ハリーポッター ハッフルパフの聖女   作:リムル=嵐

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お久しぶりで、ございます。
取り合えずの繋ぎ回、見なくても続き分かるようにナテルヨ。


朝御飯

「はぁ、朝一から魔法薬学が辛い」

 

朝、トーストにベーコンと目玉焼き乗せながらぼやくと、隣のエレナが、スクランブルエッグにケチャップをかけて、幸せそうに頬張った後、不思議そうにこちらを見てくる。

 

「ん、どうして?」

 

「スネイプ教授だろう?ミリィは魔法薬学が苦手だからな」

 

ライラの言葉にうなずいて、ホットミルクを飲む。砂糖を少し入れて、甘くすると幸せになれるの、ママは虫歯になるからやめてって言うけど、美味しいから仕方無いもん。甘いホットミルクが、私の事を誘惑するのが悪いのよ、私は悪くない。

 

「あの先生は、悪い人ではないと思いますけど。些か話し方が、人を選ぶ人ですわね」

 

ギネヴィアが、サンドイッチを飲み込んで言う。

 

あの人教え方は丁寧だし、聞けば細かく教えてくれるけど、嫌みとか遠回しな言葉とかよく言うから、私苦手。成績悪い生徒でも、見捨てないで教えてくれるから、いい人なのは確かなんだけどね。

 

「今日は午前で授業が終わりだし、魔法薬学の勉強に図書館に行くのはどうだ?」

 

良いかもしれない、スネイプ先生、出来る生徒はちゃんと褒めてくれるし、私も注意されてばかりなのは嫌だし。それに一度、あの皮肉まみれの誉め言葉を聞いてみたい。どうせ城の外には出られないし、遊びはボードゲーム位、なら勉強だって楽しめるよね。誘惑してくるのが食べ物位だもの。

 

「行こ行こ、いつまでも注意されてばっかりは嫌だもん」

 

トーストを食べながら言うと、エレナが思い付いたように言う。

 

「私も行こ、読みたい本が有るんだよね」

 

その言葉に、私達が一斉にエレナに不審の目を向ける。

 

え?エレナが読書って嘘でしょ?少なくとも本より、外で遊ぶのが好きなタイプだと思ってた。いつも授業が終わると、男の子に混じってチェスしたり、中庭で走り回ってるのに。

 

「なに?私が本読むのがそんなに意外?これでも結構本読むよ?シェイクスピアとか、コナン・ドイルとか」

 

その言葉にライラが試すように言う。

 

「理想的な推理家というものは」

 

「一つの事実を提示された場合、その事実からそこに至るまでの全ての出来事を隈なく推知するばかりでなく、その事実から続いて起こるべき、全ての結果をも演繹するものだ」

 

まるで天気予報のアナウンサーか何かみたいに、すらすらと答えるエレナ。流石に長かったのか、言った後ココアを飲んでる。

 

「『オレンジの種五つ』ですわね、私も好きですわ」

 

そう言ってレモンティーを飲むギネヴィア、私には何がなんやらさっぱり、皆何を話してるの?

 

「どうやらミリィが、一番文学を知らないみたいね」

 

エレナが勝ち誇った顔で言うのがムカつくから、私は自分の知ってる本の名前を言って対向する。

 

「え?私だって知ってるよ!えっと、ナルニア国ものがたりとか、指輪物語とか」

 

どうよ!私だって読書は好きなんだから!!

 

「親しみやすい、物語ですわね」

 

「ミリィは子供だよね」

 

「そういうのも、悪くは無いとは、思うぞ?」

 

何で!?

 

私が納得出来ない顔で、今度シェイクスピアを読むことを決意すると。近くの席から、ハロウィンの話が出てきて、話題を変えるチャンスと、私はサラダにシーザーを掛けて言う。

 

「それはそうと、もうすぐハロウィンでしょ?皆は毎年ハロウィンは何してたの?」

 

私はその言葉に、すぐに後悔することになる。

 

「私は近所の子達と一緒に、家を回ってお菓子もらってた。後ホームパーティで親戚で集まってたの!」

 

「私は家族で、かぼちゃ料理を食べる位だったな。ハロウィンはいつも、両親と三人でかぼちゃの下拵えを朝からするんだ」

 

「私の家は、父の繋がりの人達を呼んでホームパーティですわ、去年はサッチャー元首相が、来たことが有りますわ。とても芯の強い方でしたわね」

 

「すごいなギネヴィアの家は」

 

「サッチャー?……………このココア美味しいなぁ」

 

て、鉄の女!?

親が政治家だからって、そんな気軽に元イギリス首相の人を、ホームパーティに呼べるの?それに去年って、未だ退任前だったんじゃ?

