フクイデ先生 作:フクイデスト
途中、某掲示板方式が挟まれます。苦手な人はすみません。
機械龍は凶悪な尻尾でジードの首を締め上げ、左手の大剣で彼の巨体ごと串刺しにするつもりのようだ。しかし、そこへレイトに憑依したゼロが現れる。
『ゼロ……来ちゃダメだぁ!!』
「後輩が苦しんでるのを見ていられるか!すまないな、レイト。お前の体でこんな無茶しちまって。でも、お前もジードも絶対に死なせはしない!」
機械龍の右手の砲口が向けられたのは脅迫され、変身できないゼロだ。いくら、ゼロと一体化したレイトであっても、その砲口から放たれる光の奔流には抗う事は出来ない。
もし、まともに攻撃を受けてしまえば、彼の身体は跡形もなく消えてしまうだろう。しかし、無慈悲な一撃はゼロとレイトに放たれた。ゼロはレイトの体を守るため分離し、等身大に実体化し機械龍の攻撃をその一身に受ける。
「ゼロさん…」
『レイト…よく耐えてくれたな…本当にありがとう…』
「ゼロさん…?ゼロさん!!」
機械龍の攻撃を受けたゼロは消滅した。レイトの目の前で無残にも消え去ったのだ。レイトは無事だったものの変身アイテムもその力を失い、ゼロが消えたことを物語っていた。
「嘘ですよね…ゼロさんが居なくなるなんて…!ゼロさぁぁん!!!」
レイトの叫びにジードの瞳に怒りと闘志が蘇る。右手にジードクローを展開し、首に巻き付いている尻尾を切り飛ばす。
『コークスクリュー・ジャミング!!』
ジードクローを片手に、回転しながら機械龍に突貫するジード。先程通り、魔法陣の防御壁に阻まれるが彼の怒りや慟哭は今まで破る事の出来なかった壁を破壊する。
『カラータイマーが…』
大きな爆発と共に黒煙を上げた機械龍。ジードの活動時間も残り1分を切った。しかし、悪夢は終わらない。
爆発と共に消滅したと思われた機械龍は大剣と盾を兼ね備えていた右手を犠牲にすることで破壊されると凌いでいた。
ゼロは居なくなり、決死の攻撃も防がれた。機械龍は一歩また一歩とジードの元へ近づいてくる。
ヒーローの条件とは何なのだろうか。少年にはそれがまだ分からない。ただいくつか少年には言えることがあった。
華麗に戦い、かっこよく勝つこと。大切な人を守る為に命を掛けられること。この時の少年にはその両方をすることが出来なかったのだ。
『……ッ!!なんでだ…なんでだよ!!』
茜色に染まる街でジードの叫びは虚しく響き渡る。まだ、ヒーローに成りきれない少年の心は絶望へ染まったのだった。
伏井出ケイ先生、初ライトノベル作品『GEED ~闇の遺伝子を受け継ぎし者~』一巻完結
ゼロを失ったレイトにまんまと黒幕の策に嵌ったリク。しかし、運命の歯車は止まらない。停止した機械龍が再起動し、街を襲う!
更には、リクの出生の秘密や名前の意味。少年はまた人間として、ヒーローとして大きくなる。
黒幕の正体も次回明らかに?!
