rikkaのメモ帳(短編・走り書き集)   作:rikka

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様々な作品をお待たせしている中、走り書きであるこちらの更新を優先して申し訳ありません。

活動報告にも書きましたが、スランプに陥り筆がさび付いていたため、本作もテンポがおかしいことになっております。
必ずリズムを取り戻して、他作品の方も更新していきますので……。

どうか皆様、これからもよろしくお願いいたします。


コナン-⑤

 天皇杯の散々な事件を無事に終え、今日は一日家でのんびりしている。

 昨日は黒羽くんの知恵のおかげで犯人をさっさと確保できたし、例の少年探偵とも再会できた。

 おかげで連絡先も聞けたし万々歳だ。

 

 江戸川だけじゃない。その友達っていう少年探偵団という四人組とも知り合えたのは大きい。

 なにせ少年探偵団。探偵団なのだ。

 なんというか、こう……ほら、それっぽいじゃないか。

 

(さて、本格的に腹が減る前に外に出なきゃ……でもダルいんだよなぁ)

 

 昨日は警察からの事情聴取とかで滅茶苦茶疲れて。帰って適当に作った飯食って酒飲んで、シャワー浴びないまま寝て、気が付けば今に至る。

 

 クリスマス前からのゴタゴタもあって冷蔵庫の中身も心もとないし、このままゴロゴロしてたらそれこそ夕方まで何もせずにぐで~~~~~っと過ごしてそうだし、さっきから源之助で横になってる俺のお腹の上で外出の催促なのかぺしぺし前足で叩いてくるし。

 

 なんなのお前暇なの? 退屈なの?

 いいじゃんたまには退屈万歳。

 外出しなきゃいけないのは分かってるけど、もうちょいウトウトしてても――

 

 …………あぁ、わかったわかったって。人の鼻を肉球で押すんじゃありません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 いやぁ、たまには外に出てみるもんだね!

 年明けたばかりで店開いてないだろうと思ったらコンビニでもそこそこ生鮮食品補充できたし、意外な知り合いにも会うし!

 

「まさか、こんな年始に桜子さんに会うとは思いませんでしたよ。お久しぶりです」

「うん、久しぶりだね~。最近は講師に来てなかったからねぇ」

「ちょっと前にはバイトで顔出したんですけど……その時は来てませんでしたね、桜子さん」

「うそ! いつ?」

「先月の……23日だったかな」

「あーーっ、今働いている所の用事でその日はキャンセルしちゃって……そっかぁ、来てたのかぁ」

 

 米原桜子さん。どこかのデザイン会社だったかな? そこの社長宅で家政婦として働いている人で、以前のバイト先だった料理教室の生徒でもあった人だ。

 

 普段は教師――の助手やっていた時、最初は普通の生徒さんとして接していたのだが、買い出しの時などによくよく顔を合わせて今ではそれなりに仲良くやっている。

 

「今日も仕事で?」

「ううん、明後日まで私はお休み。その間に、自分の家で溜まりがちだった事やっておこうかなぁって。掃除とか買い出しとか」

「掃除はともかく、買い出しは正月前にはやってなかったんですか?」

「うん。勤め先の家での仕事に追われてて、家ではインスタントとか冷凍モノしかしばらく食べてなくて……」

「あらま、ウチもですわ」

 

 イベント用意に先日の事件とまぁまさしく暇なしで……洗濯がダルいんだよなぁ。

 安アパートで夜に洗濯機ぐわんぐわん回すわけにもいかないし。

 

「そういえば、透くんもどこかお屋敷で家政夫やってるって聞いたけど、お正月は忙しかった?」

「クリスマスにパーティやるって言われて急遽仕込みや飾りつけに駆り出されたりで大変でしたよ。俺もう、あそこの使用人じゃないんだけどなぁ……」

「え、そうなの?」

「えぇ、今月からは喫茶店で働くことになってまして……それこそ明後日が初出勤」

 

 そうだ、念のために明日髪切っておくか。紅子に教えてもらった美容院、空いてるといいんだけど。

 

「へ~、透君が喫茶店かぁ。どこの喫茶店?」

 

 いつも通り肩に乗ってる源之助が、いつの間にか桜子さんの肩に移動してじゃれついている。

 お前いつの間に……。

 

「米花町の5丁目にあるポアロってお店です」

「へぇ~、米花町の……。明日の昼には、もうお店に入ってる?」

「初日はモーニングの仕込みからランチ、そしてディナー用の仕込みをして夕方で終わりって形だったから……うん、多分表にいると思います」

「うん、それじゃあ昼食ついでに顔を出すよ。久々に先生のご飯食べたいし♪」

「先生って呼ばれるのも久しぶりだなぁ」

 

 ポアロが今の所基本週休二日だし、空いた日で都合がいい時は出れるように調整してみるのもいいか。

 料理教室も、なにげに色んな人が集まっているから人脈広げるのは意外に悪くなかった。

 夏休みとかクリスマス前のあたりだと家族向けのイベント組めば参加する人は多かったし、それで意外な人脈を広げられるはで旨い仕事だった。

 

「――あん?」

「? どうかしたの透君?」

「……いや、なんか見知った顔達が走り回ってて……」

 

 せっかくだし公園で少し一休みして、あれだったら食事にでも誘おうと思ってたんだけど……

 なにやってんだ江戸川の奴。あと少年探偵団。

 

 

 

 

 

 

 

◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇

 

 

 

 

〇1月3日

 

