電子の世界を駆けるピーキーな少年(仮)   作:fallere

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案が浮かばない時は本やらようつべやら漁ってイマジネーションを高めます。
もしこれ見て何か書きたいと思った人にアドバイス。
想像力を高める方法を確立した方がいいですよ~。

近畿に住んでいる皆様、先日の地震はなかなかでしたね・・・。
私の作品を読んでる皆様に被害者がいなかったことを願います。



夢とは何か? 自分の想像あるいは別世界なりの他の命か?
自分の見た夢、しかし絶対に自分ではない夢。皆様も見たことあるだろうか?
ある日少年は少女の、少女は少年の夢に触れる。



少年は夢で銃を握っていた。どろりとしていた血に濡れていて、死に触れていた。

少女は夢で拳を握っていた。砕け散る敵は血すら残さず、罪悪感のみ蓄積される。

二人は互いの罪に触れ合う。あるいは罪びとが少年と少女に触れ合ってるのか?


少年は夢を見る ~あるいは胡蝶?~

・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

 

僕は銀行にいた。傍にいる人を僕は「お母さん」と呼んでいた。

 

「お母さん」が窓口に向かい、自分はソファーに座って足をぶらぶらとしていた。

 

キィと言う音とともに、男が銀行に入る。男は銀行内を見回し、一瞬目が合う。

 

不気味な瞳だった。黄ばんだ白目に深い穴のような黒い瞳がさまよっている。

 

男は足早に窓口に向かい、「お母さん」を突き飛ばしていた。

 

体が勝手に動き出す。自分(・・)は大きな声を上げようとしていたが・・・。

 

「この鞄に金をいれろ! 両手を机の上に出せ!

 警報ボタンを押すな! お前らも動くな!」

 

男の右手に握られているのは拳銃だった。まず間違いなく強盗であった。

 

男性銀行員が強盗に右手で五センチほどの厚さの札束差し出した瞬間・・・。

 

空気が膨らむような感覚が、両耳をしびれさせる。

 

頭に響く破裂音と足元に転がる金色の筒は発砲されたことを示した。

 

顔を上げるとカウンターの男性銀行員が胸元を抑えている。

 

白いワイシャツが赤くにじむ。局員は椅子事後ろに倒れていた。

 

男は女性銀行員に金を詰めるのを続行させようとする。

 

女性銀行員は首を横に振るばかり。男は「お母さん」に銃を向け撃つと脅している。

 

自分が守らないといけない、それだけが体を動かした。歯を強盗の手首に立てる。

 

強盗は自分ごと右手を振り回し、自分の体がカウンターに叩きつけられる。

 

歯が二本ほど抜けている。だがこれは戦闘の続行には支障はない。

 

・・・それよりも体が小さい。筋力も弱く、これでは殴り伏せることはできない。

 

そこに、強盗の手から滑り落ちた黒い拳銃が目の前に転がり込んできた。

 

迷いはなかった。握った拳銃は強盗の手汗でぬめり、生ぬるい熱を持っていた。

 

両手の人差し指で気勢を上げて迫る強盗に引き金を引く。

 

男は自分の両手首を握っていた。強烈な衝撃が肘、肩へと向かう。

 

よくよく考えればその運動エネルギーで銃口はずれるはずだった。

 

しかしそのエネルギーは男の手に吸収される。グレーのシャツの腹部が赤く染まる。

 

だが男は倒れない。この弾丸は貫通力が高いためかストッピングパワーが低いのだろう。

 

再びつかみかかられる前に引き金を引く。銃口は跳ね上がり、肘と肩に激痛が走る。

 

体ごと後ろに飛ばされる。すぐに敵を確認する。右鎖骨に命中したようだ。

 

だが強盗は怒声を上げ立とうと両手を床に付く。

 

次で仕留めるしかない。それでしか生き残ることはできない。

 

体の痛みを無視して二歩前に進む。体を起こそうとする強盗に銃口を向ける。

 

撃ち砕く。右肩が脱臼する。銃口は再び跳ね上がる。弾丸は額に命中していた。

 

強盗は声を上げることもなく、床に倒れた・・・。

 

「お母さん」を見る。守ったはずなのに、向けられたのは恐怖であった。

 

私の右手、そこには拳銃と・・・赤黒い返り血が・・・・・・。

 

 

 

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「っ!」

 

目が覚めた。無意識に自分の右手を見る。そこには赤黒い・・・。

 

