「父さん、僕に暫くドビーを貸してくれない?」
父さんとの釣りの後、夕飯の時に父さんにドビーを暫く僕付きに出来ないかとお願いした。
こいつなら役立たずだから、父さんも執着しないで僕に譲ってくれるだろうし、こいつは常日頃からハリー・ポッターの話題によく反応してた。ホグワーツに着いてこいと言われれば、喜んで着いてくると思ったからだ。
「ドビー?あの愚図でなくても、屋敷しもべは自由に使って良いんだぞ?」
「そうよ?ちゃんと契約しているうちの屋敷しもべは、あなたが好きにして良いのよ?」
父さんと母さんに、クラッブとゴイルの代わりが見つかるまで、ホグワーツに連れていきたいと話す。
「ホグワーツねぇ、私は良いと思うわ」
「私の方も、特にこれと言って……あぁ、ドラコ。くれぐれも屋敷しもべを使って喧嘩何てしないようにな」
「分かってるよ、『貴族たれ、余裕を持て』でしょ?」
釣りの後に聞かされた言葉だ。父さんの座右の銘か何かだと思うけど、気に入っているみたいで、釣り以降はよく父さんの口から出ている言葉だ。
「分かっているなら良い」
父さんと母さんから許可が降りたから、夕飯後にドビーに用意させる物をリストにして、早速ドビーを部屋に呼ぶ。
「坊ちゃま、何かご用でございましょう?」
一々ビクビクと怯えながら言うドビーに、イラつきながら言う。
「用が無きゃ呼ばないだろ愚図。お前、ハリー・ポッターに興味あるのか?」
机の上に例の日記帳を出しながら言うと、ドビーが恐れるように身体を震わせる。
「ひぃ、お仕置きだけはご勘弁を!!」
僕の機嫌が悪いから八つ当たりでもされると思ったのかこいつ、本当に腹が立つな。
本当にお仕置きでもしてやろうか。
「一々ビクつくな鬱陶しい!質問にも答えられないのか!!」
「ひぃ!?…………ド、ドビーめは、ハリー・ポッターに感謝しております、あの時代は、屋敷しもべにとっても悪夢、それを終わらせてくれたハリー・ポッターには、誠に感謝しているのです」
僕の声に怯えた後、祈るように両手を合わせて言うドビーに、嘘は無さそうだと判断する。
「ならドビー、お前暫くホグワーツに来い」
「それは、まさかこの家をクビに!?」
屋敷しもべにとっての解雇は、死刑宣告に等しいのに、どこか嬉しそうにしているドビーが薄気味悪くていけない。こいつ、死ぬよりもうちに仕えるのが嫌なのか?まぁ、こいつの早とちりだが。気に食わないな。
「違う早とちりするな。取り巻きを変えるから、それまでの繋ぎで、僕と婚約者候補の相手をしろ」
「それではドビーめは、ハリー・ポッターに会えるので!?」
「あくまでも僕付きの屋敷しもべだ、これからホグワーツに行くまでもそうだからな?父さんの許可は得ている」
「か、かしこまりましてございます、ドビーめはドラコ様の側仕えをいたしますです」
恐る恐る頭を下げるドビーにうなずくと、日記帳を見せる。
「お前、『変身術』でこれを複写出来るか?」
「これは、坊ちゃま!!恐ろしい闇の魔法が掛けられております!!?」
じっと日記帳を見た後に焦ったように騒ぐドビーを、睨み付けて黙らせる。
「騒ぐな!そんなこと分かってるよ。それで、これを複写出来るか?」
「見た目のみなら、出来ますです。ですが坊ちゃま、これを一体何処で?」
恐ろしい物を見る目で、近付きたくすら無いのか、日記帳から距離をとって言うドビーに、これの精巧な偽物を作るように命じる。
「こっそり父さんの執務室から拝借した。誰にも言うなよ?これは命令だ」
「ご主人様の執務室!?ドビーめは恐ろしい、恐ろしいです!ご主人様の物を無断で持ち出すなんて!!今すぐにこんな危険なものは戻してくるべきです!!」
「うるさい!夜に騒ぐんじゃない!!お前は黙ってこの日記帳の精巧な偽物を作るんだ!!そうしたら、ホグワーツでハリー・ポッターに会わせてやる」
地団駄を踏み始めたドビーが鬱陶しくてベッドにドビーのボロを付かんで、ドビーごと放り投げる。
僕に言われた事に、ベッドの上で呆然とした顔をするドビーに、ハリー・ポッターへの嫌悪が強くなる。うちの屋敷しもべすら、あいつに夢中なのかよ、ムカつくな本当に。
「本当に?本当にハリー・ポッターにドビーめが会える?」
「会わせてやるから、お前は日記帳の偽物を作るんだぞ、バレないように精巧な偽物をだ」
「ドビーにお任せください、明日の朝までには、完璧な偽物を作り上げて見せますです」
やっとやる気になったドビーに、リストを渡す。といっても書いてあるものは多くないが。
「よし、後はこれを用意しろ」
「色紙にマグル製品のインクのペンと……これは一体?」
「気にするな、絶対に父さんと母さんにはバレるなよ?」
「かしこまりましてございます。こちらも明日の夜には集めてみせましょう」
まぁこれで最初は良いだろう。
あの日記帳を調べるには未だこれくらいで良い。それよりもだ、次のホームパーティーでの取り巻きと婚約者候補の選定、どうしよう。
