冬の季節が間近に迫り、ホグワーツの生活に慣れてきた頃、ハロウィンがやって来た。
「カボチャの匂いすごいね」
朝からずっと城中で漂ってる匂いに、若干辟易する。
「もう匂いだけで胸やけしそうだよ」
「確かに、ここまでしつこいと、私もちょっと嫌ですわね」
鬱陶しそうに顔をしかめる二人に不思議そうな顔をしてるライラ。
「そうか?ハロウィンはいつもこんな感じだが」
ライラのお家は、朝から一日カボチャ三昧だっけ?
そりゃ馴れるわね。私も馴れてるけど、やっぱり授業中も続くとね、お腹空いちゃって集中出来ないよ。
「私も、馴れてるけどお腹空いちゃって、授業集中出来ないよ」
「流石ミリィ」
「ミリィは食いしん坊だな」
ライラとエレナにバカにされた!!
「良いじゃない、成長期何だから!」
「でも、油断してると一瞬ですわよ?」
「ちょっと、怖いこと言わないでよ!?」
私達が部屋で話してると、談話室の方からガヤガヤと騒がしい気配がしてくる。
「ん、何か談話室でやってるのか?」
「見に行こうよ!」
ライラの言葉に反応してエレナが部屋を飛び出した。
本当に唐突なんだから、思い立ったら直ぐ行動って、猪じゃないんだから。
ライラは首を横に振って、ベッドから下りてエレナを追い掛けた。
「二人とも、短絡的ですわ」
ギネヴィアも、ペットの猫を膝の上から腕に抱えて、気怠そうに動き出す。
「私は手紙書いてから行くね」
「イベントが終わっても、文句言わないでくださいね」
そう言って、ギネヴィアは部屋の扉を閉めた。
孤児院のママとパパに、手紙を書いて、私の一つ下のギルバートに、手紙と一緒に、頼まれてた物を封筒に入れて、封をする。用意はしたけど、こんなの何に使うんだろ。
「ユディ、おいで」
ペットのアメリカワシミミズクのユディに、封筒を付けて、孤児院まで届けるようにお願いする。
「もう夕方だけど、無理言ってゴメンね」
そう言った私にユディがまるで、気にするなって言ってるみたいに、一声上げて、夕方の空に飛んでいった。
ユディが見えなくなるまで、空を眺めた後、窓を閉めて談話室に行く。
許可を貰って持ち込んだ腕時計だと、もうそろそろ夕食の時間何だけど、皆何してるんだろう?
談話室では、一つのテーブルに人集りが出来てた。
何してるの?ギネヴィアとライラが見えて、人集りを断りをいれながら進む。
「ここにナイトで………ほら、チェックメイトだ」
「うそでしょう?、あのエレナが負けましたの………」
「流石ハッフルパフの天才、チェスも天才とは」
二人が驚いてるのを見て、テーブルに視線を向けると、エレナと男子生徒……多分先輩が、チェスをしてた
「…………うぬぅ、何処で間違ったの?」
「20手前のサクリファイス、あそこで|『僧侶』ビショップを手放したのが敗因」
「あ~、そこかぁ……………対局ありがとうございました、
「セドリックで良いよ、こっちも久し振りに良い対局が出来た」
二人の握手を皮切りに、周りの人集りが騒がしくなる。
「ついにセドリックが二十人抜きしたぞ!!」
「あのエレナが負けるなんて」
「もう、いっそのこと他寮の奴等も巻き込むか?」
「「「「「それだ!!」」」」」
「俺は普通にチェスがしたいだけなんだが?」
どうやらディゴリー先輩のチェスで、人集りが出来てたらしい。騒がしかったのも多分チェスが原因ね。
ボードゲームって、ルール難しいの多くてあんまり好きじゃないのよね。
チェスはシンプルで覚えられたけど、周りが強すぎて孤児院でしかしないもの。
『チェッカー』とか、後はお婆ちゃんが見付けてきた『オセロ』とか、弟たちと出来るのしかやらないからなぁ。
「エレナ、そろそろご飯の時間だよ?」
「う~ん、もうちょっと考えさせて、直ぐに行くから」
そうやって言う人は、ちょっとじゃすまない位悩むんだけど?
チェス盤を睨みながら言うエレナに、困ってると、ギネヴィアがエレナを説得し始める。
「今日はせっかくのハロウィンでしょう?」
「分かってるけど、悔しいし」
「なら、紙に盤を写せば良いんですわ」
「それだ!セドリック先輩、この盤面写しても大丈夫!?」
あぁ、なるほど、紙に写せばここから動くわね、確かに。
でも最終盤面だけで、良いのかなぁ?私なら何でこの盤面になったのかわからなくて、とてもどこが悪手かなんて考えるのも無理だけど。
「ん?勿論良いよ、僕も手番の写しを書こうとしてた所だ。手番の写しも要るかい?」
「下さい!!」
速答したエレナに、ディゴリー先輩が笑ってさらさらと手番の写しを書いていく。
スゴい、まさか手番の暗記してるの?
そこまで出来るのってもうプロレベルなんじゃないのかな?
