三つをクロスした作品。混ぜたら危険なので真似しないように。
彼の名は、
ハヤテは、
「ハヤテー!」
いつものように、ナギお嬢様が彼を呼んだ。
「何でしょうか、お嬢様?」
ハヤテが一目散に駆けつけた。
「悪いが、これをワタルの店に届けてくれ」
ハヤテはナギから、ウルトラマンレオのDVDを受け取った。
刹那、ハヤテは光に包まれる。
「ハヤテ!?」
驚き戸惑うナギ。
ハヤテは、DVDの中へと吸い込まれてしまった。
DVDに吸い込まれたハヤテは、ウルトラマンレオに遭遇した。
「綾崎 ハヤテくんだね?」
「あなたは、ウルトラマンレオ?」
「外の世界でも僕は有名なんだね」
「あなたはなぜ僕を呼んだんですか?」
「君の力が必要なんだ」
「僕の力?」
「ああ……実は、僕らの世界に、君たちの世界から侵略者が侵入してきてね」
「僕たちの世界から?」
「そいつらは次元の壁を突き破って入ってきたんだけど……」
ハヤテは真剣な表情で、レオの言葉を聞いた。
「奴らは君を捜していて、僕にアクションを起こしたんだ。連れてこなければアストラの命はない、と僕の弟を人質にしてね」
「それで、僕にどうしろと?」
「君の体を借りたい」
「え?」
「君の中に入って、奴らと接触する」
「それはいいですけど、今、僕はDVDを返さないといけないんです。それが終わってからでもいいですか?」
「では一旦、君を元の世界に戻そう。返したら、また呼ぶ」
ハヤテは視界がブラックアウトし、気がつくと、元のナギの部屋にいた。
「ハヤテ、DVDに吸い込まれたと思ったら、お前、どこから出てきたんだ?」
「お嬢様、僕はしばらく、ここには戻ってこれないかもしれません。向こうで面倒なことに巻き込まれたので」
「向こうって、まさかウルトラマンの世界に行ったのか?」
「はい」
「そうか。存分に暴れてこい」
「わかりました。では、DVDを返却し、その足で行ってきますね」
「必ず戻ってこいよ」
ハヤテは、ビデオ屋のタチバナに急いだ。
タチバナでナギのおつかいを済ませる。
「レオさん、DVD返しましたけど……?」
ハヤテの前に、灰色のオーロラが現れる。
「こっちだ」
レオがオーロラの向こうで手招きをしていた。
ハヤテはオーロラの中へと駆け込んだ。
その先は、真っ白な空間だけが続いており、そこにレオが立っている。 「さて、行こうか」
レオが光球になり、ハヤテの体へと入り込んだ。
「凄い……なんてパワーなんだ」
ハヤテは真っ白な世界から、東京へとワープした。
*
ドス!──と、鈍い音と共に、ハヤテは地面に落下した。
「痛……」
辺りを見渡す。
「ちょっと、重いんだけど」
下から女の子の声。
「あー、すみません!」
ハヤテは、女の子の上から退いた。
立ち上がる女の子。
その赤毛の女の子は、可愛かった。
「うん? なに、ジロジロと?」
「いや、あまりにも可愛かったからつい」
「あなた、この世界の人間じゃないね」
「え?」
「私、
「あ、綾崎 ハヤテです」
「ハヤテ、いい名前だな」
ところで──と、続ける司。「私、ナサって人を捜してるの」
「ナサさん、ですか?」
「私の夫」
「残念ながら僕は、その名前も姿も知らないですよ」
「それもそうか」
司がナサという人物の写真を取り出した。
「この人なんだが」
「すみません。僕、この世界に来たばかりで、何も……」
「ハヤテとか言ったな。彼を捜すのを手伝ってくれ」
「え、でも僕、これから片付けないといけないことが……」
「異世界からの侵略者退治だろ。知っている。君の中にレオがいることもな」
『ハヤテ、交代だ』
ハヤテの脳裏にレオの声が響いた。
「え?」
ハヤテとレオの人格が入れ替わった。
「どうやら君は僕のことを知っているようだけど、何者なんだい?」
「ナサの嫁だ」
ハヤテはずっこけそうになった。
「じゃなくて、ああ、もういいや。ナサくんを捜すんだったね?」
「ああ」
「手伝ってあげる。今の所、奴らも動いてないみたいだから」
『レオさん、いいんですか?』
人格が入れ替わる。
「戻ったね」
「はい、戻りました」
「じゃあ、そういうことだから、捜すのを手伝ってくれ」
「わかりました。……で、どこを捜しましょうか?」
「そうだな。まずは彼がいなくなった、負犬公園辺りでも捜そうか」
二人は負犬公園へ移動した。
「ナサさん、いませんか!? いなかったらいないって返事して下さい!」
「それボケてるの?」
「え?」
「本当にいなかったら、いないって返事できないでしょ」
「あ!」
「何? どうした?」
「あそこ!」
ハヤテが指を差した先に、ナサが倒れていた。
「ナサ!」
司がナサに駆け寄る。
ナサは血だらけだった。
「ナサ、どうした? 何があった? 説明しろ」
「う……うう……」
「とりあえず、救急車呼びませんか?」
と、ハヤテ。
「そうだな」
ハヤテは救急車を呼び、司と共にナサを病院に運んだ。
緊急オペを受けたナサ。
なんとか一命は取り留めた。
「それで、何があった?」
「実は──」
ナサは説明する。
司と散歩中、見知らぬ怪人に誘拐されたこと。
その怪人に拷問を受けたこと。
