なんでコイツ等楽しんでんの?   作:十六夜やと

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 発熱と共に喘息の発作で数日間咳と吐き気に犯されながら、それでもバイト先の店長代理に「んなの関係ないから出てこい」みたいな感じで社畜してた作者です。あのバイト絶対辞めてやる(`・ω・´)
 そのような事情もあって更新が遅れたことをお詫び申し上げますm(__)m
 古戦場のせいじゃないよ|д゚)

 次回はいつになるかは分かりませんが、テスト期間もあるので少々遅くなるかと思われます。


ソードマスターキリト~誤植編~

 迷宮区にも『安全エリア』というものが存在し、よほどのアホでもない限り、迷宮区探索をするプレイヤーはここで休息を取る。確かに見張り役を交代しながら休憩を挟んだこともあったが、せっかくの安全地帯を利用しない手はない。

 休憩所には俺達しかいないらしく、《天壌無窮》のギルドメンバーは休憩スペースを広々と使いながら、昼飯を囲んで食した。

 そして、迷宮区のマップ埋めとモブから得られる経験値やドロップをメモにまとめている俺をよそに、他の四人はトランプをしながら時間を潰している。情報量が多い上に、これを他ギルドに提出するための書類でもあるため、まだまだ時間はかかるだろう。

 

「これは僕が勝ち申したわー。ゴリラハンドプリキュアだわー」

 

「ハァ? テメェに勝たせるわけねェだろうがよォ。おい、ハッタ、コイツ最優先で潰すぞ」

 

「はいはい、分かりましたから、スペードの3を持ってる人は誰ですか?」

 

「ハートの3ならある」

 

 のんきに大富豪してんじゃねぇよ。

 つかゴリラハンドプリキュアって何なんだよ。語呂が良過ぎるだろ。

 

 ニートが同じ数字のカード4枚を使って行う革命を起こして、クロがそれに革命返しをして、マイペースクソ野郎が発狂した。そんな惨事をBGMに筆を進めていると、どこからか発せられた大きな雄叫びが迷宮区にこだました。

 俺は上を見た後に周囲を見渡す。

 

「……アスナ?」

 

「うっそだろ、とうとう人間辞めたのか」

 

 クロの呟きに不思議な力があるように、俺は何故か納得してしまった。

 そもそも十分ありうる話だから普通に信じるわ。

 

 年頃の女の子に大変失礼な話をしていると、安全エリアから猛ダッシュで飛び込もうとしている二つの影があった。一人は血盟騎士団副団長のアスナさん、もう一人は《イキリト》の異名を持つキリト君だ。どちらかというとアスナさんがキリトの襟首掴んで引きずってる感じだな。

 その光景を見てクロ以外の《天壌無窮》メンバーはビクッと肩を震わせる。

 一瞬俺達の馬鹿話を聞かれたと思ったからだ。

 

「──あ、クロちゃん。こんなところでどうしたの?」

 

「迷宮区で遊んでた。アスナはペットのお散歩?」

 

 HPは減ってないけど引きずられてボロボロになったキリトを横目に、彼女達が迷宮区で猛ダッシュしてきた理由を聞く。とうとう攻略組火力最強をペット呼ばわりか。

 キリトが偶然見つけたラグー・ラビットだかレスキュー・ラビットだか知らんS級レア食材をアスナさんが料理して──アスナさん料理できたのか。アスナさんが半強制的にキリトをパーティに誘って迷宮区に行くこととなり、迷宮区のボス部屋まで行って帰ってきた、と。

 途中で話の断片で出てきた《クラディール》という名前にハッタが反応した。

 

「……あぁ、そういえば彼は《血盟騎士団》に所属してましたね」

 

「彼のこと知ってるの?」

 

「えぇ、SAOロリコン同盟の副会長《鉄血》のクラディールは有名ですからね」

 

 アスナさんの問いにハッタが答える。

 どうも元・ラフ☆コフのメンバーだったらしいのだが、ハッタの洗脳汚染によってロリコンに目覚めたらしく、今ではSAOでも《アインクラッド解放軍》以上の規模を誇る《SAOロリコン同盟》に所属しているらしい。この犯罪者予備軍集団はギルドではなく、有志の集まりだとか何とか。クッソどうでもいい。

 ちなみに会長は目の前の変態紳士。

 

「んで、七十四層のボスは《The Gleam Eyes》……羊の頭をしていた二足歩行の悪魔型モンスター、と。攻撃パターンは? 武器種は? 取り巻きの特徴は?」

 

「見て逃げてきたから分からない」

 

「チキン野郎かよ、胎児からやり直してこい」

 

「《二刀流》の餌食にしたるわ」

 

「ユニークスキルでしかマウント取れんのか?」

 

