ハリーポッター ハッフルパフの聖女   作:リムル=嵐

36 / 36
お久し振りであります、就職先での仕事に少しだけ慣れた作者です。
未だ未だリアル事情が安定してないので、今年のハリポタ祭り出来るか分からんのですが、取り敢えず出来たので投稿です。


父親×校長×蛇先生

sideギネヴィア

 

ドラコとの対決が終わった次の日、校長室で私はマルフォイ家に行こうとするダンブルドアを呼び止めた。

 

「つまりじゃ、君はマルフォイ家を黙認しろと、そう言うのじゃな?」

 

「黙認も何も、あの家は元々必要悪の家でしょう?」

 

おかしな事を言うダンブルドア先生に、そう返して微笑む。

 

「お主は……本当にマグル生まれなのかたまに疑問に思うわい」

 

「それを言ったら、そもそも魔法族なんて突然変異の希少種ですわ」

 

「………話を戻すが、マルフォイ家当主、ルシウス・マルフォイの過去の死喰い人(デスイーター)としての活動を黙認しろと、そう言うんじゃな?」

 

「もしあの家族の仲を引き裂くような事があれば、()()()()()()()()()()()()()()()()

 

それも、今度は半純血何て中途半端なものじゃない、歴とした純血の、闇の帝王の正式な弟子だ、その影響力は未だ立ち直れていないイギリス魔法界に計り知れない混沌と恐怖をもたらすでしょう。

ドラコと話す機会はあった筈、それならば彼が何よりも自分の家族や友人を護る事を大事にしている事が分かる筈だ。

 

「じゃが放置するのも問題じゃ、あの家は黒い噂が絶えんでな、今回の事で何も動かないのもこちらとしては論外」

 

「なら、口裏を合わせてマッチポンプでもすればいいのです、政治家の十八番でしょう?」

 

「こちらに旨味が少ない、それならば()()()()()()()()()()()()……分かったから、その杖を下ろして欲しい」

 

咄嗟に抜いた杖をやんわりと下げられる事に、自分の未熟さが出ていて顔が熱くなる。

 

「彼を敵に回すなら、私も敵に回すことをお忘れ無く、それと、スパイは居た方が良いのでは?」

 

悔しさを誤魔化しながら言うと、ダンブルドアは悩むような表情でこぼすように言う。

 

()()()が未だ死喰い人を信用しているか、儂は分からぬ」

 

「未だ日記を大事に保管していた、これだけで死喰い人はある程度信用されていた筈です」

 

「今はどうか分からぬと?」

 

「私にもそこまでは分かりませんわ、会ったことも話した事も無いのですから」

 

ですが、今の現状を打破する発破になるかもしれない、そう続けると、ダンブルドアは考え込み始めた。

 

私も今ここでマルフォイ家と敵対するかどうかのメリットデメリットを今一度考えるが……腐っても名家、あの家の影響力は未だ大きい。

 

仮に敵対した場合、未だ潜伏している死喰い人との全面戦争になるでしょう、一網打尽に出きるかもしれないが、魔法省側の被害も馬鹿にならない筈、名家やエリートが多い死喰い人の集団、それを相手にするのはリスクが高過ぎるのです。

 

そして仮に今回の事を出汁にこちらが優位に立とうとした場合、これもあまり旨味が無いのです。あの家なら例えダンブルドア相手であろうとも、屈しない強さがある。

特に当主のルシウスの強さは異次元だ、一目見ただけで分かる、彼は魔法だけの頭でっかちな魔法使いではない。家のホームパーティに来たプロの格闘家にも通じる雰囲気、そして世間からのマイナスイメージに屈しないだけの政治的手腕。

そして彼の深海を想像させるような深い碧眼は、歴戦の政治家とも、一流のアスリートとも違う、ある種の未知の恐怖すら私に感じさせた。

 

はっきりと思う、あの男と敵対するのは危険だ。

 

こちらからもあちらにメリットを提供して、お互いが対等位で丁度良い。

 

暫しの沈黙の後、目を瞑り悩んでいたダンブルドアが言う。

 

「手紙を出そう、こちらで起こった事の説明と、三者面談の相談じゃ」

 

「賢明な判断かと」

 

「これでは儂もコウモリじゃなぁ」

 

黄昏るダンブルドアに、御愁傷様ですわと言って校長室を後にする、この後はニコラス教授の部屋で個別授業があるのです。

 

 

 

sideルシウス

 

「どういうことだ!!」

 

書斎でホグワーツから送られてきた手紙を読んで思わず叫ぶ。

 

"何故ドラコがあの日記帳を持っている"

 

妻に内容をバレないよう燃やして灰を窓から撒くと、ドラコから送られてきた週一定期の手紙を読み返すが、どれもありきたりなもの、強いていえば季節の挨拶が巧くなってるくらいだ。親に隠し事とは……成長を喜ぶべきか怒るべきか悩むな。

 