次回 『GEED ~ジード・アイデンティティー~』 2巻 発売日は未定
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「………っ!?続きが気になるでしょ!?伏井出先生ェ!!」
「そうだよね!ムネ君!今までの先生の作品って基本的に一巻で区切りの付いている作品だったから良かったけど、今回は構成に悪意を感じるよ!こんなの絶対に続きが気になるじゃない!」
「うぅぅ…今まで続きが気になって仕方ない作品は数あれど、ここまで発売日当日から飢えに苦しむことになる作品はそうそうないぞ…この飢えをどうやって凌げば…」
「ふふふ…そこでお客さん。ここに先生のSF短編集の新刊が出ている訳だが…」
「買います!」
そんな茶番をたかさご書店で続けているのは、看板娘の智恵と政宗だった。本日は伏井出ケイ執筆のライトノベル『GEED ~闇の遺伝子を受け継ぎし者~』と短編SF集『アンバランス・ゾーン』の発売日。
各メディアはこの事を大々的に報じ、普段伏井出ケイの作品を手に取らないようなライト層も興味を惹かれ書店へ駆け込んだ。
その結果、後に『伏井出パニック』と呼ばれる各地の書店が人で埋まるという現象を引き起こした。
「それにしても、この『GEED』って伏井出先生にしては意外だよな」
「意外って何が?」
「いやいや、今までの伏井出先生の作品では闇が主人公の勢力で光が敵側の勢力なんだよ。対して『GEED』では、主人公の朝倉リクが闇の遺伝子を受け継いでいるとはいえ、基本的な描写では光の勢力が主人公側で描かれている。これって、かなり珍しい事だと思うぞ」
「……流石は伏井出先生の自称古参ファン…」
「なんか、すごいニワカ臭がするからその言い方はやめてくれ」
「ネットの評判もかなりいいみたい。まあ、伏井出先生はムネ君と違ってエゴサーチもしなければ、劣評を見ても動揺しないだろうけどね」
「…一言多いぞ!確かに伏井出先生は気にしないだろうけど」
そう言いつつ、正宗は智恵のタブレットを覗き込んだ。
ライトノベル板
【悲報?】SF作家 伏井出ケイ ライトノベルを書く Part12【朗報?】
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いやー『GEED』が発売された瞬間アンチが消滅したのが本当に草
機械龍の主砲でも受けたのかな(すっとぼけ)
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皆、星の導きによってフクイデストとなったのだ
あと、機械龍にはコークスクリュー・ジャミングをお見舞いしますね^^
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元々、有名だったけど。今回の騒動で更に有名になったよな伏井出先生
>>851
それ、負けフラグじゃね?
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俺も『GEED』目的で書店に行ったんだけど、一緒に置いてあった『アンバランス・ゾーン』もくっそ面白い。
SF作品とか興味がなかったけど、今は立派なフクイデストですw
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>>853
どんな内容だったのかkwsk。ラノベ板だから、場違いだけど気になる!
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『アンバランス・ゾーン』はSF短編集、一話一話で完結する物語ね。内容はかなりダークネスな感じ。
今までの伏井出先生の作品は冒険活劇のような言わばスペースオペラだったんだけど、今回は地球人と宇宙人の価値観の違いやそれによって生まれる差別なんかも取り扱ってて印象はかなり変わる。
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ほうほう、本当に気になってやばい!某密林で予約したんだけど、ちゃんと届くかな?
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>>856
Konozama!
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で、SFの方のおススメの話とかは?
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俺は『怪獣使いと少年』かな。たぶんこの本の中で一、二位を争うくらいダークな話。
簡単に言うと高度経済成長期に河原のボロ小屋で住んでいる少年がいるんだけど、他の子供や町の人たちから宇宙人だ!って虐められてるの。
町のパン屋に行っても、宇宙人と関わると噂されるとか言われて買い物ができない。
そんな中、町の人の通報を受けた地球防衛軍の日本支部は少年の周辺を調査していくって話。
ここまでなら良くある胸糞話だけど、終盤は町の人間に殺意を覚えるレベル。あと、『GEED』で出てきた光の巨人って単語とかはこの短編でも何回も出てくる。
恐らく『GEED』本編の都市伝説はこの短編集の中の話だと思う。
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中々ハードな展開なのに更に上をいくのか…(困惑)
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自分は『故郷は地球』って話。日本で国際会議が行われるんだけど、当日視認不明の円盤が会議場周辺の村を襲う。
地球防衛軍は謎の円盤やそれに乗った異星人の正体を探るために動き出す。途中、パリ本部の隊員もこの捜査に加わるんだけど…って話。
若干、タイトルでネタバレされてるけど、最後の墓石のシーンが吉良沢優先生のイラストが載せられてて哀愁がやばい。
他にも防衛軍の開発担当者の叫びとか、それに呼応するように立ち止まる〇〇〇〇とか。
もう、言葉に出来ないくらいヤバイ…。人によってはこの短編集なかなか厳しいだが読むのを止められない!
これが伏井出先生の魔力か!
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えぇ…マジで気になってきた!今からでも本屋に行ったら置いてないかな?
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>>862
ニュース見た限り無理だろ…真正のフクイデストや流行に乗ろうとするライト層で本屋は戦場と化してるぞ。
まあ、私は前日から本屋前待機で買ったがなぁ!( ・´ー・`)
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そろそろ、『GEED』の方に話戻さない?一応ラノベ板だし、同作者の作品でも板違いだと思う
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もう、伏井出板を作るか?
