どうも。
能力は『自虐』、江波界司です。
ここで一句……
シャーロットその後が気になるアニメ勢
ただの自分語りです。
気にせず本編をどうぞ。
東部連合大使館。そこで繰り広げられる心理戦の妖怪戦争。まさしく人間辞めちゃってる程の読み合いが入り交じるこの交渉の場。
そこで空は相手に対して“チェック”、勝利に対して王手を掛けた。
いや、それはいいが。
「空、解説」
「あれ?わかんない?」
分かるわけないだろ、
流石に空白以外の全員がキョトンとしているのを見て、空は説明してやろう、とかなり上からものを言う。
まぁ王様だから俺より上なのは当たり前なんだが。
「東部連合の武器は高度文明、つまりその技術。けど島国からのスタートだった東部連合はその維持や発展、さらに利用には大陸領土が必要だった。けど?その前にエルヴン・ガルドに仕掛けられた」
ここまでの話は分かる。
わが祖国日本という島国も、技術は高いのにその強みを上手く使えていないのは領土という大きなディスアドバンテージがあるからだ。ならば東部連合も同じ状態なのだと考えれば理解しやすい。
「さて困った。『誘い受けの必勝ゲーム』は持っているが、逆を言えばそれしかない。それに世界最大の大国に勝ったら誰も勝負にノッて来ず大陸も手に入らない。かと言って負けるわけにも行かなかった―何故か」
空は指を立てて言う。
「さぁて謎解きタイムだ。【問一】何故必勝ゲームの記憶を消す?」
「……消さなきゃ……必勝じゃなく、なる……から」
内容不明な必敗ゲームを挑む奴なんていない。だからこそ記憶消去はデメリットの方が大きい。にも関わらず行うのは、それが必勝に必要だから、か。
「けど、記憶を消しても、負けたっていう“結果”は残る。さぁ【問二】何故エルヴン・ガルドは四回も挑んだ?」
「……負け、て……結果から、必勝ゲームを……崩す、ため……?」
「なるほどな。魔法のエキスパートが負けたなら、当然魔法対策って仮定が出来る」
つい口を出してしまった。
しかしそういうことだ。負けはしたが、記憶消去を考えれば必勝ゲームに穴はあると予想は出来る。エルキアと違って大国のエルヴン・ガルドなら多少の負けも計算に入れて勝負を挑める。
「そういうこと。だから二回目は他の種族と共闘でもしたんだろうが、それでも負けた。だから三回目、詳しい方法はともかく、ゲームの内容を暴いたんだろ」
そうでなければ四回目は来ない。だが結果は――
「それでも負けた、と」
内容が分かっても負けるゲーム。
けど、だからなんだと言うのか?つまりそれは記憶消去無しでも通用する可能性のあるゲームとも取れる。
しかし空の見解は違った。
「ここで疑問が二つ。一つは何故負けたのか?もう一つは、まぁこっちが重要だが、何故エルヴン・ガルドは二度と仕掛けてこないのか?」
確かにそうだ。ここで重要なのは結果ではなくその後の反応。
内容を知って、それでも負けたゲーム。そこには練度という壁さえ取り除けば勝つことも、本来なら出来るチャンスがある。しかしそれをしないのは…
「可能性は二つ。原理的に勝てないゲームと悟ったか、負けた原因はついぞ分からなかった」
空はさっきまで上げていた手とは反対の手でピースの形をとる。この二つの可能性、だがそれは実質一つに絞られる。
「けど前者は【十の盟約】でバラしたら勝ちだろ」
「八、正解。つまり
空は左手を下ろして、また右手を上に掲げる。
「さてこれは不思議だ。内容は分かっても敗因は分からないゲーム。普通に考えても理解不能。けど、その答えはさっき爺さんが教えてくれた」
いのの動揺。それこそが答えだったと空は言う。
「【問三】何故
「……ほんとうは……読めない、から……」
「そゆこと。そんで嘘をつくのは、隠し事があるって事だ」
さぁ見えてきたなぁ、と空は続けて指を立てる。
「【問四】原理的に勝てるはずの必敗ゲームとは?」
表向きはフェア。されど中身は反則のオンパレード。しかも魔法に精通する
