魔獣創造に『回帰』の残滓を入れてみた(一時凍結) 作:ぴんころ
今回は和平会談。前話ではコカビエルを書く際に気付いたらコカビエルが、自らより強い存在がいることを理解しているから、アザゼルのところから人工神器持ち出した結果、リアスたちの難易度が更にあがりそうになったりして修正が大変でした。
今回はそんなことはないと思います。旧魔王派のいうところの『真なる魔王の血筋』の力をご覧あれ
それと、これまで一切言ってきませんでしたが、主人公の前世では「ハイスクールD×D」という物語は存在していました。ただ、彼の記憶からは物語の内容、人の名前などの情報は消えています。覚えているのは「原作主人公は頭がおかしい進化をする」ということのみ。進化の内容も覚えていません。
──さて、会談襲撃は誰に実行してもらおうか──
エミヤが戻ってきてから、はや数日。各勢力に潜り込ませた我が子からは、三大勢力の和平会談が行われるのは確実であるという情報を得た。
ゆえに、和平会談の時に、テロ組織に便乗して襲撃を行うことを考えている。だが、その時に何を使って攻め込むのかについて悩んでいた。
──ここは、彼女の力を借りることにしようか──
この9年間の間に、無限の龍神が接触してきたことがあった。グレートレッドを倒すことを手伝ってほしいとのことだった。
──お前、これまでの魔獣創造と違う。お前は何?──
それが第一声だった。そして
──人類悪?『回帰』の獣?なら回帰と呼ぶ。回帰、我、グレートレッドを倒したい──
だから手伝ってほしいのだと。静寂を得たいのだと、そう言ってきた。
だが、オーフィスにとって一つうれしい誤算があった。彼の持つ魔獣創造ならば、本人の思い描いた空間を作り出す魔獣を作ることができたのだ。
──静寂、得られる?なら試してみる──
そしてその時、オーフィスは彼とひとつの約束をしたのだ。もしも、その静寂が気に入ったのであれば、オーフィスの叶えられる範囲であれば願いを叶える、と。
──我、あの空間が気に入った。約束、果たす──
彼が望んだことは一つ。
──わかった──
意外にもすんなりとその要求は通った。彼は少しずつ要求のランクを下げていくことを考えていたのだが、オーフィスは静寂を得た後は特に何かする予定はなかったので、力を分けることにも抵抗がなかったのだ。
──はじめまして、おとーさま──
そうして手に入れた力を使って、新しい子を生み出した。
◆◆◆◆
「クッ!こうなれば仕方がない」
それは誰も、使った本人すらも思い描いていなかった結果にたどり着いた。
和平会談の最中、急に乱入してきたテロ組織、
だからこそ、彼女は奥の手を使うことを決意した。自らの力で勝てないのであれば、オーフィスの力を借りる。そのためにもらった『蛇』なのだから。
そうして彼女が『蛇』を取り込んだ瞬間──
「Aaaaaaaaaaaaaa‼」
──カテレアの姿は変貌していた。まるで聖書に書かれている通りの怪物『レヴィアタン』に…
こうなった原因はいくつかあるが、まず最も大きな理由としては今の
彼はオーフィスからもらった力で、オーフィスの代わりとして禍の団首領となる存在を生み出した。外見はオーフィスと同じだが、その内には自らを生み出した父への愛と絶対の忠誠を持つ。そんな彼女の生み出す『蛇』にはオーフィスのものと違いがあるのだ。
──使えば最後、『
結果として、
──だが、それだけがこの変貌の原因ではない──
レヴィアタンという怪物はバビロニアの女神ティアマトとの類似性があげられるのだ。そして、
──皮肉なことに、理性のない怪物となったことで、真のレヴィアタンの脅威が、今ここに示される──
「はぁ!」
アザゼルは人工神器の禁手のまま、攻撃を仕掛ける。堕天使勢力のトップに立つほどの男が、本来の実力を上回る状態で放った攻撃。それを見て一同は大きなダメージを与えられたと思ったが
「くそっ!まったく攻撃が通用してないぞ!」
一切のダメージを負っていないその姿を見て驚愕することになった。
この会談に参加している中で一、二を争う実力者の攻撃でもダメージを与えられないということは、この場で打倒することはほぼ不可能であるということ。
──これこそがレヴィアタンの持つ力
レヴィアタンの鱗は、あらゆる攻撃を通さないと言われる。しかしそれは、鱗が固いからではない。
──体表面からわずか1mmの範囲で『世界を凍結』させることで攻撃を届かせないのだ
だからこそ、世界を抉ることのできる威力の攻撃でなければ意味はない。この場でそれが出来るとすればサーゼクス・ルシファーぐらいだろうが、彼は結界を張っているため動けない。
