魔王の俺と勇者なクラスメイト[現在修復中]   作:無月・黒焔(現在萎えモード)

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この度は、アカウント名を変える際に、ログアウトではなく、退会をしてしまい申し訳ありませんでした。多少内容は変わってしまうかも知れませんが、前のアカウントで連載していたところまで急いで執筆していきますのでお許し下さい。


我が名は【吸血鬼王】ファラン! 東の大陸アルテミシアを統べる魔王なり!

黒と紫色が混じり合った壁。そんな壁につけられた松明の光で壁が怪しく輝く。巨大な広間の真ん中にレットカーペットが敷かれ、広間の奥の玉座に座る者が1人。どうも俺ことファランです。魔王やっています。展開が早くてすまねぇ。文句は作者に言ってくれ。

 

 少しだが、俺とこの世界の事について説明しよう。まず、俺が魔王をやっているこのファンタジーな世界はカルミラ。東西南北に大陸が分かれていて、1つの大陸に王国と魔王が存在する。

 

 次に俺は東の大陸アルテミシアを統べる魔王で、転生者だ。邪神に寝顔がウザいというくだらない理由で殺されて、勝手に決められた特典を持たされて吸血鬼にTS転生させられた可哀想な子です。不死の加護っていう死なない特典があるから、死ぬほど修行して、他の特典使ってハチャメチャしてたら魔王になってました。

 

「……暇だ」

 

 魔王って言ってるけど実際やることがない。俺の部下とか眷族が人間の村とかを襲って領地を拡大してるし、俺の執事は殆ど何でも出来るナイスガイだし。ぶっちゃけ、俺居なくても魔王軍は機能する。だって100年間ずっと座ってるだけだよ? そりゃあ、偶には出掛けるけど、それ以外ニートしているようなもんだからね?

 

 まだ魔王じゃない時の方が色々あった。ほぼショッキングな事がだらけだけど。

 

「ファラン様。ご報告が」

「む? どうしたハディン?」

 

 音もなく現れて俺の目の前で跪く白髪、赤目の青年の名はハディン。先ほど言っていた俺の執事で殆ど何でも出来るナイスガイだ。

 

「魔王軍の監視部隊からアラン王国に魔法陣が展開されたとの情報が。恐らくは勇者を召喚するのかと」

「勇者を召喚だと? 勇者を一人召喚したところで何も変わらないのだが」

 

 俺が魔王になったとき、折角なので魔王城を立て直す事にした。その際に、トラップを色んな場所に仕掛けまくった結果、勇者が城に攻めてくる際に「ギャアアア!」という悲鳴が聞こえたあと、勇者の亡骸が俺の前に運び込まれる。俺は魔王城にトラップを多く仕掛けたせいで、夜な夜な考えたセリフを勇者の前で言えずに終わっている。誰か助けてくれ。

 

「ただ、今回の魔法陣は巨大らしいのです。監視部隊の予想では大勢の勇者を召喚するかもしれない、とのことです」

 

 魔法陣とは、魔法を効率よく使用するために使われる術式である。魔法陣を使わず、詠唱だけで魔法を発動させる事は出来るが、魔力の消費量は増えるし、発動するまでの時間も長くなる。逆に言えば魔法陣を使えば魔力の消費量が減り、発動するまでの時間は短縮される。使用する魔力が多くなればなる程、魔法陣も大きくなり、魔法の発動も長くなる。まぁ、俺は『魔眼』という特典のおかげで自分の魔力を使わなくても大丈夫だけどね!

 

「そうか、ククク、アラン王国も学習したのか。ハディン、監視部隊に伝えておけ。少しでも動きがあれば連絡しろと」

「象徴致しました」

 

 ハディンは一瞬でその場から消え、俺はまた一人になった。俺は玉座の肘置きに頭と足を乗せるようにして仰向けになる。前にハディンにこの状態を見られて「淑女としての嗜みを……」と言われたけど、そんなの知らん。俺は男だ。

 

「あ~暇になった」

 

 やることも無い。城の中を歩いていてもつまらない。ならば行く所は一つだ。

 

「よし、久し振りに行くかアラン王国に」

 