そう言えば空はジブリールにテレビを見たことがあるか聞いていたが、その答えはNO。一度ここに来たことがあるなら、当然知っているはず。なのに知らないのは何故か――その記憶を消されたから。
「つまり、テレビに関するゲームってことになる」
「……チートし放題の……テレビゲーム……」
俺の言葉に確信を得たか、白は置いてある液晶を見ながら答える。
ヒントはいらなかったか、と満足気に大きく頷く空は補足を入れた。
「当然電子世界なんて概念がない他の種族にゃ対策も取れない。心が読めるって大法螺吹くのはその“負けたっていう結果”に言い訳を作るためってこと。なにせ本当は心なんて読めないからな」
空の言葉にいのは沈黙を続ける。しかしその目は何かを見抜こうとする懐疑の目。その反応に空は不敵に笑う。
「確認は済んだか?嘘はついてなかっただろ?」
空の声に再び僅かな動揺を見せるいの。言った内容を説明するように空は続けた。
「早い話、あんたらが嘘を見抜くことしか出来ない、読心術は使えないってのは最初から分かってたんだよ」
さぁいよいよ最後の問題、と空は右手の指を全て広げる。
「【問五】何故エルキア前国王は八回も挑んだ?」
この問題はあんたにやるよ、空はいのを向く。
表向きな行動は取らないが、あの老人もかなり熟考しているように見える。そして少しの前置いて彼はハッとする。
「そういうこと。俺たちが先王の意図を知ってる時点で、あんたらは心が読めないっていう証明になってんだよ」
先王が残した記録。あれは先王が記憶を失っていないことを示していた。
馬鹿な金持ちがカジノに来たとして、そいつから上手く金を巻き上げるにはどうすればいいか。わざと勝てるかもしれない要素を見せて、その上で倒し続ければいい。
「ゲーム内容を生涯秘密にする――その裏にある、死後は生涯に含まれないっていう意図をあんたらは読めてないんだからな」
全く皮肉なものだ。下等種として扱い、カモとしか思っていない相手から、自分たちの秘密や切り札を暴かれたと言うのだから。これが空の言っていた弱者の戦い方、というものだろうか。
「さぁどうする?あんたらは俺の記憶を消す必要がある。けど、全領土とステフのパンツを賭けて勝負なんてしたら、俺の説を全肯定するようなもんだ」
ここまで追い詰められればいのが、
当然これも分かっている空は逃げるか?と問う。
そしてその問に答えを求めていないが如く、逃がさねぇよと不気味に続ける。
「俺は人類種の全て――『種のコマ』を賭けようっ!」
その言葉とともに空の手のひらに淡く光るチェスのコマが現れる。
俺だけでなく、ここにいる全員が見るのは初めてなのだろう。その存在と宣言に、空と白を除いた全員が完全に固まってしまっている。
「ジブリール、種のコマを賭けて負けた場合、どうなる」
「種のコマとは即ち生物の権利そのもの。それを失えば家畜同然。事実的な死を意味します」
慌てふためき反論を企てたステフの口を抑えながらジブリールは答える。
つまり何か?領土と種族を天秤に載せたってことか?そりゃ完全に価値はこっちが上だろ。そうなれば当然。
「逃げる場はねぇよな?これで逃げても俺たちの妄言が真実であるって全世界に宣伝することになる」
鮮やかとすら言える口撃。
「これで“チェック”――いや、“チェックメイト”だ」
完全な勝利宣言。完璧なまでに追い詰めて彼は言う。
「自称“エスパー”――この手は読めたかぁ?」
死角のない戦法、戦略。
だが沈黙を破っていのは言う。
「なるほど面白いご想像。しかし仮にそれが全て真実だとしてお忘れですかな?エルヴン・ガルドはその上で負けた―と」
チート反則なんでもござれのテレビゲーム。それに内容も分かった上でエルヴン・ガルドは敗北した。
しかし俺からしたらその言葉は苦し紛れの言い訳に聞こえる。
もし心が読めるなら、空たちが異世界の住人であることを知っているはずなのだ。
「それで?」
空もそれが分かった上で答える。それがどうしたのかと。
現代にいた頃に聞いた都市伝説。最強ゲーマー