そして、攻撃が通用しないことに驚愕していた面々は、次の瞬間絶望を覚えることになった。
ティアマトの権能である『
彼女が手にしたのは個体増殖。一体だけでも苦戦している今の彼らにとっては絶望とも言える知らせだった。
「どうなってやがる⁉」
アザゼルの叫びは皆の心の内を代弁していた。旧魔王派が全員このような力を発揮してくるのであれば、自分たちの勝ち目はないのだと。
そんなことを言ってる間にも、レヴィアタンは増えていく。今では三桁を超えただろう。
カテレアが蛇で自らを強化した瞬間裏切るつもりだったヴァーリは、しかしこの状況では裏切るよりレヴィアタン討伐までは味方のふりでいたほうがいいと考えた。そのため、魔力弾などで援護を行っているが、まったく効果はない。
しかも、どれだけ力を半減したとしても、攻撃が届かないのだから意味がない。鱗の硬さも半減したが、それも効果がない。自らの長所をすべて潰されているのである。
「Aaaaaaaaaaaaaaaaa‼」
カテレアだったものが叫ぶと同時に、アザゼルの右腕が存在していた空間が凍結され、口から発せられた冷気の光線で吹き飛ばされた。
「グゥ!」
「アザゼル!」
どんどん増えていくレヴィアタン。そんな中で他に気を取られればどうなるか。次の瞬間ヴァーリは思い知ることになった。
「ガッ!」
カテレアの放つ冷気の光線。それは10度半減して尚、鎧を突き破るだけの威力があった。それを受けたことで腹部に穴が開くも、自らに治癒魔法をかけることでどうにか戦闘を続行しようとしたが…
──死ね──
その傷口から、カテレアの持つ現悪魔政権への憎悪が呪詛となって入り込み、ヴァーリの体を侵す。すでにカテレアには誰が敵かはわからない。それを理解するほどの知性は残っていないのだ。
幸いなことに選民思想などが元となっているこの呪詛は実力者であれば簡単に解呪できるものだったので、解呪しながらもヴァーリは意識をレヴィアタンからはなすことはなかった。
そして、意識をレヴィアタンにむけたままだったからこそ、彼は気づいた。
──先ほど増殖した個体の肉体が崩壊している様を──
それを見た彼は何かに気が付いたのか、周囲のレヴィアタンを見回す。そして納得したのかアザゼルに言った。
「アザゼル!こいつらは自分の力に耐えきれていない。恐らくカテレアの体では、これだけの力を振るう器としては落第点なんだ!」
それを聞いたアザゼルも周囲を見渡す。自壊している様を見て納得したようだ。
しかし──
「そうみたいだな!だが、増殖スピードと自壊速度なら前者のほうが上みたいだぜ!」
そう、例え自壊して減っていくとしても、それを上回る速度で増殖するのでは意味がない。
だが、この場には自壊速度を速くすることができる人材が二人いる。カテレアが体に収められる力の量を半減することで、パンクさせられる白龍皇、ヴァーリと──
「兵藤一誠!君も戦闘に参加しろ!奴に力を譲渡することで自壊させるんだ!」
──保有する力を器に入りきらないほどに増加させられる赤龍帝、兵藤一誠が。
「お、俺⁉」
一瞬戸惑った彼だったが
「わかった!何をすればいいんだ!」
そう、答えた。
これまでの彼であれば、ここまで即断することはできなかっただろう。だが、コカビエルのとき、何もできずエミヤに任せるしかなかった彼は
──次に何か起きたときは、自分も役に立つのだ。自分は部長の兵士なのだから──
そう思うようになった。
そして、こんな大きな戦闘で自分の力が必要だと言われた以上、彼の中では参加しないなんて選択肢は存在しなかった。
説明を受けた彼は、即座にそれを実行し始めた。白が器を半減し、赤が中身を倍加する。そんな即席で拙いものではあったが、今代で初めて赤と白の共同戦線が行われたのだ。
──そうして1時間後──
「これ、で終わりだ!」
『Transfer』
最後の一匹が自壊していった。そして一息ついた次の瞬間
「え?」
兵藤一誠の真横をアザゼルが吹き飛んでいった。それをやった犯人は右手を突き出してこちらを見ている。
脳が理解してくれない。先ほどまで共に戦っていたのに、仲間意識が生まれかけていたのに
「どうしてだ……!」
そいつが裏切者だと認めたくなくて
「どうしてアザゼルを攻撃したんだ、ヴァァァァァァァァリィィィィ⁉」
友情が生まれそうだと思っていた相手の名前を、兵藤一誠は叫んだ。
ちなみにこんな終わり方ですが、次は駒王会談の続きではありません。ここからは原作通りの流れですからね。
少しでも真なる魔王の血筋(笑)が真なる魔王の血筋(ガチ)になっているように見えればいいなと思います。