電子の世界を駆けるピーキーな少年(仮)   作:fallere

19 / 25
本当に辛いと文章を思い描く気力も出ないんだなと・・・。

ま~じで投稿遅れてごめんなさいと。

ゆっくりではありますが再開していきます・・・。



少年は再び拳士となる。だが一人ではない。

少女も決心した。過去に挑み、前に進む覚悟を。

運命は彼ら彼女らをふさわしき場所に誘う。



GGO編
拳士の再誕 ~始めは隗より~


ここは閲覧室、ここにいるのは詩乃が自分の過去を克服するためだ。

 

詩乃が読んでいるのは『世界の銃器』なるタイトルのグラフ誌だ。

 

写真であればパニック発作を起こさなくなった。≪あの銃≫を除いて。

 

僕がここにいるのは厄介払いというよりいざという時のためだ。

 

一人近づいてきたが、まぁ僕の前で話しかけるような奴はそういない。

 

そう思っていたのだが・・・。

 

「銃、好きなんですか?」

 

詩乃に声をかけたのは小柄な少年だった。

 

詩乃はどう反応したらいいのか悩んでいた。まぁ普通好きでもなけりゃ読まないだろうしな。

 

助け舟を出そうと思ったのだがそれより先に少年は曖昧な返事を了承と判断したらしい。

 

彼は次々に銃に関する知識を話し始めた。正直止めるタイミングを逃した。

 

「それで色んな銃が出てる≪GGO(ガンゲイル・オンライン)≫っていうゲームがあって・・・」

 

≪GGO≫恐らくは≪SAO≫と同じくVRMMOゲームだろう。

 

聞けば剣や魔法はなく、銃だけがあるようだ。

 

詩乃は気を使ってか、VRMMOの話はしない。別に話すようなこともないが。

 

だが盲点だった。確かに仮想世界なら詩乃のリハビリに使えるかもしれない。

 

少年は熱心に進めてきたが、流石に止めに入っていったん保留にしてもらった。

 

少年の名は『新川 恭二』、どうやら同じクラスの人だったらしい。

 

 

 

家に帰って、詩乃に聞いてみた。

 

「どうする? GGOやってみる?」

 

「なんでそうなるよ?」

 

「詩乃のリハビリには最適かなって」

 

詩乃は少し悩んだ表情を見せる。

 

「あんたは大丈夫なの? 2年も閉じ込められてたんでしょ?」

 

「調べたんだが今使われているフルダイブマシン≪アミュスフィア≫は、

 ナーヴギアと違って多くの安全装置に加えリアルから電源を切る手段もあるらしい。

 GGOも今人気のゲームらしいから問題はないと思う」

 

一応、空いている時間にスマホなどで情報は収集しておいた。

 

「そうじゃなくて・・・満留はこういうゲームが憎くないの?」

 

「僕が憎んでいるのは茅場晶彦であってゲーム自体、引いてはSAOも憎んでいないよ」

 

SAO自体には感謝している点もある。それを聞いて詩乃は再び悩んで・・・。

 

「分かったわ、やってみる。でも満留、あんたも一緒にやるのよ?」

 

「当然、詩乃がやるなら僕もやるつもりだったからね」

 

明日プレイに必須な機器を買いに行くことを決め、ガイド役を新川君に頼むことにした。

 

 

=======================================

 

 

「ということなのだけど新川君、ガイド役を頼んでいいか?」

 

「四季君だったけ? うん、一緒にプレイできる仲間が増えるのは嬉しいよ!」

 

と、あっさり承諾してもらえた。軽く事情も話しておいた。

 

新川君はそれなりに上手いらしいのでそういうガイド役に恵まれたのはありがたい。

 

入る時間も知らせておいて、向こうで合流できるようにしておいた。

 

「確かここらへんだとこの店が一番安いはずだよ」

 

昨日のうちに購入店も決めていた。なるべく仕送りを削りたくないからだ。

 