「こうなったら陣営を変え…………ナルシッサが危ないな、だがどうすれば?ヴォルデモート(我が君)がご存命なのはあの日記からの情報で分かっている…面倒な事をしてくれて、これも血筋か」

 

お歴々に相談するべきか、また小言をもらう羽目になるのか、嫌だなぁ、釣りの良さを理解できない奴等なんて。

 

「だが、私だけだと、また暴走がちになるからな、釣りと木工以外は門外漢なのだ私は、何故こんな事に……」

 

ぶつぶつと愚痴を漏らしつつ書棚に隠してあるスイッチを押して書棚底の固定を外すと、横にスライドさせる。

お手製のなんちゃって隠し戸だ、こればかりはあまりにも"らし過ぎる"から、専属の屋敷しもべ"一人"を除いて、誰にも知られていない。

床に積もった埃にも誰も入っていない事が確認できる。

これは上に乗った設定していない者だけを感知し、私の寝室にある鏡に報告する埃だ。エジプトからの輸入品で高いが、効果は確かなのでここだけ埃まみれなのだ。

 

「毒蛇を持って悪を律す」

 

壁にしか見えない隠し戸の扉に、口伝の合言葉を告げると、うっすらと壁に線が引かれ、一部が凹み取っ手になる。それに手を掛け押し戸を開くと、隠し戸になっている本棚を内側から戻す。誰か来てバレても困るからな。

 

「お久し振りです、お歴代様」

 

のんびりとクロッケーをしたりチェスを指していた()()()()()()()達に挨拶をすると、騒騒とこちらをみて集まって来るではないか、わざわざ描かせた家からどんどんと増えていって九人、私からみて十代前から先々代までのマルフォイ家の元御当主である。

 

私が来たのを騒々しく迎え入れたお歴代と挨拶を交わしていくと、お歴代達は元の生活に戻り……先々代、私の祖父が私の話し相手になった。

茶会の絵が描かれた絵画に入った祖父に合わせて、絵画の前で紅茶を淹れると、祖父が紅茶を飲んで言う。

 

「近頃はどうだ、問題は無いか?」

 

「それなんですが、(せがれ)がやらかしまして」

 

ホグワーツから送られてきた手紙の内容を相談すると、祖父は驚いた用に顎を撫でる。

 

「ドラコが?あやつはそんな度胸無かったと思うがなぁ」

 

「大方、私の部屋に忍び込んで探検でもしたのか、何か弱みでも探してる時に見付けたのでしょう」

 

ナルシッサに怒られた時にでも味方になって欲しくてとか、そんな理由だろう。

 

「お前の嫁に似て悪戯坊主だからな」

 

ナルシッサの昔の事を言われて視線を逸らす。

ホグワーツでは酷かったからな、何がとは言わないがな?

 

「今は良き妻ですよ、最愛の妻です」

 

「昔はうちの屋敷でも悪戯ばかりだった、ブラック家はとんだ悪戯娘を寄越したものだと思ったよ」

 

そうしてつらつらと妻の悪戯を上げていく祖父に、私も困ったように笑う。

幼馴染みで許嫁だったうちの家で甘えてたんだ、反抗期の時に家族と上手くいってなかったのが原因だとは思うし、妻もそんな風に思ってる筈だ。

 

何せ、シリウス・ブラックとベラトリックスがほぼ同年代だ、ブラック家はそれはもう荒れてたろう。実際荒れていたし、もう一人の姉のアンドロメダも当時から既に純血主義の中では穏健派、マルフォイ家に近い考え方だったからな、ブラック家の考え方とは少し合わないし、それが原因で、ナルシッサと二人でよく我が家に家出してきていた。

 

当時は本当に大変だった、私はついぞ反抗期なぞ来なかったが、それは近くで酷く荒れていたナルシッサとアンドロメダがいて、それを見て冷静になってしまったからだ。

 

お陰でホグワーツでも皆の愚痴を聞くのが役目になって、嫌気が指して後輩の面倒を見てたら、後輩から好かれる事になったのだから、何がどう転ぶのか分からないものだ。

 

「それでも、根は家族想いで聡明で、そして気高い。孫には勿体無いと思ったよ」

 

祖父にそう言われて、我が事の様に嬉しくなる。

 

「今でも、妻には怒られてばかりで、たまに私がナルシッサの夫で本当に良いか悩みます」

 

「お前のその小心は一生ものよな、自信を持て。独学で蛇語(パーセルタング)を習得した我が家きっての秀才よ」

 

「そこは天才では無いのですね」

 

まぁ、蛇と話せた方が釣りで役に立つと思ったからなんだが。ほら、川釣りで穴場のような場所を探すとなると、現地の動物に聞くのが一番手っ取り早いからな。

 

「天に愛されてると言うのは初代様を言うのだ、その変な自惚れも悪癖だぞ我が孫よ………して今日は、そのひ孫のやらかしの相談か」

 

「ええ、はい。予定よりも立ち回りが難しく」

 

