電子の世界を駆けるピーキーな少年(仮)   作:fallere

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はい、すいませんでした。

言い訳するとメンタルダメージが色々ありました。

やっぱりね、精神状態の安定化って難しいね()

さぁ張り切っていくぞ!

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進め、進め。振るう拳/握る銃に迷いを込めるな。

己の強さを証明するため、或いは過去を振り切るため。

例えまだ届かずとも、全てを自分の糧にするために。



拳士は挑む ~天の時で地の利を勝る~

「チッ! さすがに相手が悪いか!」

 

荒々しくゼロが舌打ちする。

 

周囲は木々に囲まれており、三次元戦が得意なゼロにとって最高のフィールドである。

 

ただそれは、相手にとっても同義であった。

 

AGI(敏捷性)型最先鋒、侮ってたつもりはないが・・・!」

 

ゼロが苦戦する程の相手、名は闇風。GGO最古参にしてAGI型最強と言われるプレイヤーだ。

 

未だに拳を振るってないが、それはこの戦いのルールにあった。

 

BoB・・・≪バレット・オブ・バレッツ≫の本戦であった。

 

 

 

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「二人ともすごいね・・・」

 

シュピーゲルの声に覇気はない。

 

BoBの予選、いつもの三人で本戦入り出来なかったのは彼だけだった為だろう。

 

「流石に分が悪かったな。闇風相手じゃ仕方ない。

 同じ型となるとどうしても地力が問われる。悔しいだろうが闇風が上だったな」

 

シュピーゲルは今、最強と言われているAGI型のステータス配分だが、

同時に同じ型の相手もいるし、そうなればPSなどでの勝負になる。

 

何よりもシュピーゲルにとって不運だったのは、

三回戦という早い段階で闇風と当たってしまった事だろう。

 

「二人はそういう事はなさそうだよね・・・。

 シノンはアンチマテリアルライフルを持つ数少ないスナイパー。

 ゼロは・・・うん、ちょっと特殊で個性的な戦闘技術を持ってる」

 

「オブラートに包む必要はない。GGO(ここ)でこんな偏った戦いする奴が俺以外にいない。

 寧ろいるなら会ってみたいくらいだ」

 

いたところで負けるつもりはない。それは自負してる。

まぁ、前BoBの優勝者の一人は微妙なところだが。

 

「逆にこう言う特殊な型や型が違う場合は相性と状況に大きく左右される。

 シノンは気づかれない状態、一定以上の距離があればほぼ最強だ。

 俺も接近技術があるからこちらが認識している、広範囲に攻撃不可なら詰められる。

 俺たちはこういう状況を用意できないならほぼ負ける」

 

「何だか僕はこのままでいいような気がしてきた・・・」

 

シノンは「でしょうね」とシュピーゲルに返した。

 

「無論だからといって他の奴らに負けるつもりはない」

 

負けてはならない。彼女を守るなら最強でなければならない。

それだけの自信もあるし、負けるつもりもない。

 

 

 

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そう、負けるつもりはないのだ。

だが同時に、戦況での有利不利を理解できる感覚を持っていた。

 

現状は完全に不利だった。

 

(クソッ、見られてさえなければ自由に拳を振るえるのに・・・!)

 

彼の拳は切り札であって、この世界では奇策だ。

 

高速機動、三次元ブースト。これらは見せてもいい。ほかのプレイヤーも可能だ。

 

だが拳だけは他のプレイヤーにはない最大の武器だ。

 

だからこそ多くのプレイヤーが見ている中、拳を使うのは避けたい。

 

とは言え切らなければ苦戦は必至である。

 

(煙幕で逃げるか? いや、逃がさせてくれるはずはないか)

 

そう考えつつ、スモークグレネードで煙幕を張る。

 

ここでバレットラインを発生させないのは純粋に闇風のプレイヤーセンスだ。

 

だが《索敵》には僅かだが煙幕を見通せる。加えて《聞き耳》による聴覚での索敵。

更に《隠蔽》で姿と足音に気づかせない。

 

現時点で可能な限りの対策を打った。

 

勝てるかといえば5分だろう。だが負けれない。

 

(負けないことを証明できたなら・・・誰よりも強くなれたなら・・・

 俺は自分の罪を詩乃に伝えられるはず・・・。赦しを乞うつもりはない。

 それは背負っていくべきものだ。

 

 只々、情けない。詩乃に嘘をつき続ける事が、それを明かせない自分の弱さが)

 

彼にとってはこんなものを隠しているのは対等な関係じゃないのだ。

 

だからこそ、強さを証明するために・・・。

 

 

 

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(初撃失敗⁉ 早く撤退しないと!)