目を瞑り頭を振る。そんなことになるようなことを自分はやってないのだから。

 

右手はただ脂汗に濡れているだけだった。

 

「あの夢は多分・・・あの時の詩乃の・・・?」

 

ただ分からない。僕はあの場にいたわけじゃない。

 

僕は噂を聞いて銀行に走り、泣き叫んでいた詩乃を抱きしめただけなんだから。

 

その時に詩乃と約束した。いつでも彼女の味方でいると。

 

「あるいは・・・僕の悪夢に重ねたのか・・・?」

 

きっとそうだろう。ただ、そうだとしてポリゴンではなく血だったのか。

 

まあいい。それはどうせ夢だ。大切なのはもう一度同じ事があっても僕が守ることだ。

 

 

 

「ふあぁ・・・」

 

通学路、詩乃は大きくあくびしていた。

 

「眠れなかったの?」

 

「ええ、少し・・・嫌な夢を見てね」

 

そう、と簡単に返す。詩乃の見た悪夢には詮索しない。いつも通りのことだ。

 

「まあ受験は合格したんだから少し気を抜いたって罰は当たらないって」

 

本命であった都立高校も問題なく受かって、今現在は余裕がある。

 

「・・・満留? 少し聞いてもいいかしら?」

 

「ん? 別に僕に答えられることならいいけど・・・」

 

詩乃は少し考えて・・・それから口を開く。

 

「SAOで死んだら現実でも死ぬ・・・。そんな中で人を殺した人はいるの?」

 

「・・・なんでそんなこと聞くの?」

 

素直に話すつもりはならない。故にまずはそれを聞くことにした。

 

「別に深い意味はないのよ・・・。嫌な記憶を思い出させたなら謝るわ」

 

「・・・別に嫌な記憶があるわけじゃない。そんなことはなかったから、ね」

 

嘘をつく。これは詩乃が知る必要がない事だ。どうせ掘り返されることのない事だから。

 

「・・・そう。そうならよかった」

 

なにが、と問う。詩乃は何でもないと答える。少しうれしそうではあった。

 

「しかし・・・やっと卒業式か。この面倒な学校ともおさらばできるわけだ」

 

「あんたは学校に来てすぐさま喧嘩を起こしたわね・・・」

 

「あはは・・・黙っているままでいるわけにはいかないからね」

 

あの時は結局先生に取り押さえられて両者痛み分けで終わったが、

まあそれ以上の事がされなかったので目的は達したと言っても間違いないだろう。

 

「あんたはなんで些細なことでも毎回手を出すのよ?」

 

「別に・・・放置するのが一番調子に乗るなら叩き潰すしかないって判断しただけ」

 

そう、彼女を傷つけるなら打ち砕く。それを実行する僕を邪魔するものも同じくだ。

 

「まあ満留のお陰で助かったことも少なくないけど・・・」

 

そう思ってくれてるなら有り難い。自分でもやり過ぎることがあるのは自覚している。

 

なんとかは盲目・・・とか言う奴だろうか? 誰が言ったのやら、的を射ている。

 

 

 

そうして卒業式は終わる。これでようやく終わる。詩乃を傷つける愚者から離せる。

 

「詩乃、帰るよ」

 

今日は僕らのために、僕と詩乃の家族がパーティーを開いてくれる。

 

ここにいるのもいい気分はしないのだから問題はないだろう。

 

「あ、ちょっと・・・」

 

詩乃はそう言いつつ僕についてくる。

 

僕の力は詩乃を守るためだけのもの。だから嗅覚は捉えていた。敵と、金属の臭い。

 

「少し回り道しよう」

 

その一言、普通ならなんてこともない一言。だが僕たちの中では違う。

 

厄介者がいるから避けるという意味を持つ。詩乃もその意味を知っている。

 

「分かったわ」

 

だから詩乃もシンプルに答えてついてくる。

 

しかし今回はしつこく場所を変えて待ち伏せされている。

 

「・・・だめだ、これは正面から撃退するしかなさそう」

 

「あんた、和解という選択肢はないの?」

 

「こんだけ害意の臭いがしてたら・・・まぁ和解は無理だね」

 

俺だって和解の余地があるならそれなりに対応は変えるつもりだ。

 

まあ、大体嗅覚が告げてくるのは本当に危険な臭いなので毎回撃退になるわけだが。

 

「大丈夫、僕も結構やれるんだよ?」

 