ちゃちゃっと購入を済ませて家に帰った。

 

「詩乃、始め方は分かる? 心配なら教えるけど?」

 

「それくらい説明書読んだから分かるわよ。もうすぐ時間だし始めましょう」

 

僕は自分の部屋に戻って、ラフな格好に着替えた。

 

そして、再び仮想世界の門を開く合言葉を放つ。

 

「リンクスタート」

 

世界が遠くなる感じ、アミュスフィアが自分の各種データを読み取り個人設定完了。

 

プレイするソフトにGGOを設定、ログイン開始。

 

アバターはランダムに設定される。後は名前の設定。

 

迷わずに≪ゼロ≫と打ち込んだ。これがこっちでの僕の名前だ。

 

 

 

目の前に光があふれ、消えた時にはどこか殺風景な赤い空の世界に降り立った。

 

「なるほど・・・環境が破壊された世界とは聞いていたが」

 

すると隣に同じような光が発せられ、そこには詩乃によく似た少女が現れた。

 

「詩乃で間違いないよね?」

 

「そういうあんたは満留よね? リアルとほとんど同じじゃない・・・」

 

そう言われガラスを見てみると、確かにむしろ違いを探すほうが難しい自分がいた。

 

「えーと・・・君が朝田さんで君が四季君かな?」

 

銀灰色の髪に高めの身長、スリムな体に鋭い顔立ち。その容姿は聞いていた。

 

「シュピーゲルだな? 悪いけどしばらくガイドを頼む」

 

「うん、よろしくね! えーと、シノンとゼロ!」

 

シュピーゲルは先ずこの拠点、≪SBCグロッケン≫の町を紹介してくれた。

 

SAOとは違うメタリックな高層建築群がそびえている。道も土や石ではなく鉄でできていた。

 

プレイヤー比率は圧倒的に男性が多い。また多くのプレイヤーが肩や腰に銃を下げていた。

 

道行く中で色々とこのゲームの世界観を理解した。

 

装飾要素もない殺害を目的とした武器である銃器。

 

だからこの世界に存在するのは≪戦い、殺し、奪う≫という先鋭された目的だけだ。

 

「ここがこの街で一番大きいマーケットだよ。取り敢えず武器を買おうと思うんだけど・・・」

 

所持金を確認してみると、僅か1000クレジットしかなかった。

 

「それじゃあ買えるのは小型のレイガンくらいだね・・・。

 お金貸してもいいけど・・・」

 

あまり借りるのは気が引けるが、それ以外の方法は・・・。

 

「確かこのゲームにはギャンブルがあるはずだよな? PSやステ重視の」

 

「あるにはあるけど・・・あれはお金余ってるときに無茶覚悟でやったほうがいいよ?」

 

とりあえずいくつか紹介してもらったのだが・・・。

 

「この≪Escape!≫というのはどういう設定なんだ?」

 

他のゲームはプレイ場がそばにあるが、このゲームだけは転送ゲートしかない。

 

「このゲームは平野から森まで逃げ切るゲームだよ。

 一応岩とか木とか多少の障害物はあるけど、相手は重機関銃ぶっ放すから正直無理ゲー。

 持ち込み可能アイテムでナイフが設定されてるけど使用用途もわからないしね」

 

木を切るには余裕はなさすぎるということだろう。だがもしかしたら・・・。

 

「よし、やろう」

 

「ゼロ、正気? 正直私もいくらあんたでも無理と思うわよ」

 

「勝算はある。一回500クレだろ? 一度で無理なら諦める」

 

キャッシャーに右手を添えると待機場所に転送された。

 

 

 

刃渡りの短いナイフを二本レンタルして逆手に持つ。

 

その後軽くジャンプとダッシュをしてみる。

 

「グリップにやや不安があるけど・・・そこは何とか補うか」

 

カウントが始まると再び転送。初期位置は岩の影、先ずは近くの木の影までいかねば。

 

