現在進行形で引っ越し準備してる為、更新が遅くなっております。え、いつも通り? そうっすか(´・ω・`)
次回はアレとアレがアレします。
残すところ後3話となりました。気合入れていきましょう。
西暦2024年11月7日。
俺はこの日を生涯忘れることはないだろう。
「今回は最後とも思われるクォーターポイントでのボス戦となる。正確な情報が欠けてる今回の戦闘だけど……まぁ、いつも通りゲームを楽しもう」
いつものように行われる俺の短い挨拶。
武器を掲げて士気を上げるギルドマスター達。
お祭り騒ぎの攻略組。
何が起こっても不思議じゃなかったアインクラッドの世界。
最低なこともたくさんあったが、最高なことも少なからずあった。『汝の敵を愛せよ』って言葉、そんなこと言ってる人から死んでくような残酷な世界。
ある意味
♦♦♦
大きなボスの間になだれ込む攻略組の面々。統率された軍人を彷彿とさせる動きで、各パーティは互いが互いの死角を補うかのように円陣に散らばる。どんだけふざけた問題行動が露呈するキチガイ共ですら、未だに姿を見せない七十五層のボスの姿を探す。
名前までは知ることが出来なかったが、情報によれば骸骨の姿をした大型モンスターだということ。攻防HPが高く、生半可な装備だと一撃死も考えられる凶悪なボスだと七十五層のキークエストで判明した。
透過するモンスターなのか?
集めた情報にないモンスターの新たな一面を考えていると、神話生物一歩手前の五感を持つアスナさんが上を差しながら大声で叫ぶ。
「みんな! 上よ!」
「キシャアアアアアアアア──」
「エギル砲発射ぁっっ!!」
ドーム型の天井に張り付く、全長は十メートル以上じゃないかと思われる巨大な骸骨のムカデ型のモンスターを目視すると同時に、カンスト間近の《砲撃》スキルによる銃弾に匹敵する速度でエギルさんが発射された。俺が認識した瞬間にケムッソが投げたため、アイツは伝達神経が脊髄までしか通ってないのだろう。脳まで届いて。
その行動が幸運かどうか後世で意見が分かれるだろうけど、威嚇してきた骸骨型の巨大ボス──『
最近は投げられながらソードスキルをぶち込むことによって威力が上昇することを知った攻略組の砲弾班は、投げられると反射的に各々の得意なソードスキルを敵に御見舞いすることがトレンドとなっている。エギルも例外ではなく、縦回転しながら光の軌跡を描く斧を振り回してスカル・リーパーに大打撃を与え、落下しながら天井から落ちて苦しむボスに追撃をかける。
斧を叩きつけるソードスキル──いわゆる『兜割り』ってやつだな。
「オラァッ!!」
「ナイスぼったくり店主! 皆も続けっ!」
ボスモンスターをリンチする攻略組の姿は、スーパーのタイムサービス商品に群がる奥様方の如く。それぞれがムカデの足みたいな部位を集中的に刈っているため、スカル・リーパーは攻撃に移ることが出来ない。
もちろん敵のメインウェポンたる二本大鎌を振り回そうと試みるのだが、そのようなことは俺が許さない。
「第二弾準備急げ!」
「準備出来てらァ!」
「おっしゃあ、アルゴ砲発射用意!」
「撃てェ!」
普通にソードスキルを放つよりも、砲撃の弾となって特攻する方がダメージが出るようになってしまった情報屋のアルゴさんは、いつものように一つの弾丸となってボスの眼球部分へと放たれる。
ケツにソードスキルをぶち込んだ俺だからこそ言える体験談なのだが、人間にとって致命的になりそうな部位に攻撃するとダメージが通りやすい。スライムとかは知らんが、大抵のモンスターには当てはまる。だからこそ鎧などの防具を身につけるモンスターがいるのだ。
眼球部分にクリティカルヒットさせたアルゴさんはボスの背骨部分に落ち、器用に背骨を伝ってコロコロ尾の部分まで転がる。そして「レアアイテムレアアイテムレアアイテムレアアイテム」とブツブツ呟きながらDPSを稼ぐキリトの顔面にダイブ。アルゴさんの慎ましい胸をラッキースケベで堪能したキリトが、アスナさんのスカイアッパーを食らいドーム型の天井に突き刺さる。
そんなピタゴラスイッチを面白半分で眺めてると、てくてくと俺の方にクロが歩いてきた。
「おい脳筋。お前タンクどうした」