 三井美香という女性美容師が、自宅マンションで殺害された。

 歩美ちゃんがお母さんと一緒に通っていた緑美容院という美容院で働いていて、そのおかげで歩美ちゃんとは結構仲が良かったようだ。

 

 ……だからこそ個人的な散髪の約束をしていた彼女の、無残な姿を見てしまうことになったのだが。

 

 桜子ちゃんとの買い物中に、江戸川を含めた少年探偵団がドタバタしているのを見かけて思わず声をかけてしまった。

 おかげで事件にまた関わることになった――っていうか元太と光彦の男子ーズに無理やり協力させられたというのが正しいか。

 自分は協力する気だったのだが、桜子ちゃんまで巻き込んでしまったのは申し訳なかった。

 おかげで凶器探しというかカラスの巣探しに付き合わせてしまって……。

 まぁ、晩飯一緒に食べてその後ちょっと知り合いの店で飲めたのは良かったけど……うん、いや本当に申し訳なかった。

 今度また埋め合わせに好きなものおごるか、あるいは作ってあげなければ。

 

 

〇1月4日

 

 紅子の所に勤めていた頃に知り合った、間宮家の人に御呼ばれした。

 なんでも、夕食会を開くのでせっかくなのでよかったらどうかと紅子が誘われたので、その連れとして自分もついていくことになった。

 また執事役をやるのかと思ったのだが、紅子曰くもう役目は終えているということで今回は本当に連れ。完全なお客様となった。

 で、まぁとりあえず夕食までの時間つぶしと紅子に散歩に誘われ、そのまま流れるように江戸川コナン一行と合流した。

 

 いやまぁ、あからさまに怪しいチェスの駒と盤面を模した変なモニュメントがある時点でなんとなく察していたけどさぁ……。

 

 

 

 

 

 

◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇

 

 

 

 

 

 

「江戸川……まさかこんな所で再会するとは思わなかったぞ。どうしてここに?」

「阿笠博士が保護者役で皆と一緒にキャンプに来たんだけど……その博士が肝心のテント忘れちゃって」

「キャンプでテント忘れるってどんなミラクル?」

 

 食材とか財布とかを忘れたっていうなら分からんでもないが、デカいテントを忘れるか? 多分組み立て式だろうし。

 ……まさか、出発する直前に準備始めた?

 

「まぁ、とにかくこうなったら車で野宿するしかないかなって時にこの屋敷……っていうかお城が見えて」

「あぁ、泊めてくれないかと」

「というより、見学かな。歩美ちゃん、こういうお城が好きみたいだし」

「……あぁ」

 

 確かに、あの年頃の女の子はお城に憧れるモノか。

 仕える立場からすれば掃除やりにくいし無駄に広いしで大変なんだけど……。

 ここの屋敷も小泉家と同じであまり人を雇ってないみたいだし……地獄だろうなぁ。

 

「そっちは招待されてるって話だったけど……」

「さっき一緒にいたのが、前に自分が仕えていたお嬢様でね。会食に誘われた彼女のお付きというか運転手兼パートナーっていうことで自分が……」

「前にって、今は仕えてないの?」

「ことあるごとにウチに来て飯要求したり、自宅のパーティの準備させたりするから実質何も変わってねぇけどな」

「今お屋敷で働いてる人とかいるんじゃないの?」

「いるにゃあいるが、あのお嬢さんは俺を振り回すことに全力を尽くすのが大好きなのさ」

 

 いや本当に。

 この間も、突然俺の所に乗り込んでチョコレートの作り方教えろとか抜かしやがるし。

 一日がかりで俺が一体どれだけのカカオと糖分を摂取することになったか。

 

「とりあえず屋敷に入ろうぜ江戸川。 コイツ(・・・)が気になるのは分かるが、多分これだけ見てもわからねぇだろ」

 

 この間のカラスの一件というかハンガーの一件以来、多少気安く話せるようになった江戸川。

 この頭の回る名探偵に、目線で目の前のデカいチェスの駒を示す。

 

「……あぁ、そうだな」

 

 自分の手帳に奇妙な配置のソレをスケッチした江戸川は、軽くため息を吐いて玄関口へと足を向ける。

 

「そういえば、浅見さん」

「ん?」

「浅見さんが働いてた家って、何やってる所なの?」

「…………仕事?」

「うん」

 

 

 

 

 

 

「……オカルトの専門家?」

「はぁ?」

 

 そんな胡散臭い目で俺を見られても。

 

 

 

 




内容よりも悩む時があるrikkaの解説コーナー


〇『消えた凶器捜索事件』
  アニメ:file135 (DVD PART6-1)

散々ネットでネタにされたハンガー事件でございます。 
そんなことで殺したのかと散々ネタにされていますが、自分の中では割と納得できるというか……
まぁ、どんなに本当は優しい人だって強い言葉使い始めるとプレッシャー与えますよね……。

個人的には本編でも使わせていただいた『ホームズフリーク殺人事件』が一番理解できない殺害動機だったかなぁ。
また読み直さなきゃ……。


>間宮家
〇『青の古城探索事件』
  アニメ:file136-137(DVD PART6-1)
  コミック第20巻~第21巻

 そして続くのは有名な青の古城事件。
 今作は灰原が博士に拾われてからの話にしようと思ったため、アニメにて灰原が登場した1999年度のリストから使用しております(なおやはり時系列は狂わせていく予定)

 またこういうホラーチックな回作ってくれないかなぁ
 個人的に赤い女は最近……最近? の中では特に好きな話です。

 本事件の詳しい解説はまた今度。
 次はリハビリも兼ねて劇用版まで進めていければなぁと思っております

 それでは皆様、また次回

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