シークレット・俺ガイル   作:カルタ

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意外と早く書けました。


魔王襲来

「一体どうしちゃったんですか先輩、本当に顔色悪いですよ?」

 

「一色よく聞け、俺の絵柄は〈A〉だ。つまり、俺のクリア条件はお前の殺害だ…」

 

「なんだ、そんな事ですか。心配して損しましたよ」

 

「は?」

 

彼は唖然としてしまった。自分が殺されるかもしれないというのに”そんな事”で済ませたのだ。

まだ考えが纏まらぬ内に彼女は言葉を続けた。

 

「確かに現時点では条件をクリアするしか出る方法はないですけど、もしかしたら他に方法があるかもしれないじゃないですかー」

 

「それに先輩って私のこと好きじゃないですか。しかも人を殺すなんて出来るとも思いませんし」

 

「自分の命が掛かってるんだ。お前を殺すかもしれないんだぞ?怖くないのか?」

 

「怖くないって言ったら嘘になりますけど、こんな所に一人で居る方が怖いですし。しかも私を殺す気があるなら正直に〈A〉なんて言わないじゃないですか」

 

「それに…私先輩の事信じてますから」

 

「っ!!」

 

「バカだとは思っていたがここまでバカとはな…」

 

「バカとは何ですかバカとは!!私生徒会長ですからね!」

 

「そんな事より早く二人とも出れる方法を探しに行きますよ!時間無いんですから!!」

 

そう言って彼女は部屋から出ようとした。

 

 

「一色」

 

 

そんな彼女を彼は呼び止めた。

 

「どうしました?」

 

「いや…、なんでもないわ」

 

「…何なんですか!さっさと探しに行きますよ!!」

 

「へーへー」

 

そう言って今度は彼が部屋から出ようとしたときだった。

 

 

「先輩」

 

 

彼女は彼を呼び止めた。

 

「絶対に二人でここから出るんですからね!!」

 

「絶対に…ここから、二人で、生きて、出るんですからね!!」

 

「…ちゃんと最後まで責任取ってくださいね?」

 

彼女は何かを悟っていたような顔をしていた。

 

「…ああ。分かった。必ず出よう」

 

そうして再び今度こそ二人で部屋から出ようとしたときドアの向こうから声が聞こえた。

 

「だったらお姉さんも一緒に行っていいかな?」

 

ドアを開けた先に居たのは彼と同じ部活に所属している雪ノ下雪乃の姉の”雪ノ下陽乃”だった。

 

「ゆ、雪ノ下さん?あなたもここに連れてこられてたんですか」

 

「ひゃはろー、いやーこんな所で会うとは奇遇だね」

 

「いきなりで悪いんだけどさ比企谷君ちょっとこっちに来てくれないかな?あ、一色ちゃんはここに居てね!」

 

「なんでわた「わかりました」しだけ…」

 

「先輩、大丈夫なんですか?先輩だけとか怪しすぎませんか?」

 

「あの人がこんなに分かりやすく何かをするとは思えないからな」

 

「先輩が言うなら別にいいですけど…何かあっても知りませんからね!!」

 

一色一人を部屋に残し二人は部屋から出て少し歩き始めた。

 

「部屋の外ってこうなってたのか…」

 

「あれ、比企谷君まだ部屋から出てなかったの?」

 

「まあ、色々ありまして」

 

部屋の外は全面コンクリートで構成されており窓一つ無く、まだ全貌は分からないが目に見える範囲で廊下がずっと続いている。

 

「さてと、ここら辺でいいかな」

 

「一体何なんですか?一色は残して俺だけなんて」

 

すると今までおちゃらけた感じだった彼女が急に真剣な顔つきになった。

 

「比企谷君、このゲームって何のために開催されてると思う?」

 

「何のため、ですか?さあ、何でしょうか?」

 

「それはね、世界中の富豪たちの見世物、つまりは富豪たちの娯楽のために開催されてるの」

 

「!? というかなんで雪ノ下さんは知ってるんですか?」

 

「比企谷君、私の家が何なのか忘れたの?」

 

「雪ノ下建設…」

 

雪ノ下建設、日本を代表する企業の一つであり雪ノ下姉妹の実家でもある。

さらに父親は県議会議員をも兼ねており国内トップクラスの富豪と言えるだろう。

 

「私もこのゲームの存在を知ったのはごく最近のことなの。まさか自分が参加するなんて思わなかったけどね」

 

「そのゲームはどうなったんですか…」

 

彼女は少し躊躇いがちにこう言った。

 

「…ルールに則り進められたわ」

 

その言葉だけで十分だった。その言葉だけでやはりこのゲームが本物であるかどうかが判明した。

 

「細かいルールの違いはあるけれど基本的には今回と同じ。生きてここから出るためには条件をクリアするしかないの」

 

「つまり…比企谷君がここから生きて出るためには一色ちゃんを殺すしかないってこと」

 

「聞いていたんですね…」

 

「まあね。それを踏まえてなんだけど一つ聞いていいかな?」

 

「なんですか?」

 

「君、一色ちゃん殺す気ないでしょう。というより、もうここから出ることを諦めてるでしょう。」

 

「っ!!」

 

彼女の言っていることは完全に的を得ており、彼は動揺が隠せなかった。

 

「流石雪ノ下さんですね…。でもしょうがないでしょう?俺より一色の方が生きる価値がある。それだけで理由なんて十分です。」

 

「ふーん。まあ、それも君の本心なんだろうけど他にもあるでしょう?」

 

「他にもだって?そんなの決まってるでしょう…一色を殺さずに二人ともここから出ることに決まってるじゃないですか!!」

 

「うんうん。素直でよろしい。だったらお姉さんも協力してあげるよ」

 

「は?」

 

彼女が何を言っているのか一瞬分からなかった。

それもそうだろう。ほんの少し前に彼女の口からこのゲームは本物であると告げられたのだ。

その彼女がルールを無視してここから出ようと言っているのだ。

 

「ま、私もここから出る方法なんて分からないけどね!」

 

「それでも…二人より三人でしょ?比企谷君?」

 

「何故俺に協力しようとしてるんですか。あなたなら一人でも条件をクリア出来るでしょうに」

 

「それに俺たちが、一色がやろうとしている事は恐らく徒労に終わるでしょう。それに付き合ってたら雪ノ下さんまでクリア出来なくなるかもしれないんですよ?」

 

 

「確かに私なら一人でクリアできるかもしれない。ただ、それじゃあ意味が無くなったんだよ」

 

「…比企谷君は雪乃ちゃんの大切な人だからね。だから協力するってだけ。比企谷君も私と同じなんだから分かるでしょう?」

 

「雪ノ下さんって意外と優しいんですね」

 

「へっ!?」

 

「なんでもないですよ。あ、そう言えば一つ聞いていいですか?」

 

「ん?なにか誤魔化されたような気がしたけど…。まあいいか、〈JOKER〉だよ!」

 

「ぶっ!」

 

彼は思わず笑ってしまった。

 

「なにかな?その笑いは?」

 

彼女の顔も笑っているが目が全くと言っていいほど笑ってはいなかった。

 

「い、いえなんでもありません」

 

「ふーん?ま、いっか早く一色ちゃんのところへ戻ろうか」

 

こうして二人は帰りを待つ彼女の元へ戻るのであった。

 

〔残り47時間5分〕




サブタイほぼ内容と関係ない気が…

次回は一気に3人ぐらいと遭遇予定です。


余談ですが今日は新弾リリース日ですね。ようやく環境が変わるので楽しみです。
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