卒業の季節ですね!卒業した人…おめでとうございます!
進級の人、これから頑張って下さい!カッコいい上級生を目指して下さい!

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 はい!どうもみなさん!ミズヤです

 今回は今までにない感じの文だと思いますよ!

 力を入れてみました!

 特別話なので僕の他の作品に関係ある訳では無いです。

 それでは!

 どうぞ!


【卒業の季節特別話】            いつかまた

 桜がヒラヒラと舞い落ちる。

 

 その姿はまるで花びらが一枚一枚、意思を持って踊っているかのよう。

 

 そしてその落ちてきた桜を肩で受けとめ、真新しい制服に身を包み、期待に心を踊らせる新入生

 

 4月、そう、入学の季節、進学するものはみな期待と不安で心をいっぱいにし、入学式に挑む、これは誰もが経験することだ。

 

 それは俺自身も同じ、入学早々俺は寝坊を決め込んで慌てて走っていた。

 

 その時、桜の木々を眺めている少女が居た。

 

 俺は思わずその様子に見とれてしまい、足元を疎かにしすぎたせいで小さな石ころに足を取られて転んでしまった。

 

 そして俺の視界の上から手を差し出された。

 

 俺の手じゃない誰かの手、

 

 俺は誰の手だろうか?と思い、その手の差し出している人物の正体を探るため差し出されている方向に顔を向ける。

 

 俺は唖然とした。

 

 なぜなら

 

「大丈夫?」

 

 先程桜を眺めていた少女だったのだから。

 

 これは3年前の話し、今はもうその少女の顔も思い出せないが、これだけは確信している。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あの少女以上に桜並木が似合う人物など存在しない…と

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おい、華原?華原?」

 

 と、声が聞こえてきた。

 

 あれ?視界が暗い…そうか…授業中に居眠りして…

 

 と、俺は意識を覚醒させ目を開ける。

 

 すると明らかに怒ってそうな田中先生が居た。

 

「全く…何度目だ?これ以上するなら卒業出来ないぞ?」

 

「すみません…」

 

 そう、俺は教室内だけに留まらず、学年中で俺は居眠り常習犯として知られている。

 

 す、すみません!で、でも午後の授業って眠いよね…わかってくれる人が居ると信じてるぞ?

 

『あのさ、もうすぐで卒業だから頑張ろうよっ』

 

 と、隣から小声で話しかけてくる島田さん

 

「まぁ、もうすぐで卒業だもんな。来週だっけ?」

 

 と、俺が聞く。

 

「うん。丁度一週間後だよ。早いよね。もうすぐで私達も高校卒業だよ?」

 

 と、優しい口調で言う島田さん

 

 考えてみればこの3年間は短かったように感じる。

 

 これまで三度の卒業を経験してきた俺だが高校卒業と言う事を実感できない俺がいる。

 

 島田さんはどう考えているんだろう。

 

 と、俺達の事を説明してなかったな。

 

 俺の名前は華原(かはら) 真治(しんじ)。なんの面白味の無い高校生だ。

 

 で、俺に話しかけてきた彼女の名前は島田(しまだ) 紗綾(さや)。どんな人にも優しい。まぁ、人望が無い俺にとっては唯一の友人であり心の拠り所でもある。

 

 まぁ、とにかく、俺も留年なんて嫌だしな。残りの7日間。頑張ってみますかね。

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

一週間後

 

 天気は最高、晴天だ。

 

 そしていつもの道の両脇に植わっている木々は綺麗な桃色の葉をつけている。

 

 まるで3年前のあの日みたいに。それは幻想的な光景だった。

 

 ただ、一つ違うのはその桜並木を歩いているのは入学生ではない。卒業生だと言う事だ。

 

 先程卒業式を終えた。

 

 卒業証書を受け取り、晴れてこの俺も高校を卒業した。

 

 残りの7日間は特に頑張った。

 

 なぜか島田さんに言われると断れない所がある。と言うか留年が嫌だからとか言う理由を付け加えて実は俺が唯一の友達である島田さんと卒業したかっただけなのかも知れないけどな。

 

 卒業式を終えて涙を流すものも大勢居た。

 

 俺は泣かなかったが、非常に考え深い物がある。

 

 ここから先の進路か…どうすっかな…

 

 と、考えながら歩いていると一回見たことのあるような光景が見えた。

 

 それは島田さんが桜の木々眺めている光景だった。

 

 俺は思わず見とれてしまい、よそ見をしてしまったため俺は小さな石ころに足を取られて転んでしまった。

 

 まるであの時の再現のようなそんな気がした。

 

 そして俺の視界の上から手を差し出された。

 

 俺はその手の持ち主を探るため顔を上げた。

 

 そこに居たのは

 

「大丈夫?」

 

「し、島田さん…」

 

 その時、俺の頭に電流が走ったような衝撃が走った。

 

 過去を鮮明に思い出していく。あの日の事を。

 

「入学早々、俺に手を差し出したのは島田さんだったんだ」

 

 俺がそう言うと島田さんは優しく微笑んだ。

 

 そして「ふふっ」と口に手を当てて笑った。

 

「思い出してくれたんだ」

 

 と、嬉しそうな声色で話す島田さん。

 

 俺もあの日の事を思い出せて嬉しくなる。

 

 そして俺は差し出された島田さんの片手を握って立ち上がる。

 

「ありがとう」

 

 そう言うと島田さんは満面の笑みを浮かべながら優しくこう言った。

 

「どういたしまして」

 

 と、そう言ってから俺達は歩き出す。

 

 あの日と同じように

 

 俺達は桜並木を歩いていく。

 

 そして暫く歩いてから突然と俺の名前を呼んできた島田さん。

 

「ねぇ、真治くん」

 

 と、いつもなら華原くんと呼ぶのだがこの時だけはなぜか名前呼びだった。

 

 そして俺は島田さんの方を向こうとした瞬間

 

 頬に柔らかな感触を感じた。

 

 そして少ししてその感覚が無くなる。

 

 俺はすべての思考が停止してしまった。

 

「ふふっ…じゃあね。真治くん。いつかまた」

 

 と、言って微笑んでから走って行く島田さん。

 

 そしてどんどんと島田さんの人影が小さくなり、最終的に見えなくなった。

 

 そして俺の思考がやっと回復し、恐らく顔を真っ赤に染めているであろう時、急にスマホにメールが届いた。

 

 送り主は島田さんだった。

 

 そしてメールを開けてみる。

 

 そこには簡単に一言だけこう書かれていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ずっと好きでした




 はい!これにて特別話終了でございます。

 今回は今は卒業の季節だよね!と言うノリで卒業の話を書いてみました。

 ほんのりと甘い、僕にしてはいつもよりは砂糖が多めなのでは無いでしょうか?

 そして、今年卒業された方、若しくは卒業する方、卒業おめでとうございます!

 それでは!

 さようなら


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