月曜に間に合いました。
もうすぐマルフォイ視点での話は終了です。ここからラストスパート一直線!
「次の授業は魔法史だ、遅れるなよ?」
用件を伝え終わると、そう言って約二時間に及ぶ拷問から僕を解放するヴォルデモートに、現実に戻ってから悪態を吐く。
「絶対に裏切ってやるからな」
休み時間の僅かな時間を、何十倍に拡大する日記帳は本当に危険だ。一日を何十倍にも引き伸ばして、その殆どを拷問される時間に費やしている今の生活が、もう限界なんだ。一体僕が何故ここまで責められなければならない、早くハリー・ポッターとミリア・エインワーズの二人と決着を付けねば。
誰にもバレないように人気の無い廊下の男子トイレで日記帳を使ってた僕は、トイレの個室から出て廊下を急ぐ。周囲に教室を移動する生徒が増えてきた所で、僕に背後から声を掛ける女子生徒がいた。
「マルフォイさん、少しよろしくて?」
「………ギネヴィア・テイラー、何か用か?」
「ええ、その日記帳が気になりまして」
「ただの日記だ、君は僕の日記に興味があるのかい?」
努めて冷静に、皮肉を言う。
「
「断る、と言いたいが、一つ頼みを聞いてくれるなら、教えても良い」
出来るだけ自然体で、不自然にならないように気を付けて、交渉をする。ギネヴィア・テイラーはミリア・エインワーズと仲が良い、それならハリー・ポッターとも深く関わっているかもしれない。ヴォルデモートの計画が始められるかもしれない。
両腕を前で組んで顔に手を当てて考えているギネヴィア・テイラーを見つつ、今後の交渉をシュミレートする。
「ふむ、いかがわしい事は嫌ですわよ?」
「僕を何だと思ってる!?」
「ミリィとハーマイオニーの着替えを覗こうとしたのぞき犯?」
「あれは事故だ事故!それに謝罪もしている!!」
こっちだってあいつらの着替えなんてノーサンキューなんだ!誰がアマゾネスとガリ勉の着替えなんてのぞきたいと思うんだよ!!
「謝れば良いと言うわけでは………話が脱線してますわね、頼み事とは何です?」
呆れた顔をするギネヴィア・テイラーに、今すぐにでも割断呪文でその頭を唐竹割りにしてやりたい気持ちに駆られるが、それを抑えて、ドビーを呼ぶ。
「お呼びでしょうか、坊ちゃま」
「この前に言ったご褒美だ、ハリー・ポッターとの面会を、この少女に許してもらおう」
「本当でございますか!!?」
驚くドビーの頭をぽんぽんと叩くように撫でて、ニッコリと笑ってやる。
「そちらの屋敷しもべは、あなたので?」
「僕の父さんが雇い主だよ、今は僕の世話係だ。こいつはドビー、ハリー・ポッターの奴の大ファンでね、日頃の働きのご褒美に、一度話をさせてやろうと思っていたんだ」
「それが頼み事ですか、意外ですわね」
まるであり得ないようなモノを見る目をするギネヴィアに、肩をすくめる。去年までのホグワーツにいた自分じゃ、考えられない事を言ってるのは自覚しているさ。本当の努力って奴を知ったからな、僕の為に頑張る奴には報いるべきだと、そう思ったんだ。
「ふん、役に立つなら重用するさ。ジャパンの言葉で信賞必罰だったかな、父さんの友人に習ったんだよ」
本当はヴォルデモートが拷問のつなぎの時間に暇潰しで話していた事だが。
「本当に、変わりましたわね、マルフォイさん」
「お世辞はいい、場所を変えよう。ドビー、必要の部屋にお茶の用意をしてくれ」
「畏まりましてございます」
「なら、アッサムのオレンジ・ペコー*1が良いですわ」
こいつ、わざわざ時間の掛かるフルリーフ*2何て頼むな!