「なんか上手くタゲ取れない。ケムッソにヘイト取られる」
「お前それ俺が初期に鍛えてた《アニールブレード》で殴って言ってんならブッ飛ばすぞ?」
「……あ。本当だ」
むしろ一層装備で時折スカル・リーパーのタゲ取れてたこと自体が驚きなんだが。タンクたるクロは殴ってダメージを一番稼いでヘイトを取るタイプ。つまり《アニールブレード》でボスのヘイトを稼いでいたということはそういうことである。
つか物持ち良過ぎないか? んな俺が昔あげたゴミまだ持ってたのかよ。
さっさと自分の通常武器に切り替えたクロがボスモンスターを殴りに行き、入れ替わりとしてポーションをがぶ飲みしながらケムッソが愚痴を零す。
「あー、クソめんどくせェ。どっかに熟女の人妻いねェかなァ」
「スカル・リーパーって骨じゃん? ワンチャン熟女の人妻じゃね?」
「……オイ、腐れハムスター。オレはクロ程馬鹿じゃねェぞ?」
やっぱ騙されなかったか。
「つかテメェは殴らねェのかよ」
「あぁ、瀕死になったらラストアタック取ってキリト煽る」
「クソ野郎だな。あァ? 休んでないでダメージ貢献してこいや」
「わーい」
「誰が
というか俺は武器持って来てないんだが。
防具以外の持ち物全てが回復アイテムで一杯となっており、武器を入れる余裕すらなかったのだ。俺が殴るより死にかけた仲間回復させて殴らせた方がダメージ出るんだもん。
死んでもOKなMMOでは絶対にしないが。
なんて他愛もない会話をしていると、スカル・リーパーがポリゴン片となって消える。
怒涛のダメージによりHPバーが凄い勢いで減ったせいで、予想よりも早くクォーターポイントのボスは討伐されたのだ。これで百層まで大型ボスは出ない筈である。恐らく。メイビー。
「つっかれたー。後四分の一だぜケムッソさんや」
「まだ四分の一も残ってるぜハムタロサァン」
浮かび上がる『congratulations!!』の文字を前に笑いながら拳をぶつける俺と害虫。
ラストアタックを見事に獲得したことに胴上げされるクラインの兄貴。それを祝福するエギルさんとアルゴさん。クロと抱き合うアスナさん。栞を何故か掲げてるハッタにラリアットをするニート。
こうして七十六層の道は開かれる。
死人の出なかった、いつも通りのボス討伐戦。
俺は次の層でやることを頭の中で整理しながら歩く。
そう、
煌めくソードスキルの軌跡と、鈍い音がボスの間に鳴り響く。
それはSAOプレイヤーなら死ぬほど聞いてきた音であり、ボス戦が終わった後に聞くような音ではなかった。そう、本来ならば。
「──この世界に来てから、ずっと疑問に思っていたことがあった」
黒の剣士は悲痛な面持ちで剣を握りしめる。
「アイツは今、どこで俺達を観察し世界を調整しているんだろうってな」
その剣は紅い甲冑の男に刺さってた。
彼は心底驚いた表情で黒い剣士を見張る。
「……でも俺は単純な心理を忘れていたよ。あぁ、どんな子供でも知ってることさ」
HPは確かに減っていた。
イエローゾーンを突破し、レッドゾーンに入る直前、それは現れた。
「『他人のやっているRPGを、傍らで眺めるほどつまらないことはない』ってな」
浮かび上がるのは《Immortal Object》。
つまり『システム的不死』。
「なぁ、そうだろう?
「「「「「……は?」」」」」
悲しそうな、泣きそうな、それでも恨めしそうに、黒の剣士──キリトは確信を持って尋ねる。
紅い甲冑の騎士──ヒースクリフに浮かんだ無慈悲な単語に文字に、俺達は疑問形を口から吐きだすのだった(含・ヒースクリフ)。
作者があんま知らないアリシゼーション編での動向。
《Hamutarosaan》……キリト・ユージオ・ハムタロサァンって響き良いよね。
《Wurmple》……んなことよりアイドルとバックダンサーのライブが優先じゃい。
《neetsamurai》……アインクラッド流? 田ノ浦示現流だよ?
《Madhatter》……アリス(幼少期)をprprprprprprprprprprprprprprprprprprprprprprpr
《Clover》……仮想世界・現実世界の悪い奴をアンダーワールドごとブレイク。