 

後エレナ、なぜ自分の国の首相の名前が分からないの?さっきはあんなに博識だったのに、今のあなたはまるで日向ぼっこしてる猫のようにのんびりしてるわ。

 

っていうか皆、家族の話してる時、本当に幸せそうっていうか、うらやましいなぁ。私も本当の家族が………………ううん、私には孤児院の皆がいるもの、それに私を捨てた人なんて、今さら会いたくない。私の家族は孤児院の皆だもの。

 

「ミリィの所は何してるの?」

 

「私の孤児院はね、皆でジャック・オ・ランタン作って、かぼちゃパーティするの。ハロウィンの時は、孤児院中がかぼちゃの匂いになるのよ」

 

「それは素敵だ、かぼちゃは体にも良いからね」

 

「ホグワーツのハロウィンって、どんなのかな?」

 

「料理がかぼちゃなのは、予想できますね」

 

「後は、ろうそくがジャック・オ・ランタンになる位か?」

 

「幽霊がイタズラしてきたりして」

 

「おどかすのは止めてよ!」

 

「そうですわ!」

 

エレナがおどかしてきて、想像したら寒気で反射的に震える体を抱いて、私とギネヴィアが叫ぶ。

 

「まぁまぁ二人とも、暖かいものでも飲んで落ち着け」

 

ライラがポットから注いでくれた紅茶に、お砂糖入れて飲む。

 

「…………はぁ~、ここは何でも美味しいなぁ。外のものが食べられなくなるよ」

 

オートミールとか、もはや別の料理だからね。味とか食感とか、そういう次元じゃないもの、コーンフレークより美味しいオートミール、毎朝食べても飽きないね。今日はトーストだったけど。

 

「コックの方は、とても優秀なのでしょう、ウェイトレスも一流ですし」

 

ギネヴィアはご機嫌そうに、紅茶にレモンを入れて、ビスケットと一緒に食べてる。何しても絵になるから、この子ってうらやましい。

 

「確か、『屋敷しもべ』という魔法生物が、ここのコックだったな、他にも雑用は全て『屋敷しもべ』がこなしているとの話だ」

 

「へぇ、すごい魔法生物が居るんだね!おの城の雑用を全てするって、とんでもない事だよ?とっても頑張り屋さんの魔法生物だね!!」

 

それは私も思った。何がスゴいって、その『屋敷しもべ』は、生徒に姿を全く見せない所なんだよ。このバカみたいにおっきな城の雑用をしてて、普通生徒に出会さないとか、有り得ないでしょ?

 

多分『屋敷しもべ』専用の通路が有るんだよね、この城大きなのも有るけど、間取りがよく分からない所結構有るの。

 

隣の部屋との間の壁が大きすぎたり、トイレが遠かったり。部屋数が多すぎて、埃まみれの部屋も沢山あるし、そもそも立入り禁止の場所が複数あるし。これで学校って、ひどいと思うよ、そこら辺もっとちゃんとして欲しい。

 

「男の子の言うカッコいいとは違うんだろうけど、スゴいよねぇ、ここまで完璧に当たり前の事が出来るって」

 

ジャムサンドクッキーを食べながら言う。朝早く起きてここに来たのは伊達じゃないのよ。今ハリー・ポッターが大広間に入って、皆がさりげなく見てるけど、いつもの一時間前には来て食べてるからね、私達。

 

朝食は朝の5時30分から8時まで、一番最初の授業は8時30分から、今は未だ7時過ぎ、のんびりのし過ぎで欠伸が出るくらいのんびりしてるのよね。私達が来たとき、マクゴナガル先生とスネイプ先生の二人しか、先生居なかったし。

 

二人も授業の準備でもう居ないから、この大広間で一番長く過ごしてるのは私達だもの。

 

「確かに、カッコいいと言うよりは、素晴らしいと言う感じですわね」

 

「『屋敷しもべ』や他の魔法生物は、杖なしで魔法を使うことが出来る種族も居るらしい。はっきり言って人よりスゴいだろう。少なくとも杖に頼ってる人よりは弱点が少ない」

 

ライラ、とんでもない事を言ってるよね、スリザリンの人に聞かれたら、面倒な事になるんじゃ?それにそこまで簡単に言い切れる程、人も弱くは無いと思うけど。

 

「そのような言は控えた方が、あまり歓迎される話ではありませんから」

 

ギネヴィアが慌てて注意する。ライラは我関せずみたいな様子でミルクティー飲んでるけど。それをギネヴィアが睨んで、エレナが話題を変えた。ナイスエレナ、私は見てるしか出来ないから、ゴメンね。

 

「えっと、ほら!ハロウィン終わったらクリスマスでしょ?皆はクリスマスは帰省するんだよね?」

 

「気が早いですわね」

 

「全くだ」

 

二人の態度にエレナが固まる。

 

「えっと、私は勿論帰省するよ!皆は?」

 

「「帰省するに決まってるだろう(いますわ)」」

 

ハモる二人にエレナが呆れる。分かるよその気持ち、この二人しょっちゅうぶつかる癖に、息はピッタリ仲が悪いわけでも無いっていう、よく分からない関係だもん。周りが疲れるだけで、二人は自然体なのがまたね。

 

「仲が良いのか悪いのか、はぁ」

 

「何か言いまして?」

 

