分離れてるとかやないんやろ?だったらまた今度会う時もあるやろってな」

 

「概ねジブリールと同じ意見ってことか」

 

「わたくしもその案に賛成ですわ」

 

「では多数決ということで。『いつか会えた時に伝えればいいでしょう』」

 

「これも解決にはなってないけどな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「では一曲、リスナーさんからのリクエストを読ませていただきます」

 

「へぇ、そんなこともしとるんやね」

 

「まぁ一応ラジオですからね」

 

「あの、やっぱりわたくし司会を取られるんですの?」

 

「ラジオネーム:ハルさん先輩さんからのリクエストで、早見沙織さんで、『雪解けに咲いた花』です。どうぞ」

 

『――鮮やかに染まる空の色、綺麗だって話たい――』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「リスナーさんから内容と罰ゲームを決めて頂き勝負する、“ノーセーフ・ノーライフ”のコーナーです」

 

「やっぱり司会は取られてるんですのね」

 

「次はゲームするんか。随分自由なんやね」

 

「あなた一応それの顧問でしょ」

 

「本日はゲストということで巫女さんに両方を決めて頂きます」

 

「この箱から引けばええんやな」

 

「罰ゲームの方は慎重にお願いしますわ」

 

「じゃあ……これと、これやね」

 

「あ、俺が読むんですね。えっと内容は、ラジオネーム:スカイさんから。『1から3の数字とキングと書かれたクジを用意し、それを引く。キングになった人が勝ち』。ただのクジ引きじゃねぇか」

 

「罰ゲームの方、ラジオネーム:ホワイトさんからや。『勝った人は番号越しで敗者に命令ができる。ただし18禁は無効』」

 

「いや、てかこれ完全に王様ゲームだろ」

 

「それではクジを用意したので、一斉に抜きましょう」

 

「これ絶対伝わってないよな?なんか箱の中に4本の棒が入ってるんだけど」

 

「それぞれ数字とキングのマークが付いています」

 

「ほな始めよか」

 

「わたくしはこれで行きますわ」

 

「では、私はこれを」

 

「あてはこれな」

 

「残りものって、大体福ないよな」

 

「それでは一斉、どうぞ」

 

「で、王様は?」

 

「あ、わたくしですわ」

 

「一応これは負けなんか。なんや釈然としないもんやね」

 

「ではドラちゃん、数字の指名と命令を」

 

「えっとでは、“2番が3番の頭を撫でる”!」

 

「げっ」

 

「あてが3番やけど、まさか2番なん?」

 

「ええ、そうですよ」

 

「それでは罰ゲームをどうぞ」

 

「えっと、じゃあ失礼して」

 

「……」

 

「……」

 

「……」

 

「……あっ」

 

「……」

 

「……」

 

「……」

 

「……って、だれかなんか言えよ」

 

「こんな場面を見せられて何を言えと?」

 

「いやそれはそうだが」

 

「というかこれ、本当に罰ゲームになってるんですの?巫女様、気持ちよさそうでしたし」

 

「なってるよ、ダメージ食らってるよ。主に俺に」

 

「頭撫でられたなんていつ以来やろ。それにまぁ、悪くはなかったよ?」

 

「それは、よかったです」

 

「ですから、こんな場面になにをコメントすれば良いので?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「と、色々ありましたがお別れのお時間です」

 

「なんか前回より長かった気がするが」

 

「ゲストを呼んでいますし、それも当然でしょう」

 

「そうですわね。どうでしたか?」

 

「あぁ、楽しかったよ。また撫でて貰おかね」

 

「勘弁してください」

 

「冗談やよ。ただこうゆんのも悪くないな。また呼んでな?」

 

「いや次回があるかも分かんないですし。てか、今回は何記念だよ。まだ2500行ってないだろ。お気に入り件数」

 

「1000回記念をやっていないので、その分の貯金だそうですよ」

 

「ジブリール、メタいですわ」

 

「だからさっさと本編書けって作者」

 

「仕方ないんやない?最近忙しいみたいやし。それに真・〇神転生3始めたとかも言ってたし」

 

「巫女さんの口からメガ〇ンが聞けるとは。このラジオ完全に作者の愚痴と趣味入ってるだろ」

 

「趣旨は本編にも入っているので気にしなければどうということはありません」

 

「なんで最後の最後までメタいんですの!」

 

「ただの愚痴だ。で、巫女さん。なにか言っておきたいことはないですか?」

 

「楽しかったってのは言うたし、特にはないなぁ。あ、好評なら次回もあるんやろ?ならリスナーに期待しとくわ。よろしゅうな」

 

「次回、多分ないだろうけどな」

 

「それでは!エルキア横断奉仕部ラジオ、今回はここまでですの。お相手は、ステフことステファニー・ドーラと」

 

「ジブリールと」

 

「ハチこと比企谷八幡と」

 

「ゲストの巫女やった」

 

「see you again!ですの〜」

 

「作者、やっぱバカだよな、色々と」

 




本編のできる限り早い更新も頑張るつもりです。
感想お待ちしております。

追記

ハーメルンのルールを全く分かって居なかったので一部変更しました。
申し訳ございません。
活動報告にてリクエストを募集します。
ご希望がある方はどうぞ。

番外編 エルキア王国奉仕部ラジオは必要ですか?

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