魔獣創造に『回帰』の残滓を入れてみた(一時凍結) 作:ぴんころ
たくさんの感想ありがとうございます。
主人公が妙に黒幕ムーブしてるような…
──今代の赤龍帝である兵藤一誠が悪魔に転生した──
その一報が入ったのはエミヤを駒王に送ってから一年が経ったころだった。
──きたか──
その報告が来た時、彼は自分が喜んでいるのか、それとも悲しんでいるのかわからなかった。目的達成に近づいた、という意味では赤龍帝が魔王の妹の眷属になったことは喜ばしいことなのだろう。しかし、
その二つの感情があわさり、とても複雑な声音だった。横で聴いていた二人の少女が心配そうな顔をしながら彼を見る。報告をしていたエミヤも、自らの父のそのような声を聴き、電話越しであるため顔は見えずとも、心配していた。
けれど、すぐに全員が意識を切り替えた。なぜならこれで、かつて彼が言っていた龍が引き寄せる災厄に、戦争の引き金を引かせるということの最低条件が整ったからだ。
「父さん、私はどうすればいい。これで兵藤一誠の監視期限は終わったが…」
エミヤが聞きたいのは、駒王に残るか、それとも戻るかだろう。彼個人としては戻りたいのだろうが、残って役に立てることがあるのなら残りたい、といったところか。
──龍の呼びよせる災厄、その1つ目だけ巻き込まれてくれ──
彼はそう言った。エミヤがいなくなってすぐに大物が来れば、エミヤがその大物とつながっていると思われかねない。だが、その大物の後にグレモリーのもとを去るのであれば、これ以上は巻き込まれたくないと考えて去ったのだと判断してくれるだろうという考えからこれを選択した。
──なら、まずはコカビエルあたりかな──
彼はリストアップしておいた中で最も動かしやすい存在を選んだ。三大勢力に恨みを持つ存在は多い。けれど戦争を起こしてもいいと考える連中は少ない。
だからこそ彼はコカビエルを選んだ。今、三大勢力の水面下では和平が進んでいる。けれどかつて殺しあった連中とホイホイ仲良くできるわけがない、そう考える者は多い。そしてそう考える連中は動かしやすいのだ。かつて創造し堕天使側に潜り込ませたスパイに対し、コカビエルに和平の準備が行われているのではないか、という情報を伝えるように命じた。
──実際にコカビエルが動きだすまでに準備は整えておこう──
そう思った彼は、エミヤが空中にいる堕天使とまともに戦えるようにするにはどうしたらいいかを考えはじめた。
──弓で遠距離攻撃ができるとはいえ、グレモリーが「正面から倒す」などと言い始めればそれに巻き込まれかねない。今のあいつはグレモリーに雇われる形であの町にいるのだから、それに逆らわせるのは得策ではないだろう──
ならば、どうする。彼は空中戦ができない。装備として仕入れたと言えば、ある程度まではどうにかなる。
悩んだ彼は、ふと横にいたイリヤを見た。その瞬間、彼は閃いた。
──ああ、そうか。空を飛べるようにする必要はない。空を飛べても足場がなければやりづらいだろうからな──
思いついたのは
コカビエルが動き出すと思われる時期まで、まだ時間はある。できることなら、平時から使える武装としたいから、家族のうち道具作成を生業とする子たちに頼んだ。
さすがに、グレモリーと言えど相手がコカビエルであれば、自分たちだけでどうにかなるなどと考えるほど愚かではないだろう。ならば魔王の援軍が来るまでに殺しきれれば勝利、殺しきれなければ敗北とするならば
──エミヤが空中戦にどれだけ慣れることができたか、が勝敗をわけるだろう──
ここは悩みどころでもある。下手にコカビエルを倒すと、大戦を生き抜いた堕天使すら倒せる技量と認識される。かと言って空中戦に慣れていなかったせいで、隙が出来て殺されてしまうのは許せない。ではそもそも彼に空中戦をさせずに戦わせるというのも、ただ嬲り殺しにされるだけだから却下。
──では、どうするべきか──
一番簡単なのはエミヤにわざと倒させずに時間を稼ぐパターンだろう。しかし、これではエミヤの負担が大きい。
──ならば──
彼は選択した。そして、そのために必要なものを準備しはじめる。
──堕天使コカビエルが駒王に来るまで、あと1月──
前書きでも書いたけどコカビエルの動向操ったりして主人公が微妙な黒幕ムーヴ始めちゃいました。でもバルパーとかそのあたりは彼にとっても予定外。他者の動向すべて操ることができないなんてポンコツな黒幕だね。
1日3話投稿はきつい。1話が1500文字弱だったから結局書いたのは6000文字ぐらい。1話が長い人だとこれじゃ1話ぶんにしかならない量ではあるけれど…