「なんて聞かれたんだ?」
「なぜあの女といる? やつは、我々の世界からこちらへ送ったスパイだぞ、って。僕にはなんのことだかさっぱり」
司が苦虫を噛み潰したような顔になるのをハヤテは見逃さなかった。
「司さん、ちょっと」
ハヤテが司を屋上へ連れ出した。
「さっきの言葉の意味だけど」
「ああ。スパイだ」
「でもあれは、奴らを欺くためにやってることだ」
「どういうことですか?」
司は、猫耳のようなとんがりをつけた、女性のウルトラ戦士に姿を変えた。
ハヤテの人格が入れ替わる。
「フェリスなのか」
「うん。この体は借り物だけど」
「どういうことなんだい?」
「実は、奴らがスパイとしてこの子を送り込んで来てね。それに気づいた私は、この子に乗り移ったって訳」
「そうだったのか」
「戻ろう」
フェリスは司の姿に戻り、二人で病室に移動した。
「おかえり」
と、ナサ。
「二人で何を話してたの?」
「うん、ちょっとな」
「秘密なのね」
「ごめん」
ハヤテが口を開く。
「それじゃ、ナサさんも見つかったことだし、僕は行くよ」
「じゃあな」
ハヤテは司に見送られながら、病院を後にした。
「さて……」
行くあてがないハヤテ。
グラグラ──大地が揺れ、怪獣が現れる。
「動き出したか」
司がやって来た。
怪獣がハヤテたちに気づく。
「グオオ!」
怪獣が二人に襲いかかる。
ハヤテはレオに変身。巨大化しながら司を庇った。
「は!」
レオは怪獣を蹴り飛ばした。
「ダア!」
飛び上がり、怪獣の背後へ回り込むレオ。
怪獣は振り返り、襲いかかった。
レオは怪獣の攻撃をかわし、ハンドスライサーで首を跳ね飛ばした。
怪獣はその場で崩れ、爆裂霧散した。
レオはハヤテの姿に戻った。
そこへ、サイト星人という、三体の怪人が現れた。
それぞれ、ワールド、ワイド、ウェブという。
「見つけた、綾崎 ハヤテ」
「一緒に来い」
司が呟く。
「ハヤテ……」
「心配はいりませんよ。ちょっと行ってきます」
ハヤテはサイト星人と共に何処かへと向かって行った。
*
ハヤテは、サイト星人の宇宙船へと連れてこられた。
「ウルトラマンレオ、ハヤテから出るのだ。その体は我々が使う」
「嫌だと言いましたら?」
「アストラを殺す。公開処刑だ」
「くっ……!」
レオがハヤテの体から出て来た。
「いまだ!」
ワールドがハヤテに接近するが、しかし、すんでのところで何かに弾かれた。
よく見ると、正宗という木刀を携えた桃色長髪の少女が立っていた。
「ヒナギクさん!」
「こんな面白そうなことを独り占めだなんて」
「ここにはどうやって?」
「フェリスって子に呼び出されてね」
そんなことより──と、続けるヒナギク。「雑魚はとっととやっつけちゃいましょう?」
「はい!」
二人は船内で大暴れし、サイト星人を完膚なきまでに叩きのめした。
こいつら、やばい。レオは内心そう思った。
「さあて、あなたたちの黒幕はどこにいるのかしら?」
すると、宇宙船の外に、全長百メートルは超している雪だるま、ジャッコフロストが現れた。
「何よあれ!?」
ハヤテたちが宇宙船から飛び出す。
「僕の計画を邪魔する奴は誰だ?」
「はい、私でーす」
ヒナギクは手を挙げた。
(キャラぶち壊れてないか、ヒナギクさん)
ハヤテはそう思いつつ、ジャッコフロストを凝視する。
「でかい……」
「ハヤテくん、行ける?」
「あんなやつ無理ですよ」
「あなたの力と、私の力を合わせても?」
「え?」
「フュージョン、してあげる」
「フュージョン……。あ、その手がありましたね!」
ハヤテとヒナギクは、ドラゴンボールよろしくフュージョンのポーズで融合し、
「私はハヤテでもヒナギクでもない。お前を倒す者だ」
ヒナテはそう言って、ジャッコフロストを指差した。
「人を指差しちゃいけないんだぞ」
ジャッコフロストはそう言って、ヒナテに手を伸ばした。
ヒナテは攻撃をかわした。
「お前は人じゃないからいいんだ」
ヒナテは正宗を振り下ろした。
斬撃がジャッコフロストめがけて飛んで行く。
「ぐっ!」
斬撃を受け、怯む巨大な雪だるま。
「くっそー!」
ジャッコフロストがヒナテに凍える吹雪を放った。
「寒い!」
身震いするヒナテ。
「隙あり!」
ジャッコフロストの拳がヒナテを潰しにかかる。
「危ない!」
レオがヒナテを突き飛ばした。
グシャッ!──レオが潰された。
「レオ!?」
だが、レオは巨大化した。
「何!?」
戸惑うジャッコフロスト。
「ダア!」
レオが飛び上がり、レオキックをジャッコフロストに浴びせた。
レオの着地時に大地が揺れ動いたのはいうまでもない。
「グワ!」
ジャッコフロストは爆裂霧散した。
「ジュダ様……!」
という言葉を残して。
*
「もう行くのだな」
と、司。
「あなた方のことは忘れません」
「私もよ」
ハヤテとヒナギクを灰色のオーロラが包み込んだ。
二人はビデオ屋のタチバナの前に移動した。
辺りはすっかり暗くなっていた。
「帰りましょうか」
「そうね」
二人はそれぞれの家へ帰って行く。
こうして今日も地球の平和は救われた。めでたしめでたし。
あれ、アストラは?