曰く、チートツールすら鼻で笑う程の実力者。
「あんたらがほんとに心読めるんだったら、俺たちが異世界人って事も分かるはずだよなぁ?」
もはや彼らにとって、テレビゲームのチートツールは相手にもならないのだと。空は暗に、万に一つも負けはないと豪語する。
「とまぁ大陸賭けて勝負って言っても用意があるだろうし今日は帰るよ。日取りは改めてってことで」
今までの空気を一転させて立ち上がる空。
あ、そうそう、と歩き出す直前に空はいのに向かう。
「こっちは全人類種の権利を駆けてんだ、当然全員に観戦権があるから、その準備しとけよ?あとこっちは四人で挑む。異論反論抗議質問は一切受けない。もちろん拒否権もやらねぇ」
軽口の如く言い放つ空。甘いな、俺の担任は口答えすら受けなかったぞ。
彼はいづなに手を振る。
「いづなたん、今度はゲームで遊ぼうな?」
「……よくわかんねぇ、です。けど――空と白、いづなにケンカふっかけてきやがった、です?」
そう言った彼女の目には明らかな“敵意”があった。
「ケンカ?とんでもない、ただのゲームだよ」
「なら敵ってこったろ、です。――負けねぇぞ、です」
見た目的には、年齢は二桁もいかないだろう少女。なんでそんな目が出来んだよ。
だがそんな敵意に満ちた彼女に、彼らはむしろ好意的に応える。
「いいや、いづなたんは負けるよ。
「……ばいばい、いづなたん……こんどはゲームで……ね……」
歩き出す空と白。その後を俺たちは追う。迷いなくエレベーターを操作して、俺たちは交渉の場、東部連合大使館から帰還する。
現在の俺たちの住処――現エルキア王国、王城。
そこではいつも通りの平和な光景が伺える。
叫ぶステフ、笑う空、頷く白、讃えるジブリール。そしてそれを傍観する俺。まさしく平和だ。
そんな奴らが、これから一種族の全てを賭けてゲームをするなど、誰が思うのか。
「『種のコマ』を賭けるなんて、負けたらどう責任を取るつもりですのッ!」
「責任?負けたら終わりだ、責任も何もない」
「むしろドラちゃんは、これから勝って職や命を失うかもしれない
「っ!……そ、それは……」
いつも通りの会話、いつも通りの対応。
しかしなんだ?ジブリールの言葉には違和感がある。
誰かが不幸になってしまうゲーム。そんなものを誰がするのか。
テトがどんな思想と思考でこの世界を創り、このルールを決めたのかは分からないが、この世界は酷く優しい。優しく美しく、そしてふざけている。
我ながら今更だ。
そもそも全てをゲームで決めようなんてルールがおかしくないわけがない。そんな“ふざけた”相手に、それでも
「ゲームも所詮は殺し合い――世界では未だに殺し合いが続いているのです」
「何言ってんの?誰も死なねぇよ?」
「「へ?」」
何も話を聞いてなかったが、とにかく空の一言に二人は機能停止した。
それを見て逆に空は何かしらの確信を得たように見える。
「なんであっちの世界と同じ考え方なのか……そりゃ神様も退屈して俺達呼ぶわな」
空は言う。俺達は文字通り世界征服を成す、と。
空は言う。東部連合との勝負は“チェックメイト”、既に終わっていると。
空は言う。あちらに勝ち目はないと。
「まぁ正確にはもう一つピースがいるんだが、それももうじき来るだろ」
そう言って彼はまたDSPの操作に戻る。
聞いてジブリールとステフの二人はただ顔を見合わせている。
まぁ、俺も何のことだか分からないんだがな。
解説が長い。
原作と同じ流れのため、ただでさえ進まない話が完全にスローモーション。
愚痴っても仕方ありませんね。
推しキャラ“クラミー”の皆様お待たせしました―次回はいよいよクラミー戦。
なんて、あの戦いクラミーよりも白が主役ですけど。
感想、誤字報告お待ちしております。
追記
誤字報告がありましたので修正しました。
感謝とお詫びを申し上げます。
番外編 エルキア王国奉仕部ラジオは必要ですか?
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