だってゼロ君、興味ないもん。
ゼロ君の目には何が映っているのでしょうか?
ゼロ君の目にはどう映っているのでしょうか?
今回はそう言うお話。
75層迷宮区、フィールドボスはすぐさま倒されたが迷宮区はそうはいかない。
話しに聞く限りだと今日この層の主街区でキリトさんと、
血盟騎士団、通称KoBの団長ヒースクリフが決闘をするそうな。
対して興味は無いので僕は攻略しているわけだが、他の人はそうではないだろう。
このアインクラッドの攻略組において《サイコウ》と呼ばれるのは三人だけ。
《最攻》の、攻略組随一の攻撃力を誇るキリトさん。
《最巧》の、攻略組随一のプレイヤースキルを持つと言われるこの僕ゼロ。
最後が《最硬》、攻略組随一の防御力を誇る聖騎士ヒースクリフ。
以上三名が、とある情報屋が調べた情報から広まった《最高》なのだが・・・。
「自分の場違い感が物凄い・・・」
他の二人は自分の《格闘術》と違い、明らかなユニークスキルを持っているのだ。
先日見たキリトさんの《二刀流》、ヒースクリフの《神聖剣》、
この二つは現在どこにも記述された箇所はなく、間違いなくユニークスキルなのだ。
とは言え、自分に使える得物は投剣とこの拳のみなのだから仕方ない。
なんちゃってでも自分しか使えない現状ならユニークスキルなのだから。
そうやって攻略していると、プレイヤー反応が索敵スキルに引っかかった。
「ん? もしかしてゼロ君?」
青髪の騎士であるディアベルさんだ。
因みに通り名は《鉄壁》。恐らくこの攻略組で二番目の防御力を持っている。
「ディアベルさんですか。ソロなんて珍しいですね」
「今日は皆決闘の方に行ってしまってね。たまには一人でやらないと万が一の時にね。
とは言えここで合ったのも何かの縁だ。パーティーを組ませてもらっていいかな?」
それに了承し、パーティーを組んで現段階の情報を共有する。
ディアベルさんは大手ギルド《聖竜連合》の団長であり、部下からの信頼も厚い。
ディアベルさんの情報は大いに信用できる。
「で、君はキリト君とヒースクリフさん、どっちが勝つと思う?」
進んでいくうちに話しは今日の決闘のことになっていた。
「順当にいけばキリトさんかと。ただ・・・」
そこで口を閉じる。ここから先は誰にも言っていないことで言うつもりもない。
それがディアベルさんでも、言うつもりにはなれない。
「モンスターが来たみたいですね。やりますよ」
ディアベルさんが持ち前の防御スキルで二体を受け持ち、そのうちに一体を仕留める。
合流して残りの二体を仕留めて終わり。三体くらいならこれでどうにかなる。
「しかし、スケルトン系のモンスターが多いですね」
「うん、フィールドボスも骸骨の獣だったし・・・」
今の俺の武器だが、チャクラムの《ネクサスイーター》。
付属品で攻撃属性を斬から打、または突に変更することが可能な珍しい武器。
今はスケルトンに有利な打属性に変更している。
「最後のクウォーターポイントのボス・・・相当強いでしょうね」
「フィールドボスがそこまで強くないのもフロアボスが強いときの特徴だしね」
これは今までの攻略情報から取れた総計で、ほぼ間違いないと言われている。
そして今までのクウォーターポイントでは、
フィールドボスは相応、フロアボスが圧倒的であった。
しかし、今回のフィールドボスは過去のボスと比べてもそこまで強くない。
つまりフロアボスに力が集中されていると見れる。
「もうこんな時間か、俺はもう帰るけどゼロ君はどうする?」
時間は6時、普段ならまだまだ潜り続けるのだが今日は乗り気ではない。
この調子で行くと少しまずいので早く帰ることにした。
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「ゼロ君、君はちゃんと休憩を取ってるのかい?」
「ちゃんと月に2回は丸一日使って休んでますよ」
「・・・それ普通なら足りないんじゃないかな?」
休みたいなど本来は言っていられないのだ。
もうこれ以上攻略が少しでも遅れようものなら彼女が心配すぎて狂ってしまいそうだ。
それでも、この世界でも疲労感はあり睡眠欲や食欲は発生する。
突き詰めた結果、月に2回の休みは必ず必要との判断に至った。
そして、主街区まで戻ってきたところで・・・
「やあゼロ君、ディアベル君も一緒か」
目の前に現れたのは真紅の鎧をまとった聖騎士たるヒースクリフ。
「なんでヒースクリフさんが僕なんかを待っていたんですか?」
「なに、今回の決闘で私はキリト君に勝利しキリト君はKoBに入団した。
折角だから君も誘ってみようと思ってね」
最強ギルドと呼ばれるKoBには俺を嫌うお堅い奴等ばかりなのに?
