辛いのは一緒にやる友人がいないことだけ!
この果実の味を知ってしまったらもう戻れない!
はい、誤魔化してごめんなさい。投稿遅れて申し訳ありません。
で、でもそんなときのための不定期投稿タグだからね? 問題ないよ・・・ね?
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守る者は測る。拳士の業か或いは価値か。
己の目的に利用できるか、利用に際するリスクは如何ほどか。
拳士もまた測る。守る者は信用に足るか否か。
その裏に何があるのか、潜在する危険を把握できなければ守れないのだから。
現在は試射が終わり、町の喫茶(というほど上品ではない)で休憩していた。
「何というか・・・」
「言うな・・・」
「狙撃手としては冗談と思いたいわね・・・」
「・・・・・・」
ゼロはシュピーゲルの言葉を遮ったが、シノンがその続きを言われる。
彼自身でも理解している。SAOでも投剣しか使えなかったと言ったのと同じ反応だ。
「自分でも訳が分からない・・・。まぁ使えたのは僥倖か・・・」
言うまでもなくGGOは銃の世界だ。ゼロだって普通に銃の距離で戦ってみたい。
「ていうか、本当に長距離でしか当たらないんだね・・・」
「それは私も意外ね・・・。何というかピーキー?ってやつよね・・・」
現実を坦々と突き付けられているが、ゼロ自身は経験済みのため多くを言わない。
半ば愚痴となってきた二人の言葉を聞き流しながら、彼は冷静に今後のことを考えた。
(一先ずはようやく銃を銃らしく使えそうだな。
まぁ狙撃はシノンの仕事だから時間があるときに練習してみるか。
バレットも使われないままというのも癪だろうしな。)
「そう言えば、もうすぐ『BoB』だね」
GGO最大の大会『BoB』・・・『バレット・オブ・バレッツ』。
本戦に出る30人を選定するトーナメント式の予選。
そして広大なフィールドでのバトルロイヤル式の本戦からなる。
「シノンとゼロは出場するの?」
「ええ、勿論よ」「まぁ、当然だな」
二人の目標は強くなることであり、そこに迷いはなかった。
「即答だね・・・」
呆れるように答えるシュピーゲルに、二人は同じ質問を返す。
「僕ももちろん出るよ。今回からはアメリカサーバーとは別で開催されるみたいだし」
今回のは第二回、前回の第一回はアメリカサーバーと合同で、
優勝者はアメリカのプレイヤーで拳銃と体術から、銃などを奪って優勝したのだ。
「あれは分が悪い。精鋭軍人か何かだと思うぞ・・・。
映像を見たが、動きがまず他者と違う。それだけじゃなくて・・・」
ゼロはそこで口を塞ぎ、思考する。
(高い仮想世界適正・・・だがそれは一朝一夕で身につくものじゃないぞ。
SAOみたいに長期間のフルダイブか或いはあの人みたいに天性の才か・・。
或いは、あれはそういう人間を作るのが目的なのか?
いや、茅場の目的は悪魔でアインクラッドを完成させることのはず。
僕も最終的には高い仮想世界適正を得た。過剰適正者と言っても良いくらいに。
そんな怪物がポンポンいても困るんだが・・・。)
「えーと、どうかしたの?」
「ん、いや、少し考え事だ」
シュピーゲルに言われてゼロは思考を放棄した。
他人の事も理解できないのに、天才など呼ばれる茅場の思考を理解できるはずもない。
「何、埒のあかない事だ。考えるだけ無駄だろうしな」
主目的ではなくとも副題としてあったかもしれないと割り切った。
「兎も角として、あれが出なければ白熱した試合になると思うぞ」
そこでアラームがなった。それはシノンも同じだったようだ。
「シノン、戻るぞ」
「ええ。じゃあね、シュピーゲル」
ゼロも一言かけてログアウトした。
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「ごちそうさま」
「お些末様」
前準備が終わっていたため、直ぐに完成した晩御飯を食べ終えていた。
「そう言えば明日、何かあるんじゃなかったかしら?」
「ああ、カウンセリングあったね」
SAO
確かに二年ものブランクを押しのけてる満留の方が異常だろう。