「ファーストフラッシュ*3のブロークン・オレンジ・ペコー*4だ、お茶菓子は任せる」
ブロークンが一番飲みやすいんだよ、長い待ち時間何て僕は嫌だぞ。紅茶をただ飲むだけならマグルが作ったティーバッグが便利だが、あれは抽出の時間が早すぎて直ぐに渋くなるからダメだ。
お茶菓子は時間的にもうアフタヌーンティー*5の時間だからな、こう言えばドビーなら気を利かせてくれるだろう。
「セカンドフラッシュ*6は有りませんの?お茶菓子はサンドイッチとスコーンを、ペストリーは任せます」
色々と注文をつけるギネヴィアに、痛くなった頭を手で押さえつつ、どうすれば良いか迷っているドビーに、申し訳なさを感じつつ指示を出す。
「……はぁ、セカンドフラッシュだドビー、僕はレモン、ギネヴィア・テイラーにはミルクティーでな。サンドイッチは野菜多めだ」
僕の言葉に頭を下げて妖精の姿現しで消えるドビーに、今度ハリー・ポッターと会った時には、仲を取り持てるようギネヴィア・テイラーに強く言っておく事を決める。
「よく分かってますわね、流石は英国貴族ですわ」
「茶化すな、それで?ギネヴィア・テイラー、君は図書館で本を読むのが生き甲斐じゃ無かったのか?」
うちのドビーは喫茶店の店員じゃないのに、あんな注文しやがって、ここぞとばかりに欲しいものを頼んで、遠慮とか知らないのか、こいつは。
僕がそう思いながら皮肉を言うと、ギネヴィア・テイラー僕の言葉にうなずいて、しかし楽しそうに笑った。
「えぇ、勿論そうなのですが。最近は気になるものが出来ましたから、そちらに夢中です」
「君みたいな女性が夢中ね、気になるものが気の毒だよ」
心の底からそう思うよ。この女が興味を持つと言うことは、相手の人権が無視されるって事だ。
こいつと仲の良いミリア・エインワーズや他二人のルームメイトが、本当に謎だ。何故こんなイカれた奴の友人になんかなっているんだか。
「あら、酷いですわ。そんな事を言うから、ミリィやエレナに誤解されるのでは?」
「そんなの知らないさ、僕は身内に理解されていればそれで良い」
「その点に関しては同じ意見ですが、もう少し社交を学びなさいな」
「君は僕の母親かい?お節介は止めてくれ」
「別に良いでしょう。それとも、もっと大人しい
「少なくとも、もう少し落ち着きは欲しいな。後自制心」
「耳に痛いですわ~、まぁ直すつもりはありませんけど。好奇心は発見の父が持論ですのよ」
猫のように笑うギネヴィア・テイラーにやりにくさを感じて、必要の部屋に入る時に、自分が思っていたより皮肉な言葉が出てきた。
「良い持論だな、免罪符じゃないが」
「………ええ、気を付けますわ」
日頃の笑い方とは違う、まるでチシャ猫のように大きく唇を広げて、歯を見せるように笑うギネヴィア・テイラーに、思わず寒気と嫌な予感がする。
必要の部屋の中を確認しながらそれを頭の中から振り払いつつ、ギネヴィア・テイラーに座るよう促す……前に座ったな、こいつ。
「では、お茶の時間までに日記帳以外にも質問をしても?」
「好きにすれば良い。唯し、正直に答えるのは日記帳の質問のみだ」
「それが聞ければ結構ですわ、正否は元々気にしていませんから。マルフォイさん、あなた
「………………なんの事かな?」
この段階でバレるのは不味いッッッ!?
「油断し過ぎですわ、魔法薬学の時間に練習するなんて」
「口笛だよ、第一何で蛇語だと?些か荒唐無稽じゃないか?」
焦りがバレないよう誤魔化しを入れると、ギネヴィア・テイラーがそれはもう笑顔で頷く。
「えぇ、
これは、バレたな。ヴォルデモートの奴との授業までに、少しでも上達してないと拷問されるから、暇や余裕さえあれば練習していたのがあだになったな。流石に迂闊過ぎたか。
このタイミングで、ドビーがティーワゴンと共に姿現しで現れた。
手早く丁寧に準備をするドビーに、ギネヴィア・テイラーも感心している。
「良い屋敷しもべを雇っているのですね、羨ましいですわ」
「本当に助かってるよ、ドビーはもう手放せないな」
「あぁ、坊ちゃま!」
感激するドビーを横目に、ミルクティーを飲むギネヴィアを警戒する。
「生ハムとレタスにトマトのサンドイッチですか、美味しいですわ。ハリー・ポッターとの仲を取り持つのは任せてくださいな、ドビーさん」
「勿体無きお言葉です!!どうぞドビーめの事は呼び捨てに」
感激するドビーに二人っきりにするように指示を出す。ドビーがハリー・ポッターと話すときに、余計なことを言わないようにな。