 HAHAHAと笑い合ってお互いの得物をぶつけ合う黒髪二人を、生暖かい視線で見つめるクロ以外の面子。何回か片手剣と短剣が火花を散らしていると、迷宮区の入り口側の通路から複数の足音が聞こえた。おそらく人数的に六人だと推測する。

 さすがに安全エリアでPVPする姿を見られるわけにはいかないので、即座に武装解除した馬鹿二人(キリトと俺)だが、その六人集団の戦闘を歩く人物を目にして──

 

「──よぉーっす、キリの字とハムタロサァンじゃねぇか」

 

「「………」」

 

「コラっ、いくら見られても大丈夫だからって再戦しないのっ」

 

 別に喧嘩してるところを見られても平気なプレイヤーだったので俺とキリトは再度得物を構え合って、それを血盟騎士団副団長様に喧嘩両成敗される。詳しく描写するなら、アホ二人の頭を軽くたたいただけだ。

 衝撃波を生み、光の速さで頭が地面にめり込んだが。

 

「お、前回の迷宮区のボス攻略以来のクラインサァンじゃーん。元気してた?」

 

「そこの総指揮官と同じような呼び方やめてくんねぇか? 同類だと思われちまうじゃねぇか。……あぁ、お前等が情報を提供してくれてるおかげで生き永らえてるよ」

 

 ニートがケラケラ笑いながらクラインの兄貴に絡み、それをジト目で対応する《風林火山》のギルドマスター。侍みたいな服装をした《風林火山》は基本的に迷宮区のボス戦ではスタメンを誇る上に、多方面にパイプを持つので、ハッタを筆頭に《天壌無窮》も公私で深いつながりを持つ。

 中下層のプレイヤーにも援助をすすんで行い、プレイヤースキルも豊富、ちゃんと俺の指示にも応えてくれて、お祭り騒ぎにも積極的に参加してくれる。SAO内でここまで良心的なメンバーは非常に珍しい。

 というか現階層まで一人もギルメンが欠けてないってのがおかしいんだよ。人様のことは言えんが。

 

 アスナさんの姿を見つけてクラインの兄貴が顔を引きつらせたり、クロの存在に《風林火山》のメンバーがマスコットキャラクターのように愛でたり……なんて展開もあったが、一通り挨拶を交わした後に情報交換を行う。三つのギルドの重要人物が揃っている故のことだったが、交換と言っても俺達のモンスター&ドロップ情報とアスキリのマップ情報を提供したことぐらいだろうか。

 その間暇になってる《天壌無窮》と《風林火山》とその他一名はUNOをやっていた。大人数になったのでトランプから切り替えたのだろう。

 書類じゃなくてメールで情報を送ったため、メールの文面をスライドさせながらクラインの兄貴は考え込む。

 

「……麻痺を付与してくる敵がいんのか。こりゃ出会う前に知れたのはラッキーだな──お! このモンスターってレア刀を直ドロ(直接ドロップ)すんの!?」

 

「相変わらずハム君の情報の緻密さには頭が上がらないよ。このマップの端っこの部屋なら効率的に経験値を稼げそうね。団長にも伝えとくわ」

 

「……は? ここ隠し部屋ある感じ? え、トラップある? あるんなら注意喚起だけはしとくかー」

 

 報告書に一部訂正を加えながらアスナさんの話に顔を向けていると、ボスの間辺りからまたもや雄叫びみたいな声が聞こえる。アスナさ《The Gleam Eyes》とかいうボスの鳴き声だろう。全員が今やっていることの手を止めて同じ方向を見る。

 あれ定期的に吠えてんだろうか? 演出かな?

 

 

 

「うわああああああああああああああ!!!」

 

 

 

「「「「「!!??」」」」」

 

 矢先に聞こえる、男性が発したと思われる絶叫音。

 俺はキリトに叩きつけるように質問をした。

 

「キリトっ! ボスから逃げてる最中に誰かとすれ違ったかっ!?」

 

「た、確か《アインクラッド解放軍》の奴等が数十人くらい向かってたような……」

 

 前線から身を引いた《アインクラッド解放軍》が何故?という疑問すら考える暇もなく、またもや喉から絞り出したような絶叫が迷宮区にこだます。

 

 まずい。

 何故か知らんけど、これは多分まずい。

 

 俺は舌打ちをしながら、何かを感じ取ったのか、先に安全エリアから出る準備をしていたギルメンに指示を出す。こういうとき察しがいいのは有り難い。

 

「お前等っ、ボスの間に向かうぞ! ついて来い!」

 

 個人的にはギルメンに呼びかけたはずだったのだが、ここにいた攻略組全員が弾かれるようにボスの間へ全力疾走をするのだった。

 

 

 

 




好きな『アンパンマン』キャラ

《Hamutarosaan》……アンパンマン
《Wurmple》……カレーパンマン
《neetsamurai》……しょくぱんまん
《Madhatter》……ドキンちゃん
《Clover》……jazzおじさん
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