ギネヴィアを誤魔化すように、私が言う。面倒臭いのはもう嫌よ、これから嫌な魔法薬学の授業なのに、何でこんな目にあわなきゃいけないのよ。

 

「私も帰省するって言ったんだよ!皆家はどこなの?近くならクリスマス休暇の間、遊べるかもしれないし。電話とかある?」

 

私の言葉に、意外そうな顔をして、エレナが言う。

 

「あぁ、そういえば電話があるんだったね、すっかり忘れてたよ」

 

エレナのその言葉に皆して呆れる。

 

「エレナ、それは重症ですわよ?」

 

「その年で痴呆は、未だ速いと思うが?」

 

「二人とも辛辣過ぎて泣きそう!ミリアは違うよね!?」

 

エレナ、流石に電話を忘れるのは重症だよ。この城は結構ファンタジーだし、私達が勉強してるのもファンタジーだけど、文明の利器は今までと変わらず使えるんだから。

 

「この城で暮らしてると、マグルの道具忘れるのは仕方無いかもだけど、電話を忘れるのは流石に、ちょっとね」

 

「うぅ、ミリアにも言われたぁ!!」

 

うわぁーん!!何て言って机に突っ付するエレナを呆れた目で見る。エレナって、何か独特な空気で生きてるよね、自然体っていうか、電波っていうか、何か自由だよねぇ。

 

話が切れて、皆して無言になっちゃったから、やることなくて持ってきた腕時計で時間を見る。そろそろ行かないと。直前は入り口混むから、少し前に入らないと間に合わないんだよね。スネイプ先生そこら辺厳しいし。

 

「もう時間だね、行こっか」

 

「そうですわね。エレナ、杖を忘れないように」

 

ギネヴィアがそう言うとライラが吹き出して、私も思わず初日の事を思い出して笑った。

 

「ちょっとギネヴィア!その話は止めてって言ったじゃん!!」

 

にやにやしながら大広間を出ようとするギネヴィアと、それを追い掛けるエレナをライラと二人で歩いて付いていく、それにしても面白かったなぁ。

 

出席確認してる時に、元気良く手を上げてエレナが笑顔で、『ごめん先生杖忘れました!』何て言って、先生が『Ms.スミスにはまず最初に、呪文ではなく道徳を教えるべきらしい』何て茶化して言うんだもん、教室中の皆が笑ったよ。

 

「あれは傑作だったな!」

 

「まさか一番最初の呪文学で、杖を忘れるなんて、普通無いよそんなこと!」

 

「二人ともひどいよ!誰だって間違いはあるもん!!」

 

「そうですわね、間違いはあります。例えば夜寝惚けて私のベッドには「うわぁ!!うわぁぁぁぁぁ!!!」ら?」

 

何かちょっと気になる所で、エレナが焦ったようにギネヴィアの言葉に声を被せて聞き取れなくなくしてきた。一体何を隠したの?そんなにバレたくない事なんだ、気になるなぁ。

 

「Msスミス、廊下で騒がないでくれたまえ」

 

うわ!?

 

ビックリして振り返ると、全身真っ黒の姿で、教科書を手に持ったスネイプ先生が、こっちを鬱陶しそうに見ていた。

 

「すみませんスネイプ先生」

 

エレナがスネイプ先生に謝る、私たちも、一緒になってたから、ちょっと気不味い。

 

「君達も、友人が間違えたなら、正すのが友と言うものだ」

 

「「「はい、すみませんでした」」」

 

スネイプ先生の言葉は、もっともな正論だから、三人で謝る。私達が頭を下げたのを確認すると、スネイプ先生は教室に入って行った。私達も後に続くように教室に入る。

 

中にはスネイプ先生以外には、誰も居なくて、私達が一番なのが分かった。

 

未だ授業まで三十分ある、教科書を読んで復習でもしようかしら?

 

ライラは魔法薬学の成績良いみたいだし、分からない所を質問するのも良いかもしれない。

 

「ライラ、こここの前失敗しちゃって、分かんないんだけど、分かる?」

 

これ、材料の豆がまた硬くて、しかも切っただけじゃ全然汁が出てこないんだよね。

 

「ん?あぁ、切るんじゃなくて、潰す方が良いんだ。そっちの方が汁が多く取れる」

 

え?本当に!?

 

「それ本当!?」

 

「教科書には書いて無いがな、普通に考えれば解るだろう?切るより潰す方が良いのは」

 

い、言われてみれば、確かにそうだけど、でも普通そんなこと考えないよ。

 

「んんっん!それでは、授業を始める。教科書の27ページを開きたまえ」

 

先生のその言葉に、もう時間だって、初めて分かった。27ページ、うへぇ、またゲテモノな材料使う奴だ、嫌だなぁ。

 

 




次の更新も、未定なり、気長に待ってくれると、助かるヨ

秘密部屋編アンケート、同数票だったので、決戦投票です!!

  • ウィーズリー覚醒 バジリスク討伐
  • ギネヴィアの私TUEEEEEルート

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