 

一方でシノンの敵は今流行りつつあるSTR(筋力)VIT(体力)型最先鋒、

闇風と同じく最古参のプレイヤー、ゼクシードであった。

 

武器にも左右されるが、STRで高性能な装備を背負いVIT差でごり押す。

 

AGIはSTRでの補強と、武器の射程で補う。雑に言えば正面戦闘最強である。

 

対するシノンは狙撃でヘッドショットによる一撃必殺を狙っていた。

 

へカートは持ってきていないが、狙撃手として外すつもりはなかった。

 

しかし第一射は外れてしまい、逆に存在と座標を教えてしまった。

 

(近・中距離戦はこちらの不利。AGIは上回ってるはずだけど・・・)

 

追撃を警戒してゼクシードが動かないことにかけて疾走する。

 

狙撃手は発砲音で特定された位置から逃げるためAGIにある程度振っている。

 

シノンも当然AGIに振っており、距離を詰められることはないだろう。

 

ここはひとまず逃げ切る。こんなところでは負けられない。

 

(負けないことを証明できたなら・・・勝ち続けることができたなら・・・

 私は満留との甘んじている関係を変れるはず・・・。今の関係が嫌な訳じゃない。

 でも今よりももっと満留の支えになりたい。

 

 只々、情けない。満留の隣りにいられない事が、一方的に守られてる自分の弱さが)

 

彼女にとってはどれだけやっても満留が傷つく以上対等な関係ではないのだ。

 

だからこそ、強さを証明するために・・・。

 

 

 

((負けるわけにはいかない‼))

 

 

 

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「え、えっと・・・二人とも本線に出られただけすごいと思うよ?」

 

シュピーゲルは俺たちを励まそうとするが、机に突っ伏している俺達には聞こえない。

 

「負けた・・・視覚外からの射撃で・・・」

「負けた・・・純粋に背後から撃たれた・・・」

 

ゼロは闇風のサーモグラフィを予想していなかった。

シノンはゼクシードが突っ込むとは思いもしなかった。

 

「「こんな簡単な手段に負けるなんて・・・」」

 

「いや、多分運が無かったんだよ。

 AGI型の闇風が重量が嵩むサーモグラフィを持ってくるとは普通予想しないし、

 ゼクシードだって、普通なら警戒して暫くは動かないって考えてもおかしく・・・」

 

「「運で負ける強さは要らない‼」」

 

俺とシノンの怒声が重なる。シュピーゲルはビクッと後ずさった。

 

「あ、すまん・・・。どうにも気が立ってる。ログアウトする」

 

そう言うとゼロはログアウトして姿を消した。

 

「ごめんなさい・・・。私もログアウトするわ」

 

続いてシノンも姿を消す。

 

「あ、アハハ・・・、何か僕だけ置いていかれてるな・・・」

 

シュピーゲルも残る意味はないとしてログアウトした。

 

 

 

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満留は自室のベットのうえで目覚める。

 

「クソッ!」

 

シュピーゲルの言った事には違いない。

 

だが、予想外一つで何もできなくなるわけにはいかない。

 

運で負けるなら、詩乃を守り続けるなんて話にならない。

 

彼女に危険が及ばなくなった上で、認めてもらえねば・・・。

 

(違う、恐れられるのが怖いんだ)

 

自覚している。理由を付けて嘘をつき続けている。無意味な時間稼ぎをしている。

 

詩乃は僕が『殺していない』と言って喜んだ。

 

きっと『殺した』と言えば嫌われる。それは嫌だ。

 

だけど詩乃に嘘をつくのも辛い。堂々巡りだ。

 

(情けない。何がSAO最巧の拳士だ。そんな肩書、何の役にも立たない・・・)

 

只々、自虐だけが積みあがっていく。

 

(告白しよう。次のBoBでどうなろうと罪も想いも・・・。

 当然、絶対に優勝する。もう絶対に負けはしない・・・‼)

 

満留は決意を新たに固め、次の闘いに備えるのであった。

 

 




The next story・・・

「満留を支えられるくらい強くなる」
・・・・・・
「少々厄介なことがあってね・・・」
・・・・・・
「おっ、久しぶりだな! ゼロ!」
・・・・・・
「名前を騙った偽物か・・・或いは本物なら・・・」
・・・・・・
「吹っ切れた、どちらにしろ俺たちの敵なら打ち砕くッ‼」
・・・・・・



次回よりデスガン編!近日公開!
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