転生者・十六夜咲夜は静かに暮らしたい。   作:村雨 晶

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どうも、息抜きに小説を書きまくった結果、エントリーシートが真っ白でリアルに頭を抱えた作者です。

今回は咲夜さん視点、なのですが、何かカオスな話になりました。
うちの咲夜さんは捕まってる自覚があるのだろうか?

盛大なキャラ崩壊があります。苦手な方は注意してください。


モフモフ…モフモフ…はっ!私は一体何を…

 

 

――妖怪の山 某洞窟

 

 

「ふむふむ、つまり貴女は吸血鬼を恐れて仕えているわけではなく、自分から仕えていると」

 

――くっ、うん!やっ、そこは……!

 

「ええ、拾われて育てられた恩が大きな理由だけど、私はレミリアお嬢様に仕えたいと思って仕えているわ」

 

――ひあっ、も、もうやめて…や、あっ!

 

「なるほど、拾われた経緯をお聞かせ願えますか?」

 

――ああ、そこは…、だめ、そんな優しく撫でないで…

 

「うーん、私もよく覚えてないのよ。小さい頃だったし、美鈴に拾われてレミリアお嬢様に気に入られて名を頂いたのは覚えているのだけど」

 

――あっ、やめ、ふああ…

 

「……あのですね、椛。気持ちいいのは分かりましたからもう少し声を落とせませんか?聞いてるこっちも変な気分になってきます」

 

場所は変わらず妖怪の山のどこかにある洞窟。

そこで私は何故か文の取材を受けていた。

鎖は解いてくれなかった。なんでも「それはさすがにまずい」とのこと。

やっぱり天狗は鬼に逆らえないんだろう。予想できたことだからまあそれはいい。

ここで重要なのは、椛のことを目一杯モフれることだよ!

おかげでさっきから椛は嬌声しか上げてないけどね。ふふふ、私の紅魔館前に集まった動物たちで鍛えたナデナデスキルをその身で味わうがいい!

 

さて、何で私が椛をモフモフしているのかというと、文が取材料の代わりに椛を好きにしていいですよ!と差し出してきたためである。

椛は最初こそ文に抗議していたが、しばらくもしないうちに上記のようになったのだった。

体勢は私が椛を背中から抱きかかえて文はそれに向かい合ってる形になる。

私は後ろから椛の犬耳やら尻尾やら喉やらを思う存分愛でているのだ。

ああ、私は今幸せの絶頂にいるよ……。

 

取材中だというのに嬌声を上げる椛を煩く感じたのか、眉をひそめて文句を言う文。

椛はとろけた声で反論する。(私からは椛の表情は見えない)

 

「だって、撫でるの上手いんですよこの人。無意識に尻尾を振ってしまいそうです……」

 

うん、尻尾を振るのを我慢してるのは気付いてた。だって撫でるたびに尻尾がぷるぷる震えるんだもん。可愛すぎでしょ椛。

 

「ふむ、そんなに気持ちいいんですか?あの堅物な椛がここまで緩んだ顔をするとは相当でしょうし……。そうですね、咲夜さん、私のことも撫でてみてください」

 

む、まさか文本人から撫でる許可がもらえるとは。

ふふふ、私のナデナデスキルは鳥類にも効果があるんだよ!美鈴に頼んで色んな動物を集めてもらったからね!

 

「翼にも触ることになるけど大丈夫?後、帽子を取って頂戴」

 

「ええ、私から言い出したことですし良いですよ。……はい、帽子も取りましたよ」

 

さて、まずは翼から…

 

「ふっ、く、確か、に、これは、なかなか……」

 

と油断させて頭!

 

「ふあっ!?そ、そんな、それはひきょ、あうっ!」

 

そしてとどめに喉と翼の同時攻め!

 

「ひああんっ!?や、やめ、それ以上は…、ふああ……」

 

 

文を撫でてしばらく、存分に愛でた私は文を解放する。

その瞬間、文は地面にどうっ、と力なく倒れた。

 

「何ですか、貴女のその技は……。私がここまで弄ばれるなんて……」

 

悔しそうに呟く文だが、このスキルは拾われた時から動物相手に磨いてきたスキルだ。

そうなってしまうのも致し方ないことだろう。

 

「あ、あの……。もう一回、撫でてくれませんか?」

 

くいくい、と私の服の裾を引っ張りながら上目遣いでそんなことを言ってくる椛。

……ぐはっ!椛ったら私を萌え殺す気か……!?

 

「うふふ、いいわよ。…おいで?」

 

「はいっ!」

 

手招きすると尻尾をぶんぶんと振りながら近づいてくる椛。

椛は先程と同じ格好になると、目を閉じて体をこちらへ預けてきた。

ここまで信頼されるのは嬉しいけど、これはどうなんだろう?妖怪の山のセキュリティ的な意味で。

 

「くっ、せめて、せめてこの写真だけでも……!!」

 

文は未だに倒れたまま撫でる私とされるがままになっている椛をカメラで撮る。

記事になるの?こんなこと……。

 

その後も、私達は(椛は私に撫でられて嬌声しか上げていなかったので含めない方がいいのかもしれないが)様々な話に花を咲かせ、文に時折取材されつつ、楽しい時を過ごすのだった。

 


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