 アラン王国に行くのは転生して少し経った時以来だ。あん時はハチャメチャしまくってたなぁ。そんな事を思いながら、俺は変装をしてハディンにバレないようにアラン王国へと向かった。ハディンの奴勝手に出掛けると怒るんだよ。しかも、門限まである始末。魔王に門限って……無いわぁ。

 

◆◇◆◇◆

 

「いいなぁ~、これもいいなぁ~」

 

 東の大陸アルテミシアにある国であるアラン王国は、四つある王国の中で一番商業が盛んな王国である。そんな王国の中でも最も商業が盛んな場所、通称商業街にて一人の女性が目を輝かせながら歩いていた。

 

 腰まで長く伸ばした艶のある黒髪、キラキラと輝く赤い瞳。魔導師の帽子を被り、黒いコートを羽織りながら、赤い石が填められている杖を持つ。時折、通り過ぎる男性が振り返る程の美形である彼女の名はファラン。東の大陸アルテミシアを統べる魔王である。

 

 そんな彼女が商業街に居たら大惨事が起きるだろう。アラン王国の城門にいる門番は打ち首に、アラン王国にいる冒険者達と騎士団がファランを囲む事になる。そんな事にしたくないファランはわざわざ変装し、一人称と喋り方を変えている。しかし、そういった事があってもいいと少しは期待しているのだが。

 

「あら? 美味しそう」

 

 ファランは目に付いた串焼きを見て呟く。そんなファランを見てか、串焼きを売っている店の人がファランは話しかけた。

 

「らっしゃい嬢ちゃん。見た感じ冒険者かい?」

「ええ、つい最近なったばかりなの。店員さんこの串焼き一本くれないかしら?」

「喜んで」

 

 ファランは御代を払い串焼きを受け取る。しかし、受け取った串焼きは二本だった。

 

「あら? 一本多いのだけれど?」

「なに、最近冒険者になったばかりの嬢ちゃんへのサービスだ。色々大変かもしれねぇが、頑張れよ」

「ええ、ありがとう。それじゃあ」

 

 その場から立ち去るファランは少し笑っていた。

 

◆◇◆◇◆

 

 空が柑子色(こうじいろ)に染め上がり、夜の訪れを告げる。太陽はゆっくりと沈み光が弱まるが、吸血鬼に対する効力を失った訳ではなく、ファランは建物の影を移動しながら進んでいた。

 

「あれは……?」

 

 人気が無くなった商業街の外れ。その路地裏にて三人の男が一人の少女を路地裏に連れて行くのが見えた。完全なる犯罪。許せるものではない。

 

「先ほどの匂いは……!」

 

 魔族が持つ特有の匂い。微かではあったがその匂いを嗅いだファランは路地裏に向かって歩いた。

 

◆◇◆◇◆

 

「い、いやぁ……」

「いいなぁ、上玉じゃねぇか」

「喜んでもらえて嬉しいぜ【豪腕】の兄貴ぃ」

「なんたって相手はサキュバス。その中でも珍しいロリっ子ときたもんですから、何度死にかけたか分かりませんよ」

 

 魔族の中にはサキュバスという種族が存在する。サキュバスは生まれる者達が全て女性の姿をしている。ボンキュッボンの体型が多く、人間の男性を誘惑する。また、魔族であるため、力も強く、並大抵の男性では抵抗も虚しくヤられる。そんなサキュバスの中に偶にではあるが、ロリっ子のままの者もいる。そういった者は力も弱く、奴隷として売られることが多い。嫌がる彼女もその一人であった。

 

「ここで一発ヤってもいいが、いたぶるのも悪くはねぇ」

「なら、俺に受け渡すのはどうだ?」

「あ?」

 

 【豪腕】と呼ばれた男が声がした後ろに振り向く。路地裏の入り口にはファランが立っていた。夕日に照らされ、輝く赤い瞳は冷たい。

 

「なんだテメェ?」

「俺はそこにいる者の仲間だ」

「ハッハッハ! こりゃあ傑作だ! まさかオマケが付いてくるなんてなぁ?」

 

 【豪腕】は右手で顔を隠しながら大声で笑う。しかし数秒後、ファランを睨めつけるような顔になり、二人に指示を出した。

 

「ヤれ。こいつはいらん」

「了解ですぜ兄貴ぃ。やっぱりあんたは最高だ!」

「なら、お言葉に甘えさせてもらいますよ!」

 