元々機を見て離反する予定だったのが、あれを息子に盗まれて失敗だ。離反した時の切り札の一つだったんだが。それに向こうに先手を打たれた、ダンブルドア(あの爺)の事だ、この機を逃さずに私から絞れるだけ情報を絞る筈だ。私を牢に入れるよりもそっちの方が爺にとって得だからな。

 

「我が家の家訓じゃ孫よ」

 

「『毒蛇をもって悪を律す』ですか?」

 

合言葉にもなってる家訓を言うと、祖父は嫌そうな顔を浮かべて否定する。

 

「未だあったじゃろ、『悪人とは所業が悪行に見える人であり、善人とは悪行を善行に見せる人である』これじゃ。つまりじゃ孫よ、悪人と善人の違いは、所業の見せ方だけじゃ」

 

「諺か何かのようですな」

 

そんな家訓あったかと頭を捻るが、出てこない。大方家の歴史書にでも埋もれてるんだろう。祖父はそういったものが好きだった。

 

「お歴代の誰かが外国の諺から引っ張ってきたんじゃろ、お主の後輩の根暗そうなあの黒髪の……名前が出てこん」

 

あんまりな言い方に笑いそうになるのを堪える。どんだけあいつは周りからそういう目で見られてたんだ。根は誰よりも熱い奴なのにな。

 

「セブルスですか?」

 

「そうじゃ!セブルス・スネイプ、あやつはもう()()()()()()

 

祖父のその言葉にピンと来た。スネイプはダンブルドアのお気に入り、あいつを助けるならダンブルドアも悪い条件はつけないか。

 

「未だバレては居ない筈です、二重スパイは。疑いは持たれていますが」

 

「ならそれを助けよ、それと復活までにお主が()()()()()()()()()

 

セブルスを助けて、疑いを持つ相手をそれとなくアズカバンに飛ばせと、また無茶な申し出をする。もう死喰い人としての集まりは殆んど無いのに、どうしろと言うのだか。

 

「派手に動けばペティグリューの奴に気付かれます、あいつの行方を未だ掴んでいない」

 

あいつは死んでいない。シリウスに罪を擦り付ける為にあの決闘をして、そして逃げられるように途中まで計画を手伝ったのは私だ。

死喰い人(デスイーター)になってあいつは我が君相手に脅えてばかり、他の側近が虐めてばかりだったから、もっぱら私が面倒を見てたのだ。ベラトリックスは特に虐めが酷かったからな。

だが計画後の事は知らない。私から他の死喰い人に漏れるのが怖かったのだろう、それを私に打ち明けることは無かった。

 

つい考え込んでしまった私に、祖父がスコーン片手に言う。

 

「そんなもの、いくらでもやり方はあるじゃろ、何の為のマルフォイ家家訓じゃ」

 

毒蛇になって悪を律するため。必要悪を自覚し、魔法つかい全体が悪に落ちない事こそが、初代様から延々と続く役目。

それを思い出して頭を下げる。

 

「掃除には細心の注意を払いましょう」

 

「それを理由にあちら側に寝返ろう。お主は腹心じゃった、この段階で掃除できるのは僥倖よ」

 

まぁ、確かにそうだ、だがこの手で人を殺した事など無い、我が君の話し相手ばかりしていたのだがなぁ。

あの性格相手に話し相手をしていたのだから、金をもらってもいい気もするな。私はホストでは無いから受け取らないが。

 

「魔法省の膿出しもしましょうか」

 

「それは未だよい、ひ孫の初仕事にでもしよう。それよりも監獄の強化じゃ」

 

「アズカバンはこれ以上無い位には厳重ですよ?」

 

「内側には強くとも、外側からは弱かろう」

 

内側程じゃないにしても、堅牢と言って差し支えない厳重さなんだがな。

 

「ペティグリューが動くと?」

 

「可能性はある。特にあれからもう十数年、今更他の奴等が監獄に閉じ込められ始めたとなれば、あやつだけでなく、死喰い人は何かあったと考えるじゃろう。そこからヴォルデモートの復活の予兆と考える奴も出てくる筈じゃ。それと裏切り者を探す事もな」

 

「情報提供には注意を払いましょう」

 

やはり混乱した時は祖父に相談するのが正解だな。

 

最初はあの爺に手紙を出すか、いや、同じタイミングでセブルスにも出そう。あいつには特に手を焼かされてたからな、私とナルシッサ……は結構嫌々だったが、ホグワーツ当時から面倒を見てたのだ、勉強やら何やらな。他の上級生があいつを差別するから、監督生の私が面倒を見てただけだが。

 

「今度は私を助けてもらうぞ、セブルス……上手くいかなかったら家族で高飛びだな、麻生に匿ってもらおう」

 

久し振りに日本で鮎釣りでもしてみたいものだ。

 

 




気長に続けて行きまっしょい、息の永い(死に損ない)シリーズですわ。

秘密部屋編アンケート、同数票だったので、決戦投票です!!

  • ウィーズリー覚醒 バジリスク討伐
  • ギネヴィアの私TUEEEEEルート
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。