マグル生まれにも分け隔て無い性格がイケメンで、高身長で顔もイケメン、成績優秀でスポーツ万能しかも親は魔法省の役人。
スペックが高いよ、格好良過ぎだよディゴリー先輩。
これは惚れる人が続出なのも分かる、ここまで非の打ち所が無いと、僻む事すらバカらしくなるよ。
「ほら、手番の写し、また対局しよう」
紙と一緒に手を差し出して、エレナと握手をするディゴリー先輩。
イケメンは何やってもイケメンって、本当なんだなぁ。あれを他の男子がやっても、エレナに近付きたいって下心丸見えな仕草にしか見えないのに、ディゴリー先輩がするだけで、スポーツの試合後の握手みたいな、お互いを称える爽やかな仕草になってるもん。
「ッ……次は絶対勝ちますから!」
ほら、恋愛とか全く興味無いエレナも、あまりのイケメン度にちょっとあてられてるよ、ディゴリー先輩目的でチェスを見てた周りの女の子が殺気だってるから、そろそろ移動しなきゃね。
「ほら、早く行こエレナ、せっかくのハロウィン何だから」
「うん、セドリック先輩またね!」
「セドリックで良いよ、先輩呼びは未だ慣れないんだ」
うーん、照れながら言うディゴリー先輩ヤバいなぁ、それと同時に女子からの敵意がスゴいなぁ、エレナこれディゴリー先輩が原因で虐められるんじゃない?ディゴリー先輩狙いの人には絶対目を付けられたよね、はぁ。
これからエレナをどうフォローしたあげれば良いかなぁ、なんて考えてたら、前を歩いていたギネヴィアに呆れられた。
「エレナの事は、三人で話しましょう、それよりも今はハロウィンですわ」
考え込んでて、皆から数歩後ろを歩いてた私をギネヴィアが急かすように手招きしながら言う。
「そうだね、私一人で悩んでても仕方無いか」
歩く速さを三人に合わせて、四人で話ながら大広間に向かう途中、グリフィンドール生の女の子が話し込んでるのを耳にした。
「グレンジャーがトイレでねぇ」
あんまり仲が良くないのか、エレナが無機質に言う。
私としては、たまに話す時に色々教えてもらえるから、いい人だとは思うけど、トイレに一人きりで泣いているなんて余程ショックな事があったのかな?
「何かあったのかな?」
「だろうな、私達がどうこう出来る訳でも無いが」
「どうしても気になるなら、今度会った時に聞けば良いのですわ」
二人に言われて、グレンジャーの事は今度本人から聞くことにした。今は本人が一人きりが良いって言ってたみたいだし。今度会った時に話して、力になれたらそれで良いよね、話すだけでも気持ちは軽くなるって、ママも言ってたし。
「このパンケーキ、カボチャのクリームがよく合っていて美味しいですわ」
「あ、本当だ、美味しい。こっちのプリンもカボチャ、飲み物もカボチャジュースだし、スゴいカボチャ尽くしだね」
ギネヴィアがよそってくれたカボチャのクリームがたっぷり塗られたパンケーキを食べながら料理を見ると、どれもカボチャが使われていて、なんとも甘ったるい。
あ、でも一部はお肉と魚がメインの料理もあるみたい、男の子はそれを取り合って、わいわいと騒いでる。
「あ、甘過ぎない?何かさっぱりとしたものは……」
「うん?それならば……カボチャのサラダ、カボチャのシチューなんかもあるぞ」
「…………シチューちょうだい」
あぁ、さっそくカボチャの味にノックアウトされたのね、エレナ。まぁ確かにこのカボチャ尽くしはやり過ぎな気もするけどね。
「カボチャには、他の野菜にはあまり含まれない栄養素も、豊富に含まれていますから、この時期は風邪を引きやすいのでカボチャを食べると良いんですわ」
「美容にも効果的と言われているな」
「あ、お野菜とお肉の蒸し焼き何かもあるよ」
スゴい、これ牛肉のブロックだ、皿の隣に置いてあるフォークとナイフで、切り分けたものをよそって食べるみたい、美味しそう。
「ミリィにはまだ早かったか?」
「まぁ、色気よりも食い気の方が、らしいっちゃらしいよね」
「はい、切り分けてあげますわ、お二方もどうぞ」
「わーい、ありがとう!」
二人が何か言ってたけど、それよりもお肉だ、ギネヴィアが厚めに切って、上に野菜をたんまり乗せてくれる。
「ソースはこれになりますのね、玉ねぎかしら?」
そういって、飴色の玉ねぎのソースも掛けてくれた。
「ソース無しでも、味付けが確りしてて旨いな」
「ソースも、思ったよりも甘くなくて、パンが進むのなんのって」
「お野菜も美味しい、お肉と一緒に食べるとお口の中が幸せ」
三人してバクバクお肉料理を食べる。他が甘ったるいからか、一際美味しく感じられたよ。
「次はあの魚料理食べ………ふえ?」
魚と野菜の練り物を煮込んだものを食べようとして、大広間によく響く誰かの足音が聞こえた。
「あれは、クィレル先生か」
「すごい勢いで走って、何かあったのかな?」
ライラとエレナが呟いてる間にクィレル先生はダンブルドア先生の席に倒れこんで、息も絶え絶えに言った。