 ファランに襲いかかる二人。右手を伸ばしたファランは一人の男の頭を掴み、地面へと叩きつけた。頭を掴まれた男は床を赤く染めながら絶命した。

 

「く、くそが!」

「遅い」

 

それを見たもう一人の男は怒りにまかせて攻撃しようとするが、それを許さんとファランは血で染まった右手で、男の頭を吹き飛ばした。頭が無くなった身体からは血が噴水のように溢れ、路地裏の壁に叩きつけられた頭は壁に赤い華を咲かせる。

 

「テメェ……何者だ? その強さ並みの者じゃねぇ」

 

 ファランが二人を秒殺した光景は【豪腕】に命の危険を知らせるには充分過ぎるものであった。

 

「ここで言うことになるのか、まぁいいだろう。我が名は【吸血鬼王】ファラン! 東の大陸アルテミシアを統べる魔王なり!」

 

 路地裏に響いたファランの声は【豪腕】の耳によく届く。【豪腕】は多少震えながらも笑みを浮かべた。

 

「そうかテメェがあの【吸血鬼王】かならテメェを倒せばこの俺が」

 

 どこからともなく現れ、高速で飛んできたフランスパンによって【豪腕】の頭は吹き飛ぶ。

 

「やはり愛すべきはフランスパン。最強の武器よ」

 

 ファランが持つ特典の一つである『フランスパン』。名前はふざけてはいるが、フランスパンの原型を留めていれば、鋼鉄のように硬くしたり、毒を付与したりなど、フランスパンを魔改造して出現させることが出来る。ファランのお気に入りの特典である。

 

「さて、貴様はサキュバスだったな?」

「ひゃ、ひゃい!」

 

 変な返事をするサキュバスを見てファランはクスクスと笑う。空を見れば、黒く染まり、月と星が路地裏を照らさんと輝く。商業街にも人は居らず、魔族を連れて行っても問題ない。

 

「俺はこれから城に戻る。その途中でサキュバス達の集落があった筈だ。共に来るか?」

「い、いいのですか? 私のような者が、ファラン様と」

「別に構わん。さて、行くとするか」

「は、はい!」

 

 ファランはサキュバスを連れて商業街を歩く。この日の出来事が後のファラン率いる魔王軍とアラン王国の戦争になるなど、この時のファランには知る由も無かった。




~インフォメーション~

カルミラ
ファランが転生したファンタジーな世界。東西南北で大陸が分かれている。

アルテミシア
カルミラにある東の大陸。他の大陸と違って少し夜が長く、そのせいで夜に関する魔族がワラワラいる。

アラン王国
東の大陸アルテミシアにある王国。他の王国より商業が盛ん。

ファラン
黒髪、赤目の主人公で、東の大陸アルテミシアを統べる魔王。転生前の記憶はあるけど、転生後の出来事がショッキング過ぎてあまり覚えていない。十代の美人さんだけど、100年以上生きてるBBA。そんな事は気にせず、楽しく愉快に過ごそうと頑張っている。

ハディン
白髪、赤目のファランに使える執事。残念ながらセバスチャン的なお爺さんじゃなくて青年。殆ど何でも出来るナイスガイ。

吸血鬼
血を吸い取ることが出来る魔族。不老ではあるが、不死ではない。子孫を残せる状態になってから不老になるが、どの年で不老になるかは本人達も分からない。太陽は天敵、にんにくは普通、十字架は目障りだからへし折る、流水は特に効かない、銀も意味をなさない。血が好きだけど普通の食べ物も食べる。

サキュバス
ボンキュッボンの女性が殆どの魔族。ナニとは言わないが、一歩間違えたらこの小説がR-18になるかもしれない危ない方々。偶にロリっ子が居たりする。

魔眼
ファランの特典の一つ。空気中にある魔力を見て、操ることが出来る。これにより、自身の魔力と魔法陣を使わずに即座に魔法が発動出来る。

フランスパン
ファランにが持つ特典の一つ。フランスパンの原型留めていればどんな魔改造も出来る。物干し竿にも、武器にも、栄養満点にも出来る。空中で出現させ、射出する事も可能。

不死の加護
ただ死なないそれだけ。
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