「よくやったドビー、二人で話したいから、日記帳を持って部屋に戻っててくれ。夕飯は部屋で取るから、準備を頼む」
「畏まりましてございます。坊ちゃま」
ドビーが消えた後、トマトとチーズのサンドイッチを食べていると、サンドイッチを美味しそうに食べているギネヴィア・テイラーを見る。
この美少女の形した好奇心の狂人、なまじっか見た目が美少女なのが達が悪いんだよな。
両手でサンドイッチを持ってるせいで、胸が圧迫されてむにゅりと形を変えてる。さっきの考えてる時の仕草もだが、絶対わざとだろこいつ。
「なんですの?じろじろ見て、そう言うのはバレないように見るものですわ?」
「お前、絶対わざとだろ!?」
「言いがかりですわ~。そ・れ・よ・り・も、日記帳の事を質問しても?」
柳に風と受け流して、のほほんと笑いつつスコーンにクリームとジャムを塗るギネヴィア・テイラー。
「先ず何が聞きたい」
「あの日記帳、一体何なのです?最初から説明をお願いしますわ」
笑顔で食べるギネヴィア・テイラーに毒気を抜かれつつ、あまり情報は抜かれていない事に内心で安堵する。僕が自分で暴露するなら未だしも、知らない内に情報を抜かれるのは、心臓に悪い。
「父さんが持ってた闇の魔術が込められた日記帳。大分ヤバイ代物だ」
「ヤバイとは、またあやふやですわね」
「少なくとも僕が知りうる手段での破壊は不可能。そして意思があり、日記帳に文字を書き込んだ相手とゆっくり魂を融合させ、やがて乗っとるものだよ。
能力は複数あって、日記帳にある記憶を追体験させるのは初期の段階から出来る。
その次に日記帳内の空間に閉じ込められる事が出来る。
日記帳内部の時間軸を現実世界とはずらして、僕の確認している限り、最大で5分を6時間に引き伸ばした。
日記帳内部で、日記帳の意思と直接会話できる。
日記帳内部の空間では、何をしても現実の身体に影響は無いが、経験や知識を得ることは出来る。
日記帳との魂の融合が一定水準を越えると、身体を日記帳に操作される、これはこちらの意思を無視しての操作だ。今のところ記憶の欠落は無い、操られている間も意識はあるんだ。
これを過ぎると、今度は頭の中で考えている事も筒抜けになる。
ここまで来ると後は魂の融合の最終段階、日記帳の意思の実体化と、融合した魂の持ち主の死亡だ」
僕の長々とした説明に、フルーツサンドを食べるギネヴィア・テイラーの口が止まる。直ぐに動いてミルクティーを飲むと、溜め息を吐いた。
「特大の疫ネタですわね、あなたはもう?」
「大分魂を融合させられている。近くにいると思考を読まれる位には」
バナナとチョコのサンドイッチを食べる。チョコソースの量がちょうど良い、流石はドビーだ。
「日記帳の目的は?」
「自身の復活だ。あれがホグワーツでもし復活したら、イギリス魔法界は大混乱だ」
僕がイギリス魔法界と言った所で、誰が作ったのか理解したのだろう、ギネヴィア・テイラーが珍しく動揺していた。
「………グリンデルバルドかしら?」
「惚けるな。分かっているだろう?ヴォルデモート卿だよ」
「では、あなたを生け贄に?」
「いや、それなら今学期始めに復活してる。目的はハリー・ポッター……若しくは半純血だ。自身と同じ半純血の魂を融合することで、完全な復活が出来ると考えているらしい」
「ヴォルデモート卿が半純血?過激派純血主義者でしたわよね?」
「父親がマグルだ、母親は純血のマールヴォロ家、マグルと子供を作ったからか、母親は家を追い出されて病死だそうだ、ヴォルデモート卿は施設育ちだよ」
「そう、ですの……………」
僕の施設育ちという言葉に、誰を思い浮かべたのか、ギネヴィア・テイラーは黙りこくる。別にショックを受けた訳じゃないようで、ジャムとクリームたっぷりのスコーンを食べてるが。
「あなたにリスクを承知で日記帳を持ち歩かせているのは?」
「僕に『秘密の部屋』を開かせるため。中の怪物を従える、その為の訓練のためだ。中の怪物はバジリスクだ」
「予想はしてましたが、最悪の一歩手前ですわね、バジリスクとは………はぁ、校長は何て言うのでしょうか」
「ヤバイだろ?記憶を追体験したが、あれはヴォルデモート卿レベルの魔法使いじゃないと無理だ。ダンブルドア案件だよ」
「秘密の部屋の入り口も分かるのですね?」
その言葉が意外で、フルーツタルトを食べる手が止まる。意外そうにギネヴィア・テイラーを見ると、真剣な顔をしてこちらを見ていた。
「意外だな、推理と付き合っているような君が、答えを求めるなんて」