「今日はもう寝る。明日また朝7時に起こせ」
うちでのホームパーティーだ、身内以外は純血だろう。純血はウィーズリー以外は皆、身内みたいなものだが。
「かしこまりましてございます。お休みなさいませです坊ちゃま」
そうなると、父さんが言ってた過激派のブラック家は婚約者としては………そもそも近い歳が居ないか。部屋の明かりを消して、ベッドで横になって考える。
『聖28家』でなら、『アボット家』『ブルストロード家』『フリント家』『グリーングラス家』『マクラミン家』『ノット家』『パーキンソン家』がホグワーツにいるが、アボットとマクラミンはハッフルパフで、ブルストロードは単純にタイプじゃない。グリーングラスも性格が合わないし、パーキンソンは論外。フリントもノットも男しかホグワーツに居ないしな。
僕はマルフォイの直系、相手は純血になるんだろうけど、僕だって選ぶ権利はある筈だ。少なくとも、僕の外見は不細工と言うわけでもないし、学校の成績だって悪くはない。女子からの評価は悪くない筈だ。
明日にホームパーティーが迫った夜。
昨日のうちに受け取った"ボールペン"を使って日記帳と会話しつつ、色紙を使って、ドビーに対する命令の合図を作っていた。
学校内で公然と屋敷しもべを連れ歩く事が、流石に非常識なのは僕でも分かる。
だからドビーには、透明化の魔法で常に近くに待機させて、僕の出した命令の合図で動くように指示をする。向こうが指示をこなしたら、僕のローブを2回、少しだけ引っ張るように言ってある。簡単な命令しか出せないが、これで暫くは十分だ。
"わざわざそんな古典的な方法をとるのかい?"
『これなら誰も僕がやってると思わないだろう?』
"その意味だと名案だな"
「赤は次の授業の準備で、青は軽食の用意、黄色は人払いで、緑は~~~」
簡単な命令を十程作ると、命令方法と一緒に覚えるようドビーにキツく言う。明日ホームパーティー中でテストするからな?
「かしこまりましてございます!」
「確り尽くせば、何か良いものでも教えてやる。父さんと違って僕は寛大なんだ」
「あぁ、坊ちゃま付きの屋敷しもべになれて、ドビーめは幸せでございます!!」
俺はお前しかいなくてガッカリだよ。
ホームパーティーが始まる少し前から、父さんと母さんの呼んだ"お客様"が続々と屋敷前に姿表しで集まってきた。今日は屋敷の庭園にある東屋に軽食を並べて、庭でのサマーパーティをする子供と、屋内で庭園と子供を見ながらのゆっくりティーパーティの二つだ。
外は夏、僕はあの湖でスイミングでも良かったんだけど、メンバーには女性も多いからな、子供でも純血貴族はそこら辺うるさいのだ。お陰で親の目の無いスリザリン寮だと、そこら辺の反動か"そっち"は緩い、こっそり女子寮に入る奴とかも上級生には多いのだ。
「ドラコ・マルフォイです、皆さん、今日は我が家のホームパーティーにようこそ、楽しんだいってください」
子供側のまとめ役を任されてるから、開始の合図を告げてジュースで乾杯をする。
集まったのは未だ一桁の子供が大半だ。ホグワーツで四年生になる歳には、向こうの大人のパーティーに参加させられるからな。
皆思い思いにスイカやパイナップル等の果物に手を付けたり、魔法で気温に強くしたアイスクリームを、笑顔でばくばく食べてる。
下の人間の世話は嫌いじゃないが、こうも無邪気だと羨ましくなるな。
「ほら、アイスが垂れてる」
「あ、ありがとうございます!ドラコさん!!」
「このカップを使うといい、このカップも食べられるんだ」
わざわざ注文つけて作らせたカップ型のワッフルコーンだ、内側に薄くチョコを吹き付けていて、長時間アイを放置してもサクサク、これ普通に商品展開出来るよな、単体でも十分な味だし。
「わぁ、ありがとうございます!!」
「果物はあそこでシャーベットに出来る、試してみると良い」
「はい!」
ドビーが東屋の片隅で小さな丸テーブルの前に立っている所を指差すと、アイスを片手にパイナップルを持っていった。ドビーがちゃんとパイナップルを魔法でシャーベットにして、予め用意しているワッフルコーンに盛り付けるのを確認すると、他の連中の世話を焼いていく。
うちの夏にするホームパーティーは、子供には中々人気があるんだ。堅苦しい大人がいなくて、マナー何て気にせずに思い思いに甘くて冷たいものを食べられるパーティー。飲み物も各種のフルーツジュースに、言えば屋敷から好きな飲み物を出来立てで持ってきてくれる。
屋敷しもべが何人もいる家じゃなきゃ出来ないパーティーだ。
「ここのパーティーは気楽で良いわ」
「本当にね」
「ミリセントとダフネ、どうした?」
アイス片手にご挨拶な事を言ってきた来た二人と、二人の後ろをついてくる小さな女の子が、世話を焼く僕の所にくる。
「今日は私の妹も連れてきたのよ、あんたの婚約者候補の一人」
こんな小さな女の子が僕の婚約者!?