「やっとやる気になったのかぁ?」

 

出てきたのは戻ってきた僕に最初に手を出したクラスメートだった。

 

「カッターナイフまで持って何の用?」

 

普段こういう奴と話すときは機械的な言い方になるが、今回はそうは行かない。

 

あれはある意味自分が本気で対峙する必要ないと判断からの対応だ。

 

自分で対応してないと思えば、後で気楽に忘れることが可能だ。

 

流石に刃物を持たれては、気楽に対応することは不可能だ。

 

「四季、お前がストレス発散させてくれねぇから勉強捗らなくてよぉ・・・。

 お陰で受験にも落ちちまってよぉ・・・この先の人生真っ暗だ・・・」

 

「知ったこっちゃないですね。玩具にされる側にもなってみろって話です。

 君等が色々やってくるお陰で僕たちはいい思い出がないもんだからね」

 

まあ俺の場合大半はSAOにいたわけだが・・・。

 

「それで逆恨みで殺害するつもりですか? 本当にくだらない」

 

ため息をつく。本当にこういうのはくだらない。

 

「うるせぇ! お前はとっとと死んじまえ!」

 

「現実逃避は僕だってしたさ。だけど、どこかで戦うしか行けないところがある。

 それまで戦うことできなくなるようになったら行けないんだ」

 

ナイフを持って斬りかかってくる。人通りのないこの道では止める者はいない。

 

ナイフが顔に向かって振られる。詩乃が僕名前を呼んだ気がするが、その声は遠い。

 

感覚は二年前の、SAOにログインする前の自分か、あるいはそれ以上だった。

 

身体を僅かにずらしてナイフを交わす。左手で相手に裏拳を打つ。

 

ナイフが手から離れ、宙に浮く。それを右手で握り、背後に周り相手の体を左手で拘束。

 

剣は苦手だが、短剣に近いナイフならまあ何とかなるか。

 

右手で握ったナイフで相手の頸動脈を切り裂k・・・。

 

「やめなさい満留!」

 

右手が止まる。それは今の僕が唯一止められる声だった。

 

「詩乃はいいの? こいつは僕らのことを玩具としか見てないみたいだけど?」

 

「あんたはそれをしちゃダメ。だからやめなさい」

 

僕は既にそれをしていることは言えなかった。ただ・・・。

 

「分かった。詩乃がそう言うなら」

 

拘束も解除してナイフも手から落とす。詩乃がやる必要がないというならしない。

 

「さて、邪魔者の排除は終了したから帰ろうか」

 

雰囲気を普通に戻してにこりと笑う。回り道されただけで家はすぐそこだ。

 

 

 

詩乃side

 

(・・・さっきの満留、明らかに本気で殺しにかかってた。)

 

それは間違いなく言えることだった。最小限の動きで最短で命を奪いに・・・。

 

ナイフに物怖じすることなく、殺されかけたから殺すとシンプルに動いていた。

 

(SAOにいた二年間でなにがあんたを変えたの?)

 

あいつは殺してないと言っていた。殺すプレイヤーもいなかったとも。

 

だが、今日見た夢はあいつが他の人間に拳を振るっていた。

 

所詮夢だ。知っていることでもないからなんで見たのかもわからない。

 

ただ、『胡蝶の夢』と言う言葉がある。

 

言ってしまうと自分が蝶の夢を見てるのか、蝶が自分の夢を見ているのかどっちなのか。

 

だとすれば、それは満留のSOSか何かかもしれない・・・。

 

考えても仕方ない。私は満留を信じることしかできないのだから。

 

ただ・・・あの時迷いなく動いていた満留を・・・頼もしいと思ってしまった。

 

(はぁ・・・私も案外単純なのかもね・・・)

 




ゼロ君の容姿を書いてなかったので記載しておきますね。


身長171cm
容姿は文〇トの国木田さんマイナスメガネと言った感じで想像してます。

超感覚は特に嗅覚が敏感で、害意の発見などは主に嗅覚で行っています。
次に聴覚で、具体的な位置などは服ずれなどの音から得ています。
視覚は細かい動作を逃さない観察眼はありますが、視力が人以上と言うことはないです。
味覚は前に言った通り敏感でスナック菓子やらは特に無理です。何故か和菓子は好き。
触覚もそれなりに敏感ですが、予測できる痛みはむしろ痛みを感じません。

ざっとこんな感じですね。質問があれば感想にでもどうぞ。
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