「トロールが……地下室に……お知らせしなくてはと思って」
文字通り死物狂いで走ってきたのか、そのままダンブルドア先生の返事も聞かずに気絶して床に倒れこんだクィレル先生を見て、大広間は大混乱になった。
「トロールか」
「地下室に出たんですのね、何とも不思議な事」
「何で二人とも落ち着いてるの!?」
落ち着いて料理を食べてるライラとギネヴィアに、エレナが不安そうな顔で叫ぶ。私は何だか現実味が無くて頭がボーッとしちゃってる。
トロールって、とんでもなく大きい乱暴な性格の魔法生物だっけ、しかもスゴく不潔で臭いとも。
「まぁまぁ、私達が慌てても仕方無いさ、先生の指示に従おう」
「各々の寮に避難か、ここで事態が収まるまで待機か、どちらにせよもうご飯はお仕舞いみたいですわね。二人とも今食べないと、寝る時にお腹が空いて寝れなくなっても知りませんわよ」
そういって、カボチャジュースを飲むライラとプディングを食べるギネヴィアに、呆れた目で見た後に、取り分けたお肉を食べ始めるエレナ。
今更状況が分かった私は、三人の姿を見て思わず顔が引きつると、周りの生徒を見て諦めてフォークを握る。
無闇矢鱈に騒ぐより、安眠の為に美味しい物を食べた方が賢明だと思ったから。
≪因みにこの時四人は、そのあまりの動じない自然体な振る舞いから、上級生から一目置かれる事になるのだが、推理大好きなギネヴィア以外、この時気付いては居なかった≫
大広間の混乱は、ダンブルドア先生が爆発音を何度か起こすことでやっと静かにさせた。
静まり返った大広間にダンブルドア先生の重々しい声がして、監督生を中心にギネヴィアの言う通りに寮に帰る事になった。
「ギネヴィアの言った通りになったね」
ハッフルパフは一番人数が多くて、こういうことに弱い性格の生徒が多いから、他よりも出発が遅れてる。私達も座ってた場所の近くで、指示を待ってる状態だ。
一年生で泣き出してる生徒も居るみたいで、監督生があっちこっちに大忙しだ。
「私達も手伝った方が良さそうですわね」
「同級生なら、宥める位なら出来るかな。二人はここで待っててくれ、未だ顔色が悪いからね」
ギネヴィアとライラが離れる中、エレナに誰かぶつかった。
「きゃっ」
「あ、ごめん」「悪かった」
ふらついたエレナを支えてぶつかってきた相手の方を見ると、もう人混みに紛れて見えなくなる所だった。
「ポッター?」
メガネの男の子と赤髪の男の子の組み合わせに、間違いないと思って呟く。赤髪で有名なウィーズリーの男の子とハリー・ポッターの仲が良いのは、結構広まってる情報だ。
「ビックリした~、まさかポッターがぶつかってくるなんて…………あれ?」
「どうしたの、エレナ」
ちょっと機嫌悪そうに文句を言うエレナが、突然何かに気付いたように黙り混む。
「いや、こっちはグリフィンドールの寮のある方向とは逆方向だから、おかしいと思って」
「え?」
何でエレナは他の寮の場所を知ってるのか気になったけど、それは今関係無いから後で聞くとして……あの二人はグリフィンドール生だったはず、何で逆方向に?
ぶつかってきた相手を殆んど無視して走り去る事から、結構急いでる感じだし。
「何か向こうにあの二人が向かう理由があるはず」
「ペットでも逃げ出したんじゃないの?」
ペット、ポッターのはフクロウだって噂で聞いたけど、後ウィーズリーはお下がりのネズミとも。
フクロウは、寮の部屋かフクロウ小屋に居るはずだから、ペットを追いかけているからウィーズリーのネズミ。
「こんな人混みで、ネズミがあの二人より早く走れるかな、しかも真っ直ぐに」
「ありゃ、確かに。ネズミからしてみれば、巨人の足元を全速力で走るわけだし、流石に無理かな」
出来たとしても、周りの生徒に何も言わないで走るのは少しおかしい。ネズミが逃げたならネズミの近くの生徒に協力してもらえば直ぐに捕まえられるはずなのに。
「ネズミじゃなくて、別のものを追い掛けてる?」
「例えば?」
私の言葉に、エレナが相槌を打つように続きを促す。
「例えば……この状況、トロールが出たって知らない生徒が居るとか?」
そこまで言って、グレンジャーがトイレで一人泣いているのを思い出した。
目を見開いてエレナを見ると、エレナも思い付いたのか目を丸くしてる。
「グリフィンドールの先生は!?」
「マクゴナガル先生!!」
二人で地下室に向かって走り出す、急いで知らせないと、グレンジャーが危ない!!
次は未だ書き始めても居ないんで、未定でっす。
秘密部屋編アンケート、同数票だったので、決戦投票です!!
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ウィーズリー覚醒 バジリスク討伐
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ギネヴィアの私TUEEEEEルート