「アストリアです、よろしくお願いします、ドラコさん」
「あ、あぁ、小さいのに偉いな。ドラコ・マルフォイだ」
「その様子ならオッケーね、私も名前出たんだけど、あんたタイプじゃないからさ」
「私も、あなた"あの"エインワーズに喧嘩売ったんでしょ?私考え知らずは嫌いでね」
ちょっとばかし驚きで固まっていると、それをアストリアに見惚れてるとでも勘違いしたのか、二人はこっちの話を聞かずに好きに言って東屋の外に花を見に行った。
「あ、あの、お姉様方はああ言ってますけど、私はそんなことは……」
「いや、気を使わなくても良い、事実だ。あぁ、そこの君、ミルクセーキのお代わりは近くの屋敷しもべに言いなさい」
あいつら、初対面がいるのに僕の事を好き勝手言いやがって、年下に気を使われたじゃないか。
気恥ずかしさから、他の子供の世話をしながら会話を続ける。
「私、ドラコさんのこと、結構好きですよ?」
そう言ってくれるのはありがたいんたが、何分若過ぎる。ここは諦めてもらうのが良いだろう。最悪、ダフネは無理でもミリセントとは仮面夫婦を出来るかも分からん。
うちの両親は想い合ってるが、それでも思想の違いでぶつかることはよくあるし、好きな人とぶつかる位なら、僕は仮面夫婦で良い。
「僕が、マグル生まれに『穢れた血』と言っててもか?」
「え?」
「……すまない、忘れてくれ。パーティーでする話では無いな。もうすぐこのパーティー目玉の巨大アイスケーキが来る、君には特等席を用意しよう」
ドビーに合図を出してケーキを運ばせるように命令すると、アストリアの手を引いてアイスケーキが来るテーブルの前に移動する。
アイスケーキは魔法によって、ここにちょっとした演出で瞬間移動するようになっている。
手を叩いて皆の注目を集める。
「さぁ皆さん、今日の目玉のアイスケーキのご登場です!」
僕がそういうと、テーブルの中央に、五芒星の配置をされたアイスケーキを雨細工で繋げられた、複数のアイスケーキを組み合わせて作られた巨大アイスケーキが、カラフルな煙りとポップな音で登場する。
始めてみる子供の歓声やら、毎年のお馴染みで、今年の演出を過去の年と比較して話始める年長者を横目で見つつ、専用のケーキナイフを使って、アイスケーキ切り取って皿に盛り付け、アストリアに手渡す。参加者に手渡しして、マルフォイ家の印象を良くするのは、八歳の時からしている僕のパーティーで一番の大役だ。
「今日の一番は君だ、先程のお詫びに受け取ってくれ」
「あ、ありがとうございます」
我先にとよる子供に、順番にケーキを切り分けて配る。
少しすると年下を掻き分けて、あの二人が現れる。
「私あのチョコの部分ね」「私はあそこのラズベリー」
「もう少しアストリアの謙虚さを見習え」
切り分けつつ文句を言うと鼻で笑われる。
「こっちに来てる純血で、私とダフネより尊い血があるの?」
「良いこと言うじゃないミリセント。ドラコ、目下が譲るのは当然でしょう?」
この二人の婚約者は大変だな、この歳でこの態度とは、僕も外では人の事を言えないがな。
「はぁ、少し待て、直ぐに切り分ける」
結局強く言えずに折れた僕に、アストリアは何か言いたげにしていた。
秘密部屋編アンケート、同数票だったので、決戦投票です!!
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ウィーズリー覚醒 バジリスク討伐
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ギネヴィアの私TUEEEEEルート