スタートと同時に走り出す。矢張りSAO時に比べると遅すぎる。

 

初期ステだから仕方ないが。スキルには既に疾走と軽業を設定済み。

 

これならば・・・やれるはずだ。

 

走る足の跳躍角度を調整・・・ここだ。

 

それまでよりかなり加速した。

 

だが、相手の獲物は機関銃である。無数の赤い線≪弾道予測線≫が突き刺さる。

 

このままだと確実に死ぬ。両手のナイフで線の導きに沿う弾丸を切り落とす。

 

すると銃弾はまるで豆腐のように綺麗に切り裂かれた。

 

その切られた弾丸に当たってもダメージは0であった。

 

まして高速で動いているので弾がばらけるのも助かる。

 

取り敢えず木の影までの移動は成功した。

 

「はぁ・・・はぁ・・・」

 

思っていたより最高速が低い。狙いは成功したが、これをあと数度繰り返さないといけない。

 

「だけどSAOと変わらないところもちゃんとある」

 

それは視線。SAOで遠距離攻撃を仕掛けるモンスターは全て視線の先が狙いだった。

 

攻撃のばらけが多いが、それは一瞬の予測線で判断しよう。

 

再び走り出す。次の目標は左にある木・・・ではなく、恐らくその次として設計されている僅かに左先の岩である。

 

ほとんど直線ゆえに弾のばらけはあまり期待できない。

 

だがこのゲームの敵は進行してこない。進めば進むほどばらけは大きくなる。

 

可能な限り木を陰にして走り、そこから弾を切り落としながら走り抜ける。

 

・・・何とかそういった視線切りなどを駆使して最後の影までたどり着いた。

 

後は森まで走り抜けるだけなのだが・・・。

 

いつの間にやら重機関銃を構えていた男は両手に構えていた。

 

離れれば離れるほど有利なるゲーム。だが、こういったギミックも仕込まれている。

 

というか普通両手で重機関銃を打つなんて無理だろう・・・。

 

それでもやるしかない。全速力で突き進む。

 

弾の精度も心なしか上がっている気がする。

 

それでもあと少しまで来たのだが、突如としれ弾幕がやんだ。

 

同時に悪寒がして、森の直前で高く上に飛んだ。

 

後ろからは「Burn it!」と聞こえた気がする。するとゴール直前の地面が爆発した。

 

もし飛ばなければ爆発に巻き込まれていただろう。

 

斯くして報酬としてキャリーオーバーしていた分の50万クレジットを入手した。

 

どうにも始めの方を攻略できればと多くの人が参加したらしい。

 

すると光に包まれて、ショップに転送させられた。

 

「ちょっとあんた・・・何したのよ!?」

 

即刻シノンに事情聴取された。

 

「別に見た通りのことをしただけなんだがなぁ・・・」

 

「シュピーゲルが言ってたわよ。あれは初期ステータスの速さじゃないって」

 

「疾走スキルと軽業スキルがちょうど両方発動する角度があったからそれでブーストした」

 

「・・・じゃあどうやってあの弾丸を切ったのよ。

 予測線? を見てから邪魔に合わないらしいのだけど?」

 

「相手の視線から弾道を予測した。目のあるモンスターやnpcは視線の先に攻撃する。

 後は一瞬の予測線から弾道を推測してそこにナイフを当てただけ」

 

シノンとその後ろにいるシュピーゲルはただ黙っていた。

 

「・・・じゃあ最後の爆弾はどうしたのよ?」

 

「直感としか言いようがない。弾幕が止まったのと恐ろしいほどの悪寒だった」

 

直感は案外馬鹿にならない。少なくともSAOでも何度か助けられた。

 

二人は呆れたようにため息をつく。

 

「とりあえず資金は整った。武器を見て回るとしよう」

 

仮想世界だとどうしても口調もいくらかかわってしまう。

 

まぁ対して気にされなかったが。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。