まぁ彼が勉強をしていたのは、こういう状態を見越していたのもある。
SAOの内情から帰還者学校があるならそこは牢獄代わりだと予想していた。
結局は月一でカウンセリングを架せられているが、幾分ましだと割り切っている。
「まぁ世間の目と比べたら月一のカウンセリングで済んでるだけマシでしょ?」
「それは事実だけどね。世間の目は犯罪者予備軍だから」
少なくとも学校内の満留に向けられる視線はそれだ。
あまり好きではない学校のことを考えるのは中断した。
そこからは雑談して、満留は部屋に戻る。勉強なりゲームなりして寝るのだろう。
「やぁ、ゼロ君もとい満r」
病院のカウンセリングルーム入ろうとして開けた扉を、声を聞いて即閉めた。
幻聴と信じて満留は再び扉を開ける。そこにいたのは眼鏡の男。
「菊岡さん、来るなら一言位連絡がほしかったのですが・・・」
「だからって見た瞬間扉を閉めるのは礼儀としてどうかと思うよ?」
単刀直入に言うと満留はこの男、菊岡誠二郎が苦手だ。
例えるなら狸。話してるだけで胡散臭い。その癖、嘘を見抜くのも難しい。
見抜けないことはない。だが満留は見抜けるのが普通であるため気が滅入るのだ。
「わざわざ来て何の用ですか?」
「いや、君は頑なに元の仲間に個人情報を漏らさないから伝言にね」
(嫌われ者のゼロの個人情報をほしがる輩なんていないだろうに・・・。
幾つかのオレンジとかはリアルで手を出されそうだし、
まぁ銃でも持ち出されない限り大丈夫だと思うけど・・・)
「大東区御徒町の《
主催者はキリト君、お店はエギルさんが提供してくれるそうだ。
キリト君が是非君にも来てほしいと言ってるから伝えに来たんだけど・・・」
「行きませんよ。あ、今回のカウンセリングはペーパーテストなんですね」
菊岡はサラッと返された挙句スルーされたこと唖然としている。
「満留君・・・君はもう少し人間関係を気にした方がいいと思うんだけど」
「別に最低限の人間関係があれば十分なので」
「ねぇ、それ本当に君の本心で書いてる?」
「当然ですよ」
平気で嘘をつく。満留も何だかんだで嘘はつきなれている。
「僕、化かし合いは苦手なんだけどなぁ・・・」
「狸がよく言いますね。息するように嘘つかれては警戒せざるを得ませんから。
第一、カウンセリングの場に入れる時点で嫌な臭いしかしないのですか・・・?」
満留は訝しむ視線をカウンセラーと菊岡に向ける。
「ねぇ? 安岐ナツキ先生、菊岡誠二郎仮想空間管理課職員?
仮に貴方達がこの病院或いは政府で権力があったとしても、
それが片方の力だと職権乱用も過ぎると思うんですよ、ね?」
冷たい笑み。グルというのは察しをつけていて反応で関係を明かすつもりだ。
「・・・はぁ。なに、ただの昔馴染みだ」
安岐はぼろを出さないためか、頷くだけにとどめていた。
「・・・そういうことにしておきます」
(それ以上ということは分かったけど、詳細は分からずか。
まぁ今後も警戒は解除せずにいるべきか)
「とは言え気にかけられるのは理解してます。
イエローやレッドでもないのにSAOでも恐れられたプレイヤー。
加えて現実でも時折暴力沙汰を起こす
寧ろ貴方が気にかけないほうがおかしいんでしょうね」
「いや、SAOの件はよく分からないが君の起こす問題は全部正当防衛だ。
たまに過剰防衛なことはあるけど、そこら辺は心配していないよ」
じゃあ何故気に掛けるのかと、新たな疑惑の目を向ける。
「単純に僕が君に好奇心を抱いているだけだよ」
「寒気がするので帰ります。安岐先生もこのプリントに問題ないでしょう?」
満留は早足にカウンセリングルームを後にする。
一瞬感じた恐怖から逃げるように、何かしらの値が減る前にと。
「ねぇ、菊岡さん? もしかして貴方そっちの・・・」
「失敬な。このままだと色々見透かされそうな予感がしたから追い払っただけだよ。
彼は如何せん勘が鋭すぎる。我々の真実までかぎまわられては面倒だ。
幸か不幸か、私はそう簡単に見破られることはないみたいだしね」
化かし合いは一先ず菊岡の勝利で終わる。
但し、今後満留が彼に対し会うのを渋るのは火を見るよりも明らかであった。