「ありがたい申し出ですがお断りさせてもらいます」
「ほう・・・一応、出せる限りのものは出すつもりだが?」
「別に自分の値を上げるために断ってるわけじゃないですよ」
「残念だ。自分にそこまで人望がないとは思っていなかったんだが・・・」
人望? よく言ったものだ。少なくとも僕から見ればこの人は信用できない。
「そこまで血盟騎士団・・・あるいは他のギルドに入らない理由も聞こうか」
「ギルドに入らない理由は単純です。その方が効率がいいから。
そしてKoBに入らない理由は・・・あなたのその目が気に入らない」
ディアベルさんは少し驚き、ヒースクリフは首をかしげる。
「あなたの目はまるで安全なところから石を投げてる子供と同じに見える。
だから僕はあなたを信用できない。あなたのギルドに入るなんてもってのほかだ」
「そうか。ならばしょうがない。
キリト君とはアスナ君の脱退をかけて決闘したが、
君に出せるものもないうえそこまで言われては君を率いれるのは無理だろう。
この話は忘れてくれ」
「・・・そうですね、もしも僕がKoBに唯一入る条件があるとすれば、
それはこのゲームが今すぐクリアされることだけです」
「・・・流石にそれは無理だな。
私が君と同じサイコウと呼ばれていても私も一人のプレイヤーなのだから・・・」
そう言うと、ヒースクリフは帰っていった。
「はあ・・・本当にあの人の目は気に入らない」
他人の目には聖騎士や生ける伝説と映っても、僕の目にはそう映らない。
キリトさんが他人には黒ビーターと映っても、僕の目には一人の英雄に映るように。
彼女が他人には人殺しに映っても、僕の目には一人の少女として映るように・・・。
狂っているのは僕の価値観か、それとも周りの価値観か?
それを知る者はきっと、誰一人としていないだろう。
この後はディアベルさんに食事に誘われた後勉強して眠った。
翌日、キリトさんはKoB団員に殺されかけ、それを理由にアスナさんとともKoBを脱退。
その翌日にはフレンドメッセージ欄にアスナさんと結婚したというメッセージが届いた。
はい、本日は短めであります。前回が長かったから多少はね?
《聖竜連合》の団長ですが、原作では表記はなく、
プログレッシブにてリンドが作成したギルド《ドラゴンナイツ・ブリゲード》の直訳が、
《竜騎士旅団》だったので、そこから変貌したという推測と、
ディアベルが生き残ったことによりディアベルが設立したという形にしました。
また《サイコウ》のくだりですが、純粋なステータスだけでなく、
プレイヤースキルも加味した結果で、
そこを踏まえると最攻、最硬に対して最巧はステ的に一歩譲る形になります。
それからアルゴは《最高の情報屋》ですが、
このお話での最高はボスを直接攻略するプレイヤーから選ばれているので枠外です。
まああくまでサイコウもなんかしっくり来たみたいなノリなので、
アスナの閃光なんかも同等クラスですしあまり気にしないでください。
では、今週三本投稿も終えたので、また来週お会いしましょう。