「事が事です、私の流儀なんて些事ですわ」
「はぁ、そうかい。女子トイレだよ、嘆きのマートルがいる女子トイレだ」
「何故そん……………そう言えばトイレは最近出来たものでしたわね」
あぁ、母さんに聞いた事がある。ホグワーツでトイレが出来たのは18世紀の中頃だと、それ以前はトイレが無い悪夢の時代だとな。
「博学だな、トイレがある時代に生まれて良かったよ」
「古代ローマはあの頃既に上下水道に公衆トイレを作っていたのに、何故ホグワーツ城を作った当初に出来なかったのでしょうね」
「衛生観念は未発達で感染症の温床だったろうに」
鴨肉とレタスのサンドイッチを食べながらいうと、ギネヴィア・テイラーは意外そうな顔をしてこちらを見てきた。
「あら、マグルの歴史に興味が?」
「ヴォルデモート卿が詰め込んできた知識に、歴史があったんだ。半純血で元々マグル育ちのヴォルデモート卿は、マグルの歴史を知って、あの思想になったんだよ。マグルと魔法族は別の生き物だってな」
「意外ですわね、典型的な差別主義者だとばかり思っていましたわ」
「僕も、マグルの歴史を知った今、魔法族や純血が最優とは、とても思えなくなったよ」
少なくともだ、才能に左右される魔法ではなく、科学によって構築された
魔法は特別だが、科学は平等だ。
ヴォルデモートがマグル生まれと純血を区別して、マグル生まれを危険視していた理由が分かった。
マグル生まれの彼等彼女等は、科学知識と魔法によって、魔法科学とも言うべき分野を開拓している。いずれはそれが魔法にとって代わり、古くから続いてきた魔法は廃れ、純血や純粋な魔法族が淘汰される。ヴォルデモートはそこに目をつけたんだ。
元々あったマグルの父親に対する嫌悪とマグル生まれの人間に対する警戒心が合わさり、あの差別主義者へと変わった。
「魔法は特別だが、科学程平等じゃない。」
「えぇ、そうですわね。魔法は誰でも学べるものでは無いですから」
その言葉に頷く。折角の鴨肉の味が褪せてきた。
父さんが言ってた事が見に染みたよ。
………はぁ、なんだ、らしくないな。感傷的になっている。
「話を戻そう、秘密の部屋は蛇語を合言葉としている。そしてバジリスクは、自身より強い相手を主と認める。バジリスクを従えるには、一度バジリスクに勝たなければならないんだ」
「ヴォルデモート卿があなたに蛇語を教えているのですね?」
「あぁ、バジリスクに勝てるように魔法の特訓もな。
心が折れそうになっても、ハリー・ポッターとミリア・エインワーズの事を思い浮かべれば、怒りと妬みで堪えられる。
「厳しいを越えてますわよ、それは」
「だが強くなれているんでね、今なら6年生相手でも勝てるよ、僕は」
少なくとも末端の
僕にとっては父さんは釣り人間で、スネイプ先生は魔法薬学ヲタク何だが。
逆にベラ叔母さんは、戦うことしか出来ないから、納得と言えば納得なんだけど。
「男はホント………今回はあなたも被害者ですし、何かあったら言いなさいな、手伝うくらいならしますわ」
「気味が悪いな」
「私は私に素直なので、正直な気持ちですのよ?」
そう言って笑うギネヴィア・テイラーは、いつもよりも大人びて見えた。
ファーストフラッシュは一番最初の収穫時期である。新芽が多く、収穫量が少ないため、他の時期のものに比べると比較的高価。アッサムの場合は他の収穫時期より飲みやすく、紅茶の色が明るいのが特徴
伝統的なものはサンドイッチ・スコーン・ペストリーが3段のティースタンドに盛り付けされ、サンドイッチから順番にゆっくりと時間を掛けて食べるのがマナー。
サンドイッチは野菜多め、ペストリーと呼ばれるものはフルーツタルトが特に伝統的なものと言える。
アッサムの場合は「モルティー・フレーバー」と呼ばれる、甘く芳醇な香りが特徴で、ファーストフラッシュよりも味に深みがあり、力強い味わいと言われている。一般的にミルクティー向きの茶葉とされる。
この話の時系列はあえて私から明記しません。その方がギネヴィアの異常さが際立つかと。
どうしても知りたい人は、私にメッセ送ってください。ヒントと言う名の怪文書で返答します。
秘密部屋編アンケート、同数票だったので、決戦投票です!!
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ウィーズリー覚醒 バジリスク討伐
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ギネヴィアの私TUEEEEEルート