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フクイデストの聖地になるな
「本当に好評ばっかりになってるな…俺もこんな作品書きたいなぁ。あと、SF短編集の方はかなり不穏なんだが?」
「ボクのおススメだよ?ラノベじゃないから、自分の管轄外だけど。『GEED』との繋がりも示唆されてるから一見の価値ありだよ!」
「内容は?」
「ダーク・ニンニクチョモランマヤサイマシマシアブラカラメオオメ」
「ぐえー…俺の心が壊れそう()。実際、そんなにダークなのか?」
「さっき、見た掲示板では紹介されてないけれど。『マウンテン・ピーナッツ』って作品が個人的には一番胃に来た。主に吐き気的な意味で」
「……だ、大丈夫。俺は古参フクイデスト、この程度の困難乗り切って見せる…」
「さっき、自分でその呼び方止めろって言ってたよね?」
「あっ、時間だ。俺そろそろ家に帰るわ。妹の飯作らなきゃいけないし」
誤魔化しも入っているのかもしれないが彼の言っていることは事実で、もう時計は正午を過ぎている。
彼の妹であるエロマンガ先生が腹をすかして、床ドンを始めるだろう。その前に料理を作らなければいけない。
「じゃあな、智恵!」
「ムネ君、バイバーイ!」
智恵は正宗が入り口から出ていくのを見送るとぽっかりと空いた伏井出ケイのスペースをどうするか思案し始めた。
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喫茶ブラック・スター
マスターのブラックコーヒーは格別の味で、一度飲んだものはこの味が忘れられなくなって、また店を訪れてしまうという店。
そんな店に編集者二人に小説家一人、しかも編集者は別の出版社という奇妙な構図が出来上がっていた。
「先生、『GEED』の重版が決まったそうです。結構な数を刷ったんですが、それでも足りないそうで。売り上げは好調です」
「『アンバランス・ゾーン』の方も今までの作品の勢いを超えています。こちらも、数日のうちに重版することになるでしょう。今後もSFを書く際には我が社でお願いします」
「ら、ライトノベルはウチに任せてください!上の人たちも今回の件で考えを改めたみたいです。前会議で畑違いのSF作家に枠を取るなんてって言ってた上司が黙りましたよ」
そんな、二人の話を極上のコーヒーを飲みながら聞いているのは伏井出ケイ。相変わらず、目は閉じられていて聞いているのかよくわからない人物だ。
「そうですか、売り上げは好調ですか…。それはいい事ですね。売り上げが全てだとは思いませんが重要な事でもありますから…」
「ネットの前情報では一部の層が散々こき下ろしていましたからね。彼らもこの売り上げと、作品の完成度を見れば文句も言えませんよ」
「SF短編集も方向性が違うものですが、概ね好評です。ただ、今作はダーク要素が強いですね…。先生の『ネット投稿』時代を思い出します」
「えぇ!?先生って、ネット小説家だったんですか!」
ラノベ編集者が大きな声を出した事で、周囲から非難の目が向けられた。その視線に編集者は身を縮まらせた。
「…で、本当なんですか?そんな情報何処にもなかったんですけど…」
「ええ、そもそも私が伏井出先生を見つけたのはある個人ブログでSF小説を書いている人物がちょっとした話題になったからなんです」
「もう、そのブログ閉鎖してますけどね」
「へぇー、見てみたかったです。先生のネット時代の作品」
「止めておいた方がいいですよ?先生のネット時代の作風はスペースオペラじゃなく、今回のようなドロドロとして異星間の争いや差別を描いたものやコズミックホラーが多いですから」
「ヒェー…」
「更には吉良沢優先生のイラストで斬殺シーンや迫害シーンが描かれています。こんなの発売したら、発禁間違いなしですね」
「私としては、美しいものだけでなく蓋をしたいほど醜いものを書いていきたいのですよ」
「まあ、今回くらいの内容や絵なら私たちの出版社ならOKです」
「それはよかった」
「それで先生、次回作の予定はありますか?」
「あっ、『GEED』の方もお聞きしたいです」
「ええ、GEEDはもう既に2巻の原案は出来上がっています。今度、出版社に提出します。SFの方もまだまだ書きたいネタはありますから心配しないでください」
「相変わらず、驚異のスピードですね。では、次回作の題名も先生の事ですから既にお決まりで?」
「ええ、題名は『ウルトラQ』。今度は怪獣対人間を基本とした、SF作品になるでしょうね」
伏井出ケイはその後も楽しそうに自身の頭の中の構想を二人の編集者に話し続けた。